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「Core i3-7350K」レビュー。史上初の倍率ロックフリー版Core i3がゲーマーにもたらすものとは
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印刷2017/02/18 00:00

レビュー

史上初の倍率ロックフリー版Core i3はゲーマーに何をもたらすか

Core i3-7350K

Text by 宮崎真一


 Intelは,2017年1月4日に開発コードネーム「Kaby Lake-S」ことデスクトップPC向け第7世代Coreプロセッサを発表した。その最上位モデルである「Core i7-7700K」(以下,i7-7700K)に対して4Gamerは,「ゲーマーにとってのインパクトはないものの,オーバークロック用途では面白みがある製品」と結論付けている。実際,市場でも“回る”CPUとして注目を集めているようだ。

i3-7350K
Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)
 そんな中,2月11日になって,Kaby Lake-S世代の下位モデルとなる「Core i3-7350K」(以下,i3-7350K)の国内販売が始まった。
 型番から想像できるとおり,i3-7350Kは,史上初の,倍率ロックフリー版Core i3プロセッサとなる。一般論として,動作するコアの少ないほうがオーバークロックでより高い数字を狙いやすいというのがあるわけだが,デュアルコア仕様となるCore i3では,実際のところどうなのか。
 また「最近の3DゲームはクアッドコアCPUが推奨環境となることが多い」という現実もあるわけだが,デュアルコアCPUをオーバークロックすることで何とかなるものなのだろうか。

 4Gamerではi3-7350Kの性能評価用エンジニアリングサンプルを入手できたので,素の性能,そしてオーバークロックの可能性を確かめてみたいと思う。

※注意
 CPUのオーバークロック設定はメーカー保証外の行為です。最悪の場合,CPU本体やマザーボードなど,PCを構成する部品の製品寿命を著しく縮めたり,壊してしまったりする危険がありますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。本稿を参考にしてオーバークロック動作を試みた結果,何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回のテスト結果は,あくまで入手した個体についてのものであり,すべての個体で同じ結果が得られると保証するものではありません。


2C4T仕様,i7-7700K比でTDPが30W以上低いi3-7350K


Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)
 i3-7350Kのスペックは1月4日の記事でお伝え済みだが,おさらいしておこう。
 i3-7350Kは,マルチスレッディング技術である「Hyper-Threading Technology」をサポートした,2コア4スレッド対応のCPUだ。LGA1151パッケージを採用しているため,Intel 200シリーズチップセット搭載マザーボードだけでなく,(UEFIをアップデートすれば)Intel 100シリーズチップセット搭載マザーボードでも利用可能だ。CPUクーラーも,第6世代Coreプロセッサ(Skylake-S)に対応したものであれば,そのまま装着できる。

i3-7350Kの性能評価用エンジニアリングサンプル。ヒートスプレッダ上の刻印は製品版と異なるが,性能は変わらないとされている
Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake) Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)

「CPU-Z」(Version 1.78.1)実行結果
Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)
 i3-7350Kの動作クロックは定格4.2GHzで,自動オーバークロック機能である「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)はサポートしていない。共有L3キャッシュの容量は4MBで,これはi7-7700Kの半分だ。
 そのほかi3-7350Kと,上位モデルであるi7-7700K,そしてSkylake-S世代の最上位モデルだった「Core i7-6700K」(以下,i7-6700K)のスペックをまとめたものが表1だ。統合型グラフィックス機能やメモリ周りのスペックは上位モデルと同じで,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は30W以上低いといったあたりはトピックと言えるだろう。


オーバークロックは5.0GHz超に大きな壁がある印象。それでも“活入れ”で5.1GHz動作を実現


 テストのセットアップに入りたい。
 今回,比較対象として用意したのは,表1で挙げた2つのK型番CPUだ。i3-7350Kの定格動作でどれくらいの性能差があり,そしてオーバークロックでどこまで迫れるかを見てみようというわけである。

