連載
夜の静寂を舞台に,不思議な探索。iOS向けアドベンチャーゲーム「Blue Moon」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第220回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
唐突だが,筆者はゲーム性よりも世界観を重視したような作品,いわゆる「雰囲気ゲー」がかなり好きだ。本連載第19回の「スキタイのムスメ」や,同じく第60回で紹介した「Gold and Chocolate」など,優れた雰囲気ゲーには独自の哲学のようなものが感じられる。そして今回紹介する「Blue Moon」も,そんな雰囲気ゲーのひとつだ。
「Blue Moon」ダウンロードページ(App Store)
主人公は1人の男性。彼を操作して,夜の帳が降りた草原から「何か」を見つけることがプレイヤーの目的となる。
画面をタップすると男性が前進し,2本の指でタップすると移動スピードが上昇。指を離すと止まる。プレイヤーが行う操作はこれだけだ。シンプルを通り越した,ある意味ゲーム性を捨てているシステムだが,そもそもこの作品はやっきになってクリアするものではないのだ。
夜の世界にはあちこちにイベントが発生する場所がある。そこに男性を近づけて少しのあいだ待つと,自動でイベントが発生。これを繰り返し,すべてのイベントを見るとエンディングにたどり着ける。
ただし,ある程度の距離を進んだり,特定のイベントを発生させるとその時点でプレイが終了となるため,すべてのイベントを見るためには繰り返しのプレイが必要になる。
イベントが発生する場所は,木の色が違ったり,オブジェクトが設置されていたりするなど,ほかの場所と若干雰囲気が違うので,それを目印にするといいだろう。
また,音も非常に重要なヒント。イベントがある場所に近づくと,キラキラとした効果音が流れるので,最初はこの音を頼りにじっくりを歩みを進め,音が聞こえたら立ち止まるというプレイがおススメだ。イベントが発生する場合,男性の周囲に光りのエフェクトが出現するので,それを確認したら,あとは待つだけでいい。
なお,イベントの発生がそのまま別イベント発生のトリガーになっていることもある。何度も繰り返しプレイして,さまざまな組み合わせを発見していくのが,本作最大の楽しさともいえる。
イベントの内容は「天候を変える」や「雲に乗る」など,実にさまざま。テキストで物語や設定が書かれることはないので細かい点は不明だが,あれこれ想像しながらめるむといい。ヘッドフォン装着時の没入感はかなりのもので,目を閉じて穏やかなSEに聞き入れば,まるで自分がその世界に入りこんだかのように感じられるはず。
すべてのイベントを見るのは意外と難しいが,どうしても分からない場合,公式サイトのFAQにイベント発生条件が記載(ただし英語)されているので,そちらを頼りにするのもいいだろう。
本作は雰囲気ゲーだけあって,プレイする雰囲気もまた重要。眠りに就く前の一時など,リラックスした状態でぜひのんびりと夜の散歩を楽しんでほしい。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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