Sound Blasterに新シリーズ登場! - 08/20 20:22

 PC界におけるサウンド関連メーカーの大御所といえば,誰もが認めるクリエイティブメディア。Sound Blaster Live!シリーズでEMU10K1チップを搭載し,巨星Aureal亡きあとはひたすらトップを走っていたが,トップの地位に甘んじることなく,さらなる高機能サウンドの世界を提唱してきた。それが,今回の「Audigyプロセッサ」「EAX ADVANCED HD」だ。

 Audigyは,その名のとおり新世代サウンドプロセッサ。型番が"EMU10K2"であることからも分かるように,いままでの資産を継承し,さらなる発展形を示してきたわけだ。とはいえ単なるマイナーバージョンアップではなく,コアエンジンに32ビットマルチエフェクトエンジンを搭載し,四つのエフェクト(後述)を同時に処理できるようになっている。互換性を保ちつつさらなるパワーアップが図られているのは,ユーザーとしては(そしておそらくは開発者としても)純粋にありがたいところだ。

 一方のEAX ADVANCED HDは,上記Audigyプロセッサを最大限生かすための最新版EAXだと考えていいだろう。現状ではすべてが明らかになっているわけではないが,いままでのEAXに対して以下の四つの"エンバイロメント系"新規エフェクトが追加されることになっている。

・エンバイロメント モーフィング
 音響特性をリアルタイムモーフィングできる。「レースカーがトンネルを抜けて広い場所に出る」などの場面転換のときに音響効果がスムースに移行できる
・エンバイロメント パンニング
 物体が近づいたり遠ざかったりするときの位置関係をリアルに表現できる
・エンバイロメント リフレクションズ
 物体が障害物などで跳ね返って向かってくるような音響効果をリアルに表現できる
・エンバイロメント フィルタリング
 屋内と屋外の環境の違いを正確に表現できる

 当然のことながら,ゲーム開発者にはEAX ADVANCED HDゲームオーディオライブラリがツールとして配られるので,今後のPCゲームではまず間違いなくサポートされることだろう(EAXなどのときのように,パッチレベルでの対応も期待できるかも)。

 またEAX ADVANCED HDは,いままでのように単にPCゲームのためのものではない。デジタルミュージックに関する機能もパワーアップされており,MP3を始めとした圧縮デジタルオーディオ向けのテクノロジーまでも含まれるようになった。現在判明しているデジタルオーディオ向け機能は,以下の四つ。

・オーディオクリーンアップ
 アナログソースからデジタルにエンコーディングするときの,ヒスノイズやスクラッチを軽減
・タイムスケーリング
 音のクオリティを損なうことなく,再生スピードの変化をつけられる
・EAX ADVANCED HDオーディオエフェクト
 音楽再生向けのエフェクト。スペシャルエフェクトなどもいくつか入っている模様
・DREAM
 特定の周波数レンジをリダイレクトすることにより,2chステレオサウンドからサラウンドサウンドを生成

 なお,クリエイティブメディアのオフィシャルプレスリリースのページは「こちら」。オフィシャル発表ではときに明記されていないが,Audigy搭載のSound Blasterシリーズは「Sound Blaster Audigy」とその名を変えるようだ。


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