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イラストのみを手がかりに真犯人を探す「ミステリウム 日本語版」レビュー。「ディクシット」風の推理が楽しい,新感覚の協力型ゲーム
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印刷2015/11/25 00:00

レビュー

イラストのみ手がかりに真犯人を探す,「ディクシット」風協力型推理ゲーム

ミステリウム 日本語版

 ホビージャパンから2015年10月に発売された「ミステリウム 日本語版」は,ウクライナのボードゲームデザイナー・Oleksandr Nevskiy氏Oleg Sidorenko氏の手による,推理&協力型ボードゲームだ。
 これまで,ウクライナ語版とポーランド語版が存在していたが,この度フランス語版,英語版などと合わせて日本語版がリリースとなり,国際的なボードゲーム見本市「SPIEL’15」でも大きな存在感を示していた(同イベントの新作人気投票においても4位を獲得している)。
 日本でもその魅力にとりつかれているファンが多いという本作を,本稿ではじっくりと紹介していこう。

プレイ人数は2〜7人で対象年齢は10歳以上,プレイ時間は1プレイあたり40分程度で,価格6800円(税別)。コンポーネントもなかなか豪華な作りで,ターン数を示す時計などは,組み立て式になっている
ミステリウム 日本語版

「ミステリウム 日本語版」公式サイト



抽象的なイラストから犯人を当てる「ディクシット」風推理ゲーム


ディクシット日本語版
ミステリウム 日本語版
 本作は,プレイヤーが幽霊役(1人)と霊能者役(そのほか全員)に分かれ,殺人事件の犯人を捜していくという,非対称型の協力推理ゲームだ。幽霊は自分自身を殺した犯人をおぼろげながら覚えているものの,しゃべることが一切できない。霊能者達は,幽霊が出すあいまいなヒントを頼りに,真犯人を見つけ出す。

 本作で特徴的なのは,幽霊のヒントの出し方だ。ボードゲームファンに向けて簡潔に説明するなら,イラストからの連想で推理を進めていく,「ディクシット」風の推理ゲームというのが分りやすいだろう。幽霊役が容疑者や犯行現場,凶器をイメージしている(と思われる)イラストのカードを出して,霊能者役のプレイヤーはそれを元にあれこれ想像を膨らませていく。

 ちなみに「ディクシット」とは,2010年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞し,全世界で150万超を販売したという人気ボードゲームだ。手番プレイヤーが決めたキーワードに従って,全員が手札からイラストが描かれたカードを裏向きにして出し,シャッフルののちオープンとなったカードの中から,手番プレイヤーが出したカードを探し出す……というのが,その大まかなゲーム概要である。抽象的なイラストとキーワードをどう結びつけるかで頭を悩ませるのが面白く,ゲーム会では定番のタイトルとなっている。

ディクシットのイラストカード
ミステリウム 日本語版

 ディクシットの場合は,手番となったプレイヤーが自分の手札に有利なキーワードを設定すれば良かったが,ミステリウムの場合は,それが犯人の手がかりを指し示す何か,となるわけだ。

Aくん「えー?この絵からどの人物を連想すればいいのさ?」
Bくん「このイラストだったら,ぜったいこれが凶器だよね?」
Cくん「いやでも,さっき提示されたこっちのイラストは? まったく共通点ないよね?」
Aくん「というかこれ,形っていうよりも色なんじゃね?」

というように,ワイワイと相談しながらプレイしていく様は,まさに協力ゲームの醍醐味だ。全員でイメージを共有でき,容疑者→犯行現場→凶器と当てたときの快感は,何とも言えない達成感がある。


自分を殺した犯人を捜す幽霊と,4人の霊能者達


 より具体的なゲームの流れを説明しよう。今回紹介するのは難度ノーマルを5人でプレイする場合だ。まず,ゲームをセットアップすると以下の状態になる。

セットアップした直後の本作。右奥にある屋敷は幽霊役専用のついたてだ。大きめのカード(78mm×120mm)を数多く並べることになるので,できれば広めの机があると遊びやすい
ミステリウム 日本語版

