Google，最新Andorid OS「Jelly Bean」こと「Android 4.1」を発表。Nexusブランド初となるAndroidタブレット「Nexus 7」なども

　Googleは，米国時間2012年6月27日，カリフォルニア州サンフランシスコにて開発者向け会議「Google I/O 2012」を開催。開発コードネーム「Jelly Bean」（ジェリービーン）と呼ばれてきたAndroid OS最新版「Android 4.1」や，Nexusブランド初のタブレット端末にして，初のAndroid 4.1搭載機にもなる「Nexus 7」，Nexusブランド初の単体メディアプレーヤー「Nexus Q」を発表した。
　また，メガネ型のウェアラブル端末「Google Glass Explorer Edition」が，Google I/O 2012に参加した開発者限定で販売されることも明らかになっている。

Android 4.1

　Android 4.1は，開発コードネーム「Ice Cream Sandwich」こと「Android 4.0」をベースにさまざまな改良が施されたバージョンとなる。高速かつ滑らかな動作を目指して開発されているのが特徴で，全ての描画とアニメーションにおいて，Andoridフレームワークによる垂直同期の拡張を行っているとのこと。これにより，16ms間隔（＝62.5fps）での描画を実現したとされている。また，グラフィックスパイプラインにトリプルバッファリングが行われるようになったことも，滑らかなスクロールや描画を実現するのに貢献しているという。

　Android 4.1では，「Google Now」という新機能を搭載するのも特徴の1つである。Google Nowは，スケジュールや位置情報，時間などからユーザーの行動を予測し，これから調べたくなるであろう情報を自動的に教えてくれるという機能だ。例えば，ユーザーが駅にいれば次の電車の時刻を教えてくれたり，車に乗っていれば渋滞情報を教えてくれたりするのだという。


　そのほか，通知機能が強化され，通知領域に従来よりも詳細な情報を表示することができるようになっていたり，ウィジェットをホーム画面に設置する場合にサイズが自動で最適化されるようになっていたり，いまのところ英語のみだが音声認識機能がオフラインでも利用可能になっていたりする点がポイントといえるだろう。

　開発者向けサイトではすでにAndriod 4.1のプレビュー版が公開されており，従来どおりソースコードもオープンソースとして公開される予定となっている。2012年7月中旬には，「Galaxy Nexus」や「Nexus S」 ，そしてMotorola Mobility製「Xoom」に向けたAndriod 4.1へのアップデートをOTA（Over-The-Air）で配信するとのことだ。

Nexus 7

　Nexus 7は，7インチで1280×800ドット解像度のIPSパネルを採用し，SoCに「Tegra 3」を搭載したASUSTeK Computer製端末だ。本体サイズは120（W）×10.45（D）×198.5（H）mm，重量が340gとなっている。バッテリー駆動でHDビデオを連続9時間再生できるという。
　ラインナップはストレージ容量8GBモデルと16GBモデルの2つで，いずれもGoogle Play Store限定販売。北米市場における直販価格は，8GBモデルが199ドル，16GBモデルが249ドルで，7月中旬出荷開始予定とのことだ。


　ただし，当初の販売地域は米国とカナダ，英国，オーストラリア限定で，現時点で日本から購入することはできない。順次，販売地域は拡大されるとのことなので，国内販売に関しては続報に期待といったところか。

Nexus Q

　もう1つ，スマートフォンでもタブレットでもないAndroid端末として発表されたのが，Nexus Qである。

Nexus Q。Texas Instruments製のSoC「OMAP 4460」と，容量16GBのストレージ，25Wのアンプを，直径116mm，重量923gの筐体に搭載する。インタフェースはバナナプラグ型スピーカー出力と光デジタルサウンド出力，microHDMI，100BASE-Tだ。スピーカー出力端子がバナナプラグ型というのはいかにも米国らしい

　Googleはこれを「世界初のソーシャルストリーミングメディアプレイヤー」と呼んでいるが，あえて説明するなら，Nexus Qというのは，ストリーミング再生に対応したプリメインアンプだ。Nexus Qとスピーカーセットやテレビをつないでおけば，ユーザーは，手元のAndroid端末をNexus Qとタッチすることで，Google Play Music/VideoやYouTubeから音楽やビデオをストリーミング再生できる。

　また，ホームパーティなどでは，来場者がそれぞれ自分の再生したい音楽やビデオを選んでNexus Qとタッチしておくと，それらを順番に再生する。複数のユーザーが1台のNexus Qを使って，ジュークボックス的に使えるから，ソーシャルというわけなのだ。Nexus Qがソーシャルなメディアプレイヤーだというあたりは，下に示したムービーに説明されているので，ぜひチェックしてみてほしい。


　本機もGoogle Play Store限定販売で，北米市場における直販価格は299ドル。7月中旬に出荷が開始される予定だ。

Google Glass Explorer Edition

　Google Glass Explorer Editionは，メガネ型のウェアラブルコンピュータプロジェクト「Project Glass」のプロトタイプとなるモデル。Google Glass Explorer Editionの詳細は公開されていないが，当初Project Glassで公開されていたものが小型のディスプレイやマイク，カメラなどを備え，音声入力に対応していたので，おそらく同様の仕様となるのではなかろうか。
　実際にどんなものかは，Google I/O 2012に合わせて公開されたムービーが分かりやすいうえに面白いので，そちらをチェックしてもらえれば幸いだ。


　なお，本機は開発者向けということで，購入できるのは，「Google I/O 2012に参加した米国在住者のみ」と，かなりの制限がかかっている。1500ドルで2013年初頭出荷予定になっているが，日本から購入するのはまず無理だろう。

Android DeveloperのAndroid 4.1紹介ページ（英語）

Nexusブランド製品紹介ページ（英語）

Google I/O公式ページ（英語）

Google公式Blogの該当記事（英語）