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「FFEXフォース」配信直前! 5人マルチプレイの魅力,前作FFEXの数十年後の世界観,CBTを経ての改善案などを,安部貴博氏に尋ねた
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印刷2018/03/14 18:00

インタビュー

「FFEXフォース」配信直前! 5人マルチプレイの魅力,前作FFEXの数十年後の世界観,CBTを経ての改善案などを,安部貴博氏に尋ねた

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「FFEXフォース」配信直前! 5人マルチプレイの魅力,前作FFEXの数十年後の世界観,CBTを経ての改善案などを,安部貴博氏に尋ねた
 スクウェア・エニックスが2018年3月15日に配信する,新作スマホゲーム「ファイナルファンタジー エクスプローラーズ フォース」iOS / Android。略称,FFEXF。以下,FFEXフォース)について知るべく,ディレクターの安部貴博氏に話を聞いてきた。

 本作は,計5人のパーティプレイに対応したマルチプレイアクションRPGで,攻防の駆け引きが明確なMMORPGと,直感的な回避操作ができるアクションゲームとの“中間”を狙ったタイトルだ。読者の中には,3DS向けソフト「FINAL FANTASY EXPLORERS」(以下,FFEX)との関連性に気付いた人もいるだろうが,そのとおり。FFEXフォースの物語は,FFEXの数十年後の世界で“国家間戦争”をテーマに展開するという。

 これらの要素がゲーム内でどのように取り扱われているのかは,ぜひとも下記の本文で確認してほしい。

ディレクター 安部貴博氏
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「壁にでも話してろよ」とスコールなら言いそうだが,スクエニの新作“マルチプレイアクションRPG”「FFEXF」CBTプレイレポートをお届け


「ファイナルファンタジー エクスプローラーズ フォース」公式サイト



頭身の高さがリアルを生む


4Gamer:
 本日は大阪からの出張という多忙なところ,お時間をいただきましてありがとうございます。

安部貴博氏(以下,安部氏):
 いえいえ,FFEXフォースが正式配信を迎えるころには,東京と大阪の間をもっと行き来することになりそうですから。これくらい大丈夫です(笑)。

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4Gamer:
 開発を大阪で行っているタイトルには,それも結構あるあるなんですかね。

安部氏:
 そうかもしれません(笑)。

4Gamer:
 では,あらためまして本日のインタビュー,よろしくお願いします。

安部氏:
 はい,よろしくお願いします。

4Gamer:
 最初に,FFEXフォースがどのようなゲームなのかを教えてもらえますか。

安部氏:
 ファイナルファンタジー(以下,FF)の世界観をモチーフにした,スマホ向けマルチプレイアクションRPGです。すごく簡単に言うと,「仲間と協力して一緒に召喚獣を倒そう」というゲームです。

4Gamer:
 わかりやすい。本作は“エクスプローラーズ”の名を冠していることから,FFEXとの関連性を気にしている人もいると思われますが,このあたりを含めて,企画立ち上げの背景を聞かせてください。

安部氏:
 企画の発端は,「(FFEXの)続編を作りたいよね」という声が,開発チーム内で挙がったことです。そこから話が進んでいって,“次回作はどのような形で出すべきか”を本格的に考えていきました。

4Gamer:
 元が3DS向けソフトですから,続編もコンシューマと考えるのが通例な気もします。

安部氏:
 はじめは私達もそう考えていました。しかし,当時はスマホゲーム市場がメキメキと伸びていました。そのため,より多くの人に遊んでもらいたいという一心で,続編はスマホ向けに出すことを決めたんです。それに“ここまでアクション性を押し出したタイトル”もなかったので,それも含めて面白いチャレンジだと思っていました。

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4Gamer:
 しかし,FFEXの頃から温めてきたとなると……約3年ですか。長いですね。

安部氏:
 そのうち,実際の開発にも2年以上を要しましたので,長かったですね(笑)。

4Gamer:
 でも,FFEXフォースはパッと見た感じ,“今だから出せるようになったスマホゲーム”の部類だと思うので,それも必要な時間だったのかもしれませんね。

安部氏:
 開発中は,どのようなスマホゲームが市場に出てくるのかを注視していました。最近はゲーム性を重視したアプリも多く出てきて,今までとは違う,新たな体験を求めているユーザーさんが増えていると感じています。

