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ハロー!Steam広場 第120回:デッキ構築の要素を取り入れたハック&スラッシュRPG「Book of Demons」
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印刷2016/08/09 12:00

連載

ハロー!Steam広場 第120回:デッキ構築の要素を取り入れたハック&スラッシュRPG「Book of Demons」

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「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,イントロ開始前のホワイトノイズを聴いただけで,バトルフィールドかターミネーターかが分かる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 ハロー!Steam広場 第120回は,ハック&スラッシュにデッキ構築の要素を取り入れたアクションRPG「Book of Demons」をメインに紹介しよう。プレイヤーは装備や魔法のカードで構築したデッキをダンジョンに持ち込み,敵を蹴散らしていくのだ。このほか,ディーゼルパンクの世界観を背景にしたシューティングゲーム「AIRHEART」もあるので,お見逃しなく。



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デッキ構築の要素を取り入れたハック&スラッシュRPG「Book of Demons」


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 アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はポーランドのインディーズ系デベロッパ,Thing Trunkが手掛ける「Book of Demons」を紹介しよう。

 本作は,初代Diabloを彷彿とさせる俯瞰視点のハック&スラッシュRPGとなっており,クリック操作でダンジョン内を探索していくゲームだ。このBook of Demonsで描かれる物語は,「Return 2 Games」という壮大な冒険譚の一つであり,このほかに6つの作品が,今後のリリースを控えているとのこと。

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 いずれも「本の中の世界」という舞台設定のためか,ゲーム内のグラフィックスはすべてペーパークラフト調になっているのが特徴的だ。街に登場するNPCキャラクターは,風や振動で倒れないようにという配慮からか,紙相撲のように折り込みが入っており,雰囲気こそダークファンタジーであるものの,それを崩さない程度の細かい部分でクスっとできるところが面白い。

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 ゲーム自体は,いたってシンプルなハック&スラッシュRPGである。街にある教会のような建物からダンジョンに侵入し,各階層にいる敵を片っ端から倒していき,戦利品を街に持ち帰って鑑定し,新しい装備で再びダンジョンに挑む。本作ではこのゲームサイクルを坦々と繰り返していくのだ。

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ダンジョンの長さを自分で決められるというのも面白い要素だ。長くすればそれだけ難度は上がるが,そのぶん報酬もたっぷりもらえる
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 もっとも,それだけではDiabloクローンの域を出ない。PCゲーム市場は,たくさんのDiabloクローンで溢れかえっているし,そもそも本家が未だに現役なのだ。そんな中で,あえてこのBook of Demonsを選ぶ理由は,このゲームでしか味わえない体験があるからにほかはない。
 従来型のハック&スラッシュの基本は,レベルを上げてスキルを覚えたり,敵を倒して装備を拾ったりしてキャラクターを強くしていくことにある。
 もちろん,本作にもそういった流れはあるのだが,決定的な違いとしては,レベルアップで魔法を覚えることもなければ,装備を現物で拾うこともないということ。このゲームでは,それらの要素がすべて“カード”に集約されているのだ。

武器が描かれたこのカードはいったい……
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 開発者による紹介文を見ると,本作のジャンルは「deck-building hack and slash adventure」となっている。要するにプレイヤーは,カード化された装備や魔法でデッキを組んで持ち歩き,それらを駆使してダンジョン内のモンスター達と戦うことになる。ハック&スラッシュRPGにカードゲームの要素を取り込んでいるのだ。

これがカードコレション画面。[C]キーでいつでもアクセスできる
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 敵を倒したり宝箱を開けたりして手に入れたカードは,従来のアクションRPGでいうスキルスロットのような場所にセットすることになる。このスロットはゲーム開始時に3つ与えられ,最大10スロットまで街で拡張可能だ。
 ゲーム内でプレイヤーが手にするカードは,スロットから実際に発動して使う「Spell」,スロットにセットしておくだけで効果を発揮する「Artifact」,使用すると消耗する「Item」の3種類に分かれている。そして,カードと密接な関係にあるのがマナだ。Item以外のカードにはコストが設定されており,使用時にその分マナを消費する仕組みになっている。

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 デッキ構築の上で気を付けなければいけないのが,「Artifact」カードだ。これはスロットにセットしておくだけで,敵の攻撃をブロックしたり,攻撃力を上げたりと,プレイヤーにさまざまな恩恵をもたらしてくれる。これらは発動して使うわけではないので,当然ながらマナの消費という概念がない。その代わりに用意されているのが,マナの“占有”である。
 例えば,マナの最大値が10の状態で,敵の攻撃を確率でブロックしてくれる4マナコストの「SHIELD」を装備すると,常に4マナを消費した状態(マナの最大値が6)になるといった感じだ。

