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「Radeon R9 295X2」レビュー。“デュアルR9 290X”は疑いなく史上最速シングルカードだ
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印刷2014/04/08 21:00

レビュー

デュアルRadeon R9 290Xカードは文句なしに速かった

Radeon R9 295X2
(Radeon R9 295X2リファレンスカード)

Text by 宮崎真一


R9 295X2
Radeon R9 200
 別途お伝えしているとおり,2014年4月8日21:00,AMDはコンシューマ向けデュアルGPUカードの新製品「Radeon R9 295X2」(以下,R9 295X2)を発表した。4Gamerでは,簡易液冷クーラーが標準で取り付けられた,AMDが言うところの「極めて危険なグラフィックスカード」を,予告されていたとおりアタッシュケースに入った状態で入手できたので,その実力にさっそく迫ってみたいと思う。

4月2日の記事で紹介したアタッシュケースには,7日の記事で紹介したのと同じような格好でR9 295X2が入っていた。旧約聖書の一節が書かれた印刷物は紙だったことも付記しておきたい
Radeon R9 200 Radeon R9 200
Radeon R9 200 Radeon R9 200


「若干クロックアップR9 290X」×2となるR9 295X2

何が「危険なグラフィックスカード」なのか


 「R9 295X2とは何か」という話は米田 聡氏による解説記事をチェックしてもらえればと思うが,端的にまとめると,1枚のグラフィックスカード基板にHawaiiコアの「Radeon R9 290X」(以下,R9 290X)を2基搭載し,カード上でCrossFire接続させた製品だ。

AMDが公開した,R9 295X2の基板イメージ。なお,今回もカードの分解は許可されていないので,4Gamerによる分解写真を掲載することはできない
Radeon R9 200

Radeon R9 200
 デュアルGPUカードの場合,熱設計の都合から動作クロックに制限の入ることが多い。たとえばRadeon HD 7000世代のデュアルGPUカード「Radeon HD 7990」(以下,HD 7990)は,当時の最上位GPU「Radeon HD 7970 GHz Edition」を搭載しながらも,自動クロックアップ機能「AMD PowerTune with Boost」は無効化されていた。
 ではR9 295X2はどうかというと,動作クロック面での“妥協”は一切ない。それどころか,自動クロックアップ時の最大動作クロックはR9 290Xの1000MHzからR9 295X2では1018MHzへと,わずかながら引き上げられている。GPUあたり4GBのGDDR5メモリを搭載し,動作クロック5000MHz相当で動作させる点も変わりなしなので,「R9 290Xの若干クロックアップ版を2基搭載したカード」と紹介することもできそうである。

Dual BIOS Toggle Switchが用意され,1番めと2番めのVBIOSを切り替えられるようになっている
Radeon R9 200
 厳正を期すと,R9 295X2に用意された「Dual BIOS Toggle Switch」は,試した限り,同じ機能のVBIOS(グラフィックスBIOS)を切り替えるだけになっていた。つまり,静音性を重視した「Quiet Mode」と,性能重視の「Uber Mode」を切り替えられるという,R9 290Xならではの機能は省かれ,「Radeon R9 290」や以前のDual BIOS Toggle Switch搭載製品と同じく,万が一のときに2番めのVBIOSから起動できるだけになっているわけで,その点において,R9 295X2の仕様はR9 290Xと同じではない。

 ただいずれにせよ,より性能を左右する動作クロック設定は高く,そして,それゆえにR9 295X2は,払うべき代償も抱えている。公称典型消費電力250WとなるR9 290Xを2基搭載するR9 295X2の場合,公称典型消費電力は500W,公称最大消費電力は550Wに達しているのだ。

Radeon R9 200
PCI Express補助電源コネクタは8ピン×2
Radeon R9 200
R9 290Xリファレンスカード(右)と長さを比較したカット。ホースを取り回せるだけのスペースがPCケースには求められるのも分かる
 実際,R9 290Xは8ピン×2という補助電源仕様を採用しており,PCI Express x16スロットからの給電と合わせて合計575Wを供給できるようになっているが,AMDは,「R9 295X2を正常に動作させるには,8ピンコネクタ1系統あたり最大28Aの電流が供給でき,2系統の合計で50A以上の供給が可能な電源ユニットの利用が必須」と,低くないハードルを課している。
 また,500W級の熱を冷却するため,R9 295X2には簡易液冷ユニットが標準で取り付けられているわけだが,これを,CPUクーラーの排熱を受けたりしない場所に設置できるPCケースも必要だとAMDは断っている。付け加えるなら,R9 295X2の全長は実測約306mmあるので,この長さのカードを問題なく取り付けられることも,PCケースの要件には入るだろう。

