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「第7回FOST賞授賞式」開催。関西大学の広瀬幸雄氏,日立製作所の八島敬暁氏,バンダイナムコゲームスが各賞を受賞
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印刷2014/03/06 21:24

業界動向

「第7回FOST賞授賞式」開催。関西大学の広瀬幸雄氏,日立製作所の八島敬暁氏,バンダイナムコゲームスが各賞を受賞

画像集#001のサムネイル/「第7回FOST賞授賞式」開催。関西大学の広瀬幸雄氏,日立製作所の八島敬暁氏,バンダイナムコゲームスが各賞を受賞
 公益財団法人 科学技術融合振興財団(FOST:foundation for the Fusion Of Science and Technology)は本日(2014年3月6日)東京都内で「第7回FOST賞授賞式」を開催した。 FOSTは,シミュレーションやゲーミングを手段として社会に貢献しようという研究者に対し,研究費用の提供などさまざまなサポートを行う団体だ。

FOSTの理事長を務める,コーエーテクモホールディングス株式会社 代表取締役社長の襟川陽一氏
画像集#002のサムネイル/「第7回FOST賞授賞式」開催。関西大学の広瀬幸雄氏,日立製作所の八島敬暁氏,バンダイナムコゲームスが各賞を受賞
 授賞式の冒頭,FOSTの理事長を務めるコーエーテクモホールディングス 代表取締役社長の襟川陽一氏は,「FOSTが1994年に設立されて20年経ちますが,今年はFOSTの活動を広範に知っていただく事業を企画しております。これからも10年,20年と活動が続けられますよう,皆様のご協力とご指導を引き続きお願いします」と挨拶し,今後の活動にさらなる意欲を示した。

 今回の授賞式では,「FOST賞」「FOST新人賞」「FOST社会貢献賞」の授賞が行われた。
 「FOST賞」は2007年に設立された賞で,研究助成金に基づいて研究成果を発表した研究者の中から受賞者が選ばれる。2008年には若手研究者を対象とした「FOST熊田賞」が設立されたが,今年度からは「FOST新人賞」と名を改めている。そして「FOST社会貢献賞」は,ゲームの研究/開発/応用に関して顕著な社会貢献をした団体/個人に贈られる,2012年に設立された賞である。

第7回FOST賞を受賞した,関西大学の広瀬幸雄氏
画像集#003のサムネイル/「第7回FOST賞授賞式」開催。関西大学の広瀬幸雄氏,日立製作所の八島敬暁氏,バンダイナムコゲームスが各賞を受賞
 今年度のFOST賞は,「ゲーミングを用いた市民参加型会議による環境計画策定の合意形成と社会的受容に関する研究」を行った,関西大学の広瀬幸雄氏に贈られた。社会参加型会議へのゲーミングの導入と,市民参加型会議の社会的受容およびその規定因についての社会的調査を行い,社会的認知や考慮すべき事柄などを考察したことが,授賞の理由となったという。

 広瀬氏は10年ほど前から,EUで市民参加型会議を研究していたが,FOSTから助成を受けた頃に東日本大震災が発生したという。議題に関して資料提供を受ける前後に調査を行う討論型世論調査の研究に加え,震災がれきの受け入れに関し,いかにしてコミュニケーションを取ればいいのかといった問題も研究に取り入れたそうだ。広瀬氏は「今回の震災をきっかけに,皆さんもゲーミングの大切さに気づかれたのではないでしょうか」と,ゲーミングが持つ力と可能性について語った。

FOSTの理事で,第7回FOST賞の審査委員長を務める,創価大学 名誉教授の大西 昭氏
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 FOST新人賞は「緊急計画立案支援のための地理空間情報に基づいたシミュレーションとエージェントの意志決定の可視化」という研究を行った,日立製作所の八島敬暁氏に贈られた。残念ながら氏は欠席となったが,FOSTの理事で今回の審査委員長を務める,創価大学 名誉教授の大西 昭氏によれば,「災害時などの緊急避難計画の立案支援を目的としたシミュレーション環境の構築を行い,シミュレーション結果を可視化するためのエージェントの思考内容を可視化したことが授賞理由」とのことだ。

 そしてFOST社会貢献賞は,4Gamer読者にもおなじみのバンダイナムコゲームスに贈られた。
 同社の前身となるナムコは,1981年に福祉事業を立ち上げ,発語が困難な身体障害者を支援する意思伝達装置「トーキングエイド」を発表した。その後も1999年に「バリアフリーエンターテインメント」構想に基づき,楽しくリハビリができる「リハビリテインメントマシン」などを開発している。こうしたゲームのダイナミズムや娯楽性を生かした取り組みにより,ゲーム業界の社会的な受容と評価を高めたことが授賞理由である。

バンダイナムコホールディングスの石川祝男代表取締役社長(右)と襟川氏(左)
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バンダイナムコホールディングス 代表取締役社長の石川祝男氏
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 バンダイナムコホールディングス 代表取締役社長の石川祝男氏は,「私は1978年にナムコに入社し,ひたすらアミューズメントロボットの開発をしてきました。弊社の『ワニワニパニック』は,実は一度ボツになった企画なんです。しかし,その日の午後にスリッパを買ってきて,あらためてシミュレーションを行い,やっと企画を通せたという経緯があります。その後,これはリハビリに使えるのではないかということで『リハビリテインメントマシン』になりました。ナムコ創業者の中村雅哉は“ゲームやエンターテインメントには無限の可能性がある”と言っていましたが,これからもこうした分野で社会貢献をしたいと考えています」とコメントした。

左から,FOSTの理事で創価大学 名誉教授の大西 昭氏,バンダイナムコホールディングス 代表取締役社長の石川祝男氏,関西大学の広瀬幸雄氏,FOSTの理事長でコーエーテクモホールディングス 代表取締役社長の襟川陽一氏,FOST理事で東海大学 名誉教授の白鳥 令氏
画像集#007のサムネイル/「第7回FOST賞授賞式」開催。関西大学の広瀬幸雄氏,日立製作所の八島敬暁氏,バンダイナムコゲームスが各賞を受賞

科学技術融合振興財団(FOST)公式サイト

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