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「Intel X99」チップセット搭載のゲーマー向けマザーボードを各社が一斉に発表。第1弾はASRock,ASUS,GIGABYTE,MSIから計8製品
本稿では各社からの情報をもとに,各製品の概要をまとめてみた。Intel X99チップセット(以下,X99)自体の説明は,Core i7-5000番台の解説記事を参照してほしい。
Intel,ハイエンドデスクトップPC向けCPUの新シリーズ「Core i7-5000番台」を発表。最上位モデルでは8コア16スレッド&クアッドチャネルDDR4対応に
製品名 | フォームファクタ | 想定売価(税別) | 発売日 | |
---|---|---|---|---|
ASRock | ||||
X99 Professional | ATX? | 未定 | 未定 | |
X99X Killer | ATX | 未定 | 8月30日 | |
X99M Killer | microATX | 未定 | 8月30日 | |
ASUS | ||||
RAMPAGE V EXTREME | E-ATX | 未公開 | 未公開 | |
GIGABYTE | ||||
GA-X99-Gaming G1 WIFI | ATX | 4万9980円前後 | 8月30日 | |
GA-X99-Gaming 7 WIFI | ATX | 3万7000円前後 | 9月中 | |
GA-X99-Gaming 5 | ATX | 3万2400円前後 | 8月30日 | |
MSI | ||||
X99S GAMING 7 | ATX | 2万9800円前後 | 8月30日 |
なお,ASUSの「RAMPAGE V EXTREME」は,ATXよりも奥行きの大きなExtended ATX(E-ATX)フォームファクタを採用するという点以外の情報が公開されていないため,今回は紹介を割愛することをお断りしておく。
ASRockはmicroATXフォームファクタのX99マザーをいち早く投入
まずはASRockの製品からだ。同社はゲーマー向け製品を3種類を発表しているが,最上位モデルに当たる「X99 Professional」は,写真も含めてほとんど情報が公開されていないため,ここではそれ以外の2製品を見ていく。
ASRockのX99マザーボードで注目すべき点は,さっそくmicroATXフォームファクタの製品「X99M Killer」を投入してきた点にある。マザーボードサイズが小さくなるので,ATXフォームファクタの製品よりも拡張スロットが少なくなりはするものの,コンパクトなPCケースを使ってCore i7-5000番台を搭載するPCを自作できるというのは,魅力に感じる人も多いだろう。
X99M Killerは,本稿で扱うX99マザーボードでは唯一のmicroATX製品だ(左)。拡張スロットやメモリスロットが少なめではあるが,それ以外の機能面では見劣りしない(右) |
拡張スロットが少ないとはいえ,PCI Express(以下,PCIe)x16スロットを2基,PCIe x4スロットを1基と,PCIe x16形状のスロットを3基装備しており,2-way SLIまたは2-way CrossFire構成が可能である。むしろ,DDR4メモリスロットが4スロットと,ほかのX99マザーボードに比べて少なくなっている点のほうが,注意を要するかもしれない。
一方,ATXフォームファクタの「X99X Killer」は,PCIe x16形状のスロットを3基備える点はX99M Killerと同様だが,こちらは3基すべてがPCIe x16に対応しており,3-way SLIまたは3-way CrossFire構成が可能となっている(※3-way時のPCIeレーン割り当ては不明)。また,PCIe x1スロットを2基,Mini PCIeスロットも1基装備している。
ATXフォームファクタのX99X Killer。PCIe x16スロットは3基を装備している |
1000BASE-T対応有線LANポートを2基装備している点も,両製品共通の特徴に挙げられよう。採用するLANコントローラは,Qualcomm Atheros製のゲーマー向けLANコントローラ「Killer E2201」とIntel製PHYチップ(※PHYチップの種類は不明)とされている。
また,ASRockが「Ultra M.2」と称する,PCIe 3.0 x4接続のM.2スロットを備える点も,他社製品にはない特徴だ。Ultra M.2は最大転送速度32Gbpsを謳っており,M.2対応SSDと組み合わせての高速転送が期待できる。
サウンド周りの仕様は,2014年5月に発表されたHaswell対応マザーボードの「Purity Sound 2」を踏襲したもののようだ。サウンドチップにはRealtek Semiconductor製の「ALC1150」を採用。最近のゲーマー向けマザーボードでは流行の仕様だが,サウンドチップの周囲を金属製のカバーで覆うのに加えて,サウンド回路部分を基板上で分離するというノイズ対策も施されている。