4Gamer:
 内容の被ってる,被ってないは,やはり気になりますか。

安部氏:
 はい,ほかのタイトルと内容が被っていないかは実際にプレイし,チェックしていました。ですが,FFEXフォースほどアクションに特化しているスマホゲームは,まだ少ないかなと思います。

4Gamer:
 人によっては「PCで遊びたい」という声も聞こえてきそうな内容ですけど,現状PC版を構想していらしたりは。

安部氏:
 社内で体験会を開いたときも,「コンシューマーやPCでも遊んでみたい」という声が挙がりましから,そういう需要はあるんですよね。FFEXフォースが順調に進んでいければ,チャレンジしてみたいですね。

4Gamer:
 さて,FFEXの続編という点が明らかになったところで,ぜひ聞いておきたいことが。両作を見比べると,世界観がだいぶ変わりましたよね。FFEXがFFIV,FFVみたいだとしたら,FFEXフォースはFFVII,FFVIIIみたいな印象です。

安部氏:
 FFEXフォースの舞台は,FFEXの数十年後の世界となります。雰囲気が異なるのは確かですが,両作で世界観を共有しているので,実は前作のキャラクターも登場しています。

4Gamer:
 となると,正当続編と言ってもいいんですね。

安部氏:
 おそらく,前作ファンの皆さんを戸惑わせてしまったのは,“キャラクターの等身が変わっている”ところだと思っています。FFEXは約4頭身でしたが,FFEXフォースは約6.5頭身くらいになっているので。

4Gamer:
 そこですよね。ではなぜ,頭身を変えたのでしょうか。

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安部氏:
 アクションゲームとしての表現を考えた際,頭身が低いとアクションのモーションやカッコよさがどうしても描き切れないんです。

 あと,FFEXフォースの物語は“国家間戦争”という重厚なテーマを取り扱っているので,デフォルメ調の可愛らしさよりも,リアル調の雰囲気がマッチすると考えたのもあります。

4Gamer:
 理に適った設計だったんですね。

安部氏:
 ついでに言うと,続編と言いつつ,前作から一新するつもりで制作してきたことも大きいです。当時のスマホゲーム市場は,デフォルメキャラの作品が多かったので,数年後にFFEXフォースをリリースしたとき,同じようなデフォルメ群に埋もれてしまったらどうしよう,という懸念がありましたので。そのため,キャラの頭身の高さもフックにしてしまおうと考えたわけです。

4Gamer:
 たしかにデフォルメ調のままだったら,近年のスクエニだけでも,BDFE(ブレイブリーデフォルト フェアリーズエフェクト)やバトブレ(バトル オブ ブレイド)などと,同じ群に入ってしまっていたかも。

安部氏:
 その“同じような印象で見られる”ことを回避したかったんです。

4Gamer:
 しかし,CBTレポートの中には「キャラクターがFFらしくない」といったストレートな意見もありましたが。

安部氏:
 FF作品には美形キャラクターが数多く登場しますが,本作では独自路線のカッコいい,カワイイを目指してきました。ただ,CBTで「もっとカッコいい顔,カワイイ顔がほしい」といったご意見が多く寄せられたので,アバターの顔はすべて調整し直しています。新たに追加した顔のタイプもありますので,リリース版を楽しみにしていただければと思います。

ケロップ族の「ラナ」
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4Gamer:
 個人的には,ケロップ族の「ラナ」も気になっています。とても可愛らしいですけど,ド直球にカエルですよね。

安部氏:
 ケロップ族は前作には登場していない種族です。でも,FFEXフォースでは,FFらしくさまざまな種族を描きたかったため,マスコットキャラクターを兼ねる形で登場させることにしました。ちなみに,カエルの発案はプロデューサーです。

4Gamer:
 それはまた尖った主張で。

安部氏:
 どんなマスコットキャラにするかは,だいぶ協議を重ねて,開発内でもアンケートを取りました。もちろん,ストレートにカワイイキャラを推す意見もありましたが,その一方でカエルを熱狂的に支持する意見も結構多かったんです。その結果を鑑みて,普遍的で可愛らしいマスコットキャラよりも,カエルのほうがインパクトあるかもしれないと,カエルで本決まりしました。

4Gamer:
 両生類が服を着ているんですから,世界の広さも伝わるってもんです(笑)。では,キャラの頭身も関係しているという物語の内容も教えてください。テーマは国家間戦争とのことですが。

