連載
ミュージック フロム ゲームワールド:Track 107 「Re:birth / GAMADELIC」「トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>」
ファミコンやゲームボーイに使用された8bit音源の歴史や解説,そして貴重なアーティストインタビューなど,どれもが読み応え十分。読んだあとは,自分もチップチューン楽曲の制作をしたくなりました。この本をきっかけにたくさんのアーティストが誕生し,空前のチップチューンブームが訪れたら爽快ですね!
それでは,今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」もオススメの2作品を紹介します!
これが2017年版GAMADELICだ!
「Re:birth」
タイトル | Re:birth | |
発売日 | 2017年5月6日 | |
価格 | 3000円(税抜) | |
発売元 | GAMADELIC | |
コピーライト | (C)2017 GAMADELIC |
今週の1枚めは,元・データイースト社員によるゲームミュージックバンド,GAMADELICの2年ぶりとなるニューアルバム「Re:birth」を紹介します。本アルバムには,過去にライブやCDで発表してきたアレンジ曲の中から15曲を新録音にて収録。代表曲の数々が2017年版GAMADELICの音で生まれ変わっています。
1曲めはアーケード用野球ゲーム「スタジアムヒーロー」から,LAメタルを思わせるカラッと爽快なハードロックナンバー「Paradise Spirits」。メジャーリーグを想像させるワイルドさが魅力で,モトリー・クルーを意識したとしか思えないイントロのカウベルもナイス!
ライブでの定番曲「カルノフ」の「カルノフが街にやってきた」では,分厚くなったファンキーサウンドや円熟味を増したセリフとボーカル,そしてハードに進化したコーラスパートが聴きどころ。ボカロを使用した「チャイナタウン」の「China Town 電子の歌姫Ver.」は,キュートなボーカルと男臭いコーラスの絡みが最高! GAMADELICの活動再開以降,ライブではたびたびボカロ版で披露されていますが,今回の音源化でついにじっくり聴くことができます。
「フライングパワーディスク」の「Shooot!!」では,磨きのかかったATOMICのチョッパーベースがイントロで炸裂。MAROによる泣きのギターフレーズにしびれるバンド屈指の人気曲,「空牙」の「Vapor Trail」も重厚なサウンドにパワーアップ。そしてラストは完全バンドサウンドに変貌を遂げた「Theme Of Gamadelic」で締めくくり。軽快なラップパートと演奏が生み出すグルーヴ感がたまらない!
2年ぶりのアルバムリリースながら,バンドの健在ぶりを堂々と示す仕上がりは興奮もの。GAMADELICはアルバムもいいけどライブはさらに楽しいので,次のライブに備えて本作で予習しておこう!
Maro’s Music Bar「Re:birth」商品ページ
1970〜80年代のポップカルチャーを凝縮した1枚
「トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>」
タイトル | トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編> | |
発売日 | 2017年3月22日 | |
価格 | 2500円(税抜) | |
発売元 | SOLID RECORDS |
今週の2枚めは,DJフクタケ選曲による,1970〜80年代に発表されたゲーム関連のイメージソング,タイアップソング,CMソングを収録したコンピレーションアルバム「トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>」をご紹介。時代の空気感も同時に感じられる,タイムスリップ必至の1枚です。
1曲めはアルバムのCMトラックになっており,2曲めの「ディスコ・スペース・インベーダー」から本編がスタート。「スペースインベーダー」をテーマにゲームのSEを随所に散りばめた,1979年リリースのテクノポップチューンです。4曲めの「テディーボーイ・ブルース」は,石野陽子のデビュー曲にして,同名アーケードゲームのタイアップ曲。哀愁漂う’80年代テイストのメロディセンスとアレンジが懐かしく,今となっては新鮮でもあります。
7曲めは「ドラゴンクエストII」の“ふっかつのじゅもん”入力時のBGMをボーカルアレンジした「Love Song 探して」。牧野アンナの伸びやかで初々しいボーカルが楽しめます。9曲めは,ちわきまゆみが歌う「ハイドライド・スペシャル」のイメージソング「エンジェル・ブルー」。歌詞にゲームをイメージしたキーワードを散りばめた,明るくポップな王道アイドルソングです。
清水香織が歌う14曲めの「サイコソルジャー」は,同名ゲームのBGMに使用された曲。業界初の歌ものBGMとして,当時のアーケードゲーマーに大きなインパクトを与えました。“サリナバチタ”のフレーズでおなじみ,立花理佐が歌う「リサの妖精伝説 -FAIRY TALE-」は,シングル盤のみに収録されていた,レアなロングバージョンを収録しています。
アイドルソングを中心に,1970〜80年代のポップカルチャーが楽しめる本アルバム。これを聴けば,レトロゲームのサントラとは一味違った懐かしさに包まれること間違いなし!
「トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>」商品ページ
|
- この記事のURL:
キーワード