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「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは
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印刷2017/09/14 11:00

連載

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは


 「ワンパンマン」や現在放送中の「徒然チルドレン」など,Webコミックのアニメ化作品が増えてきている。雑誌のカラーにこだわらない自由な作風を楽しめるのがWebコミックの魅力となるが,なにより無料で試し読みができるのが人気の秘密ではないだろうか。
 さて,「そうだ アニメ,見よう」第37回のタイトルは「メイドインアビス」。原作は,つくしあきひと氏がコミック配信サイト「WEBコミックガンマ」で連載中のファンタジーコミックで,1〜6巻が発売中だ。制作はキネマシトラス,監督は「花田少年史」や「MONSTER」などの小島正幸氏が務めている。


「メイドインアビス」


「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは
 約1900年前に南ベオルスカの孤島で発見された,直径約1000メートル,深さ不明の縦穴「アビス」。どこまで続くとも知れない巨大な大穴には,奇妙な生物が生息し,今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っていた。
 そのアビスに,遺物とロマンを求めて何度も挑戦する冒険者達は,いつしか「探窟家」と呼ばれるようになっていった。
 アビスの縁に築かれた街「オース」に暮らすリコ(CV:富田美憂)は,探窟家見習い。伝説級の探窟家である“白笛”の母・ライザ(CV:坂本真綾)のような偉大な探窟家になり,アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。

 そんなある日,リコは探窟中に少年の姿をしたロボットのレグ(CV:伊瀬茉莉也)と出会う。金属のボディを持ちながらも人語を理解し,食事までするレグに,最上位遺物「奈落の至宝(オーバード)」かもしれないと驚くリコ達。とりあえず大人達をごまかし,レグと一緒に生活を始めたリコだったが,そんな折,行方不明だったライザから,リコへメッセージらしきものが届く。
 「奈落の底で待つ」と書かれたメッセージを頼りに,リコはレグとアビスへ旅立つのだった。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは
「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

 「映画のようなクオリティ」とは,出来のいいアニメ作品を表すのによく使う言葉だが,本作はまさにそれが当てはまる作品だろう。第1話「大穴の街」で謎の少年レグと出会ったリコは,彼に自分の住むオースを見渡せる高台に案内する。その絶景に言葉を失うレグだったが,正直筆者もその圧倒的な世界観と映像美に息を呑んだ。それほどの熱量が,そのシーンには込められていたのだ。
 本作の映像美を作り上げているのは,「攻殻機動隊」シリーズの黄瀬和哉氏や,「R.O.D」シリーズの倉田英之氏,スタジオジブリの作品を手がけた増山 修氏といった,アニメ業界でも一線級のスタッフ達。まるで「長編映画でも作る気なのか」と思わせるスタッフが揃うことによって,「メイドインアビス」の緻密な世界は生み出されている。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

 今期のアニメの中でも,その完成度の高さが話題となっている本作。これだけのスタッフを集めた理由や,今後の展開についてプロデューサーの山下愼平氏に話しを聞いてみた。
 なお,ネタバレの要素が含まれているので,まだ見ていないという人は注意してほしい。

プロデューサーの山下愼平氏が語る
「メイドインアビス」の魅力


「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは
4Gamer:
 本作の企画が立ち上がった経緯をお聞かせください。

山下愼平氏(以下,山下氏):
 本作はコミック1巻が発売された時点で購入していたんです。そして,ちょうど2巻が発売された頃に再度読み直したんですが,その内容がライザとオーゼン(CV:大原さやか)の過去話だったんです。

4Gamer:
 アニメだと第8話「生存訓練」のエピソードですね。

山下氏:
 はい。そのコミックの最後のほうの大ゴマを見て,ページをめくる手が止まらなくなったんです。早く続きが読みたくなるような,ワクワク感を感じました。そのあとすぐ竹書房さんに「この作品をアニメ化したいです」とお願いしたんです。

4Gamer:
 単純に一読者としてこの作品にほれ込んだ,ということですね。

山下氏:
 職業柄,毎月50タイトル程度のコミックや小説を読んでいるのですが,正直なところ一読者として単純に楽しめるタイトルってそう多くはないんです。ですがこの作品に関しては,自分が感じたワクワク感を皆に広めたいと思ったんですね。そこがスタートでした。

