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一体型VR HMD「Oculus Quest」をFacebookが発表。2019年春に399ドルで発売予定
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印刷2018/09/27 16:34

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一体型VR HMD「Oculus Quest」をFacebookが発表。2019年春に399ドルで発売予定

 北米時間2018年9月26日,Facebookは,新型VR HMDとなる「Oculus Quest」を2019年春に399ドルからの価格で発売することを発表した。

丸みを帯びたフロント部分と,その四隅にあるインサイド・アウト型の最新センサーが特徴的なOculus Quest。円状センサーの位置が異なる新型「Oculus Touch」と同封されて399ドルになるという
画像集 No.003のサムネイル画像 / 一体型VR HMD「Oculus Quest」をFacebookが発表。2019年春に399ドルで発売予定

「Oculus Quest」を発表したfacobook CEO Mark Zuckerberg氏
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 これは,同社が開催中のイベント「Oculus Connect 5」の基調講演で,同社CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が明らかにしたものだ。
 Oculus Questは,これまで「Santa Cruz」というコードネームで知られていたVRデバイスだ(関連記事)。新たに開発したインサイド・アウト型のセンサー技術「Oculus Insight」を搭載することにより,6DoF(6軸自由度)のトラッキングを実現している。動作にPCを必要としない一体型モデルであり,新型Oculus Touchもパッケージにバンドルされるという。

Oculus Quest用のTouchコントローラ。リングが上側に移動しているが,これは発光部をカメラから見えやすくするためだと思われる
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 現時点では詳しいスペックまでは明らかにされていないものの,位置トラッキングまでは行わない3DoF(3軸自由度)の低価格ワイヤレスモデル「Oculus Go」と,より精密なコントロールとVR体験を可能にしたPC接続型ハイエンドモデルである「Rift」の間の中間的な存在といえる。


 Oculus Insightは,外部フロントパネルの四隅に設けられた四つのウルトラワイドアングルセンサーと,新たに開発したビジョンアルゴリズムにより,プレイヤーの位置をリアルタイムでトラッキングするというテクノロジーだ。プレイヤーのいる環境を瞬時にスキャニングし,コーヒーテーブルやソファ,テレビとテレビ台の位置はもちろん,観葉植物,カーペット,テーブルランプ,窓やカーテンに至るまで,プレイヤーの障害になりそうな周囲のオブジェクトを自動認識し,そこからポイントクラウドのような3Dマップを作り上げる。
 さらに,ジャイロスコープと加速度センサーのデータを合わせ,0.001秒の間隔でプレイヤーの頭部の位置を演算するという。

ウルトラワイドアングルのセンサーは,事前にプレイヤーのいる部屋をスキャニングするだけでなく,1/1000秒のスピードで頭部の位置を認識していく
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Oculus Insightを利用して,ルームスキャニングを行っている映像デモ。その認識力は相当高い様子だ
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 このOculus Insightのようなインサイド・アウト型センサーは,Windows MR対応機やLenovoの「Mirage Solo」などではすでに活用されているが,Oculus VRがRiftで使用していた技術は,外部カメラでトラッキングするという,いわば「アウトサイド・イン」型のものだった。
 しかし,Oculus Questはワイヤレスであり,Oculus Riftのような外部センサーを利用できないため,完全独立型で動作させねばならない。そこで,上記のようなスキャニング技術が必要になるわけだが,Zuckerberg氏に続いて登壇したFacebookのVR担当副社長Hugo Barra(ヒューゴ・バラ)氏は,その性能について「Oculus Insightは,もはやルームスケールという概念を超越しています」と語り,自信を覗かせていた。

新型TouchコントローラなどOqulus Questの機能について解説するHugo Barra氏
画像集 No.012のサムネイル画像 / 一体型VR HMD「Oculus Quest」をFacebookが発表。2019年春に399ドルで発売予定

 Barra氏らは「アリーナスケール」と呼んでいたが,より広大な場所,例えば体育館のような場所で,外部センサーの位置などを気にせずに複数のプレイヤーが自由に移動しながらプレイできるようになるのだという。
 実際に今回のOculus Connect 5で同社は,テニスコート二つ分ほどの面積はあろうかと思われる敷地を使って,2016年にリリースされているガンシューティングの特製デモ版「Dead and Buried Arena」を公開している。その詳細については別記事で改めて紹介する予定だが,Barra氏によるとOculus Questは家中の複数の部屋やオフィス,友人の家のような異なる場所でも,外部センサーを利用することなく,デバイスを装着したまま自由に移動することもできるという。
 それぞれの場所で周囲をスキャニングして3D空間データを作成する必要があるものの,それらをセーブしておくことにより,頻繁に利用する場所では毎回スキャニングに時間を取られるということもなくなるだろう。

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 Oculus Questの光学系は,Oculus Goで開発されたのと同じレンズが利用されており,片目あたりの解像度も1600×1400ドットの解像度となっている。サウンドもOculus Goと同じビルトイン型のスピーカーだが,さらに低音を利かせた最新のサウンドエンジンを搭載するという。また,内蔵ストレージはOculus Goの2倍となる64GBからになるという。Oculus Goは32GB版と64GB版の2製品構成なので,64GBと128GBといったラインナップになるものと思われる。

内側から見ると,Oculus Goとそれほど違いはない印象を受けるが,布幕の内側には新たにレンズを左右に移動させる「Lens Spacing Adjustment」というシステムが加えられている。サウンドエンジンもさらに進化しているとのこと
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 Oculus Insightの内蔵し保護するためか,その形状は少し丸みを帯びたような形となっている。装着感はOculus Goそのままといった雰囲気だった。

 あと半年ほどという2019年春の発売予定もスピード感があって好感が持てるが,Barra氏によると,ローンチタイトルは50作以上が用意される予定だ。

ローンチタイトルは「Moss」と「Robo Recall」を含む50本以上。ヘッドバンドはRiftと似たプラスチック素材のようだ。かなり大きな三角形で後頭部を支える形となる
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 今回の基調講演では,LucasFilmsのテクノロジー部門であるILMxLABのメンバーが登壇し,ローンチタイトルとして「Vader Immortal: A Star Wars VR Series」をアナウンスしていた。


 すでに公開されている「Trials on Tatooine」同様,本作はゲームというよりインタラクティブムービーといった雰囲気に近いが,映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」でもしっかりと描かれていた「ダース・ベイダーの居城があったとされる惑星ムスタファーに赴き,実際にダース・ベイダーと一戦する」というストーリーを楽しめるようだ。
 このVRシリーズは三部作で構成される予定であるとのことで,幅広い層のVRプレイヤーにアピールしそうだ。

 なお,前出のZuckerberg氏は「このOculus Questで,我々が提供するVRデバイスの第1世代が完了する」と発言しており,Rift,Quest,Goという三本柱で,今後のOculus製品の中核を構成していくものと思われる。Facebookは,今年5月に「Half Dome」というコードネームを持つ新型デバイス向けの技術を紹介していたが,これらは第2世代以降に活用していくというロードマップが鮮明になった形だ。

Zuckerberg氏は,以前「10億人のVRプレイヤー時代」(関連記事)と大見得を切ったことを,今回の基調講演でジョークにし,「まだ,その1%しか達成できていない」と話していたが,このOculus Questはどのように市場で評価されることになるのだろうか
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Oculus Quest発売より先に発表されることになると思われるが,YouTubeとの提携により「YouTube VR」がリリースされるほか,アメリカのプロバスケットボールリーグ「NBA」との提携も発表され,コート際から観戦できるようになる
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「Oculus Quest」製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    Meta Quest(旧称:Oculus Quest)

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