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印刷2017/05/20 22:24

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「パラッパラッパー」の松浦雅也氏が新作「Project Rap Rabbit」で目指すラップゲームとは? 「BitSummit」でのトークショーをレポート

 インディーズゲームイベント「A 5th of BitSummit」が2017年5月20日と21日の2日間,京都府の「みやこめっせ」において開催されている。
 初日の5月20日には,SIE ワールドワイド・スタジオのプレジデントである吉田修平氏を司会に,「パラッパラッパー」などの音楽ゲームを手がけた松浦雅也氏と,チップチューンの演奏で知られるミュージシャンのサカモト教授がゲーム音楽について語るトークショーが行われた。本稿でその模様をレポートしよう。

七音社の松浦雅也氏
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サカモト教授
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司会を務めたSIE ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平氏
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 まず話題になったのが,松浦氏と,「ギタルマン」押忍!闘え!応援団」などの音楽ゲームを手がけたイニスジェイの矢野慶一氏がタッグを組んだ「Project Rap Rabbit」PC / PS4)。

 このプロジェクトは5月15日からKickstarterでのクラウドファンディングが始まったばかりで,ウサギの少年「兎々兎丸」が,弟子のカエル「お玉丸」と共に,ラップのような「拍子物言い」でさまざまな問題を解決したり,敵と戦ったりするゲームになるという。

 応援に駆けつけた矢野氏は「Kickstarterも始まったばかりです。皆さんのご協力を得て実現していきたいのでよろしくお願いします」と呼びかけ,松浦氏も「矢野さんとは20年来のお付き合いだが,一緒に仕事をするのは初めて。コラボレーションできるのは非常にエキサイティングです」と意欲を見せた。

イニスジェイの矢野慶一氏
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「Project Rap Rabbit」の主人公・ウサギの少年「兎々兎丸」(左)と,弟子のカエル「お玉丸」(右)
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 続いてのテーマは,サカモト教授の音楽活動。最近はゲーム関連のイベントに呼ばれたりすることも多いというサカモト教授だが,中でもよく行くのがスウェーデンで,同国はゲーム好きが非常に多い国なのだそうだ。

 サカモト教授が楽曲を提供したインディーズゲーム「Alwa's Awakening」は,そんなスウェーデンのクリエイターがファミコン時代を意識して作った作品で,愛が高じて実際にカートリッジも作ってしまったのだというから熱い。
 同作以外にも,ファミコンやスーパーファミコンをリスペクトしたインディーズゲームが増えているが,サカモト教授はその要因を「ファミコンでゲームに親しんだ世代がゲーム作りのトップになっているからじゃないでしょうか」と分析した。

画像集 No.006のサムネイル画像 / 「パラッパラッパー」の松浦雅也氏が新作「Project Rap Rabbit」で目指すラップゲームとは? 「BitSummit」でのトークショーをレポート

 そして話題は松浦氏の創作モットーに移った。松浦氏は自身の創作を「説明は難しいが,ゲームと音楽を全てひっくるめたものではないか」と表現。
 また,音楽ゲームについて「音楽や表現は本来自由なもの。吉田さんと自分がそれぞれ音楽ゲームを遊んだとしても,どちらのプレイがいいかはスコアだけで比べられるものではないだろう」と語った。

 そして松浦氏は「ゲームを作るうえでは,自分のイマジネーションを広げたり,優れた表現をするためにツールを使ったりして格闘するが,これはなぜゲームではないのか……という疑問がある。本来,ゲームとゲームでないもののボーダーは曖昧ではないかと考えていて,僕の好きなこうした領域で良い表現ができればいいなと考えています」と述べた。

 一般的にはツールを使えば開発,音楽ゲームならプレイということになるが,氏にとってはそのはっきりとした区別はなく,イマジネーションを拡張したり,良い表現を目指して試行錯誤できるものを追い求めている,ということかもしれない。

 氏の代表作である「パラッパラッパー」には,画面で指示されていないタイミングでボタンを押しても高い評価が得られる「アドリブ」システムが存在するが,それが生まれたのも,松浦氏のこうした考えからだろう。

 「Project Rap Rabbit」に,こうした自己表現的要素がどのような形で取り入れられるのか,気になるところだ。松浦氏は「パラッパラッパーの内容について聞かれたとき,『これはラップゲームだ』と答えているが,リズムゲームであってラップゲームではないというお叱りを受けることも多いです」と明かしたうえで,「『Project Rap Rabbit』では,リズムゲームの要素を持ったラップゲームと言えるようなものを作っていきたい」とした。

 具体的なところは語られなかったが,サカモト教授の「リリック(歌詞)自体を作っていくということでしょうか?」という質問に,松浦氏は「そういうイメージを抱いて取り組んでいます」という大きなヒントを返した。続報が楽しみだ。
 最後に松浦氏は「ぜひこのプロジェクトを成功させたいと思っていますので,よろしくお願いします」と語り,トークショーを締めくくった。
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