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「そうだ アニメ,見よう」第39回はネトゲ恋愛がテーマの「ネト充のススメ」。平良プロデューサーが語る“新方式の販売戦略”とは
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印刷2017/10/12 11:00

連載

「そうだ アニメ,見よう」第39回はネトゲ恋愛がテーマの「ネト充のススメ」。平良プロデューサーが語る“新方式の販売戦略”とは

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 多数のWebコミック配信サービスが乱立するなかで,ほぼすべての作品がオリジナルという珍しい形態をとっているのがNHN comicoが運営する「comico」だ。公式作品は週刊で連載され,ユーザー登録(無料)を行えば,コメントが書き込み可能になる。「ReLIFE」や「ナンバカ」など,映像化された作品も多く,業界でも注目のサービスとして話題を集めている。 
 さて,「そうだ アニメ,見よう」第39回のタイトルは「ネト充のススメ」。原作は,黒曜燐氏がcomicoで連載している同名のWebコミックで,単行本が第2巻まで発売されている。制作はSIGNAL.MD,監督は「月夜の晩に」を手がけた柳沼和良氏が務めている。


「ネト充のススメ」


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 会社生活に疲れていた30歳のOL・盛岡森子(CV:能登麻美子)は,長年務めた会社を辞職,あこがれの脱サラニートとなるべく,ネットの世界へと旅立った。ネットゲーム「フリドメール」に爽やかなイケメンの男性キャラクター「林」(CV:鈴木崚汰)を作成した森子は,その世界で新たな生活を始める。
 ある日,初心者丸出しで死にまくっていた林に,可憐な少女「リリィ」(CV:上田麗奈)が救いの手を差し伸べた。
「天使だコレーーーッ!!!!」。

 リリィとの出会いをきっかけに,林はギルド「@家パーティ」に所属することになり,信頼する仲間達に囲まれ,林=森子のネトゲ生活は充実していく。

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どっぷりとネトゲの世界にはまりこんだ森子
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林は可憐な美少女キャラクターのリリィに助けられる

 「会社を辞めてゲームだけして暮らしたいなぁ」と思ったことはないだろうか。4Gamer読者ならば分かってもらえると思うが,筆者はわりと,いや頻繁に考えるタイプだ。もちろん,社会的にも人間的にもNGな行為であるのだが,本作のヒロイン・森子はそれをやってのけた勇者である。
 しかも,ネトゲにどっぷりはまり,ほぼ外出さえしないという徹底ぶりで,作中でもギルド仲間に「いつもいますよね(笑)」と言われるほどのダメ人間っぷりを披露してくれる。
 そんな本格派ニートの道を歩み始めた森子と,ギルドメンバー達の交流を描いたのが本作「ネト充のススメ」だ。

 「ソードアート・オンライン」や「ログ・ホライズン」など,ネトゲを題材にしたアニメ作品がチラホラ見られるようになってきている中,本作のメインテーマとなるのは,“「ネット」と「リアル」の交錯”。安らぎである「ネットの世界」に「現実世界」が交錯した時,森子のネトゲ生活はどう展開していくのか,注目作の多い今期でも目が離せない作品となりそうだ。

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イケメンエリートの桜井との出会いは衝撃的


平良プロデューサーが語る“ジャージ感のある作品”とは?


 “ネトゲ内での人間関係”というなかなか難しいテーマを扱う本作。どんなところに力を入れているのか,本作のプロデューサーを務めているNHN comicoの平良 聡氏に話を聞いてみた。ストーリーのネタバレが含まれているので,まだ見てないという人は注意してほしい。

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4Gamer:
 まずは,本作の企画が立ち上がった経緯をお聞かせください。

平良 聡(以下,平良氏):
 我々のチームはcomicoのIPを映像化を担当している部署で,100本以上ある作品の中からアニメ化する作品を絞り込んでいくんです。「ネト充のススメ」は,4年前にcomicoが立ち上がった当初からあるタイトルで,当時から人気が高い作品でした。とにかく,ユーザーさんからの熱量がすごくて,私個人としても原作の大ファンで,ぜひアニメにしたいなと思っていたんです。それで原作者の黒曜燐さんにオファーをして,アニメ化に至りました。

