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AMD,次世代GPUアーキテクチャ「Polaris」を予告。第1弾製品は2016年半ばの市場投入予定
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印刷2016/01/05 00:00

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AMD,次世代GPUアーキテクチャ「Polaris」を予告。第1弾製品は2016年半ばの市場投入予定

 2016年1月4日23:00,AMDのGPU部門であるRadeon Technologies Group(以下,RTG)は,次世代GPUアーキテクチャ「Polaris」(ポラリス)の存在を明らかにし,合わせて,同アーキテクチャベースの第1弾製品を2016年半ばに市場投入すると予告した。
 北極星の名を冠した次世代アーキテクチャで,AMDのGPUは何が変わるのか。製品概要の一部が語られたスライドを入手したので,それを使って,AMDの次世代GPUの姿を占ってみよう。

次世代GPUアーキテクチャの名は,日本語で北極星。「我々を導く北極星の光は,あらゆるデバイスの,あらゆるピクセルを効率よく強化する。夜空の星は極めて効率的に光子を生み出しているが,その効率が,我々の創る1つ1つのピクセルにインスピレーションを与えてくれるのだ」と,分かるような分からないような説明が付いている
Radeon RX 400


Polarisアーキテクチャとは何か


 Polarisが新しいアーキテクチャなのであれば,現行の「Graphics Core Next」(以下,GCN)とは直接の関連がない,まったく新しいGPU世代が開幕すると思うかもしれない。その意味において,Polarisに関して最初に押さえておくべきは,「そうではない」ということになるだろう。

 今回RTGは,Polarisを「マクロアーキテクチャ」(Macro-Architecture)と位置づけている。半導体業界におけるマクロアーキテクチャというと,一般に,各要素をどう配置するかなどといったチップ全体の設計や,製造プロセス技術を含めた,ざっくりしたアーキテクチャ(architecture,基本設計)のことを指す。
 このあたりは下のスライドでRTGもわざわざ説明しているのだが,今日(こんにち)のGPUは,シェーダプロセッサをはじめとする,さまざまな機能を持つモジュールの集合体だ。Polarisアーキテクチャは,そんな「モジュールの集合体としてのGPU」を指す,新しいアーキテクチャ名ということになる。
 筆者が記憶する限り,AMDがGPUのマクロアーキテクチャにブランド名を与えたのはこれが初めて。GPU業界では過去に類例がない戦略という感じになるのではないかと思う。

「Polarisアーキテクチャとは何か」を説明したスライド。いわく「GPUは単なるグラフィックスIPに留まらない」とのことである。純然たるプロセッサコアのほかに,いわゆるマルチメディア系機能やディスプレイ出力,キャッシュメモリ,メモリコントローラ,電力制御機構といった,異なる機能を持つコアやエンジンをまとめたものがGPUであり,その全体設計をAMDはPolarisアーキテクチャと呼んでいる
Radeon RX 400

 マイクロアーキテクチャとしてのGCN自体は,第4世代――第3世代が「GCN 1.2」なので,“GCN 1.3”もしくは“GCN 2.0”だろうか?――へと発展しつつ,Polarisアーキテクチャでも継続してプロセッサの演算ユニット(Compute Unit)構成要素として存続する。
 第4世代GCNの詳細は残念ながら明らかになっていないのだが,RTGによれば,不要なプリミティブを破棄するアクセラレータを搭載し,ハードウェアスケジューラとシェーダ命令のプリフェッチ関連,シェーダの利用効率やメモリ圧縮関連でアップデートが入るようである。

 ディスプレイ出力周りでは,HDMI 2.0aとDisplayPort 1.3のサポートがトピックだ(関連記事)。競合のNVIDIAはGeForce GTX 900シリーズで早々にHDMI 2.0へ対応し,DiplayPort入力を持たないテレビなどのディスプレイ製品でも4K解像度の60Hz(60fps)出力を行えたのに対し,Radeonは長らく,DisplayPort 1.2でしか4K出力を行えないという問題があった。その問題がPolaris世代ではついに解決するわけである。
 しかも,HDMI 2.0をスキップしていきなりHDMI 2.0aなので,ただ4K/60fpsに対応するだけではなく,HDMI(およびDisplayPort)から10bitのHigh Dynamic Range(以下,HDR)出力を行えるようになる。

 もう1つ,マルチメディア系では,10bitのHDRに対応した「H.265 main 10 Profile」による4K解像度のデコードと,4K/60fpsのエンコード対応が大きなトピックだ。

Polarisアーキテクチャの新要素。GPUマイクロアーキテクチャとディスプレイエンジン,マルチメディア系に強化が入るとのことである
Radeon RX 400


「GPUの電力効率に歴史的な飛躍をもたらす」Polarisアーキテクチャ


PolarisアーキテクチャはFinFETのために再設計したアーキテクチャでもある
Radeon RX 400
 新要素と同じくらい力を入れてRTGがアピールしているのが,Polarisアーキテクチャにおける消費電力対性能比(Performane per Watt)の「歴史的な向上」である。
 Polarisアーキテクチャは,新たな製造プロセス技術「FinFET」へ最適化することで,消費電力面での大幅な改善を実現できているという。

