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ネクソンが2014年度第4四半期決算説明会を開催。2015年度は高品質なゲームの開発と提供に集中
ネクソンの2014年度通期における業績は,売上収益が1729億円で前年比11.3%増,営業利益が前年比10.2%減の455億円,営業利益率は26.3%となった。営業利益では,後述するgloopsに係るのれんの減損損失110億円が計上されている。そして当期利益は293億円で前年比2.7%減となった。
ネクソン 代表取締役社長 オーウェン・マホニー氏は,2014年の成果を「品質」というテーマで表現。同社ではゲームの品質向上に集中し,息の長いものにしていく戦略に取り組んでおり,その成果が明確に見られるまでには2年ほどかかると予想していたが,2014年度には早くもその成果が見られたという。
具体的な成果としては中国,韓国,北米の事例が挙げられた。中国では「Dungeon & Fighter」(「アラド戦記」)に複数のアップデートを行ったことなどにより,第4四半期の売上収益が前年比36%増加した。
韓国ではモバイルゲーム事業が前年比8倍以上に成長したこと,そしてPCオンラインゲーム事業が「EA SPORTS FIFA Online 3」の成長など,全体でプラス成長を遂げたことによって,売上収益は前年比52%の成長となった。
北米では,新経営陣による指揮のもと,ゲームの運用およびマーケティング/プロモーションの改善が奏功し,2014年度下期には売上収益がプラスに転じた。
一方,日本市場の不調については,モバイルゲーム市場動向の急速な変化に対応しながら,ネクソンの期待する品質水準をクリアすることが容易ではなかったことが理由として挙げられた。
マホニー氏の説明によれば,正しい戦略を取っているものの,実行面で改善の余地があったとのこと。2014年度は,「SKYLOCK -神々と運命の五つ子-」(iOS / Android)「サモンソウルバトル」(iOS / Android)「クリムゾンウォーズ」(iOS / Android)「トイズドライブ」(iOS / Android)といったスマートフォン向けネイティブゲームをリリースしたが,ヒットを創出できず,結果としてgloopsに係るのれんの減損損失を計上することとなった。
2015年度は,モバイルタイトルの「DomiNations」(iOS / Android),PCオンラインゲームの「メイプルストーリー2」および「攻殻機動隊オンライン」といった新作を筆頭に,引き続きゲームの品質に集中した戦略を徹底していくとのこと。長期的にプレイヤーを楽しませ続けられることを念頭に置いて厳選した新規タイトルにリソースを投入し,既存タイトルにおいては長期的な成長とプレイヤー継続率の維持に集中するという。
また2014年度第4四半期にWarner Brothersグループとライセンス契約を締結し,「LEGO」を題材としたモバイルゲームをネクソングループが開発することにも言及があった。
さらに日本における方針としては,gloopsにおけるスマートフォン向けネイティブゲーム開発案件の絞り込みとゲームの高品質化への集中,韓国・米国を含めたグローバルな高品質タイトルの提供およびパブリッシング権の獲得などが挙げられた。
長期戦略およびビジョンとしては,3つの手法が示された。1つは,高品質な新規PCオンラインゲームおよびモバイルゲームによる成長である。2つめは欧米市場における事業の成長で,2015年以降にネクソングループは欧米向けに複数タイトルを配信するという。そして3つめは,優れたIPまたは開発チームを保有する企業を,適切な金額で買収することによる成長である。
最後にマホニー氏は,2015年のネクソンの展開について,新たな成長ステージに突入し,これまで築いてきた事業基盤を一層拡大すべく事業を推進していくとして決算発表をまとめた。
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