2017年春のロードマップも明かされた「フィギュアヘッズ WOCT Season3」決勝大会をレポート

　2016年12月17日，スクウェア・エニックスがサービス中のTPS「フィギュアヘッズ」のオフライン大会「W2BF Official Clan Tournament Season3 powered by Intel（以下，WOCT Season3）」決勝戦が行われた。この「WOCT Season3」は，インテルが協賛しているフィギュアヘッズの公式大会で，優勝クランには賞金150万円が贈られる。


　試合の模様は，池袋「ストーリア」にてパブリックビューイングが実施され，会場には数多くのファンが集まった。本稿では，試合内容を含めたパブリックビューイングの模様と，会場で発表された年末のアップデートや2017年のロードマップについてレポートしよう。

イベントの司会進行を務めたのは，（左から）フィギュアヘッズ運営スタッフの小澤 亮氏，フリーアナウンサーの西 達彦氏，声優の近村望実さん，運営プロデューサーの石川 岳氏の4人。試合中は西氏が実況，石川氏と小澤氏は解説も務めた

12月22日に飛行型兵器や巨大な敵と戦うPvEモードが実装。2017年春にはメインストーリーに新たな展開も

　試合の模様をお伝えする前に，石川氏と小澤氏から発表された今後のアップデートを含む最新情報を紹介しよう。

　最初に紹介されたのは，今夏に実施されたイラストコンテストの進捗だ。このイラストコンテンストは，ロボットをデザインする「2Foot部門」と，戦闘をアシストする人工知能をデザインする「フィギュアヘッズ部門」の2部門で行われた。最優秀賞はゲーム内で実装されることが決まっており，先行して2Foot部門の最優秀賞「エネルギア」のモデリングデータが初公開された。
　さらに，優秀賞を受賞した「イェーガー」の実装も発表され，会場では大きな拍手が降り注いだ。今回発表された2つが第1弾という形で実装され，そのほかのものは今後実装する予定になっている。



　続いて，12月22日に実装が予定されているアップデートの内容が公開された。
　新コンテンツとして，空中から襲いかかってくる敵を迎え撃つ「対空戦」と，巨大兵器と対峙する「討伐戦」の実装が明かされた。どちらもPvEコンテンツで，討伐戦が先に実装される予定とのことだ。

対空戦はムービーが公開されたのだが，残念ながらトラブルで途中で終わってしまった。後日，改めてムービーを公開するとのことだったので，気になるファンは公式サイトをチェックしよう

　そしてもう1つのアップデート内容として，大規模な武器のバランス調整が行われることが明かされた。現状，プレイヤーに使われている武器は特定の一部に限られており，多様な武器が実装されていても，あまり意味を成さなくなっている。これを是正して，武器選択の幅を広げるための調整だと，小澤氏はバランス調整の意図を説明した。そのほかに，各企業の特色を明確にするといった，世界観的な調整も含まれているようだ。

いくつかの武器の修正サンプルが公開された。スライドが表示されるたびに，会場からは歓声がわいていた。なお，スライドに表記された数値以外の部分にも調整の手が入っているとのことだ

　最後にフィギュアヘッズの開発スタッフも交えて，2017年春のロードマップが公開された。これまでのフィギュアヘッズは，プレイヤーは「Ranks」として，「W2BF」という組織が運営している競技「BOT game」に参加（PvP）していたが，今後のアップデートでは，それと同時に戦争（PvE）へ出撃することになる。
　この戦争にはゲーム内の企業「御射鹿」が大きく関わっていて，その傭兵として参戦する，という設定になるそうだ。石川プロデューサーによると「そもそもW2BFの成り立ちと御射鹿の関係，そしてなぜBOT gameが行われているのかという設定についても語っていければ」とのことだった。これに関わる形で，チュートリアルも変更して，そういったストーリー部分にも触れていきたいと展望を語っていた。


　それ以外のアップデート情報として，以下のスライドが公開された。新武装やスキル追加など，システム面の拡張が主な内容で，小澤氏は「詳細はまだ発表できませんが，おそらく，皆さんが想像しているようなものが実装されると思います」と話し，ロードマップの紹介を締めくくった。

2017年1月より，全国のドスパラでイベントキャラバンの開催が決定。会場ではトークイベントや対戦会が実施予定で，限定装甲やご当地カラーパターンがプレゼントされる

最後にスタンプ50枚がもらえるシリアルコードが公開された。入力期限は12月31日の23:59までなので，忘れずに入力しておこう

一進一退の激戦が繰り広げられた決勝戦。Season1，2を制覇したクラン「7人組」の3連覇なるか？

　それでは改めて，決勝戦の模様をお伝えしよう。

　決勝戦まで勝ち進んだのは，Season1，2で優勝している大本命「7人組」と，新興クランの「Avenger」だ。実はAvengerには，Season2の決勝戦で7人組に敗れたクラン「Challenger」のメンバーが3人もいて，その名のとおり“復讐者”として再び7人組に対峙することとなった。

