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[TGS 2018]VR空間で楽しむアーマードバトルをTGS会場で体験。ソードとバックラーで戦う感触は本物に近い
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印刷2018/09/21 12:34

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[TGS 2018]VR空間で楽しむアーマードバトルをTGS会場で体験。ソードとバックラーで戦う感触は本物に近い

 一時期の熱に浮かされたようなブームはすぎたものの,東京ゲームショウ2018(以下,TGS 2018)会場にある「VR/ARコーナー」は,今年も盛況である。そんなVR/ARコーナーで,当初予定していた取材を遅らせてでも体験したい光景に出くわした。VRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)を装着した人たちが,玩具のような剣と盾を持って打ち合う「アーマードバトル」である。

こんなの見たら,取材しないではいられないでしょう?
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こちらが,実際のアーマードバトル
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 アーマードバトルとは,西洋甲冑を実際に装備して,ガチンコでぶつかり合うスポーツであり,筆者も何度か大会や実体験の様子をレポートしたことがある(関連記事関連記事2関連記事3)。またアーマードバトルの取材に行きたいな……というのはともかく,VR空間でソードとバックラーを使うというのは,一体何をしているのだろうか。

VR HMDの上に生えたトゲのような物についている白い物体がマーカーだ
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 今回紹介するデモは,日本のVRベンチャーであるABAL(アバル)のブースで行われていたものだ。同社が開発した空間移動型VRシステム「ABAL」のソフトウェア開発キットを利用したものであるという。
 デモシステムでは,位置や動きを検知するためのマーカーを,プレイヤーの手足やVR HMD,周辺のオブジェクトに取り付けることで,プレイヤーやソードの位置を立体的に認識している。そのため,プレイヤーはPCやケーブルを背負う必要なくワイヤレスで動き回れるうえ,マーカーの付いたオブジェクトを持ち上げて,それをほかのプレイヤーに渡すといったこともできる。

両手(左)と両足(右)にもマーカーを装着する
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ソードとバックラーのマーカーは,このようになっている(左)。マーカーを検出するためカメラは複数台あった(右)
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 VR HMDとしては,Oculus VRのスタンドアロン型VR HMD「Oculus Go」や,スマートフォンを組み込む簡易型VR HMDを使用しており,導入のしやすさも魅力といえるだろう。

準備運動をしたうえでハイタッチをすると,どういうものなのか,おおむね把握できる
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ソードの横には,マーカーが付いた何かのボトルがあった。これは,開発者兼ナビゲーターさんの水分補給用ボトルなのだと言う。意味が分からず,その場にいたABAL取締役の金丸義勝氏に質問したところ,「彼,VRの世界から帰ってこないんですよ。休憩のときはあのまま水を飲んだり,ギターを弾いたりしています」とのことだった
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 準備ができたらバトル開始。ソードとバックラーに付けられたマーカーを周囲のカメラが捉えることで,向きや位置がアプリケーション上にフィードバックされるので,これで打ち合うわけだ。
 頭部を攻撃すると,VR HMDに取り付けたマーカーが外れてしまうため,頭部への攻撃はNGとのこと。有効なダメージの判定があるのは,胴体のみだ。バックラーで遮って相手の視界を奪ったり,殴ったりするのもNGとなっていた。

 ソードとバックラーにも当たり判定があり,自分のソードで手にしたバックラーを叩くと,「ガイーン」というSEが再生された。よって,バックラーで相手のソードやバックラーを押さえることもできるわけだ。

ソードとバックラーの当たり判定をチェックする筆者(左)。右写真は,バトルステージに移動する間に,しれっと間合いを再確認している筆者の様子だ
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 VR HMDで見ると,対戦相手はヘルムとボディアーマー,ソードとバックラーが見えるだけだった。他の参加者によるバトルを見ていた限りでは,足先のマーカー部分にも甲冑が描画されていたのだが,実際にVR HMDを被った場合,真正面を向いていることもあって,視界にはほとんど入ってこない。
 処理を減らす目的もあって,武器や防具だけを描写する簡易な映像となっているが,後述するように,ボコスカ叩き合うアプリケーションとしては,この程度でも十分に楽しめるバランスを実現していたと思う。