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 「Artifact」には優秀なカードが多いものの,こればかりをスロットにセットしてしまうと,スペルカードを使うためのマナが常にカツカツという状態に陥る。もちろん,Artifactカードだけで固めるのも1つのデッキビルド候補ではあるが,このゲームではスペルに頼りたくなる場面も多い。このように,自分のマナとスロットの範囲内でどういったデッキを組んで,ダンジョンに挑むべきかという悩ましさが,本作の醍醐味ともいえるだろう。

未鑑定のカードは,街にいるおじいさんにお願いすることで中身を確認できる
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ルーンカードを使えば,カードのアップグレードも可能だ
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 本作は,クリックに始まりクリックに終わるゲームでもある。もちろん,クリックゲーという意味ではない。本作はクリックという動作に多くの役割を与えており,クリックの精度がダンジョン内での生死を分けるアクション性も備えているのだ。
 例えば,盾を持った敵と戦うとしよう。普通なら敵にカーソルを合わせてクリックするだけで良いのだが,このゲームでは敵に表示される盾のアイコンを正確にクリックし続けて盾を破壊しなければ,いつまで経っても本体にダメージを与えることができない。

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 同じように,もし敵が魔法の詠唱を始めたら,敵の上に表示される魔法アイコンをクリックし続けて妨害しなければ,強力なダメージを食らうことになるし,スタン攻撃を食らったら,画面中を飛び回る星をすべて消さなければ正常には戻らない。

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 そう,すべてはプレイヤーのクリックないしカーソル操作の精度にかかっており,動きまわる小さなアイコンを正確に捉えることができなければ,命を落とすことにもなりかねないのだ。
 これが,面白いのかと言われると正直微妙なところではあるが,筆者は楽しめたし,デッキを組んで以降のメリハリにもなっていると感じられた。

最初のボスがブッチャーだったり,最後のステージが地獄だったり,ラスボス手前でフードを被った天使が出てきたりと,知っている人ならばニヤリとしてしまう演出が散りばめられている
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 黎明期のMMORPGの如くクリックしまくるゲームなので,とにかく指が疲れるのだが,この感覚がまた懐かしくもある。また,アーリーアクセスであるにも関わらず,ゲーム自体は最後のステージまで実装されており,クリア後のやり込みモードも楽しめるのが嬉しい。現時点で未実装なのは,戦士以外のクラスくらいだろうか。

最後のボスを倒すと,そこから延々とダンジョンが続くフリープレイモードが開放される
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 カードゲームが好きな人には――とオススメするのは,ゲームとしてのベクトルがまったく違うので難しいが,ハック&スラッシュRPGが好きならば刺さるはずなので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。


Book of Demons



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成層圏突破と空飛ぶ鯨の討伐を夢見る少女の物語「AIRHEART」


 「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回はスイスのインディーズ系デベロッパ,Blindflug Studiosが手掛ける「AIRHEART」を紹介しよう。

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 本作はディーゼルパンクな世界観を背景に,浮遊島に暮らす1人の少女「Amelia」の野望を描いたシューティングアドベンチャーゲームだ。ちなみにディーゼルパンクというのは,サイバーパンクから派生したサブジャンルの1つである。サイバーパンクをネオン,スチームパンクを蒸気とするならば,ディーゼルパンクは石油といった感じで,スチームパンクよりも時代が1つ先に進んだ世界観となっている。有名どころでいうと,ファイナルファンタジーVIIのミッドガルあたりがそうだろうか。

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 主人公のAmeliaは,自機での成層圏突破と,生涯の富と名誉が約束されるといわれる「Skywhale」(直訳で空鯨)の討伐を夢見ており,それを成し遂げるための資金を魚捕りで稼いでいる。ここでいう魚というのは,川や海にいるようなものでなく,SkyFishと呼ばれる空飛ぶ魚を指している様子。
 公開されているムービーを見た限り,それらしき生き物の姿はなく,代わりにほかの飛行機と戦うシーンがあるので,ひょっとするとSkyFishというのは,空賊か無人機(もしそうなら,Skywhaleは飛行船になるだろうか)のことかもしれない。この辺りの世界設定は気になるところだ。

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 いずれにせよ,プレイヤーはそのSkyFishと呼ばれる何かを捕まえて売りさばき,自機のアップグレードパーツを買って,成層圏までたどり着けるような高性能な機体に仕上げていくことになる。

 すでにGREENLIGHTは通過しているものの,リリーズ時期については明記されていない。ただ,初めからフルリリースするのではなく,まずはアーリーアクセスからスタートするとのことなので,実際にプレイできる日はそう遠いわけでもなさそうだ。興味のある人はフォローしておこう。


「AIRHEART」GREENLIGHTページ

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