 今回は5人プレイなので,幽霊が1人で霊能者が4人。場には7人の容疑者カードと7か所の犯行現場,7つの凶器が並んでいる。幽霊役のプレイヤーは,まずこの中から容疑者,犯行現場,凶器の組み合わせを4セット選び,正解として控えておく。最終的に真実となるのはこの中のうち一つだけなのだが,幽霊自身もハッキリとは覚えていないのだ。なので,まずは霊能者と同じ数(今回は4人)まで,犯人を絞り込むのが最初の目標となる。

幽霊しか見ることができないついたての裏側はこうなっている。正解となるカードの組み合わせを,幽霊用のカードを使って控えてある。なお,正解の組み合わせは霊能者ごとに決まっているので,ほかのプレイヤーの正解を引き当てても意味がない
ミステリウム 日本語版

 準備が整ったら,いよいよゲームスタートだ。まず幽霊役の手元には,山札から引いてきた7枚の「幻視カード」がある。幻視カードにはそれぞれ抽象的なイラストが描かれており,この中から1枚以上を選んで,霊能者役のプレイヤーに渡していく。このとき渡すべきは,そのプレイヤーが担当する容疑者を連想できるカードだ。例えば,幽霊の幻視カード7枚と,場の容疑者カードが次のようになっていたとしよう。

上が場に並べられた容疑者カード,そして下が幽霊の手札にある幻視カードだ。容疑者カードは全部で18枚あり,その中から規定の枚数(プレイ人数や難度によって変化する)が場に並べられる。5人プレイでノーマルの場合なら7枚だ。一方,幽霊側の手札は常に7枚で,霊能者に渡して使用した場合も,すぐに山札から補充される
ミステリウム 日本語版
ミステリウム 日本語版

 青色の霊能者であるAくんが当てなければならない容疑者は,上写真の右下にある料理人だとする。この場合,幽霊はどの幻視カードを渡せば,それが伝わるだろうか。幽霊役である筆者は,悩みに悩んだ末,お皿が書かれている下写真右下のイラストを渡してみた。料理のイメージから,これなら伝わると正解してもらう気満々の選択だ。
 しかしながら,Aくんが実際に選んだのは右上のハゲマント容疑者だった。

Bくん「ここに赤い部分があるから,このハゲマントじゃね?」
Aくん「ありえるね」
Cくん「間違いないね!」

などという会話が霊能者同士で交わされ,幽霊役の筆者は「違うんだー! もっと絵をよく見てくれ−!」と心の中で叫んだが,幽霊役はカード以外のヒントを出せない。言われてみると,確かにハゲマント容疑者のカードは右下の赤い部分が印象的だ。自分が出した幻視カードにも右下に赤い毛玉があり,「なるほどそっちをイメージしたか!」と反省することとなった。
 とまあ,霊能者同士はこんな具合にお互い相談しながら容疑者を推理することができるのだが,幽霊役はその会話に参加できない。ここはグッと我慢し,次のカードに望みを掛けることにする。

Bくん「Aさん担当の容疑者はコイツじゃないですか? このカードの丸い部分が……」
Aくん「いや,そいつはBさんのっぽくない? 色で判断するなら断然こっちでしょ」
Cくん「えー!僕もそれだと思ってた! だってさ……

……まったく意見がまとまっていないようだが,この迷走感もまた,本作の醍醐味である。

容疑者の推理は,砂時計の砂が落ちきる1分内に終わらせなければならない。時間が来たら,それぞれ水晶の形をした「直感トークン」を容疑者カードの上に置いていく。なおチェックマークや×印のついた「洞察力トークン」は,後述する「洞察力トラック」に関係するもの。ほかのプレイヤーの推理に対して,その正否を予想する
ミステリウム 日本語版


真犯人を投票で見つけ出せ


 見事容疑者を当てても,犯行現場,さらにその次は凶器の推理が待っている。外してしまった人は当てられるまで次のステップに移ることができず,7ターン終了時までに霊能者全員が凶器まで当てられなければ,そこでゲームオーバー。自分だけ推理が当たっていても意味がないので,余裕があればほかのプレイヤーを手助けするといい。