4Gamer:
 序盤のストーリーは,原作から大幅に構成を変更されているようですが,これはどういった理由からでしょうか。

平良氏:
 comicoという媒体の1話のボリュームは,“山手線のひと駅分で読み終える”なんです。大体2,3分なんですが,その時間でキリがいいように物語が構成されています。アニメーションは,30分枠として,オープニングがあり,Aパート12分程度,Bパート12分があってエンディングと,やはり作りが違います。
 その媒体の違いを調整するために,シリーズ構成のふでやす(かずゆき)さんや黒曜燐さんと相談して,序盤は大きく再構成しました。それから,ストーリー部分も,なるべくゲームを取り入れるように構成に手を加えています。

4Gamer:
 ゲームを取り入れるというのは,ネトゲ世界の部分でしょうか。

平良氏:
 はい,ゲーム中のシーンや“ゲームあるある”などのエピソードですね。「ネト充のススメ」の本筋というのが,主人公の森子がいろいろな経験を積み,人とコミュニケーションをとることによって,だんだん前向きになっていく成長物語だと思っています。なので,ゲーム中のやりとりなどの部分を拾いつつ,そこにフォーカスしました。

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4Gamer:
 今回,制作スタジオにSIGNAL.MDを起用した意図についてお聞かせください。

平良氏:
 企画の立ち上げ時に,SIGNAL.MDのプロデューサーが「ネト充のススメ」を気に入ってくれたのがきっかけでした。SIGNAL.MDさんは「カラフル忍者いろまき」や,先ごろ公開された「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」を手がけたスタジオで,幅広い作風と,非常に丁寧な物作りをされていますよね。SIGNAL.MDさんなら,本作を素敵な作品にしてくれると思ったんです。

 そこから監督の柳沼和良さんを「本作にぴったり」と紹介していただいて,スタッフの体制が出来上がっていったんです。主人公の森子はいわゆる美人なキャラクターではないのですが,柳沼さんは彼女の飾らない愛らしい部分をすごく気に入ってくれまして。
 作中で,森子が掃除用の粘着クリーナーでおもむろに掃除を始めるシーンがありますよね。

4Gamer:
 何かに困ったときとかに,森子が急に始める行動ですね。

平良氏:
 はい,そうです(笑)。柳沼さんは「こういう森子をみんなに見てほしい」と,すごくその部分にこだわっているんです。アニメでも出てきますので注目してみてください。

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4Gamer:
 そのほかに,本作をアニメ化するにあたり,こだわったポイントはどんな部分でしょうか。

平良氏:
 注意したのは,森子を“同性に嫌われないキャラクター”にするという部分ですね。同じセリフでも言い方ひとつで受ける印象は違ってきますし,目線や表情にしても,あざとい女性なのか,本当にダメな女性なのか異なってきますよね。森子役の能登麻美子さんや作画の方と,その部分に関していろいろ相談しました。

4Gamer:
 シリーズ構成のふでやす氏は男性ですよね。女性目線での台詞回しは,なかなか難しいのではないでしょうか。

平良氏:
 脚本には,シリーズ構成のふでやすさんのほかに,女性にも入っていただいて女性目線も意識しているんです。たとえば,ストッキングや化粧品を急遽買わなくちゃいけなくなったシーンで,「コンビニでいいんだっけ?」と相談したりしていました。
 男性だけだと,「デパートで買うんだっけ?あれ?薬局?」とかになっちゃいますから(笑)。

 それから,本作は見ている人から「共感を得られる作品」だと思っています。仕事が忙しくて辛いことがいっぱいあって,社会から目を逸らしたこととか,アラサーあるあるとして,冷蔵庫の中には何も入っていないとか。近所のコンビニぐらいだったら,すっぴんジャージで上着だけ羽織って行ってしまうとかですね。
 ゲームも含めて,いろいろな共感があると思っていて,着飾っている森子ではなく,がさつというか、人間味がある彼女に視聴者は共感して,可愛いと思っていただけるんじゃないでしょうか。能登さんにも「もう少しがさつに。もうちょっとジャージを着ている感じの声で」とお願いしたんです。

4Gamer:
 ジャージを着ている感じの声って,どんな声ですか(笑)。

平良氏:
 アフレコもだいぶ進んで,スタッフも慣れてきた最近では,「ジャージを着ている感じの声で」だと長いので「ジャージ感」という新語が生まれました。「能登さん,このシーンはもう少しジャージ感で〜」といった感じですね。


「マビノギ」とのコラボレーション


4Gamer:
 本編に出てくるMMORPG「フリドメール」にはモデルがあるのでしょうか。

平良氏:
 モデルというか,参考にしているのは可愛らしいタイプのMMORPGです。アニメでは「マビノギ」などを参考にしつつ。作中ではゲームの中で声で話したりとか,実際のネトゲとは異なる部分がありますが,いろんなネトゲのいいところを参考にして,アニメならではのゲーム観を表現しているんです。

