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印刷2012/02/15 14:01

レビュー

Radeon HD 7000シリーズの80Wと55Wモデル,「Cape Verde」は買いか

Radeon HD 7770 GHz Edition
(Radeon HD 7770 GHz Editionリファレンスカード)
Radeon HD 7750
(Radeon HD 7750リファレンスカード)

Text by 宮崎真一


Southern Islands世代の最下位モデルと位置づけられるCape VerdeことRadeon HD 7700シリーズ。タグライン(キャッチコピー)は「The World's Most Advanced Grapphics. For Everyone」(最も先進的なGPUをみんなのものに)
Radeon HD 7700
 2012年2月15日14:01,AMDは,Radeon HD 7000シリーズの新モデルとなる「Radeon HD 7770 GHz Edition」「Radeon HD 7750」(以下順に,HD 7770,HD 7750)を発表した。シリーズ第1弾の「Radeon HD 7970」(以下,HD 7970)が発表された時点における最下位製品にして,開発コードネーム「Cape Verde」(ケープベルデ)と呼ばれていた製品が登場してきたわけだ。
 4Gamerでは,発表に合わせてAMDのリファレンスカードを入手したので,Southern Islands世代の最廉価モデルが持つ価値を,ベンチマークテストから明らかにしてみたい。

Radeon HD 7700
HD 7770リファレンスカード
Radeon HD 7700
HD 7750リファレンスカード


HD 7700で定格1GHz到達をアピールするAMD

GPUコア数はHD 7970の30%強に


AMDのスライドより,1GHz動作を強く謳うページ。なお,スライドには2月7日付けの文字が入っているが,これは「こういう状態」で資料が届いたためだ
Radeon HD 7700
Radeon HD 7700
 日本AMDはGPUクーラーの取り外しを禁じているため,基板がどうなっているかなどは分からないことをお断りしてから話を始めたいと思うが,おそらくスペックよりも何よりも読者が最初に気になるのは,HD 7770に冠せられた「GHz Edition」という文字列ではなかろうか。

 これは何かというと,文字どおり,動作クロックが1GHzに達した,という意味である。AMDはHD 7770で,グラフィックスカードのリファレンスクロックとして世界で初めて1GHzに達したことを強くアピールしているので,それがGPU名にも反映された結果が,今回のGHz Edition表記ということになりそうである。
 「なら“HD 7770”無印は出るのか」というと,AMDはそのあたり,とくに何も語っていない。気がつくと普通にHD 7770と呼ばれるようになっていた,という可能性も大いにありそうだが,こればかりは時間が経たないと何ともいえない。

Radeon HD 7900シリーズとRadeon HD 7700シリーズとで基本機能は変わらないというスライド
Radeon HD 7700
 さて,そんなRadeon HD 7700シリーズだが,スペック面でのポイントは大きく分けて2つだ。1つは,新世代GPUアーキテクチャ「Graphics Core Next」(以下,GCN)で開発され,28nmプロセス技術を採用して製造される点や,PCI Express 3.0接続となる点,アイドル時の消費電力が15W未満とされる点など,基本仕様がHD 7970とまったく同じであること。もう1つは,シェーダプロセッサである「Radeon Core」(Stream Processorともいう)の数がHD 7770で640基,HD 7750で512基となっていることである。

AMDが示したHD 7770とHD 7750のスペック一覧
Radeon HD 7700

 GCNアーキテクチャの場合,16基のRadeon Coreがひとかたまりとなって「Vector Unit」(ベクトルSIMDユニット)となる。さらにVector Unitは4基で,命令発行ユニットとしての「Scalar Unit」(スカラユニット)や,スケジューラ,4基のテクスチャユニットとセットになって「GCN Compute Unit」(以下,GCN CU)を構成する……というのは,HD 7970のレビュー時や「Radeon HD 7950」(以下,HD 7950)のレビュー時に説明しているとおり(関連記事1関連記事2)。そして,同じGCNアーキテクチャを採用するRadeon HD 7700でもこの構成自体は変わらないため,

  • 640=16(Radeon Core)×4(Vector Unit)×10(GCN CU)
  • 512=16(Radeon Core)×4(Vector Unit)×8(GCN CU)

という計算になる。「Tahiti」コアのフルスペックとなるHD 7970の場合は2048 Radeon Coreの32 GCN CUだから,HD 7770の規模はざっとその30%強,HD 7750だと25%に留まるわけだ。

 ちなみにGCNアーキテクチャの場合,GCN CUの4基1セットで容量16KBの命令キャッシュと同32KBのデータキャッシュを共有する。そのため,Cape Verdeコアのフルスペックはおそらく768 Radeon Core(=12 GCN CU)となるはずだが,今のところ,フルスペック版の存在は明らかになっていない。