 いま挙げたようなハードルを「自作の楽しみ」として受け入れられる人でないと,R9 295X2を使いこなすのは難しい。そういったニュアンスが,冒頭の「極めて危険」という言葉にはこめられているのだ。

2本のホースでカード側とつながったラジエータ部は,実測サイズが120(W)×63(D)×154(H)mm。PCケース側の形状次第ではあるが,基本的には120mm角ファンの取り付け用スペースと互換性のあるサイズとなっている
Radeon R9 200 Radeon R9 200
カードは表側も裏側も金属で覆われており,ずっしりとした重みがある
Radeon R9 200 Radeon R9 200

 表1は,そんなR9 295X2のスペックを,R9 290X,競合のシングルGPU搭載カード「GeForce GTX 780 Ti」(以下,GTX 780 Ti),そして,同日時点におけるデュアルGPUカード最上位モデル「GeForce GTX 690」(以下,GTX 690)と比較したものになる。


AMDが公開しているクーラーの分解イメージ。GPU用冷却ブロックはホースでラジエータとつながっている
Radeon R9 200
 さて,上で簡易液冷ユニットの話が出たので,冷却システム全体の話を続けておくと,R9 295X2のファンは,ラジエータ部の120mm角と,カード上のクーラー部中央に埋め込まれた100mm角相当のものの2基。前者は,ホースによって運ばれるGPUの熱を冷却するためのもので,後者はメモリチップや電源部,PLX Technology製のPCI Expressクロスバースイッチ「PEX 8474」など,基板上に置かれたGPU以外のコンポーネントを冷却するためのものとなっている。

 ファンの回転数は,前者が冷却液の温度,後者が冷却対象となる各コンポーネントの温度や負荷状況によって,それぞれ自動的に制御される仕様。「Catalyst Control Center」にファン回転数の手動制御設定は用意されていない。どうしてもファン回転数を変更したい場合は,目標のGPU温度を下げれば間接的にファン回転数を抑えることもできるが,その程度だ。
 AMDでデスクトップGPUのプロダクトマネージャーを務めるDevon Nekechuk(デヴォン・ネケチャク)氏は,「ユーザーがファンの回転数を変更したいという要望は理解している。将来的には変更できるようにしたい」と述べていた。

Radeon R9 200
カード中央部のファンと側面のRADEONロゴには赤色LEDが埋め込まれている。AMDによると,負荷状況に応じて明るさが変わり,低負荷な状態では暗く,高負荷な状態では明るくなるとのことだったが,入手した個体だと明るさは一定で,変わる気配はなかった
Radeon R9 200
Catalyst Control Centerの「AMD OverDrive」にある「目標GPU温度」スライダーは,標準で最大値である75℃に設定されており,これ以上上げられない一方,下は最低25℃まで引き下げ可能。性能を犠牲にすればGPU温度,ひいてはファン回転数を下げられる


デュアルGPU構成やシングルGPU構成と比較

解像度は4Kを中心に


外部出力インタフェースはDual-Link DVI-D×1,Mini DisplayPort×4
Radeon R9 200
 テスト環境のセットアップに入ろう。今回,比較対象としてはまず,R9 295X2の下位モデルであるR9 290Xと,そのCrossFire構成(以下,R9 290X CF)を用意。さらに競合製品から,表1でもその名を挙げたGTX 690と,GTX 780 Ti,そしてGTX 780 TiのSLI構成(以下,GTX 780 Ti SLI)も揃えた。スケジュールの都合で,AMDの前世代デュアルGPUカードであるHD 7990を用意できなかったのは残念だが,現行世代のハイエンドGPUによるマルチGPU構成との比較は行えるので,大勢に影響はないと考えている。
 なお,前述のとおりR9 290XではVBIOSの選択によって2つの動作モードを切り替えられるが,今回はシングルカード,CrossFire構成とも,最高性能を期待できるUber Modeに設定したので,この点もあらかじめお断りしておきたい。

