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サイバーパンク2077公式サイトへ
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  • 発売日:2020/12/10
  • 価格:8778円(税込)
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[gamescom]オープンワールド型アクションRPG「サイバーパンク2077」の最新デモをチェック。開発者への単独インタビューもお届け
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印刷2018/08/25 17:28

インタビュー

[gamescom]オープンワールド型アクションRPG「サイバーパンク2077」の最新デモをチェック。開発者への単独インタビューもお届け

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 ドイツのケルンで開催中のゲームイベントgamescom 2018において,CD Projekt REDの新作となるオープンワールド型アクションRPG「サイバーパンク2077」PC / PS4 / Xbox One)のライブデモが公開された。
 ポーランドのワルシャワを拠点とする同社だが,ヨーロッパで「サイバーパンク2077」のライブデモを行うのは初めてだ。そのためか,同社のブースには多くの人が詰めかけ,大盛況という雰囲気だった。

 デモの内容自体はE3 2018で披露されたものとほどんど同じだったので,その詳細や本作の世界観などはこちらの記事を参照してほしい。ライブデモの内容を簡単にまとめると,近未来都市“ナイトシティ”で何でも屋「サイバーパンク」の駆け出しである主人公“V”が,巨大な軍事企業“ミリテック”と関わることになる大仕事を成功させる,というゲーム序盤のミッションを紹介するものだ。

今回,特別に入場者に対して撮影が許可された「サイバーパンク2077」のタイトルスクリーン
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 今回のライブデモでは,デモ担当者が来場者に混じってプレイした。これはおそらく「本当にライブデモなのか?」という疑念を払拭するための措置と思われる。また,E3 2018のときには「ブレードランナーのような夜のシーンがない」という批判を受けたそうで,今回は後半に夕暮れになるなど時間の変化を取り入れたものとなっていた。さらに主人公のVは男性版を使い,クエストへのアプローチにも変化を加えるなど,オープンワールドらしい多様性を意識したライブデモだった。

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 さて,50分ほどのライブデモをみっちりと再確認したあと,「サイバーパンク2077」のクエストデザイナーを務めるパトリック・ミルズ(Patrick Mills)氏に,さらに詳しい話を聞いてきたので紹介したい。
 クエストデザイナーという役職は聞きなれないと思うが,脚本チームによって描かれたメインストーリーを細分化し,ゲームプレイへと落とし込んで,1つ1つのクエストという形に整えていく役割だ。世界観についての知識はもちろん,ゲームとしてまとまりがあるかを想定して汲み上げなければならない,難しいながらもやりがいのある仕事と言えるだろう。

「サイバーパンク2077」公式サイト





CD Projekt REDのクエストデザイナー,パトリック・ミルズ氏。同社の従業員の大部分はポーランド出身者だそうだが,ミルズ氏はアメリカ出身で「ウィッチャー 3: ワイルドハント」の開発時から在籍しているという
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4Gamer:
 ライブデモの流れに合わせていくつか質問させていただきます。今回のライブデモでは男性のVでのプレイでしたね。

パトリック・ミルズ氏(以下,ミルズ氏):
 はい。実はE3 2018のデモでは男性のVを選択できない仕様になっていたんです。そこで今回は開発が進展していることをアピールするためにも,男性版でのデモプレイを披露しました。

4Gamer:
 なるほど。キャラクター作成時ですが,Strength,Constitution,Intelligence,Reflexes,Tech,そしてCoolというスタッツがありましたが,この「Cool」というのは主人公のカリスマ性や“カッコ良さ”を示すものなのでしょうか。

ミルズ氏:
 ああ,その“クール”じゃないんですよ(笑)。アクションが起きている状況で「どれだけ冷静で保てるか」という特徴を表わす値です。実際,ゲームプレイで具体的にどのような影響を与えるかは調整中なのですが,もともと「Cyberpunk 2.0.2.0.」(本作のベースとなったTRPG)に用意されているスタッツの1つなんです。私も何度かデモをプレイしていますが,Coolがどのような効果を持っているかまだ知らないんですよ(笑)。

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4Gamer:
 なるほど。キャラクター作成ではほかにも「バックグラウンド」も選びますよね。

ミルズ氏:
 ええ。それが「サイバーパンク2077」のキャラクター作成で最も“クール”な仕様だと思っています。まだ詳しくお話しできないのですが,メインストーリーを変化させるほどではないものの,会話などのシーンで過去の経緯や幼少時の体験といったバックグラウンドが生きているところを見られるはずです。