4Gamer:
 それは原作が,比較的女性向けであることを考慮してのことなんでしょうか。

平良氏:
 そうですね。登場するモンスターもゴツゴツした感じにしないでバトル中心というよりは,みんな楽しくゲームをしているという方向性で,ネトゲの「コミュニケーション」部分にフォーカスしています。

4Gamer:
 その「マビノギ」とのコラボレーションが開催されると聞いています。どのような内容になるのでしょうか。

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平良氏:
 「マビノギ」とは世界観もマッチしてますし,ネクソンさんと相談したところ,あちらも「ネト充のススメ」を気に入っていただいたので,今回の企画がスタートしたんです。
 内容としては,林とリリィのアバターが「マビノギ」のゲーム中に登場します。通常,洋服だけ近しいデザインで用意することが多いと思うんですが,今回はかなりディテールにこだわっているんですよ。とくに小物に力を入れていて,林とリリィの思い出の「腕輪」も再現されています。

4Gamer:
 第1話のボス戦で林が手に入れた腕輪ですね。

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平良氏:
 はい。そのほかにも,先ほどの話に出てきた森子の掃除用の粘着クリーナーや,彼女が愛用しているデスクトップPCも登場します。
 リアルのグッズがゲーム中に出てくるのはちょっと違和感があるかと思いますが,「ネト充のススメ」は,ゲームとリアルが交差する物語なので,そういうのもアリかなと。

4Gamer:
 森子の愛用PCというと,ごついゲーミングPCですか。

平良氏:
 スタッフにネトゲマニアがいて,「ゲームするならこのマウスだよね」とかキーボードは発光するタイプじゃないとな,とかこだわってアニメの設定を作っています。

 「マビノギ」さんとのコラボレーションは,アニメ放送中に開催され,その期間中,TVCMやWeb広告なども入る予定になっているので,目にする機会も多いと思いますよ。

4Gamer:
 そのほかにもコラボやイベントなどの予定はあるのでしょうか。

平良氏:
 サッポロビールさんとコラボをして,本編中に「サッポロ生ビール 黒ラベル」と「サッポロ ネクターサワーピーチ」が登場します。あと,森子がコンビニで買うウェブマネーさんともコラボしてまして,本編中に「フリドメール」用WebMoneyカードをデザインしていただきました。
 さらに,コンビニつながりということでローソンさんともコラボします。アニメでは「コーソン」という店名に変えていますが,モデル店舗として「ローソン 小金井貫井北町五丁目店」さんを参考にしているんですよ。

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4Gamer:
 なるほど,聖地巡礼が捗りそうです。

平良氏:
 その店舗で,10月15日に林役の鈴木崚汰さんとライラック役の相坂優歌さんが一日店長を務めるイベントを実施します(詳細はこちら)。11月にはカラオケやゲームセンターがあるアドアーズ秋葉原さんとのコラボもあります。
 TVシリーズのアニメで本編内で企業コラボをする作品はあまりないんですよね。映画などではよくみるコラボレーションですが,TVアニメとなると少ないんです。

4Gamer:
 森子役の能登麻美子さんの熱演が話題となっています。彼女をヒロインに起用した理由をお聞かせください。

平良氏:
 オーディションさせていただいて,いろいろな“森子”を見たなかで,がさつなほうの森子のイメージにぴったりだったんです。

4Gamer:
 能登さんといえばお嬢様っぽいイメージがありますが,逆ということですか。

平良氏:
 実は私,能登さんご自身が出演されている番組などで「ガハハ」笑いをしているのを前に見ていて,「能登さんは普段こんな感じなんだ」と予備知識として知っていたんですね。今まで彼女がやってきた役と,まるっきり逆のキャラクターを演じていただいてますが,私としては「計画通り……!」と思ってます(笑)。

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放送前に最新話が視聴できるDVD


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4Gamer:
 今回Blu-rayやDVDの販売に関して,特殊な販売方式を採用していると聞いています。どういった方式なのでしょうか。

平良氏:
 まず,第1話の放送後の10月13日に,第2話まで収録したDVD第1巻が発売されます。

4Gamer:
 おや? 放送前に第2話を発売してしまうんですか?

