古き良きアメリカを放浪するアドベンチャーゲーム「Where the Water Tastes Like Wine」がリリースされ，ローンチトレイラーが公開

　Good Shepherd Entertainmentは，Dim Bulb Gamesが開発するアドベンチャー「Where the Water Tastes Like Wine」をリリースし，同作のローンチトレイラーを公開した。


　20世紀初頭，大恐慌が発生する前のアメリカを舞台にした本作では，“ウルフ”との賭けに負けたためにスケルトンの風貌となってしまった主人公が，アメリカ各地を放浪する姿が描かれる。その目的は，文明化の波とともに消えゆく伝承や不思議な体験談の欠片を集めて回ることだ。

　アメリカが“マニフェスト・デスティニー”（西部開拓の根拠とされた標語）によってプロテスタント化する前の世界で，開拓者や家出少年，出稼ぎ労働者，ネイティブアメリカン，解放奴隷，メキシコ系移民といった人物から200種以上のストーリーを聞き出し，それを民話として出会った人に聞かせていく。

　登場キャラクターは野宿をしていたり，山小屋に住んでいたりして，求めている話を主人公から聞くと，心を開いていく。画面上に表示されている目の形をしたアイコンが開き切る（目が覚めるほど楽しいという意味合い）と，彼ら自身の体験談を話してくれるようになるのだが，こちらができる話の数には制限があるので，場合によっては失敗するし，彼らの求める話がない場合は，再び当てのない旅に出なければならない。旅の途中には天候の変化はもちろん，オカルト現象のようなものにも遭遇するという。


　徒歩での放浪が基本になるが，ヒッチハイクしたり列車に飛び乗ったりも可能で，ブルーグラス（アメリカで生まれた音楽ジャンルで，バンジョーやバイオリンなどを使う）が主体のBGMを聞きながらの，のんびりとしたプレイが楽しめるようだ。

　気鋭のアメリカ人イラストレーター，Kellan Jett（キーラン・ジェット）氏による登場人物と，ゲーム開発集団のSerenity Forgeが手がけた放浪パートがミックスされた独特の作風も気になるところ。
　ジョン・スタインベック氏やマーク・トウェイン氏の古典小説，ジャック・ケルアック氏の放浪記といったものを思い起こさせる，インタラクティブ・ストーリー的要素も多分に含んでいると言えるだろう。


　Dim Bulb Gamesは，「Bioshock」や「Gone Home」などの開発経験を持つJohnnemann Nordhagen（ジョネマン・ノードヘイゲン）氏が設立した個人スタジオだ。ゲーム中に収録されている16つのメインストーリーは，欧米の著名なゲーム脚本家達が手掛けており，声優陣もゲーム業界では知られた人物が集められている。

　残念ながら日本語表示には対応していないが，すでに多くの賞にノミネートされるなど，評判は高いので，ゲーム好きならチェックしておくべき作品だろう。

「Where the Water Tastes Like Wine」公式サイト