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Haswell時代の電源ユニットは最小電流に注目? 新型電源ユニットが披露された「玄人志向大感謝祭」レポート
玄人志向といえば,やはりこの人「サングラス男」氏の登場だ。トークは苦手とのことだが,ステージでは同氏が担当している新しい電源ユニットの特徴を解説していた |
どちらかといえば,注目の新製品は電源ユニット関連が多く,4Gamer読者が一番注目するであろうグラフィックスカードに関しては,とくに目新しい製品や話題はなかったのだが,その中でも注目すべきポイントに絞ってレポートしよう。
Haswell搭載PCを作るなら対応電源を
玄人志向のイメージキャラクターである「サングラス男」氏によるトークセッションで解説されたのは,開発コードネーム「Haswell」こと,第4世代Coreプロセッサに対応する新しい電源ユニット規格「ATX12V Version 2.4」と,それに対応する電源ユニットの話だ。
といっても,別に「対応電源でなければHaswellは動きません」というわけではないことは,自作PC事情に詳しい読者は知っているだろう。ならば,新しいATX12V Version 2.4では何が変わったのかというのが,トークの主題だ。
発表時の解説記事にもあるように,Haswellは低消費電力を非常に重視したCPUである。CPUが電力消費の低いステートに入っているときは,電源ユニットから供給される電力も絞らないと,電力が無駄になってしまう。しかし従来までの電源ユニットでは,CPUへの最小電流が0.5Aだったので,無駄が多かった。そこで,Haswellに合わせて規格を改定し,より小さな電流を供給できるようにしたのがATX12V Version 2.4というわけだ。
会場の目立つ一角では,この規格に対応した電源ユニット「KRPW-PT500W/92+ REV2.0」が出展され,実際に0.05Aで出力させるデモが披露されていた。電源ケーブルが本体から直接出ているというオーソドックスな80PLUS PLATINUM対応ATX電源ユニットだが,Haswellおよび対応マザーボードと組み合わせれば,低電力時の無駄を減らせるだろう。既存モデルが8000〜1万円程度と,80PLUS PLATINUM対応としては安価な製品でもあるので,比較的安価で販売されるのではないかと期待される。
会場の一角に展示されていた,ATX12V Version 2.4対応のKRPW-PT500W/92+ REV2.0。本体から電源ケーブルが伸びているオーソドックスなタイプで,最近人気のプラグイン式ケーブルではない |
自作PCで電源ユニットといえば,出力の高さや変換効率が製品を選ぶときの基準になっているが,Haswell時代を迎えた今日(こんにち)では,低消費電力時の特性も重要視すべきポイントになっていることを覚えておきたい。
電源ユニットではもう1つ,今後発売予定という,GALAXY Microsystems(以下,GALAXY)製の電源ユニットが目を惹いた。「尖ったオーバークロックユーザー向け」という出力1000Wの電源ユニットは,Windows上のアプリケーションから電圧を変更可能なことが特徴なのだという。
どうやって電源ユニットをWindows上から操作するのだろうかと不思議に思ったが,なんと同じGALAXY製のグラフィックスカードと専用ケーブルで接続することで,コントロールを可能にしているのだそうだ。
GALAXY製の電源ユニットは,側面にLEDがついてやたら派手(左)。右写真の赤丸内に見えるコネクタとケーブルが,グラフィックスカードとの接続用だ |
グラフィックスカード側は,電源コネクタの隣(写真赤丸内)に専用ケーブルを接続する |
こちらはWindows用の電源ユニット設定アプリ。各出力の電圧を調整できる |
この機能に対応するグラフィックスカードは,白い回路基板を採用したHOF
こちらはすでに発売済みの製品だが,出力600Wながらファンレスという電源ユニット「KRPW-FL600W/92+」。ケーブルはプラグインタイプ。静音性に優れた高性能ゲームPCを自作するなら,こういう電源ユニットを使う手もありそうだ |
また会場では,「GeForce GTX 780」の2-way SLI以上を搭載するゲーマー向けデスクトップPC「BATTLEBOX認定システム」相当のデモ機をNVIDIAが出展しているのも確認できた。
BATTLEBOX認定システムには,NVIDIA特製の光るSLIブリッジケーブルが標準採用されるのだが,デモ機ではGeForceユーザー向け無料アプリケーション「GeForce Experience」を使い,特製SLIブリッジケーブルやGeForce GTX 780搭載カードのLED発光パターンを変更する仕組みを確認できた。
会場に展示されていたBATTLEBOX認定システム相当のデモPC(左)。GTX 780カード2枚と光るSLIブリッジケーブルが見える(右)。上下2枚のカードで,GPUクーラー側面にある「GEFORCE GTX」ロゴに埋め込まれたLEDの光量が異なることが分かるだろう |
LED Visualizerでは,単にLEDを光らせたり点滅させるだけでなく,GPUの動作クロックや使用率,温度といったパラメータをチェックさせて,動作状況が設定したしきい値を超えると,発光パターンを変えるという動作も可能である。たとえば,GPU温度が設定値以上になると,LEDを素早く点滅させてそのことを知らせる,といったことができるわけだ。
実用上のメリットは大きくないが,対象グラフィックスカードのユーザーであれば,試してみると面白い機能ではないだろうか。
会場では,CrossFire構成のRadeon R9シリーズ(GPUの種類は確認できず)をASUSTeK Computerの4K対応ディスプレイ「PQ321Q」につなぎ,「バトルフィールド 4」を4K表示でプレイするデモも披露されていた |
玄人志向 公式Webサイト
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