ライブデモの冒頭でDNAハーべスティングという違法行為を行っているギャング,スカベンジャーズから若い女性を救出するシーンでのジャッキー
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4Gamer:
 デモの序盤で「DNAハーヴェスティング」の餌食になりかけていた“サンドラ”という女性を救出するシーンがあり,主人公が“パーソナルリンク”というコードを手の平から引き出していますが,あれはキャラクタークラスが“ネットランナー”だからですか。

ミルズ氏:
 違います。「サイバーパンク2077」において,ナイトシティの住人のほとんどは,もっとも基本的な身体の機械か要素と言えるパーソナルリンクを装備しており,例えば,医療に役立つバイオモニターをチェックするときなどに利用しています。

4Gamer:
 なるほど。ミッションのあと,Vが自分のアパートに売春婦を連れ込んでいるシーンがありましたよね。今回は男性キャラクターだったのですが,相手はE3 2018と同じように男性でした。これは性的嗜好もキャラクター作成時に設定できる,ということですか。

ミルズ氏:
 そうなります。我々が前に開発した「ウィッチャー3:ワイルドハント」は,原作小説があり,主人公のゲラルトのキャラクター設定がしっかりと作られていました。ゲラルト像というのがもう作られていたんです。ですが,「サイバーパンク2077」ではプレイヤーが自分の好みで主人公を作り上げていきます。それを強調するためにも,性的嗜好も選択できるようになっているのです。

4Gamer:
 その嗜好によっては相棒のジャッキーも恋愛対象になり得るのですか。

ミルズ氏:
 それはどうでしょうね。今後の発表に期待しておいてください(笑)。

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4Gamer:
 相棒はジャッキーだけでしょうか?

ミルズ氏:
 いい質問ですね。現時点ではですが,ストーリーが進むうちにジャッキー以外のキャラクターも仲間に加わり,ストーリーに合わせて相棒がプレイヤーにお供するような形になる,と考えておいてください。

4Gamer:
 そういえばアパートのラジオから流れていた音楽は,小説にも出てくる“ジョニー・シルバーハンド”の曲ですよね。

ミルズ氏:
 そうです。原作では戦争の英雄として重要なキャラクターのジョニー・シルバーハンドですが,本作でどのような扱いとなっているか,楽しみにしてほしいです。

4Gamer:
 Vのアパートは現代人の視点で見ると,自動カーテンやパーソナル自動販売機のようなものもあり,駆け出しの割には良い暮らしをしているように見えました。

ミルズ氏:
 現代人の視点で見るとそうかもしれませんね。Vのアパートはナイトシティに6つあるエリアのうちの1つ“ワトソン”という場所にあります。経済危機による戦争が起きる前はハイテク企業がこぞって進出していた裕福な地区だったのですが,戦争後は急速にスラム化していったという設定になっています。Vのアパートも内装はそうした過去の面影を残していますが,外は非常に荒れた場所になっているのです。

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4Gamer:
 たしかに。アパートの外に出ると,あのゴミゴミ感というか,これまでのどんなゲームよりもモノで溢れて雑多な雰囲気でした。新聞がまとめて置いてあるようなスタンドもありましたが,新聞を手に取ったりできますか。

ミルズ氏:
 その新聞に関しては私が深く関わっている部分の1つなので,気づいてもらえて本当に嬉しいです。ストーリーが進展していくにつれて,主人公のアクションの影響で社会に何らかの影響を及ぼしていくのですが,それを新聞で確認できるはずです。新聞記事を通じて変化していく世界を感じてもらいたいです。クエストのヒントにもなってたりしますしね。2077年の世界でも紙の新聞は現役なんですよ(笑)。これは意図的にそうしています。

4Gamer:
 デモで主人公がクエストを終えたあと,“リッパードクター”という闇医者のヴィクターに会いに行き,Kiroshi社製の眼球型スキャナーを入手していましたが,これはプレイヤーキャラクターに標準で装備されるサイバーウェアなのでしょうか。

ミルズ氏:
 今回のライブデモは,厳密にいうと“最初のミッション”ではなく,すでにサイバーパンクとして,いくつかのミッションをこなしている状態です。そして,あのオプティカルスキャナーはゲーム序盤でプレイヤーが必ず入手できるサイバーウェアとして用意されています。ゲームシステムに必須なテクノロジーとしてあそこで入手できる,というわけです。もちろん,このほかにもゲームが進行していくにつれて,さまざまなタイプのサイバーウェアを入手できます。その一部はゲームプレイだけでなく,ストーリーに関わってくるかもしれません。

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4Gamer:
 デモでジャッキーのスポーツカーに乗りますが,ドライビングもゲーム要素の1つなのですよね?