平良氏:
 はい。価格も非常に安くして,第1巻は2400円(税抜)です。

 TVは無料,動画配信サービスでちょっと遅れて見られるという流れがあって,最近は放送直後からという作品もだんだん出てきましたが基本的にはタイムラグがあって,パッケージ商品については手元に届くまでさらに数か月かかる。これについて単純に「なんでだろうな」って考えていて。
 本当は,番組を見て面白かったから,その場で「ポチッ」と買えるのがいちばんだと思うんです。合理的ですよね,そのほうが。

 今回,パッケージ販売を担当されるフライングドッグさんと組むにあたって,プロデューサーさんとお話しさせて頂きました。映像商品の在り方については、フライングドッグさんも同じ考えを持たれていたので,「テレビオンエア中に全巻発売」という本当に大変なスケジュールでの編成を進めて下さいました。
 前倒しで制作してくださったシグナルさん含めて,皆の意見が合致したからこそ,この方式に踏み切る事ができたのだと思います。

4Gamer:
 Blu-rayも同じ方式なのでしょうか。

平良氏:
 DVDはその場でポチッといけるように,価格もお手頃にしてあります。
 また,Blu-rayはDVDや配信とは購買層が違って,作品をコレクションとして購入する方が多いので,ちゃんとコレクターアイテムになるようにブラッシュアップします。これも最終回のちょっと前のタイミングである12月8日に,Blu-ray BOXとして発売します。

4Gamer:
 Blu-ray BOXが最終話の前に発売されるというのは,珍しいですね。

平良氏:
 Blu-ray BOXにはいろいろな特典がつきますが,この「放送前に最終話を視聴できる」ということも特典にしちゃいました。そのほかにもTVでは放送されない番外編やドラマCDも収録されます。

4Gamer:
 なるほど,2本分の新作が視聴できるということですか。スケジューリングがかなりシビアになるとは思うのですが。

平良氏:
 やはり制作会社への負担は小さくはないですが,スケジューリングは制作前から調整をしていたので問題ありません。現在進行形で頑張ってます(笑)。

4Gamer:
 本作のテーマとなるネットゲームでの人間関係や恋愛について,どう思われますか? 

平良氏:
 そうですね,個人的にはありだと思います。私も似たような経験がありまして。学生のころに自宅にネット環境が整いまして,チャットがメインのネットゲームをやっていたんです。私は地方に住んでいて,いろいろな地方の方と交流していた時期があったんです。家に帰ったらPCをつけて朝までチャットして,生活の一部でしたね。
 そういったわけで,今回の「ネト充のススメ」に関して,すごく「分かるなあ」と感じています。

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4Gamer:
 その経験が本編にも反映されているのでしょうか。

平良氏:
 今回,とくにこだわった部分がそこなんです。モニターには林とリリィが映っていて,楽しくおしゃべりをしている。でも,引いてみると森子が林を操作して,リリィは誰かが動かしている。言葉尻とかも男女逆なので,林には女性的な言い方をする部分を作ってもらったりとか,奥に動かしている人が透けて見えるようなお芝居をしてもらっているんです。
 ネトゲのお話なんですが,ネトゲを含めた「リアルのお話」にしたいと思っているんですよ。経験則というわけではないですが,やはり人間同士のコミュニケーションが大事だと思うので。

4Gamer:
 アバターの向こう側にも,ちゃんと人がいますからね。

平良氏:
 ちょっと細かいところなんですが,第1話でぽこたろうが「会社から家に帰るのに時間がかかるから,途中のネカフェに寄ってログインしている」というシーンがあります。それに対して,ヒメラルダが「早く帰ってきなさいよ。待ってる人がいるんじゃないの?」と合いの手を入れるんです。
 本来,他人であれば「早く帰ってあげなさいよ。待ってる人がいるんでしょ」という台詞になりますよね。実はヒメラルダとぽこたろうは,リアルでは夫婦で,ギルド内ではゲームを楽しんでる仲間に配慮して,リアルのことを持ち込み過ぎないようにしているんです。
 本当にゲームを楽しんでいるんだな,という部分を見せたかったし,その裏にはちゃんとプレイヤーがいることを描きたかったので,そういう台詞にしています。

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4Gamer:
 お気に入りのキャラクターやエピソードがありましたらお聞かせください。

平良氏:
 森子ですね。能登さんが上手に“ジャージ感”を表現してくれているので,ファンの方だけでなく皆さんが楽しめると思います。
?? また,がさつなだけじゃなく,社会からドロップアウトして後ろ向きな森子,ギルドメンバーとコミュニケーションをとっていくうちに前向きになっていく森子など,幅広い能登さんの演技が楽しめます。
 エピソードとしては,第2話で森子がエモーションキーを連打しているシーンが出てきますが,リアルとリンクしたコミカルなシーンで好きなんです。ぜひ注目していただきたいですね。