Radeon HD 7700シリーズのブロック図。右の図で「GCN」とあるのがGCN CUで,最大10基とされるが,2基分の“隙間”がある。なお,メモリインタフェースは128bitなので,ここの仕様もRadeon HD 7900シリーズの約3分の1。ただし,L2キャッシュ容量は512KBなので,同768KBとなるRadeon HD 7900シリーズ比で3分の2が確保される計算になる
Radeon HD 7700

上位モデルとなるHD 7770のみ,6ピンのPCI Express補助電源コネクタを用意する
Radeon HD 7700
 表1は,そんなRadeon HD 7700シリーズ2モデルのスペックを,HD 7950や,従来製品となる「Radeon HD 6850」(以下,HD 6850),「ATI Radeon HD 5770」のリネーム品となる「Radeon HD 6770」(以下,HD 6770)と比較したものになる。動作クロックの割には最大消費電力の公称値が低くてよいと見るか,それでもHD 7770でPCI Express補助電源コネクタが必要であることを残念と見るかは意見が分かれそうだ。



見た目の印象がずいぶんと異なるHD 7770とHD 7750

HD 6000世代や競合のエントリーミドルクラスと比較


 冒頭で述べたとおり,今回はGPUクーラーを取り外せないが,それでも2枚のリファレンスカードを見比べてみると,HD 7770とHD 7750で外観がかなり異なることは分かる。HD 7770が,カード全体を覆う2スロット仕様のGPUクーラーを搭載するのに対し,HD 7750では1スロット仕様の小型クーラーを搭載する点はもちろんのこと,順に実測212mm,170mm(※いずれも突起部除く)と,カード長すら異なっているからだ。
 このあたりは,ATI Radeon HD 5700シリーズ以来の伝統――と呼ぶには歴史が浅いかもしれないが――を踏襲していると言えるかもしれない。

HD 7770(上段)とHD 7750(下段)両リファレンスカードの比較。ぱっと見の印象がずいぶんと異なる。ちなみにファンはHD 7770が80mm角相当,HD 7750が70mm角相当のスリムタイプだった。HD 7770リファレンスカードの場合,PCI Express補助電源コネクタは,マザーボードに差したときケーブルがPCI Expressスロットと平行に伸びるような形で取り付けられている
Radeon HD 7700 Radeon HD 7700 Radeon HD 7700
Radeon HD 7700 Radeon HD 7700 Radeon HD 7700
あくまでもリファレンスカード上の話ではあるが,外部インタフェースも異なる。HD 7770は,Radeon HD 7970と同じくDual-Link DVI-I×1,Mini DisplayPort×2,HDMI×1なのだが,HD 7750ではDual-Link DVI-IとDisplayPort,HDMIが各1となっているのだ。Eyefinityによるマルチディスプレイ出力を考えている人は押さえておきたい
Radeon HD 7700 Radeon HD 7700

 それではテスト環境の構成に話を移そう。
 今回用意した比較対象は,AMDがRadeon HD 7700シリーズの置き換え対象と位置づけるHD 6850とHD 6770,そして競合製品と位置づける「GeForce GTX 550 Ti」(以下,GTX 550 Ti)を用意した。そのほか具体的なテスト環境は表2のとおりだ。
 GTX 550 Tiカードとして用意したGIGA-BYTE TECHNOLOGY製「GV-N550D5-1GI」は,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられたクロックアップ品であるため,テストにあたっては,MSI製オーバークロックユーティリティ「Afterburner」(v2.1.0)を使い,動作クロックをリファレンス相当にまで落としている。
 また,CPUとして用いた「Core i7-3960X Extreme Edition/3.3GHz」では,負荷状況に応じたクロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」の効き具合がGPUによって異なる可能性が無視できないため,同機能をマザーボードのUEFIから無効化したことも合わせてお断りしておきたい。


 テスト方法は基本的に4Gamerのベンチマークレギュレーション11.2準拠。ただし,レギュレーション12世代を先取りする形で,「Battlefield: Bad Company 2」に代えて「Battlefield 3」(以下,BF3)を,「Just Cause 2」に代えて「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)をそれぞれ利用する。

 BF3のテストでは,11月5日掲載の記事に準拠する形でゲーム側のグラフィックスプリセットを「最高」に設定したものを,レギュレーションの「高負荷設定」相当として採用。また,そこからアンチエイリアシング関連の2項目と異方性フィルタリング関連の1項目を無効化し,やはりレギュレーションの「標準設定」相当とした「カスタム」プリセットを採用する。テストシークエンスは「THUNDER RUN」を選択した。
 一方,Skyrimのテストにおいては,2月11日掲載の記事に準拠し,「Ultra」プリセットと,そこからアンチエイリアシングと異方性フィルタリングを無効化した「低負荷設定」とを用いる。Ultraプリセットのアンチエイリアシング設定は8xで,レギュレーションで規定する4xアンチエイリアシング設定より高くなっている点には注意してほしい。選んだテストシークエンスは「プロローグ」だ。