 用いたグラフィックスドライバは,テスト開始時の公式最新版となる「GeForce 378.49 Driver」。GPUには,それ自体がボトルネックとならないいよう,「GeForce GTX 1080」(以下,GTX 1080)を選択した。
 メモリコントローラのスペックが異なるため,i7-6700KだけDDR4-2133でのアクセスとなるが,それ以外は表2のとおり揃えている。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション19.0に準拠。今回はCPU性能検証となるため,3DMarkを除くゲームタイトルのテストでは,描画負荷が低いほうのグラフィックス設定プリセットを用いることになる。
 CPUテストにおけるテスト解像度は3パターンとなっているので,今回は2560×1440ドット,1920×1080ドット,1600×900ドットの3つを選択した。
 今回,省電力技術である「Enhanced Intel SpeedStep Technology」,そしてi7-7700Kとi7-6700Kで有効化できるTurbo Boostはいずれも有効化したままテストを行っている。

Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)
 さて,肝心のi3-7350Kオーバークロックだが,i7-7700Kのときと同様,今回もASUS独自のソフトウェアスイート「Ai Suite 3」に含まれるオーバークロックユーティリティ「Dual Intelligent Processor 5」の「TPU」(TurboV Processing Unit)で動作クロックの限界を探ってみることにした。
 具体的には,「Ratio」から全コアの動作倍率を変更し,必要に応じてCPUコア電圧も「CPU Core Voltage(Adaptive)」の「Offset Voltage」を使い,0.05V刻みで引き上げるというものだ。

 CPUクーラーには,Corsair製の簡易液冷クーラー「Hydro Series H100i GTX Extreme Performance Liquid CPU Cooler」(以下,H100i GTX)を組み合わせた。ゲームでの常用利用を想定し,先ほど述べたレギュレーション19.0ベースのテストがすべて問題なく完走した状態をもって「安定動作した」と判断することにしている。

51倍の5.1GHzでの動作が限界だった
Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)
 その結果だが,コア電圧オフセットを+0.35V加えた状態で,51倍,つまり5.1GHzでの動作を確認できた。
 オーバークロックを試している間で気づいたことだが,今回入手した個体では,5.0GHz超のところに大きな壁があるような印象だ。というのも,50倍設定まではコア電圧オフセットの変更もなしに,さほど労せず動作クロックを上げていけたのだが,51倍では一気に電圧を“盛る”必要が出てきたのである。付け加えると,52倍に至っては,コア電圧オフセットを+0.4Vに増やしてもすぐシステムがフリーズしてしまう状況に陥ってしまった。
 i7-7700Kも5.0GHz動作には成功しているので,i3-7350Kが,4コア全部有効なモデルと比べても極端にオーバークロック耐性が高いとは言わないほうが安全だろう。


ゲームにおいて「デュアルコアCPUであること」のハンデは,出る場合とそうでない場合がある


 以下,本文,グラフ中とも,5.1GHz動作させたi3-7350Kを「i3-7350K@5.1GHz」と表記することをお断りしつつ,i3-7350Kの定格動作時とオーバークロック時の性能を順に見ていこう。

 グラフ1は3DMarkの「Fire Strike」におけるの総合スコアをまとめたものだ。3DMarkはマルチスレッド処理への最適化が進んでいることもあり,i3-7350Kのスコアはi7-7700K比で72〜88%程度に留まっている。
 i3-7350K@5.1GHzはそんなi3-7350Kからスコアを6〜10%程度上げているものの,i7-7700Kとの間にある溝を埋めるまでには至っていない。


 それは,3DMarkの総合スコアから,ソフトウェアベースで物理シミュレーションを行う「Physics test」のスコアを抜き出したグラフ2でより顕著となる。
 ここでi3-7350Kのスコアは,i7-7700Kの約50%。「定格動作クロックが同じで,コア数・スレッド数が半分」というスペックどおりの,とても分かりやすいスコアに落ち着いた。クロックを引き上げたi3-7350K@5.1GHzはそこから約21%もスコアを伸ばすが,i7-7700Kと比べると59〜60%程度だ。