容疑者絞り込み6ターン目のゲームボード。1人(黒)がまだ犯行現場を特定できておらず,瀬戸際である。このターンで犯行現場を確定し,次に凶器を1発で当てなければ,全員がゲームオーバーになってしまう
ミステリウム 日本語版

 全員が凶器まで当てられたら,次は真犯人を特定するフェイズだ。
 このフェイズでは,あぶり出された容疑者――今回の場合は4人の中から,1人の真犯人を見つけ出さなくてはならない。しかし,その手順はこれまでとやや異なっている。
 ここではまず,霊能者達が推理によって導き出した容疑者セット(容疑者,犯行現場,凶器)を並べ,番号をつける。幽霊は手元にある7枚の幻視カードとよーくにらめっこしながら「これなら絶対に正解に辿りつけるだろう」という“真犯人を決める”。これまでは正解が決まっており,それに合わせてカードを選んだが,ここではカードに合わせて真犯人を選べるわけだ。そして,その真犯人を指し示す幻視カードを,容疑者,犯行現場,凶器の各1枚を選び,場に伏せておく。

いよいよ真犯人を見つけるフェイズ。それまで並べられていたセットは片付け,絞り込まれた容疑者セットに番号を付けて並べ直す。この中から一人を指し示す幻視カードを3枚選ぶのだ。もちろん,この段階では誰が真犯人なのか,霊能者プレイヤーは知るよしもない
ミステリウム 日本語版

 さて,ここからがいよいよ推理だ。
 ここで真価を発揮するのが,これまで説明を省いてきた「洞察力トラック」だ。これは個々人の推理の鋭さを示すもので,基本的には推理が当たったときに上昇する。自分自身が担当している容疑者だけでなく,洞察力トークンによってほかのプレイヤーの推理に対する予想が当たったときも上昇するので,これまでに的確な推理をしてきた人ほど,メーターの数値が高くなっているはずだ。

これが洞察力トラック。霊能者ごとのカラーチットで各人の数値が表されている。「5」と「7」の位置には,この後の推理で見ることのできる幻視カードの枚数を示したアイコンがあり,数値が大きいほど真犯人当てが楽になる仕組みだ
ミステリウム 日本語版

 実際の推理は,この洞察力トラックの数値が低い人から行っていく。上の写真の例だと,まずの青の霊能者――Aくんからだ。彼の推理トラックの数値は「4」なので,幽霊が伏せて置いた3枚の幻視カードのうち,1枚しか表にすることができない。この1枚だけをヒントに,どの容疑者セットが真犯人なのかを当てねばならない。
 ただし,この真犯人当てでは霊能者同士が話し合うことはできないし,自分の推理の結果を,ほかのプレイヤーに伝える事もできない。ついでに言えば,自分がめくったカードが,どのカテゴリ(容疑者か犯行現場か凶器か)のヒントなのかも分らないので,1枚だけで正解を引き当てるのは,かなり困難だろう。

まずはこの1枚。悩んだ結果,Aくんは1番の犯行現場を示していると考え,1番のセットに票を投じることにした
ミステリウム 日本語版

推理を終えた霊能者は,真犯人とおぼしき容疑者セットの数字トークンをスリーブに入れ,懐に秘めておく
ミステリウム 日本語版

 さて1枚目のカードはオープンになった。次は黄のBくんと,赤のCくんの番だ。2人の洞察力トラックは共に「6」なので,幻視カードをもう1枚見ることができる。オープンになった2枚目のカードは次のとおりだ。

