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あのMMORPGの楽しさをもう一度。キャラを育成せずにレイドボス戦だけが楽しめる,「Ragtag Adventurers」を紹介
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印刷2018/05/02 22:00

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あのMMORPGの楽しさをもう一度。キャラを育成せずにレイドボス戦だけが楽しめる,「Ragtag Adventurers」を紹介

 MMORPGにおいて,「ものすごく強いボスを,多人数のプレイヤーによるパーティで倒す」というレイドボス戦は,それこそ「EverQuest」「World of Warcraft」の時代から大人気であり,かつその時代にいったんの完成をみたコンテンツだ。
 その時代のMMORPGをプレイしていた人なら,「よく遊んだなあ」と懐かしく思い出すだろうし,「ファイナルファンタジーXIV」などのプレイヤーなら,「今週末も,皆でボスと戦う予定」ということもあるはず。

この写真を見て,「ああ,そういうゲームね」と思った人はたぶん大正解。本当にそういうゲームなのだが,ただし育成要素はない
画像集 No.001のサムネイル画像 / あのMMORPGの楽しさをもう一度。キャラを育成せずにレイドボス戦だけが楽しめる,「Ragtag Adventurers」を紹介

「Ragtag Adventurers」公式サイト

Steam「Ragtag Adventurers」公式プロダクトページ


 とはいえ,かつてレイドボス戦を楽しんでいたゲーマーが,いざ改めてレイドボス戦を楽しみたいと思っても,そこにはちょっとした障壁がある。我々は,自分が満足できるほど「レイドボス戦で十分に役立つキャラを育成すること」の難しさもまた,よく知っているからだ。

 そこに登場したゲームが,「Ragtag Adventurers」であり,キャラの育成要素を完全に排したこの作品は,まさに「レイドボス戦はしたい,でもキャラの育成からやりたくない」というわがままな人々のためのゲームなのだ。


純粋なマルチプレイアクション


 「Ragtag Adventurers」(以下,「RA」)は,上記のとおりレイドボス戦だけが遊べるマルチプレイアクションゲームだ。操作は原則としてゲームパッドが前提になっており,キーボードにも対応しているが,正直あまりオススメできない。また,複数のゲームパッドを使って,オフラインのマルチプレイを楽しむこともできる。

メニューの隅々までゲームパッドに最適化されているので,キーボードとマウスでの操作はあまりオススメできない
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 プレイヤーは最大4人のパーティを編成し,斜め見下ろし視点のゲーム画面でボスと戦う。4人未満の場合はAIプレイヤーが入って4人パーティになり,また,操作するキャラを切り替えながら戦うシングルプレイモードも存在する。AIの出来は悪くなく,4人未満でも十分に楽しめるが,こういうゲームの常として,キャラ全員に「中の人」がいたほうがより楽しい。
 現状,4つの職業が用意されており,「タンク」「ファイター」「メイジ」「ヒーラー」と,役割分担は非常にスタンダードだ。メイジはゲームの中で「Bunny Mage」と妙な形容詞が付いていたが,基本的に遠距離からダメージを稼ぐ仕事だと考えて構わない。

キャラクターの選択画面。オフラインでプレイする場合,この画面でパーティも編成する
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 キャラクターには合計で8種類のスキルがあり,ボスとの戦闘が始まる前にスキルセットを設定しておくことになる。
 8種類のスキルは各ボタンにアサインされた4つのカテゴリー×2種類に分かれており,ざっくり言って「△ボタンを押したときに出る技が2種類から選べる」というシステムだと思って間違いない。選んだスキルは,ボスとの戦いの間だけ有効だ。

トレーニングモードで,スキルの詳しい説明が読める
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 敵となるボスは複数の種類が存在し,現状は6体だが,追加される可能性もあるという。ボスの攻撃方法は種類によって異なり,しかもHPが減ってくるといわゆる「狂戦士モード」に入るなど,いずれも一筋縄ではいかない相手ばかりだ。

 プレイヤーは敵の攻撃パターンを学習し,ボスのさまざまな攻撃にどの職のキャラクターが対応すべきなのかを探っていかなければならない。スキルのコンボによって難しい局面を乗り切れることもあるので,研究しがいのあるゲームになっている。

 ボスの攻撃でキャラが即死,といったことも起こるが,HPがゼロになったキャラの近くに仲間のキャラが一定時間存在する(存在するだけでいい)ことで蘇生できる。ただし,蘇生してもらえる回数は各キャラ3回までなので,無理は禁物だ。ちなみにAIが操作するキャラは蘇生回数の上限がないので,AIキャラを混ぜる場合は,これをうまく利用していきたい。

