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ジャパン・アーマードバトル・リーグ第2回が開催。西洋甲冑の男達がぶつかり合う様子をまた見てきた
念のため初見の人向けに解説すると,アーマードバトルとは,西洋甲冑を着込んだ男達がぶつかり合う競技だ。ゲームではお馴染みの光景を,そのままの競技として取り入れてみたといったところか。
なお,ゲームオンがサービスするMMORPG「ArcheAge」は,今回もスポンサーとして名を連ねており,同タイトルのイベントにも鎧ファイターは登場しているので,プレイヤーの中には見覚えのある人もいるだろう。
今回の試合は,東京・目白にあるキャッスル・ティンタジェルで行われ,観戦会場はニコニコ本社というパブリックビューイング方式を採用していた。ただ,当日は機材トラブルもあって,中継はほとんど行われなかった。後日動画が配信される予定なので,その模様を知ることはできるはずだが,コメントがすごいことになっていたような気もする。
配信のトラブルはあったものの,リーグはしっかりと行われたので,その様子をお届けしよう。
今回は,リングの形状やルールが第1回から変更されている。リングは,スクエア(四角)からオクタゴン(八角形)に変更されており,理由を聞くと,スクエアの場合,壁際に追い詰められると脱出不可能に近くなるからとのこと。その回避案としてオクタゴンが採用されたそうだ。これにより,壁に追いやられても脱出しやすくなり,攻め方,守り方もかなり変化している。
次にルールだ。会場では以下のように解説された。
個人戦ルール:
ヒットカウント制
フリッカー(審判)がリングの4隅からヒットをカウント。またスローダウンもカウントされる。選手1人につき2名のフリッカーがつく。
・腕,脚に対しては1ポイント
・顔,胴体へのクリーンヒットは2ポイント
・頭,胴体(シールドで邪魔されながら)へのヒットは1ポイント
・ツーハンドウェポンやポールアームの柄での顔面への突きも1ポイント
・パンチとキック,手首から先への攻撃はカウントされない
ボーナスヒット:
・スローイングとスリップダウンは2ポイント
・ダウンした相手に武器を当てた場合,さらに1ポイント
・相手の武器を奪う,または落とすと2ポイント
禁止事項:
・首,ノド,股間,膝裏への攻撃,突き
・肘・膝への逆関節技(合気道などでよく見られる順関節技はOKのようだ)
・ツーハンドウェポン,ポールアームといった両手持ちの武器を片手で使用するのは禁止
・柄でのなぎ払い
・武器を持ってない相手への攻撃
・マーシャル(審判長)が危険と判断した行為
上記したように,ルールは“有効打のポイントで勝敗を決める”というものになっており,1分3ラウンド制で行われた。地味ながらも大きな変更点としては,柄でのなぎ払いが禁止になったことだろうか。とくにポールアーム,ツーハンドウェポンに影響するルール改定だ。
下のほうで動画を掲載しているので,このルールを参照しつつ見ると,いっそう楽しめるだろう。初見では,有効打が決まった瞬間が分かりにくいと思われるが,慣れてくると細かく見えてくるはずだ。
マーシャルはジェイ・ノイズ氏 |
柄での突きはOK |
ダウンした相手に武器を当ててもポイントになる。徒手の場合は,ダウンを奪ったあと,拳を入れたり,顔面の横を踏み抜いたりと,軽めにトドメを刺すといった感じだ。格闘ゲームにおけるダウン攻撃とはちょっと異なる(「バーチャファイター2」の大ダウン攻撃は,ものすごくダメージが大きかったが) |
マーシャルには,キャッスル・ティンタジェルのCEO ジェイ・ノイズ氏が立ち,参加チームはドラコーネズとサングリエーの2チーム。第1回大会に出場していた黒鋼衆は,ニコニコ本社で解説を行っていた。黒鋼衆不参加の理由としては,メンバー4人が集まったものの,新規メンバーの熟練度が足りなかったためとのこと。二刀流がかっこよかっただけに残念だが,次回以降の出場に期待したい。
機材トラブルのドタバタはあったものの,大会はソード&シールド,ツーハンドウェポン,ポールアーム,フリーバトル,メーレーの5種目が行われた。休憩を挟みながらも,試合はハイペースで進み,約40kgの甲冑を着てのバトルとあってか,後半になるほど疲労困ぱいする姿が散見された。もう少しゆったりやっても良いのでは……と思ったりもしたが。
ソード&シールド
ソード&シールドは新人2名によるバトルとなった。半年ほど修練したとのことだが,なにかしらの経験者らしく,イヤらしいテクニックを随所で確認できた。バックラーによる目隠しはもちろんとして,シールドパンチによるクロスカウンター,スローイングなど,ゲームと比べると,とても泥くさく,筆者的にはとても満足のいく試合だった。というわけでまずは動画から。