安部氏:
 物語はFFEXの続きとなりますが,まずこの世界は“クリスタル”によってエネルギーが賄われています。クリスタルは私達の世界で言うところ,原油などの資源にあたります。そして前作から数十年後の世界では,クリスタルの取り合いが激化した結果,国と国との戦争が起こるようになってしまいました。

4Gamer:
 ハードですね。そんな世界の中で,プレイヤーはどんな役割を担うのでしょう。

安部氏:
 本作はアバターゲームなので,主人公=プレイヤーとなります。そしてプレイヤーの役割は,「国際平和連合軍 FORCE」という組織に所属するソルジャーとして,世界平和の均衡を保っていくことです。具体的には,国家間のバランスに関わる問題の依頼(クエスト)を受け,それらを解決していきます。

4Gamer:
 FFシリーズで言うと,零式(FINAL FANTASY零式)の雰囲気が近そうですかね。

安部氏:
 戦争をテーマとしている点では近いかもしれないですね。ただ,作品のテイストはまったく違っていて,気楽に楽しめる雰囲気を重視しています。

4Gamer:
 それでもFFEXの牧歌的というか,ファンタジー寄りのアプローチと比べると,大胆な路線変更になったのでは。

安部氏:
 実は,FFEXも世界観や設定を細かく拾っていくと,同じくらい重厚なテーマを取り扱っていたんですよ。ただ,FFEXは4人共闘プレイという遊びの面に注力していたので,ストーリー要素を多く出しすぎないようにしていました。これは狙ってやっていたことではありますが,プレイヤーの皆さんから「物語性が薄い」という意見をそれなりに受けてしまったので,FFEXフォースでは物語をより厚くしようと考えたんです。

4Gamer:
 FFEXは“遊ぶためのゲーム”って感じでしたもんね。

安部氏:
 それにFFと言うと,ストーリーを求めるファンの方々が多いですから。FFEXフォースではイベントシーンなどにも力を入れています。

4Gamer:
 主人公はアバターとのことですが,喋るんでしょうか。

安部氏:
 いえ,喋りません。主人公の上長であるロゼ(ロゼッタ・ロストマイヤ),副官のクロカワ(ナオズミ・クロカワ)など,周囲のキャラクターを交えつつ,大きな世界情勢に介入していきます。とはいえ,主人公が喋らないシナリオ作りには難儀しました。

4Gamer:
 周囲のキャラで物語を動かしていかないといけませんからね。

安部氏:
 当初は「喋る」「喋らない」のどちらにすべきか,開発チームでも議論がありました。でも,FFEXの主人公もアバターキャラでしたから,FFEXフォースでもそこは通そうと。そのため,ロゼやクロカワをはじめ,かなり個性的なキャラクターが多数登場します(笑)。

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5人だからできるパーティ編成


4Gamer:
 ここからゲーム面に迫っていきますが,まずメインコンテンツはどのようなものでしょうか。

安部氏:
 プレイヤー同士の協力プレイで,召喚獣を倒してもらうのがメインと言えます。しかし,FFEXフォースではただのマルチプレイではなく,“パーティプレイ”を重視しています。基本方針は,FFXIやFFXIVのようなオンラインゲームでお馴染みのタンク,ヒーラー,アタッカーといったロール(役割)を各自が担当し,多人数で戦略をもって,クエスト攻略を目指してもらうものです。

4Gamer:
 “ロールの必要性”はどれほどのものでしょう。シナジーや編成が求められるのかどうか。

安部氏:
 スマホゲームですから,そこは縛り過ぎずに遊べるバランスにしています。ロールの要素をしっかりと感じられるが,ロールを意識し過ぎずとも遊べる,そんな中間点です。もちろん,ソロでもNPCを同行してクエストに挑めるので安心してください。

4Gamer:
 キリキリにチューニングすると,「白募 ナ×」(※白魔導士は募集中,ナイトはお断りの意)みたいな状況も生まれそうですしね。とはいえ,エンドコンテンツ相当になると,この手の戦略も必要になってくるのでは。

安部氏:
 そうですね。物語が絡むメインクエストなどは,ロールプレイを意識しなくても楽しめるバランスにしていますが,期間限定イベントの高難度のクエストでは,ロールの役割分担が求められるようになります。

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4Gamer:
 アクションRPGと銘を打つゲームではとくに気になりますが,FFEXフォースのバトルシステムは「攻防の駆け引きが明確なMMORPG」と「直感的な回避操作ができるアクションゲーム」,どちらの傾向が強いでしょう。