4Gamer:
 第8話というと,それまで隠されていたライザの顔がようやく視聴者に明かされた回です。そのシーンをアニメで表現したかったということでしょうか。

山下氏:
 原作でもその最後のコマまで,ライザの顔は見えないんですよね。コミックではそれがすごく効果的に使われていました。これは1巻の最初の頃から,細かい設定の積み重ねがあったからこそ,そこで感情を爆発させることができたと思うんです。
 このシーンで初めてライザの顔が出て,オーゼンがなぜリコに厳しく当たったのかといった,人物の心情がダイレクトに伝わるエピソードでしたね。
 それまでは,世界観や設定にウェイトを置いていた「メイドインアビス」の物語が,初めてキャラクターの内面に踏み込んだシーンです。ここをぜひアニメでも表現してみたかったんです。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 コミック2巻でアニメ化のオファーと言うのは,かなり早いのではないでしょうか。

山下氏:
 いえ,実は昨今もっと早いんですよ。やはり優秀な制作会社や優秀なアニメスタッフは,2〜3年先までスケジュールが埋まっている状況で,アニメ化する2〜3年後を見越してすべての原作を見ないといけないわけです。1巻さえ出てない連載中に声をかけていることも珍しくありません。

4Gamer:
 なるほど,今のアニメ業界の厳しさが伝わるエピソードですね。第8話のエピソード以外に,アニメで表現したかった部分は?

山下氏:
 つくし先生は,もともとゲームやイラストなどを中心に活躍されていた方ですし,「おとぎ銃士 赤ずきん」のキャラクター原案などをされていたので,お名前は存じ上げていました。
 つくし先生のイラストは背景と色彩感覚が独特ですよね。この背景や色をアニメとして画面に落とし込めればなと考えました。
 先生の絵は緻密なものを描くときと,漫画らしく背景を細かく描かずに奥行きを出す描写の差があったので,省略されている部分をフルカラーでアニメにしたときに,もっと広がって見えるんじゃないかなと思ったんです。

4Gamer
 アニメスタッフへの要求が厳しそうです(笑)。

山下氏:
 そうですね(笑)。

4Gamer:
 そのアニメスタッフですが,監督は小島正幸氏,シリーズ構成に倉田英之氏,キャラクターデザインに黄瀬和哉氏,美術監督に増山 修氏と,かなり豪華なスタッフが集結しているように思います。この布陣はどのような意図によるものなのでしょうか?

山下氏:
 竹書房さんにオファーしたあと,スタッフを決めることになったんですが,ちょうどキネマシトラスさんと別の作品をやっていて,そのアニメーションプロデューサーの小笠原(宗紀)さんに相談したんです。そうしたら「面白いのでぜひやりたい」と言ってくださって。それで今回のスタッフを集めて頂いたんです。
 この作品は,世界観はハードな部分がありますが,それを取り巻く雰囲気などは,ジブリ作品や長編アニメーションによくあるような「ずっとこの世界に浸っていたい」という空気感を持っていると思うんです。そこをうまく表現できるスタッフにお願いしたいと考えたとき,やっぱり実績のある方の力を借りないとダメかなと。
 そこで最初に小島監督にお願いして,ほかにも実力のある方々をそろえて頂いたんです。

4Gamer:
 第1話のラスト,アビスの俯瞰シーンは圧巻でした。今回のスタッフならではのシーンに仕上がっていたと思います。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

山下氏:
 このアニメは,1,2,3話がいちばん原作からシーンを変えているんです。シリーズ構成の倉田さんに手を加えて頂いています。原作だと序盤にアビスの穴の絵を見せて説明しているのですが,アニメだとまずキャラクターの説明から入っています。
 リコとナット(CV:田村睦心)が探窟していて→襲われて→レグを拾って,Bパートでレグが起きて→リコとレグの視点で世界の説明をする。そして最後にナレーションで「実はこの世界はこうでした」と説明しているんです。
 この構成は最初にスタッフ一同で相談して,そのあと絵コンテに起こしています。1話の絵コンテはすごく映画風な作りになっていて,キャラクターアニメみたいに顔のアップを中心としたカット割りではなく,ちょっと遠い視点から見るカットが多いんです。
 そこは小島監督も意識されていたと思うんですが,そうした絵コンテを,増山さんの美術が世界をしっかり見せるものとして仕上げているんです。