 そのほかテスト環境は表2のとおり。テストに用いたグラフィックスドライバは,全世界のR9 295X2レビュワーに対してAMDから配布された「Catalyst 14.4 Beta」と,4月8日時点におけるNVIDIAの公式最新β版ドライバ「GeForce 337.50 Driver Beta」となる。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション15.1準拠。ただ,HawaiiベースのGPUでは「Battlefield 4」(以下,BF4)でDirectX 11だけでなくMantleでもベンチマークスコアを取得することにした。Mantle版BF4では,ゲーム側の標準機能「PerfOverlay.FrameFileLogEnable 1」を用いて1分間のフレームレートを算出するが,このあたりの詳細は以前のMantle版BF4テストレポートを参照してもらえれば幸いだ。

 さて,AMDは,R9 295X2のターゲット解像度を明確に「4K」と位置づけており,「2560×1600ドットですら,R9 295X2には適さない」としている(関連記事)。そこで今回は解像度3840×2160ドットのシャープ製ディスプレイ「PN-K321」を用い,3840×2160ドットをメインの解像度として,テストを行うことにしたい。
 ただし,ベンチマークレギュレーション15.1で採用している「BioShock Infinite」が4K解像度に対応していないこと,そして,2560×1600ドットではどのようなテスト結果が出るのかを確認してみたいことから,「高負荷設定」もしくはそれに準じた方法でのみ,2560×1600ドットのテストも行いたいと思う。

 なお,これはGPUレビューにおける恒例だが,テスト時の状況によってCPU自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」の挙動が変わる可能性を排除すべく,同機能はマザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化している。


シングルカード世界最速は疑いなし

GTX 780 Ti SLIすら上回る場面も


 テスト結果を順に見ていきたい。
 グラフ1は「3DMark」(Version 1.2.362)の総合スコアをまとめたものだ。R9 295X2は,対R9 290X CFで98〜99%程度,対GTX 780 Ti SLIで98〜102%程度のスコアを示している。細かい指摘をするなら,同じFire Strikeテストでも,より描画負荷の高いExtremeプリセットで,512bitメモリインタフェースを持つRadeon R9 29xシリーズの優位性が出ているといえるが,上位3モデルはほぼ互角と見ておくほうがより適切だろう。
 別記事で紹介しているとおり,AMDは,R9 295X2がR9 290X CF比で約5%高いスコアを示すとしているが,Uber Modeで動作させたR9 290X CFとのスコア差を見る限り,AMDのいう「R9 290X CF」はQuiet Modeで動作させた状態を指しているのではないかと思われる。

 シングルカードでの比較では,GTX 690に対して46〜59%程度のスコア差を示し,シングルGPU仕様の2製品も圧倒している。4月8日時点において正式発表済みのNVIDIA最上位モデルとしては「GeForce GTX TITAN Black」が存在するため,「競合のシングルGPU最上位モデル」とのスコア差は若干縮まるはずだが,それでもR9 295X2が現時点の最速グラフィックスカードである可能性は高そうだ。


 以上を踏まえつつ,ゲームにおける性能をチェックしていこう。
 グラフ2,3はBF4の結果である。グラフ中,R9 295X2とR9 290X CF,R9 290Xでは,DirectX 11版で実行したときの結果に(DX11),Mantle版で実行したときの結果に(Mantle)と付け加えているが,ここでは2560×1600ドットの高負荷設定だとGTX 780 Ti SLIと互角ながら,3840×2160ドットでは標準設定ですらGTX 780 Ti SLIに優位な差を付けている。AMDが「2560×1600ドットですら適さない」としているのは,こういうスコア傾向を踏まえてのものなのだろう。
 3840×2160ドットでのスコアを細かく見てみると,ここでもR9 295X2とR9 290X CFはほぼ互角。ただし,Mantle版とDirectX 11版を比較してみると,R9 295X2はMantle版がDirectX 11版に対して10〜11%程度高いスコアを示すのに対し,R9 290X CFでは8〜9%程度と,若干の違いが出ている。動作クロックによるものなのか,PEX 8474を介したダイレクトアクセスがらみの効果なのかは分からないが,面白い結果なのは確かだ。

 対シングルカードだと,R9 295X2はベストケースで2倍以上のスコア差を示すのが目を引く。なお,GTX 690は3840×2160ドットで正常に動作しなかったため,スコアをN/Aとした。