安部氏:
 それもまた中間を狙っています。RPG的な駆け引きを繰り広げつつ,敵の攻撃を直感的に回避することもできます。ただ,CBTではフリック操作で回避アクションを発動できるようにしていましたが,使用感覚も含めて,「もっとアクションゲーム的な回避をさせてほしい」という意見が非常に多かったため,現在は新たに「回避ボタン」を追加し,キャラクター移動もアクション寄りに調整し直しています。

4Gamer:
 ゲーム画面から受ける印象からか,やはりアクション要素を求める人は多いんでしょうね。私もその口ですので。

安部氏:
 かといって,すべての攻撃を避けられるみたいな,純度の高いアクションゲームにはしたくなかったので,バフ/デバフを駆使して攻撃を受け止めたり,味方にタイミングよく回復してもらったりと,RPGらしさはブレないようにしています。皆さんにもそのバランス感を楽しんでほしいです。

4Gamer:
 プレイヤー間のコミュニケーションは「チャット」と「スタンプ」の2種類ですか。

安部氏:
 「エモーション」でのコミュニケーションも取れます。ちなみにチャットは発信のとき,ALLやパーティチャットといった切り替えが可能です。ただ,スマホゲームでアクション中にチャットを打つのはとても難しいので,バトル中はスタンプやエモーションがメインになるかと思います。

4Gamer:
 仮にやるとしたら,「チャットを打つときだけAUTO操作に切り替えて,文字を打ち込んだらすぐにマニュアル操作に切り替え」みたいな,本作特有のプレイヤースキルが求められるかもしれません。

安部氏:
 そういうテクニックも生まれるかもしれませんね(笑)。

4Gamer:
 私がFFEXフォースというタイトル名を認識して,ゲームの概要を見たとき,「あれっ?」と思ったのが“5人パーティ”という点でした。5人構成って珍しい部類ですよね。まあ,フォースという単語から「4」という数字を想起したのもありますが。

安部氏:
 ロールが最大限機能するパーティプレイを楽しんでもらうためには,4人よりも5人がいいだろうと考えたからです。4人の場合,基本的なパーティ構成を考えるとタンク,ヒーラー,アタッカー×2となりますが,これだと遊びの幅が狭くなってしまいますし,毎回あまり変わり映えしないんです。なので,タンク×2だったり,ヒーラー×2だったりと,バリエーションを出しやすい5人にしました。

4Gamer:
 プレイヤー同士をつなぐ,マッチングシステムはどうなっているのでしょう。

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安部氏:
 大きく分けて,不特定多数のプレイヤーと気軽に遊べる「全国マッチング」,友達同士でじっくりと遊べる「フレンドマッチング」,1人でクエストを攻略する「シングルプレイ」の3種類があります。

 1回限りのマッチングもできますし,ロビー内でパーティを組んで,同じ人達と連続してクエストに挑むことも可能です。

4Gamer:
 全国マッチングはボタンを押したら,すぐさまマッチングされるんですか。その際,パーティの編成はどうなるのかが気になります。

安部氏:
 全国マッチングでは,パーティのバランスを考慮し,システム側で自動的に割り振りを行います。白魔道士が5人集まってしまっては,大変なので(笑)。

4Gamer:
 CF(コンテンツファインダー)的な設計ですね。

安部氏:
 そうですね,設計イメージとしては近いと思います。ロールでのパーティプレイを実現するためにはバランスが大切になりますので。ただ,フレンドマッチングでは逆に縛りがなく,自由にパーティを組めます。よって「全員モンク!」といったアタッカーパーティや,「全員白魔道士」といったヒーラーパーティを作ることも可能です。とはいえ,ヒーラーパーティでの攻略は大変でしょうが(笑)。

4Gamer:
 白5人とかも,それはそれで面白いんですけどね(笑)。ちなみにCBTでは計6種のジョブを体験できたようですが,リリース後は何種類くらい用意されますか。

安部氏:
 まずは「ナイト」「モンク」「黒魔道士」「白魔道士」「狩人」「竜騎士」の6種類となります。そのほかのジョブは,今後のサービスをとおして随時追加する予定です。ジョブは追加した瞬間から自由に選べるようにしますから,ゲーム内で特別なにかする必要もありません。