4Gamer:
 視聴者にアビスの世界観を伝えるのに,非常に効果的だったと感じました。

山下氏:
 そう感じて頂けたとしたら,うれしいですね。


劇伴曲は「Deemo」を手がけたKevin Penkin氏が担当


4Gamer:
 背景のほかに,劇伴も非常に印象的ですが,音楽に「Deemo」iOS / Android)などを手がけたKevin Penkin氏を起用した理由をお聞かせください。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

山下氏:
 「Under the Dog」という作品で,Kevinとキネマシトラスさんが組まれていて,そのご縁で紹介して頂きました。
 今回の世界観は日本でもないし,どこかの民族の音楽でもない,かといって日本人的な感覚でオーケストラを使っても音楽が埋もれてしまうと考えたんです。そこで,日本人にはない感覚でこの世界を表現してもらったらうまくハマるんじゃないかと思いました。
 作品に寄り添った音楽にしようということで,まだ倉田さんが文字だけしか起こしていない脚本の段階から,Kevinにも入ってもらっています。

 ただ,Kevinはいつも劇伴だけを制作している作家ではないので,フィルムと合わせる作業には工夫がいるのですが,音響監督の山田 陽氏の演出と,効果音の野口 透氏の音をミックスすることによって,ほかのアニメでは出せない印象的なサウンドが生まれたのではないかと思っています。

4Gamer:
 なるほど,場面に合わせて曲を作っているわけですか。通常,TVシリーズではあまりやらないですよね。

山下氏:
 ええ,しかも劇伴はウィーンで収録しているんですよ。

4Gamer:
 わざわざ海外でですか。たしか,Kevin Penkin氏はイギリス在住では?

山下氏:
 はい。Kevinは以前,ウィーンのコンサートマスターに師事していたことがあって,そのつながりでSynchron Stage Viennaで収録しています。そのおかげでこだわりのある音作りができているんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 劇場版並みの手のかかりようですね。

山下氏:
 いくつかの話数で,フィルムに合わせて曲を作る,いわゆる劇場版のようなカットがあります。まだ絵の完成していない初期の段階から仮にフィルムを組み合わせて,そこから作曲してもらっているんです。ものすごい時間がかかっているんですよ(笑)。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは
「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 制作スケジュールが大変そうです。実際に作業はどれぐらいかかったのでしょうか。

山下氏:
 シナリオや制作が動き出したのは,たしか2016年初頭ですので,1年半くらい前でしょうか。そこでスタッフ全員でつくし先生にお会いしたんです。その後も作業に入る前に,何回も打ち合わせをさせて頂きました。

4Gamer:
 全員ですか? 小島監督や山下さんだけでなく?

山下氏:
 はい。小島監督,シリーズ構成,脚本,キャラクターデザイン,副監督,助監督,私,小笠原プロデューサー,あと何人いたかな? 会議室で私達のサイドだけ大量にいて,原作側はつくし先生と編集担当さん達だけでした(笑)。

4Gamer:
 それは,つくし先生も驚かれたしょうね。スタッフ一同で打ち合わせしたのは,つくし先生に聞きたいことが多かったからということですか。

山下氏:
 設定やらなにやら,いろいろ掘り下げていかないと,漫画をなぞることしかできなくなりそうだったので。特殊なものが非常に多い作品ですからね。しかもそのすべてに,ちゃんと設定が用意されているんですよ。だから,先生にどんな質問をしても必ず答えが返ってきました。
 「ここって石炭とかあるんですか?」と聞くと,「あ,石炭はですね〜」と燃料系の話が始まるわけです。そのほかにも,植生の話や詳しくは言えないことまで,いろいろお話をうかがいました。実は今後の話もかなり先まで聞いているんですが,ちょっと話せないですね。何巻まで続くのかな(笑)。