Catalyst Control Centerからドライバ関連の情報を確認したところ
Radeon HD 7700
 なお,グラフィックスドライバだが,HD 7770とHD 7750用は,AMDから両GPUのレビュワーに配布された「8.932.2-120206a-ATI」を用いる。
 「8.932.2」というバージョン表記から推測できるように,このドライバは「Catalyst 12.1」ベース。ただし,本ドライバは従来製品に対して適用できなかったため,そこではCatalyst 12.1を用いることとした。
 一方,GTX 550 Tiでは,テスト時点の公式最新β版となる「GeForce 295.51 Driver Beta」を用いている。


総じてHD 6850に迫るHD 7770

HD 7750はHD 6770とほぼ同じレベルか


 順にテスト結果を見て行こう。
 グラフ1は「3DMark 11」(Version 1.0.3)の結果となる。ここでは「Performance」と「Extreme」,両プリセットのスコアをまとめてあるが,HD 7770はHD 6850の若干下,HD 7750はHD 6770の若干下で,GTX 550 Tiと同程度というところに収まった。単純なシェーダプロセッサ数比較ではHD 6770比で80%に留まるHD 7770だが,Evergreenよりも2世代新しいSouthern IslandsファミリーのGPUとして,確実に進化していることを感じさせる結果だ。


 もちろん,3DMark 11の場合,最適化が優先的に進められているからこその結果になっているわけだが,なら実際のゲームにおける3D性能はどうなっているのか。
 グラフ2〜5は,「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Pripyat」(以下,STALKER CoP)から,最も描画負荷の低い「Day」シークエンスと,逆に最も描画負荷の高い「SunShafts」シークエンスの結果となる。まず,グラフ2,3に示したDayから見てみると,全体的には3DMark 11の結果を踏襲。ただし,HD 7750はGTX 550 Tiに若干引き離された。


 一方,SunShaftsでは,少々異なる結果となった。グラフ4,5に示したとおり,すべてのテスト条件で,HD 7770がトップスコアを叩き出しているのである。HD 6850に対して最大で31%も高い平均フレームレートを示したというのは見逃せないところだ。DirectX 11世代のゲームタイトルを前に,GCNアーキテクチャが本領を発揮した,といったところだろう。


 グラフ6,7は,同じくDirectX 11世代のタイトルとなるBF3の結果だが,ここではとくに負荷の低いカスタムプリセットでHD 7770がHD 6850に引き離されている点が気にかかる。メモリ周りのスペック的には不利なはずの最高プリセットで差を縮めているあたりからは,GCNアーキテクチャにおけるROP最適化の効果も強く感じられるが,置き換え対象に歯が立たないのもまた事実だ。ドライバレベルの最適化が進んでいるGTX 550 Tiと一進一退の攻防を演じているのも,プラス材料ではない。
 なお,HD 7750はHD 6770に若干届かず,今回テストした5製品中の最下位に沈んだ。


 「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)では,Radeon HD 7700シリーズにいいところがない(グラフ8,9)。Call of Duty 4では,シェーダプロセッサ,ひいてはテクスチャユニット性能がスコアを左右しやすいため,HD 7750はともかく,HD 7770では少なくともコアクロック1GHz動作の効果が出てこないとおかしいのだが,それが見えないのだ。
 ただ,これだけではなんとも言えない。ひとまず結論は保留して次に移ろう。


 というわけでグラフ10,11は,Call of Duty 4と同じDirectX 9.0c世代ながら,最新世代の3DゲームタイトルとなるSkyrimの結果だ。Skyrimではグラフィックス設定を高くするとグラフィックスメモリ周りがスコアを大きく左右するようになるため,16 ROP,128bitメモリインタフェースのRadeon HD 7700シリーズはかなり不利なのだが,そんななか,低負荷設定でHD 7770がトップスコアを示したのは注目したいところである。

 さすがに8xアンチエイリアシング設定を適用したUltraプリセットだと,いろいろ限界も見えてくるが,少なくとも,Radeon HD 7700が,DirectX 9.0c世代のタイトルを苦手にしているわけではないことは分かる。つまり,Call of Duty 4の結果は,古めのゲームエンジンを採用するタイトル,それこそ3Dオンラインゲームなどに向けて,ドライバ側の準備が整っていない可能性を示唆するものであるというわけだ。
 AMDの新世代GPUを評価するときはどうしてもついて回る話だが,早急なドライバの最適化を期待したい。


