[ECTS速報#8]Harry Potter and the Philosopher's Stone - 09/03 15:40

 「ハリー・ポッターと賢者の石」の邦題で知られる大ヒット小説シリーズの第1作めが,Electronic Artsによってゲーム化されている。PS2版,ゲームボーイアドバンスド版などと同時に制作されているが,PC版ハリー・ポッターはUnreal Tournamentエンジンを使って開発が進む,シングルプレイヤー専用のアクションアドベンチャーである。これらのゲームは,ゲームエンジンはもちろん制作会社も違うという,最近のElectronic Artsのライセンスプロダクトでは頻繁に見られる制作方式を取っているが,小説のほうが全世界で9500万巻という圧倒的な人気のため,市場的に見れば,ゲームの成功も十二分に保証されているといえるだろう。

 とはいえ,ゲームの企画や制作が手抜きで行われているかといえば,もちろんそんなことはない。プレイヤーは,ハリー・ポッターを操作して魔法の学校ホグワーツでの魔法修業を行っていくという,ゲーム全体がトレーニングミッションになっているような独特のゲームプレイだ。"トゥームレイダー"のようにトレーニングミッションをこなしてからでないと先に進めないのではなく,教科実習という名目によって,1レベルずつ新しい魔法を身に付けていくのがゲームの目的であり,ひとつ一つのレベルを通して,マウスを使った魔法のサインの描き方やほうきの乗り方などを学んでいくのだ。どれだけ上手くミッションをこなしたかというレポートカード(点数評)がミッション終了後に掲示されるが,それ自体が大きなハードルになることもなく,比較的簡単に進めていくことができる。
 これは6歳以上のプレイヤーを対象にしているからであって,大人のPCゲーマーやコアゲーマー層には物足りないゲームに思えるのは事実だ。しかし,それでいてマジックカードや星型のオブジェクトを集めるような要素もあるのに加え,隠し部屋なども豊富に用意されており,どこか"スーパーマリオブラザーズ"のタイプのゲームのような趣向になっている。開発者は,「僕はあのマップで26個のマジックカードを集めたよ」などという,子供たちの間で自慢話の花が咲くようになるのではと期待を寄せているようだった。

 ミッションは,第1章から第5章までの五つのチャプター(キャンペーン)からなっており,オークと戦ったりチェスゲームをしたりという局面もある。ゲームプレイは,アドベンチャーゲームのパズルの要素を強調しており,自分が今までに習ってきた魔法を駆使してさまざまなマップを乗り越えていく。中庭ではほうきを使って紫色の光の輪を潜り抜けたり(セガの"ナイツ"のようだ),動くプラットフォームをジャンプしながら通過したり,オークと戦いながら目的地まで逃げるというようなものもある。このゲームではハリーが死ぬことはなく,最悪でも気絶する程度だという。これは,小説でもそういう描写はないというコンセプト上の処置であることもさることながら,子供たちやその両親から悲しみや怒りのメールが来ることを防止するための事前対策らしい。大人気のヒット小説だけに,ありとあらゆるファンを想定しているのだろう。
 各ミッションの間では,小説から切り抜いてきたような雰囲気のある紙芝居形式のアートを使ってストーリーが進行する。また,ゲームエンジンを使ったムービー場面もアクションが見事に融合されていて,小説ではお馴染みの20人程度のキャラクターが登場するという。その中には,ヘッドマスターのアルバスやマダム・フーチをはじめ,ロン・ウィーズリーやピーヴス,ハーモイン・グランガーらも含まれている。なんの操作もしていないハリーの"待ち"の状態では,周りを興味深そうに眺める仕草が可愛いし,NPCの教官たちもハリーの行動にいちいちリアクションを見せるなど,かなり作り込みもしっかりしているように見受けられた。
 発売予定は,映画公開とほぼ同時の11月。日本でも完全日本語版になるようなので,原作のファンの人は期待して待っておこう。"Alice in Nightmare"のような,原作ファンが見ていて嬉しくなるような作品に仕上がることを期待したい。残念ながらカメラ持ち込み禁止の特別ブースでの展示だったので画像資料が一切ないのだが,大人から子供まで楽しめそうな一作になりそうだ。


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