4Gamer:
 もはや,ライフワークじゃないですか(笑)。

山下氏:
 そのお話を聞いて,スタッフ一同の一致した意見としては「この作品と一生付き合っていきたいな」と思ったんです。そういうこともあって,この作品に対して逃げずにすべて描写したいと思っています。
 シナリオをアニメ用に再構成するにあたっても,省けない部分がほとんどですし,省いてしまったら続きができなくなるんですよ。だから,最初からじっくり細かくやろうとは思っていました。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは


アニメオリジナルパートは原作の補完


4Gamer:
 原作通りにということですが,第8話の訓練のエピソードのように,アニメオリジナルの部分もありますよね。これはどのような意図から追加しているのでしょうか。

山下氏:
 そうですね,第9話「大断層」とかは半分くらいアニメオリジナルになりますね。深界三層でリコ達はベニクチナワに襲われるんですが,そこは漫画だと連載1話で終わっているんです。10数ページしか描かれていないのに,深界三層ってそれだけなんですよ。
 つくし先生としては,そこでやり残している部分がいっぱいあると感じていたようですが漫画では削るしかなかったようです。原作にはいない生物もアニメに登場しますが,先生からはしっかりとした設定を送って頂きました。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは 「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 ああ,ではこのオリジナル部分は,つくし先生の設定を元にされているわけですね。

山下氏:
 はい。先生がある程度考えていた深界三層の設定を生かしつつ,監督や倉田さん,スタッフでシナリオを作って,先生に監修して頂いたんです。

4Gamer:
 そうなると,オリジナルというよりも原作の補完という意味合いが強くなりますね。

山下氏:
 まさにそうですね。深界三層の風景も独特のものがあって,増山さんがその風景を素晴らしいものに仕上げくれました。
 それと,実はここでアニメとしてもやっておかないといけないことがあって,第10話で「深界三層が近いから幻覚と幻聴が併発している」というセリフが出てきます。原作では1巻に出てくる説明なんですが,漫画だとページをめくればすぐに戻れるじゃないですか。アニメではそういうわけにはいかないので,「深界三層の呪いってなんだっけ?」ってなっちゃいますよね。
 しかも,アニメでは深界三層の説明セリフを飛ばしているんです。

4Gamer:
 あれ? そうでしたか? 一層から順に説明していたと思うのですが……。

山下氏:
 じつは一,二,四層と,飛ばしているんです。そのあたりの設定の説明を細かくすると延々と会話だけで1話が終わってしまうのでシェイプアップしているんです。さらに,アニメでは第2話に説明されても第10話で細かく覚えている人も少ないですよね。そういうわけで深界三層の“呪い”について,改めて分かりやすく説明する必要があったんです。
 それと,オーゼンからもらった「無尽鎚」ってどういうものなんだろう? とか,原作とアニメの火葬砲の使用量の辻褄など,原作とアニメの整合性を考えて,シーンが作られています。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 整合性を取るために,かなり密につくし先生と打ち合わせているんでしょうか。

山下氏:
 そうですね。我々のほうが先生に,「ここはどうなっているんでしょう」と聞く場合が多いですね。

4Gamer:
 原作はかなりハードな世界観を持っていますが,アニメに落とし込むに当たって留意した点はありますか? 

山下氏:
 つくし先生の放送前コメントにもあるように,小島監督は「原作で描かれていることはやるよ」と話していました。スタッフ皆がこの原作のとりこだったので,できるだけあるものは忠実に描きたいと思っていたんです。
 やはりこのハードな描写あっての「メイドインアビス」ですからね。もちろん,TVアニメとして落とし込んではいる部分もありますが,できるだけご都合主義じゃない,本当の冒険を描きたいと思っていました。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 海外からの評判も高いと聞いています。