各社のX99マザーボードと比べた場合,PCIe x16スロット数がやや少ないことは気になるかもしれないが,Ultra M.2のように特殊な機能を備える利点もある。SLIやCrossFire構成を重視しない人であれば,ASRock製品を選ぶというのも悪くなさそうだ。
GIGABYTEはATXマザーボードを3製品投入
全機種が4-way SLI/CrossFire対応
GIGABYTEの製品はいずれも,ATXフォームファクタのマザーボードで,「GA-X99-Gaming G1 WIFI」と「GA-X99-Gaming 7 WIFI」,「GA-X99-Gaming 5」の3モデルがラインナップされている。メーカー想定売価は順に,4万9980円,3万7000円,3万2400円(いずれも税別)となっているので,単純計算した税込価格は順に,5万3978円,3万9960円,3万4992円だ。
3製品とも仕様は似ており,いずれもDDR4メモリスロットは8基,ストレージ接続用のM.2スロットを1基,PCIe x16形状のスロットを4基を装備する。4基のPCIe x16スロットを使って,最大で4-way SLIと4-wayのCrossFireをサポート可能だ。
なお,4-way SLI/CrossFire接続時は,PCIe x16×2スロットとPCIe x8×2スロットという構成になるとのことで,マザーボード上にPCIe 3.0ブリッジチップを搭載しているのだろうか。
サウンド機能も3製品共通で,Creative Technology製のサウンドチップ「Sound Core3D」を搭載しており,基板内でサウンド回路部分を分離するノイズ対策も施されている。
ネットワーク機能も特徴の1つ。上位モデルであるGA-X99-Gaming G1 WIFIとGA-X99-Gaming 7 WIFIは,Qualcomm Atheros製のゲーマー向けLANコントローラ「Killer E2201」と,Intel製の有線LAN用PHYチップ「Intel I218-V」を搭載しており,1000BASE-T対応の有線LANポートは2基が実装されている。
それに加えて,詳細スペックは不明だが無線LAN機能も搭載しているので,都合3系統のLANインタフェースが利用可能だ。
なお,下位モデルのGA-X99-Gaming 5は,有線LAN機能がKiller E2201のみの1系統で,無線LANも搭載しないといった点と,上位モデルがI/Oインタフェース部に備えるオーバークロック用のボタンなどが省略されている点が相違点なっている。
基本仕様にはあまり差がないので,2基の有線LANや無線LANに魅力を感じないのであれば,相対的に安価な下位モデルを選ぶ選択もアリだろう。
GA-X99-Gaming 7 WIFI。こちらもストレージ用のほかにM.2 WIFIスロットがあって,無線LANモジュールで占有されている |
GA-X99-Gaming 5。M.2 WIFIスロットには何も装着されていないが,資料ではストレージ用としては勘定されていない |
MSIのX99マザーは4-way SLI/CrossFire対応
最大転送速度32GbpsのM.2スロット「Turbo M.2」も搭載
最後のMSIからは,ATXフォームファクタの「X99S GAMING 7」1製品がアスクから発売される。販売代理店想定売価は,2万9800円(税別)なので,単純計算した税込価格は3万2184円だ。
X99S GAMING 7。X99マザーボードとしては,比較的安めの価格に設定されている |
X99S GAMING 7は,PCIe x16形状のスロットを4基装備しており,4-wayのSLI/CrossFire構成を可能とするのが特徴だ。PCIe x1スロットも2基装備しているほか,ASRockのUltra M.2と同様に,PCIe x4接続で最大転送速度32Gbpsに対応するというM.2スロット「Turbo M.2」を採用するなど,拡張スロット周りの仕様は比較的充実しているといえよう。
サウンド機能では,サウンドチップにはALC1150を採用している。サウンドチップを金属製のカバーで覆い,さらにノイズ対策としてサウンド回路部分を基板上で分離するといったあたりは定番の構成だ。ヘッドフォンのサウンド環境を改善するという「Sound Blaster Cinema」に対応する点は,似たようなサウンド構成を持つASRock製品に対しての,ささやかなアドバンテージだろうか。
有線LAN用コントローラには,ゲーマー向けマザーボードでは定番のKiller E220を採用しているが,X99S GAMING 7はIntel製のPHYチップは備えていないので,1000BASE-T対応有線LANポートは1ポートのみとなる。
仕様面で他社製品に見劣りする面は見当たらないうえ,4-way SLI/CrossFireに対応するX99マザーボードとしてはやや割安の価格に設定されているのが,X99S GAMING 7の長所だ。有線LANの数に重きを置かないのであれば,選択肢に入ってくる製品となるだろう。
ASRock 日本語公式Webサイト
ASUSTeK Computer 日本語公式Webサイト
GIGA-BYTE TECHNOLOGY 日本語公式Webサイト
X99S GAMING 7 製品情報ページ
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