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[AnimeJapan]日本のアニメ技術を後世に伝える「日本のアニメーション100周年プロジェクト」が始動。次世代の人材の発掘と育成を目指す
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印刷2016/03/29 11:10

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[AnimeJapan]日本のアニメ技術を後世に伝える「日本のアニメーション100周年プロジェクト」が始動。次世代の人材の発掘と育成を目指す

画像集 No.010のサムネイル画像 / [AnimeJapan]日本のアニメ技術を後世に伝える「日本のアニメーション100周年プロジェクト」が始動。次世代の人材の発掘と育成を目指す
 1917年,東京・浅草で日本初のアニメーション「なまくら刀」が上映されてから2017年でちょうど100年を迎える。日本動画協会は2016年3月26日,東京ビッグサイトで開催されたイベント「AnimeJapan 2016」にて,日本のアニメーション技術を後世に伝えるプロジェクト「日本のアニメーション100周年プロジェクト」のスタートを発表した。

 このプロジェクトは,100年後の日本アニメの担い手達のための創造基盤を作り,世界中の人々に「夢と絆・愛と勇気・心豊かな感動・生きる力」を伝えることが目的だという。具体的には3つのコンセプトでプロジェクトが展開され,そのひとつ目となるのが「日本のアニメーション大全」だ。これは,「これまで積み重ねてきたものを系統化してアーカイブする」というもので、これには世界中の人々がアクセスできるようなものを目指すとのこと。

画像集 No.002のサムネイル画像 / [AnimeJapan]日本のアニメ技術を後世に伝える「日本のアニメーション100周年プロジェクト」が始動。次世代の人材の発掘と育成を目指す

 2つ目が「人材の発掘と育成」で,日本の若い人材ににアニメーションを作る喜びを体験してもらうイベントを開催するとのことだ。そして3つ目が「先端技術とのコラボレーション」で,さまざまな業界とコラボレーションを実施する予定だ。

 発表会には,東京国立博物館フィルムセンターのとちぎあきら氏,アニプレックスの植田益朗氏,サンライズの宮河恭夫氏,日本アニメーションの石川和子氏,トムス・エンタテインメントの吉田力雄氏,さらにタツノコプロ顧問の笹川ひろし氏が出席し,それぞれこのプロジェクトへの意気込みを語っていた。プロジェクト推進座長となる植田氏は,日本のアニメ業界が抱える問題点である「人材の枯渇」と「経営基盤の脆弱さ」をこのプロジェクトで解消したいと述べていた。

画像集 No.007のサムネイル画像 / [AnimeJapan]日本のアニメ技術を後世に伝える「日本のアニメーション100周年プロジェクト」が始動。次世代の人材の発掘と育成を目指す 画像集 No.008のサムネイル画像 / [AnimeJapan]日本のアニメ技術を後世に伝える「日本のアニメーション100周年プロジェクト」が始動。次世代の人材の発掘と育成を目指す

 今後は「人材の発掘と育成」として,2017年夏に「日本のアニメーション・サマージャンボリー」という企画を予定しているとのこと。これは小さい子にアニメ制作のブートキャンプに参加してもらい,実際に絵を動かす経験をさせることでアニメ制作に興味を持ってもらうことが目的だという。そのほか,障害者向けのアニメセミナーや,デジタルアニメーター化プロジェクトなどが計画されているとのことだ。

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 また,100年後の日本アニメのための施策「アニメNEXT100」として,日本のアニメーション文化とパワーを国内外に発信するために国際フェスティバルとのコラボや,シンポジウムの開催などを予定しており,「AnimeJapan」との連動も視野に入れているという。

 最後にこのプロジェクトのロゴマークが披露された。漢字の百をモチーフにしたこのロゴマークを,今後アニメ業界のさまざまなところで目にすることになるかもしれない。

画像集 No.006のサムネイル画像 / [AnimeJapan]日本のアニメ技術を後世に伝える「日本のアニメーション100周年プロジェクト」が始動。次世代の人材の発掘と育成を目指す
左から,とちぎあきら氏,植田益朗氏,笹川ひろし氏,宮河恭夫氏,石川和子氏,吉田力雄氏

「日本のアニメーション100周年プロジェクト」公式サイト


アニメ文化プログラム
日本のアニメーション100周年プロジェクト

2017年、日本のアニメーションは東京・浅草で初めて劇場公開されてから100周年を迎えます。そのさきがけは、現在国宝絵巻となっている『鳥獣人物戯画』、『信貴山縁起絵巻』、『伴大納言絵詞』など、今からおよそ860年前となる12世紀に開花した、まさにアニメ的マンガ的な連続式絵巻から見ることができる、と日本を代表するアニメ監督である高畑勲氏が、著書『十二世紀のアニメーション−国宝絵巻に見る映画的・アニメ的なるもの−』に記しています。