 「Crysis 3」のスコアをまとめたグラフ4,5でも,R9 295X2とR9 290X CF,GTX 780 Tiはほぼ互角。対GTX 780 Tiだと,2560×1600ドットの高負荷設定でGTX 780 Tiに対して約85%のスコアに留まるところが,3840×2160ドットでは横に並んでくるのが印象的だ。
 比較対象のシングルカードは文字どおり圧倒。とくに,256bitメモリインタフェースを持つため,超高解像度環境で足回りの弱点を露呈するGTX 690とのスコア差はインパクトが大きい。


 前段で紹介したとおり,Bioshock Infiniteのスコアは2560×1600ドットのみとなる。なのでR9 295X2にとって不利なテストとなるわけだが,実際,グラフ6を見てみると,GTX 780 Ti SLIに対して約85%のスコアに留まり,また,グラフィックスメモリ勝負にならないことから,GTX 690にもスコア差を詰められている。このあたりはさもありなんといったところだろうか。


 グラフ7,8は「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)のテスト結果だ。Skyrimはウルトラハイエンドクラスのグラフィックスカードからすると“軽すぎる”ため,多くの場面でCPUボトルネックによるスコアの頭打ちが発生している。そこで,CPUボトルネックの影響を回避できているように見える3840×2160ドットの「Ultra設定」で比較することになるが,ここでも3強のスコアはほぼ互角だ。


 続いて,「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)のテスト結果がグラフ9,10となる。
 新生FFXIVベンチ キャラ編におけるマルチGPU動作ではNVIDIAの最適化が進んでいることもあって,ここでの最高スコアはいずれのテスト条件でもGTX 780 Ti SLIだ。ただし,3840×2160ドットでR9 295X2はGTX 780 Ti SLIの約96%というスコアにまでその差を詰めている点は押さえておきたい。DirectX 9アプリケーションでも,「描画負荷が高まるにつれ,R9 295X2が真価を発揮するようになる」という,Crysis 3と同じ傾向を確認できているというわけである。

※総合スコアでは分かりにくいという人のため,グラフ画像をクリックすると平均フレームレートベースのグラフを表示するようにしてあります。興味のある人は適宜参照してください
Radeon R9 200
Radeon R9 200

 DirectX 11世代のGPU性能を比較的素直に出すタイトルである「GRID 2」のスコアがグラフ11,12だ。ここでのテスト傾向もCrysis 3と同じで,描画負荷が相対的に低い2560×1600ドットの高負荷設定だとR9 295X2は真価を発揮できないものの,ターゲット解像度でもある3840×2160ドットでは,GTX 780 Ti SLIに対して21〜23%程度高いスコアを示している。R9 290X CFと比べるとスコアが若干低いのは気になるところだが,その理由は,正直なところ,よく分からない。

 なお,GTX 690のスコアがN/Aなのは,BF4と同じく,正常に動作しなかったためである。

Radeon R9 200
Radeon R9 200


消費電力は高いが,R9 290X CFよりは低い

簡易液冷クーラーの冷却能力&静音性は申し分なし


 本稿の序盤でも述べたとおり,R9 295X2は公称典型消費電力が500W,公称最大消費電力が550Wと,データが公表されているグラフィックスカードとしては消費電力値が群を抜いて高い。電源ユニットに対する要求も厳しいものになっているわけだが,実際,どの程度の消費電力を見込んでおけばいいのだろうか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体での消費電力を比較してみたい。
 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイの電源がオフにならないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ13だ。
 アイドル時から見ていくと,R9 295X2のスコアは105Wで,R9 290X CFより7W高い。全体的に見ても高めの値だ。R9 295X2は,省電力機能「AMD ZeroCore Power Technology」(以下,ZeroCore)に対応しており,アイドル時には2基あるGPUのうち,片方の電力供給がほぼゼロになるはずなのだが,今回のテスト結果からはそれがうまく機能しているようには見えない。
 アイドル状態が続いたときにディスプレイ出力を無効化し,ロングアイドルモードへ移行させても,消費電力値は101Wにまでしか低下しなかった。R9 290X CFで同じことをやると,スレーブ側カードのファン回転が止まり,システム全体の消費電力も87Wまで下がっていたので,おそらくはCatalyst 14.4 Beta側に問題があるのだろう。本稿の序盤で指摘した「負荷状況に応じてLEDの明るさが変わるはずなのに変わらない」問題も,ドライバに原因があるのではなかろうか。

※そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
Radeon R9 200

 さて,アプリケーション実行時だが,さすがは500W級グラフィックスカードであり,システム全体の消費電力も700W弱に達している。とはいえ,ほぼ同じ3D性能を示すR9 290X CFと比べると20〜58Wも低く,1枚のカードであることのメリットも見て取れよう。