 続いてグラフ3は,3DMarkの「Time Spy」テストにおける総合スコア,グラフ4はそこから「CPU test」のスコアを抜き出したものとなる。
 一般論としてDirectX 12ベースのタイトルではよりGPU性能が問われることになり,CPU性能はボトルネックになりにくくなるのだが,それゆえi3-7350Kは総合スコアでi7-7700Kの約87%というスコアを示した。ただ,同じ理由でオーバークロックの効果は薄くなり,i3-7350K@5.1GHzにおけるスコア上昇率はわずかに約4%だ。
 CPUスコアでi3-7350Kのスコアがi7-7700Kの半分なのは,Fire Strikeと変わらない。


 では,実際のゲームではどうなのか,グラフ5は「Far Cry Primal」の「ノーマル」プリセットにおけるスコアをまとめたものである。
 まず言えるのは,解像度2560×1440ドットでは,GPU性能が支配的となり,i3-7350Kを用いることのデメリットはほぼないということだ。逆に言うと,GeForce GTX 1080と組み合わせてFar Cry Primalを高い描画負荷環境でプレイするなら,i3-7350Kとi7-7700Kで,得られる性能に違いはほとんどないということになる。
 一方,より低い解像度だと,i3-7350Kのスコアはi7-7700K比で76〜78%程度にまで落ちた。オーバークロックの効果も限定的で,実フレームレートにおいても最大4fps分しかメリットは得られていない。


 さらに,グラフ6の「ARK: Survival Evolved」(以下,ARK)の「Low」プリセットでも,i3-7350Kのスコアはまずまずだ。対i7-7700Kで82〜84%程度となり,i3-7350K@5.1GHzなら87〜89%程度にまで詰めている。
 レギュレーション19.0を導入した時点だと,デュアルコアCPUの場合,2C4Tタイプならスコアの低下は見られなかったのだが,ARKの開発が進み,状況に変化が生じているようだ。この点を踏まえ,レギュレーションは近々見直す必要があるだろう。


 「DOOM」の結果がグラフ7である。
 ゲームの仕様上,DOOMではフレームレート200fpsが上限となるため,i7-7700Kおよびi7-6700Kのの1920×1080ドットと1600×900ドットではスコアが意味をなしていない。ただ,「そのレベルにi3-7350Kが達していない」という意味では,2条件のスコアも意味はあるだろう。
 一方,比較が可能な2560×1440ドットだと,GPU性能勝負になって,スコアは丸まっていく。多少のスコア差はあるものの,CPU性能差は表れづらい印象だ。


 グラフ8は「Fallout 4」の結果だが,ここでi3-7350Kのスコアは対i7-7700Kで80〜83%程度。解像度にかかわらず安定してスコア差が付いているので,マルチスレッド処理に最適化されたタイトルでは,これくらいのスコア差は出るというわけだ。
 マルチスレッド処理への最適化度合いのほうが重要なので,オーバークロックの効果はそれほど大きくないのも目を引く。


 「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)の結果がグラフ9だが,ここでのスコア傾向はFallout 4と似たものになった。
 i3-7350Kはi7-7700Kに対して82〜85%程度で,i3-7350K@5.1GHzだと84〜89%程度である。

※グラフ画像をクリックすると平均フレームレートベースのグラフを表示します
Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)

 「Forza Horizon 3」は,DirectX 12ベースのタイトルとしては珍しく,CPU性能がスコアをかなり左右するタイプなのだが,グラフ10を見ると,i3-7350Kはi7-7700K比で71〜73%のスコアに落ち着いている。i3-7350K@5.1GHzでも76〜78%程度だ。



i3-7350K@5.1GHzの消費電力はi7-7700Kより低い。「5.1GHzで頭打ち」なのは単純に耐性の問題か


 前述のとおり,i3-7350KのTDPは60Wと,i7-7700Kの91Wから大きく下がっている。それをオーバークロックし,さらにコア電圧オフセットとして0.35V加えているi3-7350K@5.1GHzがどういう消費電力を示すのかはとても気になるところだが,今回も,ログの取得が可能な「Watts up? PRO」を用い,システム全体の消費電力を比較してみたい。