4Gamer:
 ジョブの総数はどれくらいになるのでしょう。予定でも,想定でも構いませんが。

安部氏:
 現時点ではちょっと言いにくいですね……(笑)。FFでお馴染みのジョブで,まだ未発表のものはたくさんありますので,プレイヤーさんから期待されるであろうジョブから順次実装していく予定です。

4Gamer:
 当たり前のように受け取っていましたけど,イチからジョブごとのバランス調整をしていくのって結構大変そうですね。

安部氏:
 前作はコンシューマゲームということで,ソロプレイで遊ぶ人が多くいるだろうと考え,“1人でなんでもできる”ような調整にしていました。ですが,FFEXフォースではジョブの特徴を出しつつ,極端にし過ぎず,かつなんでもできるスーパースターのようなジョブは出さないよう心掛けています。

4Gamer:
 あと,本作のFF要素と言えば「トランス」ですよね。FFEXと同じく,FFシリーズの歴代キャラクターに変身できるんですか。

安部氏:
 トランスはFFEXの目玉機能でしたが,本作でもしっかりと継承しています。ゲーム中は「トランス魔石」を装備することで,バトル中に魔石に応じたFFキャラクターに変身できます。変身中はキャラの見た目やボイス,BGMが変わるほか,キャラ固有の必殺技を使えるようになります。

画像集 No.007のサムネイル画像 / 「FFEXフォース」配信直前! 5人マルチプレイの魅力,前作FFEXの数十年後の世界観,CBTを経ての改善案などを,安部貴博氏に尋ねた

4Gamer:
 トランスできるキャラは歴代主人公はもちろんとして,DFF(DISSIDIA FINAL FANTASY)くらいの数を想定していたり?

安部氏:
 いろいろ出せたらいいなとは思っていますが(笑)。まずはジョブと同じく,プレイヤーさんから期待されるであろう,歴代主人公を中心に追加していくつもりです。

4Gamer:
 前作は召喚獣にもトランスできましたが,FFEXフォースでもできるのですか。

安部氏:
 トランスは「FFキャラ」に限定していないんですよ。なので,いろいろなものにトランスできると面白いだろうなと考えています。

4Gamer:
 そういえば当の「召喚獣」に触れていませんでした。召喚獣は今回もボス敵として登場するんですよね。

安部氏:
 そうですね。イフリート,シヴァ,ラムウといったおなじみの召喚獣達はもちろん,FFEXフォースのオリジナル召喚獣も登場します。

4Gamer:
 前作では召喚獣の中でも,特性が異なる「変異体」が存在していましたが,本作にも登場するのでしょうか。

安部氏:
 前作とは異なる形ですが,変異体に近いものは登場する予定です。また,本作は同一の召喚獣であっても,ツノや尻尾などの見た目が変わったり,新たなパーツが追加された召喚獣が登場したりします。それに伴い,攻撃やAIも変化しますので,対策や攻略の違いを楽しんでほしいです。

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課題をたっぷり見つけられたCBT


4Gamer:
 ここであらためて,CBTをやっての感想を聞かせてください。公式サイトで公開中のCBTレポートだけでも,さまざまな意見が寄せられたようですが,想定していたものや,ハッとするようなものはありましたか。

安部氏:
 いろいろありました。来るだろうなと思っていた意見はまず,操作周りです。多くのプレイヤーさんに触ってもらうのは今回が初めてでしたので,どのような反応になるのか,想像できない部分も多かったです。操作系にはCBT後,先ほど話した回避ボタンの追加など,さまざまな意見を反映しています。

4Gamer:
 ザーッと目をとおした感じ,「ゲーム内容は抜群も,通信処理とガチャ回りに不満アリ」といった総評が目立ちました。

安部氏:
 通信関係の負担を確認するのは,CBTにおいて最も大切なことでした。テスト中は通信エラーやダメージの遅延バグなどで,参加してくれたプレイヤーさんにご迷惑をおかけしてしまいましたが,おかげさまで人数や時間帯などに関連するサーバーの負荷をチェックできました。こちらはリリース版では修正されています。

4Gamer:
 もう一方,ガチャについてはいかがでしょう。

安部氏:
 1番多かったのは「思っていた物が手に入らない」という意見でした。ガチャには「武器・防具ガチャ」と「アビリティガチャ」の2つを用意していますが,武器・防具ガチャではさらに,ジョブ別の装備ガチャを選んでもらいます。ただ,このジョブガチャの“選んでいないジョブの装備”も排出される点に,不満を持たれてしまったようです。