ミルズ氏:
 はい。バイクなどさまざまな乗り物に乗れますよ。

4Gamer:
 なるほど。高速道路で,相当にハイスピードなカーチェイスができるようですが,それに対応できるほどマップが広いということですか。

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ミルズ氏:
 具体的な大きさはお話しできませんが,十分な広大さを持っていることは保証できます。「サイバーパンク2077」はその世界観もあって,ほかのオープンワールド作品とは違い,縦にも広がる高層化社会が特色です。すべてのマップをシームレスに移動できるのも優れた部分ですね。
 私自身,開発中のモノを俯瞰視点で見て,「ここもあそこも行ったことがあるぞ」と思ったのですが,実際に一人称視点でプレイしてみると,まだまだ知らない発見があったりするので,驚かされます。

4Gamer:
 Vのアパートには武器庫やクローゼットがあり,クエストに合わせて必要なものを選ぶシステムでしたが,ゲームではあのアパートが拠点となるのでしょうか。それとも他にもアジトとなるような場所が存在するのでしょうか。

ミルズ氏:
 ほかにも存在する,とだけ言っておきましょう。複数のアジトを拠点として活動することも可能です。

4Gamer:
 今回のクエストでは,メールストロームのリーダーであるロイスを倒したあと,工場の外で待っていたのはミリテクの女性エージェント“メレディス・スタウト”ではなく,初めて会ったときに捕虜のように扱われていた男性キャラクターだったのですが,あれはストーリーが分岐したのでしょうか。

怒るメールストロームのリーダー,ロイスに対して,即時に銃を構えるVとジャッキー。駆け出しとは思えないほどカッコ良い
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ミルズ氏:
 そうです。ロイスにクレジットを渡したとき,マイクロチップの中にコンピューターウイルスが入っていることを打ち明けるかどうかで変わってきます。

4Gamer:
 なるほど。

ミルズ氏:
 プレイヤーの選択によっては,後々に影響が出てくるようなものもあります。メインストーリーそのものが変わらないタイプのものであっても,自分の選択を後悔することがあるかもしれません。すべてのプレイヤーがストーリーの微妙な変化に気づかないかもしれませんが,プレイヤーによってゲーム体験は変わってくるはずです。

4Gamer:
 ミリテクもプレイヤーの敵対勢力になりますか。

ミルズ氏:
 なり得ます。それもプレイヤーのチョイスで変わる部分ですね。

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4Gamer:
 そういえば最後のシーンでは夕暮れのような時間帯に変化していましたね。

ミルズ氏:
 はい。「サイバーパンク2077」は明るさも世界観の1つだと考えていますが,ゲーマーの中には「夜だけでプレイしたい」という人も少なくないようです。ですので,プレイヤーは時計の針を動かして,時間を調節できるようになっています。昼間にしか起こらないクエストもいくつか存在していますが,その辺りはプレイヤーの皆さんに委ねるということで。

4Gamer:
 それでは最後の質問です。クエストデザイナ―のミルズさんの立場から,プレイヤーに注目してもらいたい点はなんでしょうか。

ミルズ氏:
 ゲームをプレイし終わったときに,自分のプレイした内容を振り返って1人1人に何かを感じてもらえたらと思います。キャラクターとのインタラクションだったり,ちょっとしたストーリーの表現だったり,“プレイした意味”がプレイヤー1人1人に生まれてくれると非常に嬉しいです。

 RPGは本来,別のキャラクターになることですが,それは自分自身を表現する“旅”でもあります。自分の選択やアクションによって,ゲームの世界が別のものに変化したり,ほかのキャラクターに影響を与えてしまう……。そこで影響を与えたのはゲームの中だけの話ではありますが,“影響の大きさ”を実感できるのもゲームならではのことですから。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 街に溢れるネオンサインから,通りを行き交う人々,さらに個性溢れる登場人物たち……。過去様々なゲームを見てきた筆者でさえ,これほどの息吹を感じられる世界が表現されたゲームは他に思い浮かばない。「ウィッチャー」シリーズでゲームファンから大きく評価されることになったCD Projekt REDだが,“大人向け”の路線を崩さない形でハイファンタジーからサイバーパンクな世界観へと大きな転換を図り,その綿密な世界作りでさらに大きな話題を呼んでいる。開発のアナウンスからすでに6年が経過しており,同社にとっても想像を絶する壮大なプロジェクトになっているはずだ。その完成時にはおそらく多くのゲーマーを満足させる名作となるだろう。

「サイバーパンク2077」公式サイト

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