2枚目が公開されると,だいぶん分ってきたような……。BくんとCくんは,共に4番に投票したが,この段階では,お互いにそれを知るよしもない
ミステリウム 日本語版

 そして最後は黒の霊能者,Dくんの番である。彼の洞察力トラックは「9」なので,最後のカードを見てから推理できる。そしてめくられたカードがコチラ。

あーっと,これならかなり絞られてきたかも? この3枚目でピンときたらしく,Dくんはこっそりと3番に投票した
ミステリウム 日本語版
 
 さて,全員の投票が終わったところで,いよいよクライマックスだ。公開された全員の投票結果は次のとおり。

投票結果がオープンになった。それぞれの数字トークンを,容疑者の上に置いていく
ミステリウム 日本語版

 このゲームは最初に説明したとおり,「協力ゲーム」だ。つまりここで犯人を当てた人が勝利というわけではない。「投票」という言い回しから気付いた人もいるかもしれないが,最終的に選ばれるのは得票が最も多かった容疑者セットなのだ。つまり今回霊能者達が真犯人と推測したのは,BくんCくんから票を獲得した4番の容疑者セットということになる。
 そして幽霊が選んだ正解は……!

3番! このように,幽霊が選らんだ真犯人は,洞察力トラックのボード上にトークンの形で伏せ置かれる。投票結果が明らかになった時点で,これがオープンになる仕組み
ミステリウム 日本語版

 あああ! やっぱりDくんが選んだ3番だった! というわけで,今回は敗北という結果になってしまった。
 ちなみに幽霊こと筆者が選んだ幻視カードは,

  • 左:凶器(同じ木だから)
  • 中央:犯行現場(ネズミが出そうな台所だから)
  • 右:犯人(容疑者カード背景のクルマ→乗り物→ドラゴンに騎乗しているから)

をイメージしたのだが……ちょっと難しかったのかもしれない。

霊能者達「そんなの分らんわ!」
幽霊「だって手札の7枚から選ばなくちゃならないんだもの! しょうがないじゃないかーー!」

というお決まり(?)のやりとりも,また楽しい一時である。


初心者から上級者まで,一緒になって楽しめる傑作


ミステリウム 日本語版
 何度か遊んでみて感じたのだが,本作は幽霊と霊能者のどちら側でプレイしても面白いというのが,特筆すべき点と言えるだろう。幽霊役はゲームマスター的な立ち位置でもあり,遊ぶ前はやや物足りないのでは思っていたが,ちっともそんなことはなかった。自分だけがすべてを知っているのに,霊能者達をうまく導けないもどかしさ,うまくいったときの嬉しさは,なかなかのものだ。個人的には,むしろ幽霊役のほうが面白いかもしれないと思ったほどである。

 もちろん,霊能者役だって楽しい。みんなで話し合いながらアレだコレだとトークしている時は盛り上がりまくりだし(幽霊で唯一残念なのは,これに参加できないこと),当たったときや外れたときの「やったー!」「間違えたー!」という感情の起伏は,霊能者側でこそ味わえるものだ。

 霊能者の間では,カードの情報はオープンが基本で,秘匿しなければならない情報もないため,発言しやすいのも良いところだ。協力ゲームの場合,声の大きい人が場を引っ張ってしまい,あとの人はただ着いていくだけということにもなりがちだが,本作の場合,そういった心配はまずないだろう。ボードゲーム初心者が上級者に混ざっても,ワイワイいっしょに楽しめるタイトルと言えそうだ。

 最後の最後で白状しておくと,筆者はこのゲーム,まだクリアできたことがない。実際にやってみると,真犯人を特定するフェイズにすら辿りつけないことが多くて,パーティゲームとしてはなかなか骨のあるタイトルと言えそうだ。なので,最初にプレイするときは,途中でゲームオーバーになっても,真犯人の特定までをやってみて,手ごたえを確認するのがもいいかもしれない。最後の投票システムはなかなかユニークなので,ラストはこうなるというところまでを知ってもらえば,俄然やる気が出てくるというものだ。

 プレイ時間はセットアップ,インスト込みで1時間ちょっと。遊んだことがある人同士なら40分程度なので,比較的気軽に1プレイできる部類だろう。難度調整も3段階から選べる。筆者も次にプレイするときはまずイージーで……いやいや,もうちょっとノーマルでかんばってみるか!


「ミステリウム 日本語版」公式サイト

  • 関連タイトル:

    ミステリウム 日本語版

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