山下氏:
 昨今,ここまで正統派ファンタジーに見える作品を,しかもハイクオリティで描く機会って減っていると思うんです。なかなか類似作品って少ないですよね。だから,海外のファンには評価されるんじゃないかなと思っていました。
 それをいちばん感じたのは,「AnimeJapan2017」で海外のライセンスチーム経由で第1弾PVを見てもらったときですね。すごく評判がよかったんですよ。そのあと,海外の会社から「この作品はどこが権利元なんだ」と問い合わせがあったんです。うちで扱いたいという逆提案なわけですが,こんなことは珍しいので,すごく評価されているんだと感じましたね。


4Gamer:
 海外のファンはこうした本格派の作品を待ち望んでいますからね。

山下氏:
 海外のコンベンションなどに参加していると感じるのは,日本よりも個人のクリエイターへの評価がすごく高いんですよ。今回,「MONSTER」の小島監督をはじめ,「攻殻機動隊」の黄瀬さん,倉田さん,モンスターデザインの吉成 鋼さんとか,ほかにもすごいスタッフが集まっているので,その分,注目されているんじゃないでしょうか。
 そうした実績のあるスのスタッフが,「メイドインアビス」の原作を見て「いいね,やりたい」と言ってくれたんです。今回のスタッフが集まったのは,この原作にそれだけの力があったということでしょうね。

4Gamer:
 山下さんが,個人的にお気に入りのキャラクターやエピソードがありましたらお聞かせください。

山下氏:
 ダントツでマルルクちゃん(CV:豊崎愛生)ですね! めっちゃ大好きなんですよ(笑)。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 可愛らしくて人気の高いキャラクターですよね。中性的で(笑)。

山下氏:
 そうですね。オーゼンとの師弟関係とか,まだ描かれていない部分はいっぱいあると思うんですが,いろいろ想像がはかどりますよね。できれば「マルルクちゃんの一日」というアニメを作りたいぐらいです(笑)。

4Gamer:
 オーゼンさんに尽くして一日が終わりそうです(笑)。

山下氏:
 ぜひ皆さまにはBlu-rayをいっぱい購入して頂いて,予算ができたら実現したいです(笑)。アニメでは第9話でお別れしてしまいますが,原作6巻の外伝にはまた登場しているので,今後も活躍を期待します!
 エピソードでのお気に入りは,アニメの第3話ですね。ナットと一緒に泣いちゃいました。音楽や効果音を入れたダビングのときに人知れずに(笑)。もちろん第8話のライザのシーンも思い入れがありますね。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 このインタビュー掲載の時点で,第10話が放送されています。第11話以降の見どころをお願いします。

山下氏:
 第10話は,アニメから入った方にはショッキングなシーンだったとは思いますが,本作では避けて通れないシビアな部分です。リコとレグには,アビスに対する甘さみたいなものがあったと思うんですが,そこにアビスの世界が牙をむくわけです。
 そんな2人の前にナナチ(CV:井澤詩織)が登場します。原作ファンの方には長らくお待たせしました。ある意味,本作の3人目の主人公ですね。そして第11話以降でナナチの秘密,アビスの呪いの正体,怪我をしてしまったリコはどうなるのか,そんなエピソードの中でレグが大変つらい選択を強いられるんです。
 クライマックスに向けて,物語が一気に加速していくことになりますので,ぜひ彼らの目を通してアビスの謎に迫れたら,楽しいと思います。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは

4Gamer:
 最後に読者へのメッセージをお願いします。

山下氏:
 TVアニメ「メイドインアビス」は,「この世界にずっと浸っていたい」と思ってもらうことを目指してスタートしています。そのためにBlu-rayやDVDはよくある2話収録のものではなく,全2巻のボックスで発売して,まとめて楽しめるようにしています。最初から最後までのトータルパッケージで見て頂いて,手元に置いて頂けるとうれしいです。最終回は1時間スペシャルの大ボリュームでお送りしますので,楽しみにしていてください!