見にくい写真で恐縮だが,右下に写っているのが画面のイメージである
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 ソードを振ってみると,動きが画面に反映されるまでの遅延は,わずかに存在していた。ただ,極端に遅いわけではないので,十分に実用的だろう。デモ版はTGS 2018に合わせて2週間ほどで開発したものとのことだが,デモで終わらせるにはもったいない出来だ。

 実際にバトルを体験した印象では,VR HMDについて回る視野の狭さが,ヘルムを被っているような感覚をもたらすので,相手の攻撃を視認しにくいというリアルさがあった。実際のヘルムよりも視界は広いのだが,体感的にはとても似ている。ちなみに,実際のヘルムにおける視界を,Oculus Goを基準に比較すると,上下を60〜70%まで減らしたような印象である。
 簡易な描写であるため,相手の肩の動きがほとんど分からないこともあって,動きを掴みにくいのもいい。

写真は,キャッスル・ティンタジェル取材時の筆者。意外なところで過去の経験が生きるものである
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 ソードは適度に重いので,「ジャパン・アーマードバトル・リーグ」の主催団体「キャッスル・ティンタジェル」のJay E Noyes(ジェイ・ノイズ)氏に教わった基本的な剣の振り方を,違和感なく実行できた。
 自分のソードや相手のバックラーは,VR空間に描画されるので,ソードを振って2撃めにつなげるパターンも,実際のアーマードバトルと大差ないほどだ。
 一方でバックラーを使いこなすのはとても難しく,これもまた,実際のものに近い体験ができるのではないだろうか。相手の攻撃を掴みにくいことが,大きく影響しているようだ。
 アーマードバトルの選手がこれを遊んでみたらどうなるのか。ちょっと気になる。

 イイ感じの没入感を味わえることもあり,筆者はうっかりと,バックラーによる目隠しをしてしまい,左腕にダメージを与えたうえで,足をかけてダウンを奪おうと動いたのだが,途中で止めた。「これやったら反則だよね」と思って止めたのだが,相手の膝あたりは描画されないという問題もあったためだ。
 そうなると,必然的に,描画されている胴体をどう攻撃するかのみを考えることになるわけだが,これがなんともスポーツ的である。
 プレイの途中で,「ほかの人と動きが違う! やったことあるんですか!」といった対戦相手の声が聞こえた気がするが,気のせいだろう。ありがとう,キャッスル・ティンタジェル。最後に胴体を切られて負けてしまったけど。

 アーマードバトル以外のデモとしては,高所移動を体験するものもあった。足場の悪い高所を移動するだけという,VRコンテンツではありがちなデモなので,細かい説明は不要だろう。だが,以前に取材で割と高いところから転落したことがある筆者としては,トラウマを思い出すほどの高さだったので,途中で中止してもらった。

 ABALが披露したシステムは,比較的設営しやすい仕組みであり,剣や盾を扱えて,オブジェクトを置くこともできるので,VRなDARK SOULS風アトラクションを構築できそうに思えた。やたらと強い黒騎士がいるなと思ったら,相手がノイズ氏がだったとか,最高じゃないではありませんか。フロムさんどうですか?

 今回の体験は短時間だったが,スタンドアロン型VR HMDと簡易的なマーカーで構築できるシステムのデモとしては,なかなか上出来と言えるだろう。一般消費者向けに販売するものではないので,体験できるとしたら,商業施設やイベント会場となるだろう。そうした会場でABALの文字を見かけたら,ぜひ体験してみてほしい。
 なお,TGS 2018の一般公開日にもデモを行うそうだが,来場者が体験できるかは検討中とのことだ。

ABAL公式Webサイト

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