 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイの電源がオフにならないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果をグラフ11に示すが,アイドル時は,i3-7350K@5.1GHzが若干高いものの,すべて50Wを切っており,大きな違いはない。
 そこで各アプリケーション実行時に目を移すと,i3-7350Kはi7-7700Kから26〜48W低いスコアを示しており,TDP以上にi3-7350Kの消費電力は小さく出た。i3-7350K@5.1GHzは,i3-7350Kから23〜34W増大したが,それでもi7-7700Kと比べたら小さいわけで,ここは注目すべきポイントだろう。


 最後に,CPU温度も確認しておきたい。アイドル時に加えて,3DMarkのFire StrikeにおけるPhysics testの30分間連続実行した時点を「高負荷時」として,Ai Suite 3のDual Intelligent Processor 5からCPUの温度を取得したものがグラフ12となる。
 このとき,室温は24℃で保ち,システムはケースに組み込まない,いわゆるバラック状態で,テスト用となる机の上に置いている。

 i3-7350Kのみ簡易液冷クーラーを用い,それ以外ではIntel純正のCore i7-6000シリーズ用クーラーによる空冷を行っている点に注意してほしいが,空冷条件で比較したとき,高負荷時におけるi3-7350KのCPU温度は61℃と,比較対象と比べて明らかに低い。つまり,i3-7350Kの熱周りにはかなりの余裕があるわけだ。
 液冷してのオーバークロックでもおおむね同じくらいの温度に収まっているので,となると,5.0GHz超のところに壁がある要因は,温度以外のものにあると考えるのが妥当だろう。それが何かまでかは分からないが,いわゆる極冷でもない限り,現行のKaby Lake-Sにおけるクロック上限はこのあたり,という可能性はあると思う。


 ただ,i3-7350Kの価格は1000個ロット時で168ドル,日本では2万4000円ほどで販売が始まっている。この価格は「Core i5-7400」と同じ価格帯で,上位モデルが直接のライバルとなる。
 i3-7350Kは消費電力の観点からは悪くないCPUであるが,ゲーム用途で考えた場合,デュアルコアというビハンイドはかなり大きい。5.1GHzにオーバークロックを行っても,ARKのようにパフォーマンスを伸ばすタイトルがある一方で,i3-7350Kからの伸びが10%にも満たないタイトルのほうが多い結果となった。推奨動作要件にクアッドコアを記載するゲームが増えつつある今,デュアルコアのi7350Kはオーバークロックをしやすいと言っても,ゲーマーにとっては力不足と言わざるを得ない。
 ただ,デュアルコアのCPUでもまったく問題ないDirectX 9.0c世代などの一昔前のゲームを多くプレイするのであれば,i3-7350Kは魅力的なCPUになり得るだろう。


CPUが「効く」タイトルでは露骨に遅くなることを覚悟すれば,悪くない価格設定


Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)
 最上位モデルでないCPUでは,当然のことながら,そこかしこに制限が出てくる。i3-7350Kにおける最大の制約は2コア4スレッド対応であることで,物理4コア以上に最適化されたゲームタイトルを前にすると,上位モデルと比べて露骨にスコアを落とすことになる。
 ただ,4スレッド対応であれば性能面で大きなペナルティを負うことないタイトルの場合,高性能なGPUと組み合わせれば,最上位モデルとの間にあるCPU性能差はほぼ無視できるレベルにまで縮まる可能性もある。読者のプレイするゲームタイトルがいま挙げた2パターンのどちらかというのは何とも言えないが,現実問題として,2017年2月18日現在の実勢価格には,

  • i3-7350K:2万3000〜2万7000円程度
  • i7-7700K:4万2000〜4万7000円程度

と2万円近いギャップがあるのも確かだ。予算の都合とか,投資はできる限りグラフィックスカードに回したいということであれば,i3-7350Kに賭けてみるのも,悪い選択ではないのではなかろうか。その場合,i3-7350KだとGPUの真価を発揮できないケースがあることや,たとえばゲームをしながら動画を見たり,2つ以上のゲームを同時に起動したりすると,デュアルコアCPUでは物足りなくなる恐れがあることをあらかじめ押さえておくと,後悔せずに済むだろう。

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IntelのCore i3-7350K製品情報ページ

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    Core i7・i5・i3・M(Kaby Lake)

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