　決勝戦は，5試合中3試合を先に勝利したチームが王者となる。
　マップ「Underground」が舞台となった第1試合は，7人組がポストトリガー（アウトポストにあるコアのシールド状況を左右する施設）を押さえたところからスタートした。ポストトリガーを奪い合うという膠着した状態がしばらく続いたが，その隙をついてAvengerがキルを取りスコアを有利に導いていく。試合時間が半分を過ぎたあたりで，Avengerがポストトリガーの奪還に動き，これに成功。大きく不利になった7人組は逆転を狙ってAvengerのコアを狙いに向かうが，ギリギリのところで阻まれてしまい，その後チャンスを掴むことができないままタイムアップ。大方の予想を覆してAvengerが先に1勝を挙げた。


　第2試合の「Trade Port」も第1試合の勢いのままAvengerが先行して2キルを取るという好調な滑り出しで始まったが，すぐに7人組も2キルを取り返して，スコアはイーブンとなる。その後，Avengerのラインを乱すことに成功した7人組が，ポストトリガーを3人で押さえつつ，残りのメンバーで安定してキルを取るという7人組らしい戦い方で試合を有利に進めていった。総力を挙げてポストトリガーの奪還を目指すAvengerだったが，7人組による盤石の守りを突破することができずキルを献上することとなってしまい，攻略の糸口さえ掴むことができず敗北した。


　1-1のイーブンで迎えた第3試合の舞台は「Highway」。キャノン砲を装備した双方のストライカーが，淡々と曲射砲撃する姿が印象に残る試合で，解説していた石川氏も「職人だ。きっと朝は早い」とコメントし，会場を笑わせていた。
　とはいえ，その威力はとても笑えるものではなく，中央のラインで相手の足を止めるという大きな役割を果たしていた。この砲撃に曝されながらマップ中央のポストトリガーをめぐって激しく争っていたが，隙をついてAvengerの僚機による7人組のコアの攻撃に成功し，会場は大興奮。大きくスコアに差を付けられてしまった7人組は，ここでAvengerのコアへの攻撃を選択した。キルを取られながらもプレッシャーをかけていった7人組は，残り時間30秒というタイミングでAvengerのコアへ到達し，一撃を加えて離脱するという逆転劇に会場からは大きな拍手と歓声が湧く。そのまま逃げ切った7人組が，優勝にリーチをかけた。


　休憩を挟んで行われた第4試合「Subway」は，開幕から両クランが中央のポストトリガーを狙って突き進むが，一歩早く7人組が押さえ，有利に試合を展開していく。だが，マップ右下のタレットトリガー（コアを防衛するタレットを起動する施設）をAvengerに取られてしまい，奪還に向かう7人組は，結果的に戦線を下げてしまう。
　その間にポストトリガーを奪取したAvengerは，有利に試合を展開する。しかし，7人組はここで乱れず，できる仕事を確実にこなし，機を見てはキルを取るという王者らしい戦いを進めていく。施設の占拠状態などでは有利なはずのAvengerだったが，徐々にキルを取られていき，気が付けば逆転を許していた。
　コアを襲撃して再逆転を狙うAvengerを，迎え撃った7人組がキルを積み重ね，さらにスコア差を広げることに成功。そのまま7人組が押し切って3勝目を挙げ，3連覇を達成した。


　今回の決勝戦は秋葉原のJCGスタジオで行われていたが，試合終了後に選手達はストーリアへと移動し，表彰式が行われた。

　一歩及ばなかったものの，準優勝という立派な成績を収めたAvenger。しかし，AvengerのMaria選手はインタビューで「Avengerを応援してくださった皆さん，ありがとうございました。今回も準優勝という惜しい結果で終わってしまって申しわけありません。次こそは優勝したいと思います」と悔しさをにじませていた。ほかのメンバー達も，次こそは勝ちたい，次こそは優勝したいと口々に話していた。

WOCT Season3 準優勝 Avenger

　激戦に次ぐ激戦だった決勝戦を勝ちきって優勝した7人組だが，実のところかなり厳しい戦いの連続だったようだ。サブマスターのAkiTaN選手はインタビューで「第1試合のUndergroundはそこそこ自信があったんですが，練習量の差が大きかったのか，あそこまで大差で負けるとは思いませんでした。それが第2試合に響くかと思ったんですが，気持ちを切り替えて気合いで立て直しました」と心情を吐露した。こういった心の強さも，優勝するには不可欠な要素なのだろう。Avengerの「次には勝ちたい」という言葉には，「受けて立つことしかできないですよね。次も大会があるなら，やらせていただきたい」と王者らしいコメントで返していた。

WOCT Season3 優勝 7人組。しゃがんでいる3人は，ストーリアで応援していたクランメンバーだ

優勝した7人組には特製のフィギュアヘッズケーキが進呈され，入刀式が執り行われた。男性メンバー2人が一緒になってケーキにナイフを入れるという儀式に，会場は大笑い

　全試合を終えて石川氏は「素晴らしい決勝戦を見せてくれた7人組とAvenger，そしてSeason3が開催できたことと，こうしてファンに集まっていただけたことに感謝します。これからも皆さんと一緒に盛り上がって楽しんでいけたらなと思っていますので，引き続きがんばっていきます」と述べ，大会を締めくくった。

「フィギュアヘッズ」公式サイト