そこから多くの絵師達が物語を“描き”“動かす”創作術に魅入られ、あらゆる試行を重ねてきました。日本で初めて公開されたアニメーションは輸入作品である1909年パテー社(米国)の『ニッパールの変形』であり、その後、爆発的な人気を博したエミール・コール(フランス)作『凸坊新画帳』シリーズは日本のアニメーション創作熱のきっかけとなったといわれています。そして1917年、ほぼ同時期に下川凹天(しもかわへこてん)、北山清太郎、幸内純一(こううちじゅんいち)の3人によって日本初のアニメーションが東京・浅草で公開されたのです。

以来、今日までに日本で制作されてきた作品は、アニメーションデータベース『日本のアニメーション大全』によると、平成27年9月の段階でシリーズ作品含むタイトル数およそ11,238作品、サブタイトル数では154,106 話にまで上ります。

日本のアニメーションは1920年代初頭に“漫画映画”と称されて以来、多様な創造力により制作されながら、表現・手法・技術・メディアなどの変化とともに進化を遂げ、今や日本を代表するコンテンツとして世界で高く評価されています。その結果、多くの日本のアニメファンやその担い手となるクリエイターを育てるまでに至り、就学・研究・ビジネス・観光あらゆる視点で、世界中から日本のアニメーションを目指す人々が後を絶ちません。

日本のアニメーションの真の魅力は、“マンガ・ゲーム・音楽・玩具”などとともに、映像・表現の技術革新のみならず、ファッション・食文化などの生活様式、更に都市の在り方や産業・科学技術などへ拡がり、人を動かし、時代を動かし、未来を担う力を発揮し続けていることにあります。

私たちは、“日本のアニメーション100周年”を迎える節目となる2017年を起点に、長期的視点に立ち、日本のアニメーション業界がオールジャパンとして一丸となり、次の100年を創る源泉となるプロジェクトを始めることが重要だと考えております。

奇しくも2020年に開催されるTOKYO2020 オリンピック・パラリンピックを契機とし、国が一体となった「文化芸術立国宣言」が掲げられています。その背景には、オリンピック開催に向けて公約されている2016 年以降4 年間に渡り推進される文化プログラム事業があります。政府や地方行政などありとあらゆる機関において、これまで以上にアニメ・マンガ・ゲーム・音楽、また玩具をはじめとするマーチャンダイジングに関わる様々な施策の検討と推進が求められているこのタイミングを、私たちは是非とも活かしていきたいと思っております。

“日本のアニメーション100周年”の集大成をダイナミックに展開し、未来へ向かう日本のアニメーションの新たなキックオフにふさわしい文化プロジェクトを提案し、推進します。

更にはその結果を世界へ向けて同時発信しつつ、一過性のイベントに留まらず、次世代にふさわしい豊かな創造性を生み出すための日本のアニメーション文化の基盤構築へと繋げることを目指します。

具体的な方策として、2017年を起点とする東京発・世界へむけた取り組みについて検討しております。長期的に日本のアニメーション文化の基盤となるアーカイブの構築も視野に入れつつ、皆さまと共に記念プロジェクトを推進してまいりたいと存じます。

・日本のアニメーションデータベース『日本のアニメーション大全』の公開
・日本のアニメーション史、オーラルヒストリー、特別番組・記念誌編纂
・日本のアニメーション100選編纂及び巡回上映会
・日本のアニメーション企画展・国内・世界巡回展
・フェスティバル・コンペティション・イベント連携
・地域連動のCityJack
など

これらを実現することで日本のアニメーションの未来、NEXT100 年として100 年後の日本のアニメーション文化の担い手たちの創造基盤を作り、いつの時代も日本の子どもたちのみならず、世代、性別、国境を越えた世界中の人々に“夢と絆・愛と勇気・心豊かな感動・生きる力”を伝え、そしてなにより人と時代を“動かす力”を発揮し続けることへとつながります。

日本のアニメーションに関わる全てが一丸となり、長期的ビジョンを共有し、今できることを共に推進していただけますよう、皆様に本プロジェクトの趣旨にご賛同いただき、アニメ文化プログラム・日本のアニメーション100周年プロジェクト推進チームにご参画、ならびにご協力賜りますよう何卒お願い申しあげます。
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