4Gamer:
 ありがとうございました。

「そうだ アニメ,見よう」第37回は「メイドインアビス」。山下プロデューサーが語る“映画のようなクオリティ”の理由とは


 最終話となる第13話は,枠を拡大した1時間のスペシャル版として放送される。リコとレグがアビスでナナチと出会い,物語はどう展開していくのか? アビスの呪いとはいったい何か? 謎に満ちたストーリーに今後も目が離せなくなりそうだ。
 なお,この最終話の先行上映会と出演声優,スタッフによるトークショーが,9月24日に新宿ピカデリーで開催される。出演者は富田美憂さん,伊瀬茉莉也さん,井澤詩織さん,小島正幸監督,山下愼平プロデューサー。参加希望の人は「こちら」で詳細を確認してほしい。

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「メイドインアビス」公式サイト


放映データ
2017年7月〜2016年9月まで
全13話
キャスト
リコ:富田美憂 レグ:伊瀬茉莉也
ナナチ:井澤詩織 オーゼン:大原さやか
マルルク:豊崎愛生 ナット:田村睦心
シギー:沼倉愛美 キウイ:塙 愛美
ジルオ:村田太志 ライザ:坂本真綾
スタッフ
原作:つくしあきひと
(竹書房「WEBコミックガンマ」)
監督:小島正幸
副監督:垪 和等
シリーズ構成:倉田英之
脚本:倉田英之,小柳啓伍
キャラクターデザイン:黄瀬和哉
生物デザイン:吉成 鋼
プロップデザイン:高倉武史
美術監督:増山 修
美術設定:西 俊樹
色彩設計:山下宮緒
撮影監督:江間常高(T2 studio)
編集:黒澤雅之
音響監督:山田 陽
音楽:Kevin Penkin
音楽制作:IRMA LA DOUCE
音楽制作協力:KADOKAWA
アニメーション制作:キネマシトラス

■Blu-ray&DVD情報

◆『メイドインアビス』Blu-ray BOX上巻【BD 2枚組】
形態:Blu-ray
品番:ZMAZ-11541
本体価格:1万8000円+税

◆『メイドインアビス』DVD-BOX上巻【DVD 2枚組】
形態:DVD
品番:ZMSZ-11551
本体価格:1万6000円+税

【収録話数】
第1話,第2話,第3話,第4話,第5話,第6話,第7話

【発売日】
10月25日

【初回生産特典】
1.原作・つくしあきひと描き下ろしBOX
2.アニメ描き下ろしデジ仕様ジャケット
3.スペシャルブックレット「アビス探窟録・上巻」(各話徹底解説&設定資料,スタッフ・キャストインタビュー等収録 約40P)
4.監督・小島正幸コンテ集(約200P)
5.エンドカードポートレート

【毎回特典】
1.特典映像:TheMaking of MADE INABYSS 01
2.2017.06.18 先行上映イベントダイジェスト映像
3.ピクチャーレーベル

◆『メイドインアビス』Blu-ray BOX下巻【BD 2枚組】
形態:Blu-ray
品番:ZMAZ-11542
本体価格:1万8000円+税

◆『メイドインアビス』DVD-BOX下巻【DVD 2枚組】

形態:DVD
品番:ZMSZ-11552
本体価格:1万6000円+税

【収録話数】
第8話,第9話,第10話,第11話,第12話,第13話

【発売日】
12月22日

【初回生産特典】
1.原作・つくしあきひと描き下ろしBOX
2.アニメ描き下ろしデジ仕様ジャケット
3.スペシャルブックレット「アビス探窟録・下巻」(各話徹底解説&設定資料,スタッフ・キャストインタビュー等収録 約40P)
4.監督・小島正幸コンテ集(約200P)
5.エンドカードポートレート

【毎回特典】
1.特典映像:TheMaking of MADE INABYSS 02
2.ノンクレジットOPED,PV,番宣,CM集
3.ピクチャーレーベル

【Blu-rayスペック】
◆仕様:2層ディスク×2枚
◆画面サイズ:16:9(1080p Hi‐Def,一部特典1080i)
◆音声:リニアPCM

【DVDスペック】
◆仕様:【セル】片面2層×2枚
◆画面サイズ:16:9(スクイーズ)
◆音声:リニアPCM(一部特典ドルビーデジタル)

【Blu-ray&DVD共通】
◆収録分数:本編約168分+特典映像
(C)2017 つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス製作委員会
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