画像は,筆者がプレイしているBunny Mageが死んだので,蘇生してもらっているところ
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 操作系はシンプルで洗練されており,ボスとの戦いで操作上のストレスを感じることはほとんどないだろう。
 遠距離から射撃攻撃を行うキャラであっても,弾には軽い誘導性能が付与されており,「だいたい正しいほう」に向けて撃てば,弾がボスに吸い込まれていく。これはゲームパッドで操作するにあたって,非常に重要なポイントだ。

弾はかなり誘導されるが,それでも結構外す
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 ユーザーインタフェースまわりで個人的に気になったのは,最も視認し続けたい情報であるはずのHPとMPが,画面下のステータスウィンドウでしか確認できないことだ。キャラの近くに表示されているゲージは,常用するスキルのクールダウン関係の情報であるため,自分やほかのキャラがどれくらい危ないのかを,すばやく確認するのがなかなか難しい。

 このあたり,各キャラの頭上にHP/MPバーを置き,また画面の一部に各キャラのHP/MP状況を集約して表示するなど,多くのMMORPGで採用されているスタイルにしてもらえれば,もっと楽にプレイできるのになと思う。

アクションはかなりしっかりとしているが,慣れるまで自分のHP/MPが把握しづらい
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 ちなみに本作は,現段階で完全に英語のみだが,いったんボスとのバトルが始まれば,言語依存度は皆無だ。キャラのスキルさえ把握できていれば,英語の能力は問われない。


ゼロからの攻略


 「RA」のもう1つの特徴は,ゲームを開発したPrime Time Studioがボスニア・ヘルツェゴヴィナのデベロッパであることだ。ゲームの説明してくれた同社スタッフによれば,「たぶん,国内には1つか2つしかPCゲームのデベロッパはない」という。1994年にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争は終結したものの,政情不安は続いているようで,会社がそうした国にあることはいろいろと不利なことも多いらしい。Steamでのリリースでも,非常に多くの苦労があったそうだ。

 Prime Time Studioは,「RA」のプロモーション予算をほとんど捻出できず,筆者がざっくり調べた範囲で言えば,ボスの攻略情報などはネット上に存在しないようだ。
 つまり,本作を遊ぶにあたっては,この手のゲームにはつきものともいえる「ネットでの予習」が不可能なのだ。プレイヤーは自分の手でボスの攻撃パターンを探り,自分の手で攻略パターンを作っていかねばならない。スキルの説明は存在するが,それらをどう活用するのかは,自分達で見つけていくのだ。

まずは,スキルの効果を理解するところから始めよう。ゲーム内のテキスト以外,「攻略情報」と呼べるものは現状,存在しない
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 これを面倒くさいと感じるか,それとも,「この時代において,まだ未踏峰があるだと?」と思うかは人によるが,後者のタイプのゲーマーにとって,本作は相当長く楽しめる作品となり得るだろう。
 なお,開発者は「難度の追加やボスの追加,職業の追加などを考えている」と言っていたが,最初実装されていなかったオンラインプレイモードを追加したデベロッパであるだけに,要素のさらなる拡充にも十分期待できる。

 冒頭にも書いたように,本作には育成要素がない。したがって,特定のボスを倒すために何十時間もレベリングしたり装備を強化するためにアイテムを集めたりする必要がない。
 もちろん,そうした成長要素が悪いわけではないが,おそらく,本作のようなゲームをちょっと遊びたいと思う人々なら,時間を費やしてキャラを強化するゲームを現在進行系でプレイしているはず。時間消費型のMMORPGジャンルに食い込んでいこうとするなら,育成要素ゼロという仕様は実に理にかなっていると思える。

敵はそこまで理不尽な攻撃をしてくるわけではなく,ちゃんと予備動作があったりする。ただし「これって弾幕シューティングでしたっけ?」みたいな弾の密度になることもあるので,侮れない
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 Prime Time Studioとしては現在,プレイヤーの多くが感じている「敵のHPが多すぎる」という問題についての対応策を考えているという。「RA」のボスは,MMORPGのボスを思えば,「堅い」とは到底言えない(だいたい10分〜15分で倒せる)が,本作の手軽さを考えると,確かにもうちょっと手ばやく決着がついたほうがいいかもしれない。

死が死を呼ぶ状況。こうなったらだいたい詰み
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 すでにSteamでリリースされた作品とはいえ,今後も,さまざまなバランス調整や拡張パッチの展開などがアナウンスされている。久々にレイドボス戦がしたいというオールドゲーマーにこそ,ぜひプレイしてほしい作品だ。
 本作には最近,VRモードも実装された。ゲームパッドだけで完全にコントロールできる本作は,確かにHMDを被ってもほとんど問題なく遊べるはずなので,興味があるなら,試してみてはいかがだろうか。

クロアチアで開催されたゲーム開発者向けイベントREBOOT Developに作品を出展したPrime Time Studioの開発者の一人,Andrej Jager氏。自ら,「広報コストはほぼゼロ」というが,こういった作品に巡り会えるのも,ローカルな海外カンファレンスの魅力だ
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