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グリーが7月〜9月期の決算説明会を開催。売上および利益の反転攻勢は2014年4月〜6月期に
グリー 代表取締役社長 田中良和氏 |
グリー 取締役執行役員常務 管理統括本部長 秋山 仁氏 |
今回の決算報告によると,売上高は353億円,営業利益98億円となり,前四半期(4月〜6月)と比較して減収増益となった。これは後述するコストの削減に成功したことが主な理由である。
事業面では,スマートフォン向けの売上が順調。ゲームプレイで消費されたコインのうち,スマートフォン向けは前四半期より約16億コイン増加し,全体の約65%を占めた。またアプリとして提供されるゲームを総称した「ネイティブゲーム」は,海外マーケットを中心に順調に成長したとのことだ。
しかし,そうしたスマートフォン向け事業の好調は,フィーチャーフォンの大きな落ち込みをカバーするには至らず,全体のコイン消費は減少している。
コスト面では12%の削減となり,年間目標としていた10%削減を四半期ベースで達成。前四半期と比較すると,固定費は19億円,広告宣伝費の抑制や効率化を含めた費用全体では37億円の削減となった。
特別損失の50億円は,希望退職者募集に伴う引当金の計上と,タイトル関連資産の再精査によるもの。後者では「選択と集中」戦略による注力タイトルの絞り込みに目処が立ち,今回で一旦区切りが付く見込みだという。ちなみに,これまでの3四半期で約130億円のタイトル資産を減損/償却してきたとのことで,現在の資産残高は34億円となる。
なお,2014年6月期から会計方針が変更され,実績のある内製のWebゲーム事業以外のタイトルは資産化せず,費用に落とし込んでいくため,今後大きく資産が積み上がっていくことにはならないとの説明がなされた。
今後の見通しとしては,新規タイトルの売上貢献がスタートする2014年6月期第4四半期(2014年4月〜6月)を,売上および利益の反転攻勢の時期想定しているとのこと。引き続き,海外のネイティブゲーム事業を成長させながら,コストコントロールを徹底し,収益力の改善に努めるとしている。
また今後の取り組みとしては,新規タイトルの継続的なリリース,効率的な運用を図るコスト構造の変換,迅速な意思決定のための経営基盤の強化が挙げられた。
Webゲーム事業では,好調なサードパーティタイトルの提供を推進していく。一方,自社で開発中の新規タイトルは開発体制整備を優先してリリースを2014年6月期第3四半期(2014年1月〜3月)以降に後ろ倒し。上記のとおり,第4四半期から売上に貢献する見込みとなる。
なお,これまで自社の新規タイトルが少なかった点については,スマートフォン対応など,既存タイトルの売上を最大化させることに注力したため,開発が手薄になっていたとの説明がなされた。今後はタイトルの収益力グレードに応じたリソース配分と,新規タイトル開発ラインの確保を行っていくという。
もう一つのネイティブゲーム事業だが,海外においては新規タイトル投入に加え,ヒットしたタイトルを別のOSや言語へ展開していくとのこと。
一方,国内においては,伸び悩んでいるカードバトル以外の新ジャンルを展開する。2013年11月から,社内に開発力向上を目指すプログラム「GREE Garage Production」を設け,少人数のチームにプロトタイプを作らせて,手応えのある良作を本開発に昇格させる取り組みを開始したとのことである。
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