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4Gamer:
 このインタビューの掲載の時点で,第1話が放送されています。今後の見どころをお願いします。

平良氏:
 第2話では桜井(CV:櫻井孝宏),小岩井(CV:前野智昭)というキャラクターが登場します。桜井と小岩井は会社の同僚で,その桜井や小岩井が本格的に物語に絡んでくるんです。さらに,森子とも接点が生まれたりして,リアルのほうのお話が動いていきます。
 ネットゲームのほうは,いろいろな偶然が重なって,森子とギルドメンバー達との関係が複雑に絡み合っていきますので,そこが見どころとなってきますね。それと,いろいろな“ネトゲあるある”が随所に散りばめられているので,お見逃しなく。

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4Gamer:
 最後に読者へのメッセージをお願いします。

平良氏:
 "ネットゲームの良さ"をとても大事に描いている作品ですので,ネットゲームをやったことのある人は自分を投影してみたり,そうでない人は第三者として俯瞰してみたりと,いろいろな部分に共感していただけたら嬉しいです。今後の展開をお楽しみください。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 多彩なコラボレーションや,DVDとBlu-ray BOXの特殊な販売方法など,さまざまな試みが盛り込まれた本作。森子達のストーリー展開を楽しむほかに,コラボレーションやイベントといった関連企画に参加してみるのもアリだろう。
 ちなみに,OP/EDアーティストの中島 愛さんと相坂優歌さんが出演する「ミニライブ&特典会」が11月18日にラゾーナ川崎にて開催される。詳細情報は「こちら」でチェックしよう。

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「ネト充のススメ」公式サイト


放映データ
2017年10月〜
キャスト
盛岡森子:能登麻美子 桜井優太:櫻井孝宏
林:鈴木崚汰 リリィ:上田麗奈
小岩井 誉:前野智昭 藤本和臣:寺島拓篤
カンベ:中村悠一 ライラック:相坂優歌
ヒメラルダ:八木隆典 ぽこたろう:寸石和弘
スタッフ
監督:柳沼和良
副監督:傳 沙織
シリーズ構成:ふでやすかずゆき
キャラクターデザイン:海島千本
衣装デザイン:めばち
プロップデザイン:今橋明日菜
色彩設計:田中美穂
美術監督:保木いずみ
撮影監督:安西良行
編集:本田優規
音響監督:郷田ほづみ
音楽:コーニッシュ
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:SIGNAL.MD
オープニング:中島 愛
「サタデー・ナイト・クエスチョン」
エンディング:相坂優歌
「ひかり,ひかり」

DVD&Blu-ray情報

DVD Vol.1 10.13 ON SALE!
¥2400+Tax

☆収録内容
収録話数:1話/2話

☆特典
「ネト充のオフ会」イベント抽選券
日時:11月5日(日)14:00開演予定
会場:都内某所 ※当選者のみ通知致します。
出演:鈴木崚汰(林役)・上田麗奈(リリィ役)・相坂優歌(ライラック役)
応募締切:10月22日(日)23:59

オーディオコメンタリー収録(第1話/第2話)
出演:能登麻美子・櫻井孝宏・鈴木崚汰・上田麗奈

DVD Vol.2 10.27発売 ¥2400+Tax
DVD Vol.3 11.10発売 ¥2400+Tax
DVD Vol.4 11.24発売 ¥2400+Tax
DVD Vol.5 12.08発売 ¥2400+Tax

★“ニートの格言Tシャツ”プレゼントキャンペーン〜
DVD1巻〜5巻,全てお求め頂いた方に「ネト充オリジナルTシャツ」を先着で差し上げます。原則同一店舗でのお買い求めとなります。特典TシャツはVol.5をお買い求めの際にお渡しします。

◆対象店
アニメイト/ゲーマーズ/とらのあな/ソフマップ 各店舗
※一部取扱いのない店舗もありますので,ご予約の際は各店舗にご確認ください。

★ クリアファイル2枚セットプレゼント
DVD1巻〜5巻,全てお求め頂いた方に「ネト充オリジナルクリアファイル」を差し上げます。

◆対象店
amazon

Blu-ray BOX
2017.12.8 発売予定


¥25000+Tax
テレビ放送全10話に加えて,テレビでは見られない番外編・11話も収録!
さらに,解説書&ドラマCD付きです!
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