近年の半導体業界における「高密度化にあたっての課題」。トランジスタの密度は2年で2倍になるが,静的漏れ電流も2倍になる。それに対して電力区画を細分化して各部を細かくオン・オフしたり,隣接するトランジスタ間の漏れに対して逆電圧(バックバイアス)をかけたり,回路設計上の工夫をしたりして対処してきたが,これらは性能に悪影響を与える場合もある
Radeon RX 400

 FinFETとは何かという話は釈迦に説法だと思うが,簡単に確認しておくと,2012年にIntelが「3-D Tri-Gate transistors」(3次元トライゲート・トランジスタ」として他社に先駆けて採用してきているトランジスタと同様のものだ。トランジスタを立体的に形成することで漏れ電流を抑えられるうえに,トランジスタの特性も改善できるということで,半導体の高密度化におけるキーテクノロジとして,ファウンドリ各社が取り組んできた技術である。
 RTGによると,AMDはPolarisアーキテクチャ以降でしばらくの間,台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)の16nmと,AMDからスピンオフした歴史を持つファウンドリ企業・米GLOBALFOUNDRIESの14nm,2つのプロセス技術を採用することになるという。

FinFETの概要と利点を記したスライド。FinFETは,1989年に日立製作所の久本 大氏が「Delta FET」という名前で世界に先駆けて発表したのだが(関連リンク),実用&量産化には20年以上の歳月を要している
Radeon RX 400
FinFETと従来の28nmプレーナー型とでトランジスタの性能を比較したスライド。縦軸が漏れ電流(ログスケール),横軸が性能だが,FinFETは28nmの漏れ電流と同じレンジで高い性能が得られ,漏れ電流の特性のバラつきも少ないというアピールになっている
Radeon RX 400
製品レベルでFinFETと28nmプレーナー型のトランジスタを比較したもの。ここでは縦軸が最大動作クロック,横軸が消費電力だ。いずれも相対値(Relative)で,絶対比でないのは要注意だが,FinFETのほうがクロック上昇に伴う消費電力の上昇が小さいことをグラフは示している
Radeon RX 400

※2016年1月5日10:00頃追記 初出時,16nm FinFETと記載していましたが,その後の取材で16nmと14nmを併用するという情報が得られたため,記事をアップデートしました。

 RTGは,Electronic Artsの新作ゲームタイトル「Star Wars Battlefront」を用いて,Polarisアーキテクチャベースの新しいエントリーミドルクラスGPUと「GeForce GTX 950」の消費電力を比較した結果も示しているので,掲載しておこう。
 PCは「Core i7-4790K」ベースのもので,GPU以外のスペックは共通。この状態で1920×1080ドット/60fpsの描画を行ったところ,システム全体の消費電力はGTX 950搭載時に140Wだったのが,次世代GPU搭載時は89W,約61%にまで下がったとのことだ。

グラフィックスカード以外同じスペックのPCでPolarisアーキテクチャベースのエントリーミドルクラスGPUとGeForce GTX 950を比較した結果とされるスライド。システム全体の消費電力はなんと約61%に下がったという
Radeon RX 400

 Polarisアーキテクチャの持つ優れた電力性能は,これまでにないPCのフォームファクタを実現できるとAMDはアピールしている。たとえば,より薄型のゲーマー向けノートPCや,これまで見たことのない小ささのゲーマー向けデスクトップPC向けなどである。
 とくに,成長分野とされているゲーマー向けノートPC市場だと,現状では電力性能の高い第2世代Maxwellアーキテクチャが席巻しているという実態があるので,Polarisアーキテクチャの投入により,この分野での巻き返しを図りたいというのがRTGの本音ではないかと思われる。

Polarisアーキテクチャの優れた電力性能によって,デスクトップレベルの性能を持つ薄型のゲーマー向けノートPCなどが可能になるとAMDはアピールしている
Radeon RX 400 Radeon RX 400


次世代GPUの登場は2016年中頃。刮目して待て


 以上,明らかになったPolarisアーキテクチャの概要をまとめてみた。要点としては,マイクロアーキテクチャとしてGCNアーキテクチャを発展させつつ,FinFETに最適化した設計により驚きの電力性能を持ち,HDRにも標準対応したGPUになるといったところか。

Radeonの電力性能にとって歴史的な飛躍になるというPolarisアーキテクチャの(ざっくり版)ブロック図。「New」とある部分は一新になると思うが,Newとない部分にも変更が入るのか,現行のGCNをそのまま踏襲するのかはまだ分からない
Radeon RX 400

 繰り返すが,Polarisアーキテクチャを採用したGPUは2016年半ば以降,順次,市場投入となる予定だ。競合との消費電力比較が公表された以上,すでに試作サンプルがあり,動作していることは間違いないないので,そう遠くない将来,ゲーマーが手にできるのは確実だ。

 既報のとおり,AMDは2016年,x86互換CPU市場に,開発コードネーム「Zen」という新たなマイクロアーキテクチャを投入する計画がある。CPUではマイクロアーキテクチャ刷新,GPUではマクロアーキテクチャ刷新と,今年のAMDは何かとニュースが多くなりそうだ。
 AMD,久々の大躍進が見られるのか,大いに期待しつつ,最終製品の登場を楽しみに待とう。

Polarisアーキテクチャのまとめと,2016年半ばの登場を予告するスライド
Radeon RX 400

AMD公式Webサイト

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