ソード&シールドは,これくらいの間合いで試合が進む |
バックラーやスモールシールドは武器である。写真は相手の視界を奪っている状態 |
こちらはシールドパンチに合わせたクロスカウンター |
両手を自由に動かせるスタイルなので,ガードだけでなくかわすことも |
相手の武器を巻き取るのもこのスタイルでは目立つ |
先の写真に続いて,そのままスローイングでダウンを奪っていた |
待機中の選手もリングサイドで観戦していたのだが,なんというか闘技場感がすごい |
ツーハンドウェポン
ツーハンドウェポンは,いわゆるロングソードやブロードソードといった両手持ちの武器だ。斬撃だけでなく,ポールアームのように構えての突進もある。派手な打ち合いになりやすいので,初見の人でも見応えがあるだろう。また柄での刺突もOKなので,得物はデカいが細かいアクションも豊富である。
ツーハンドウェポンの間合い |
先の動画のように斬り合いも多いが,肉弾戦も多い |
甲冑の部材が外れるシーンも。装飾にこだわる甲冑ほど,こういったアクシデントが生じやすい |
回避しながらの攻撃も随所にあり,見ていて楽しい |
ポールアーム
ポールアックスなど,長い棒の先に刃物がある武器でのバトル。第1回と同様に,身長2メートル越えのお笑い芸人・阿見靖士氏と,ずんぐりむっくりのマッチョ・Tony Dolan氏による迫力あるぶつかり合いになった。
柄でのなぎ払いが禁止になったのと,リングがオクタゴンになったことで,相手を壁に追いつめてからの膝撃となぎ払いは見られなくなり,正面からぶつかり合う形が目立った。真正面から斬り下ろしを受けるシーンが多く,そこから崩しに入ることもあり,派手に見えてテクニカルな部分もある。
ポールアームの間合いは,ツーハンドウェポンよりも少し広い |
相手の目線の高さに合わせて柄を向けている状態。相手からすると距離感が掴みづらい。また阿見靖士氏は,刃での攻撃と柄での攻撃を連続させて手数を増やしていた |
密着状態では柄を使用していたTony Dolan氏だが,相手の攻撃を空振りさせてその隙を狙うクレバーなアクションが目立った |
それにしてもすごく痛そうな斬り下ろしである |
フリーバトル
フリーバトルは,共通の武器を使用するのではなく,好きな武器を持って戦うスタイルだ。一時的に中継が復活していたため,観客の投票によって,ツーハンドウェポンとポールアームが選ばれた。1ラウンドのみなので動画だけとなるが,リーチの長さを活かしての押し込みと,柄での打突が容易なポールアームが優勢だった。
メーレー戦
メーレー戦は,3対3による団体戦となっている。ルールは個人戦と異なり,誰かがダウンするとマーシャルが止めに入る。ダウンした選手は,退場もしくはその場で待機となり,最終的に残っていた選手の多いチーム側が勝利になる。1分2ラウンドに加えて,4対4のエキシビション的な試合も行われた。なんというか,MMORPGにおけるギルド戦を彷彿とさせる。
即座に乱戦とはならず,出方をうかがう時間が意外に長い |
乱戦が始まった場合,まず1人を潰したほうが当然有利になる |
このようにダウンさせられた場合,退場かその場で待機させられる |
タコ殴りである |
なんだか「DARK SOULS」でよく見る力尽きた剣士みたいだが,3対3のあと,エキシビション的に4対4をやると発表された直後である |
というわけで4対4のメレー戦 |
さて,表彰式かとおもったが,中継トラブルがあったため,選手はメレー戦直後に甲冑を装備したまま,タクシーに飛び乗り,ニコニコ本社へと向かってしまった。甲冑を着たファイターがタクシーに乗り込む姿は,とても印象的だった。こんな感じで大会のレポートは終わりである。
おまけとして,今回は選手達が準備や待機しているところも見られたので,そのほかの写真と合わせて見ていこう。
装備を手伝ってもらっている阿見靖士氏。1人で装備はできないのだ |
試合待ちの図だが,どうみても大和レンタルボックスに討ち入る直前にしか見えない件について |
多田敬一氏。50代のようで,リーグ後半はさすがに体力の限界だった模様 |
休憩中は談笑していたのだが,なんか甲冑ばかりなのでゲームっぽい |
大会終了後の様子 |
にしてもゲームっぽい |
やっぱりゲームっぽい |
ティンタジェル公式サイト
日本アーマードバトル・リーグ公式サイト
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