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4Gamer:
 1つのジョブだけに絞ったガチャも,アリと言えばアリな印象ですが。

安部氏:
 FFEXフォースでは,さまざまなジョブのマルチ育成を楽しんでもらいたいので,あえてやらなかったんです。ガチャをとおして,プレイヤーの皆さんにいろいろな武器を触ってもらったり,プレイ感覚の違いを体験してもらったりと,きっかけを提供したかったので。ちなみにナイトのメイン武器は長剣ですが,槍をメイン武器とする竜騎士を育てると,ナイトでも槍を装備できるようになります。好きな武器を使い続けることもできる仕組みです。

4Gamer:
 では,意見を受けた後,ガチャにはどのような調整が施されたのでしょう。

安部氏:
 まず,各ジョブガチャの最高レアリティアイテムの排出だけは,“そのジョブでしか装備できないもの”に限定しました。さらに排出率も調整しているので,狙っている物がより出やすくなっているはずです。それとアビリティについては,ガチャ以外でも入手できる方法を用意しました。

4Gamer:
 たしか,装備に付与するアビリティはゲーム内で作成できるとか。

安部氏:
 はい。素材を集めてクラフトすることで,狙ったアビリティが作れるシステムです。アビリティは最大12個まで装備できるようになるので,いろんな種類のアビリティを用意して攻略をスムーズにしたり,ケアルが使える竜騎士を作ってみたりと,さまざまなカスタマイズを楽しめるようにしました。

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4Gamer:
 CBT後は追加機能として,低スペック端末のための「解像度の選択機能」と,高スペック端末のための「60fpsモード」を実装されましたね。上下のスペック幅を広げたみたいで。

安部氏:
 今回のCBTはAndroid向けのテストでしたから,iOS端末と違って,端末ごとのスペック差がさまざまでした。

4Gamer:
 iPhoneシリーズと比べると,Androidの端末は多種多様ですから,個々人によって違いが出ますもんね。スペックが同等の端末でも,なぜかゲームが動かせないというケースもよく聞きます。

安部氏:
 そうなんですよ。そして,人によっては推奨スペック未満の端末でプレイされていたようなので,「グラフィックスの質を落としてでも遊びたい」という意見をくみ取り,より多くの人達に軽快に楽しんでもらえるようにと,解像度の選択機能を搭載することにしました。アクションゲームはレスポンスが悪いと,それだけで話になりませんから。それぞれの端末にあわせた描画負荷でプレイしていただければと思います。

4Gamer:
 もうひとつの60fpsモードは,その逆の発想ですよね。

安部氏:
 FFEXフォースは30fpsで動くゲームなのですが,元から60fpsで動かすことはできました。現在はハイスペックな端末も出回っていますので,CBTの結果を踏まえて,それらの端末を使用して遊ぶ人達のためにと実装しました。やはり,60fpsのほうが滑らかなアクションを楽しめますからね。

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4Gamer:
 それでは時間も少なくなってきたので,プロモーション関連の話を聞かせてください。本作ではゲーム内イベントの定期的な提供は予定されていますか。

安部氏:
 継続的に行っていきたいです。現時点では,モーグリの衣装が手に入るイベントなどを予定しています。

4Gamer:
 現在,小西克幸さんを起用しての動画企画「小西克幸隊長とゆく召喚獣討伐大作戦!」も公開しているようですが,こちらの反響はいかがでしょう。

安部氏:
 たくさんの反応をいただいております。やはり,多人数でのパーティプレイが中心のゲームですから,皆でワイワイ遊ぶ姿を届けるのが1番だと考えています。それに小西さんとはFFEXからのお付き合いでしたから,最初から「小西さんしかいないだろう」という気持ちで,今回も出演をお願いさせていただきました。普段こういったアクションゲームをあまり遊ぶ機会がないという方々にも届いていれば嬉しいですね。

4Gamer:
 最後に,間もなく迎える3月15日の配信に向けて,一言をお願いします。

安部氏:
 まず,CBTから若干期間が空いてしまったため,ファンの皆さまを大変お待たせしてしまいました。CBTでいただいた意見には真摯に向き合い,大きなところから細かいところまで,さまざまな改修を行っています。CBT版よりもグッと遊びやすくなっていますので,配信後にプレイしてもらい,FORCEの一員として,エクスプローラーズ生活を楽しんでいただければと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。リリース日を楽しみにしています。

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