 GPU温度も確認しておきたい。
 今回はアイドル時に加え,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,「HWMonitor Pro」(Version 1.19)から各GPUの温度を追ってみることにした。通常,GPU温度の測定にはTechPowerUp製のGPU情報表示ツールである「GPU-Z」を用いるのだが,バージョン0.7.7ではR9 295X2のGPU温度を取得できず,また,HWMonitor Proの示す温度値がCatalyst Control Centerのそれと同じだったことから,問題ないと判断した次第である。
 なお,3DMarkのFire Strikeテストは解像度が4Kではないことから,今回は念のため,新生FFXIVベンチ キャラ編の最高品質を3840×2160ドットで30分間連続実行させた時点の温度も取得してみたが,結果は3DMarkを実行したときと変わらなかったので,3DMarkの連続実行時を高負荷時とすることにも問題はないはずである。

 というわけで,24℃の室内において,システムをPCケースに組み込まずに実行した結果がグラフ14となる。
 当然のことながらGPUクーラーもファン回転数の制御方法も,果ては温度センサーの位置もカードごとに異なるので,厳密な横並びには使えない。また,R9 295X2のGPU温度はGPUごとに出ないため,2基の平均なのか,片方を代表しているのかも分からない。そのため,あくまでも参考程度に見てほしいのだが,R9 295X2のGPU温度はアイドル時に32℃,高負荷時に58℃とかなり低い。とくに高負荷時のスコアは特筆すべき低さだ。
 実際,R9 290X CFを構成する2枚のカードは,手で触れると火傷しそうなくらい熱いのだが,R9 295X2は触っても「温かいな」と感じる程度。PCケースに組み込んでいないため,簡易液冷クーラーにとって非常に有利な条件になっていることは割り引くべきだが,それでも,さすがの冷却能力と述べていいように思う。

Radeon R9 200

 気になる動作音だが,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,かなり静か。R9 290Xとは雲泥の差と言っていいほどだ。GTX 780 Tiシングルカードと比べると若干大きいものの,PCケース内部に組み込んでしまえば違いは気にならないレベルと述べて差し支えない。
 ちなみに,ラジエータ部のファンとカード側のファンでは,2基のGPUによって暖められた冷却液を冷やす必要のあるラジエータ側のファンのほうが動作音は大きかった。ラジエータ側のファンは,自己責任を覚悟すれば,ユーザーが自由に変更できるので,ここは工夫のしどころかもしれない。


超えるべきハードルは確かにあるが,間違いなく速い

コスト度外視で4Kゲーム環境を求める人向け


 今回のテスト結果を見るに,R9 295X2は,シングルカードとして史上最速の製品であると言える。しかも,Mantleの効果が相応にあり,GPUクーラーは冷却性能,静音性ともに良好。とにかく徹底的に描画負荷を高めてあるCrysis 3を除くと,すべてのタイトルで,4K解像度となる3840×2160ドットのスコアがベンチマークレギュレーションの合格ラインを超えてきたことは見逃せないところだ。

未確認ながら,国内では4月下旬以降の発売という情報も得られている
Radeon R9 200
 気になる価格は,北米市場におけるAMDの想定売価が1499ドル(約15万4300円)と,さすがに高い。日本市場では不思議ドル円相場が働くことが多いのだが,仮に1ドル120円なら17万9800円,130円なら19万4870円となってしまう計算である。
 NVIDIAが市場投入を予告しているデュアルGPUカード「GeForce GTX TITAN Z」は北米市場における想定売価が2999ドルなので,それと比べたら確実に安価になるはずだが,それでも,万人向けとはとても言えないだろう。

 ただ,R9 290Xカードの実勢価格は,リファレンスデザインを採用モデルが6万〜7万2000円程度,オリジナルデザイン採用モデルが6万7000〜8万2000円程度(※いずれも2014年4月8日現在)。たしかに電源ユニットとPCケースを選ぶとはいえ,少なくともリファレンスデザインのR9 290Xカードを2枚差しするよりは圧倒的に取り回しやすいことを考えると,(1ドル130円にならない限りは)そう無茶な価格設定ということもなかったりする。

 とにかく4K解像度で満足にゲームをプレイできるシングルカードが欲しいというのであれば,R9 295X2は,選択肢として考慮に値する存在だ。

AMDのRadeon R9 200シリーズ製品情報ページ

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