 グラフ12,13は「Sid Meier's Civilization V」(以下,Civ 5)のテスト結果。HD 6850が頭1つ抜けている点や,高負荷設定でHD 7770とHD 6850のスコア差が縮まる点を見るに付け,BF3と似た傾向になっていると述べていいだろう。
 HD 7750はHD 6770やGTX 550 Tiとほぼ同じか,少し上回るスコアを示している。


 3D性能検証で最後となるのが,グラフ14,15に示した「DiRT 3」だ。
 ここで,HD 7770とHD 7750は好対照の結果を示した。HD 7770はHD 6850の92〜96%にまで迫る一方,HD 7750はHD 6770の78〜84%と,大きく引き離されているのである。HD 7750のシェーダプロセッサ数はHD 6770の64%しかなく,しかもHD 7770のような高い動作クロックという個性もないため,これらが総合的に足を引っ張ったものと考えられる。



HD 6770から大きく下がった消費電力

HD 7700シリーズでもZeroCoreが効果を発揮


オーバークロックのテストをするわけではないので偏光していないが,HD 7770,HD 7750とも,Catalyst Control Centerの「AMD OverDrive」から「AMD PowerTune Technology」準拠の電力制御設定が可能だった
Radeon HD 7700
 表1で示したとおり,HD 7770の最大消費電力は80W。一方のHD 7750は55Wだ。スペックどおりだとすれば,消費電力はかなり低そうだが,実際にはどうなのか。ログを取得できるワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を計測してみよう。
 Radeon HD 7000シリーズでは,ディスプレイ出力が切れる「ロングアイドルモード」には,PCI Express周辺以外への電力供給をカットし,3W以下の消費電力に抑えるという「AMD ZeroCore Power Technology」(以下,ZeroCore)が有効になるが,今回はゲーム用途を想定し,アイドル時にもディスプレイ出力が切れないよう設定。そのうえで,OSの起動後,30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果はグラフ16のとおり。アイドル時に着目すると,HD 7770とHD 7750はHD 6850やHD 6770から10Wほど低いスコアを示した。念のため,ロングアイドルモードを有効化してみると,HD 7770は89W,HD 7750は86Wまで下がり,GPUクーラーのファン回転が止まったので,ZeroCoreは有効に機能していると言っていい。

 アプリケーション実行時に目を移すと,HD 7770は,HD 6770より16〜30W低いスコアを示した。スペック上,両製品の最大消費電力差は28Wなので,ほぼスペックどおりと述べていいだろう。また,HD 7750はHD 7770よりさらに19〜23W低いスコアであり,消費電力の低さは光っている。

※グラフ画像をクリックすると,スコアの入った完全版を別ウインドウで表示します
Radeon HD 7700

アイドル時,HD 7770とHD 7750はいずれも,GPUクロックが300MHz,メモリ実クロックが150MHzにまで下がった
Radeon HD 7700
 3DMark 11の30分間連続実行時点を「高負荷時」として,アイドル時のものとともに,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.5.9)からGPUの温度を取得した結果がグラフ17である。
 テスト時の室温は24℃。システムはPCケースに組み込まず,バラック状態でテストしているが,Radeon HD 7770シリーズが示した消費電力の低さは,そのままGPU温度にも反映されている。
 「HD 6770やGTX 560 Tiと変わらない」と思うかもしれないが,これは,両製品がいずれも,グラフィックスカードベンダー独自のGPUクーラーを採用しているため。リファレンスクーラーで高負荷時にHD 7770が62℃,HD 7750で52℃というのは立派だ。


 なお,気になるGPUクーラーの動作音だが,毎度筆者の主観であることを断ったうえで書かせてもらうと,かなり静かだ。少なくとも,今回のテストシステムでは,LGA2011用のIntel製空冷クーラー「RTS2011AC」のほうが音は大きかった。


HD 7770は上位モデル次第か

HD 7750は「補助電源なし市場」の新たな主役に


 以上の結果を基にまとめてみると,まずHD 7770は,取り立てて悪いところはないものの,今の時点では,これという魅力を欠いている。HD 7770の最終評価を行うには,3月頃の正式発表が予定されている「Pitcairn」(ピトケアン,開発コードネーム)ことRadeon HD 7800シリーズの登場を待つ必要があるのではなかろうか。

 一方,HD 7750は,3D性能のグラフだけ見るとぱっとしないのだが,PCI Express補助電源が不要で,アプリケーション実行時の消費電力が比較対象と比べてざっと40Wは低い点まで考慮に入れると,ぐっと魅力が増してくる。省スペースPCのアップグレード用など,補助電源コネクタの接続を前提としないグラフィックスカードの需要は常に一定数あるが,そういった用途に向けて,HD 7750はうってつけの存在だ。HD 6770やGTX 550 Tiと同じとは言わないまでも,かなりいいところまで迫るのは大いに魅力的といえ,「補助電源なし市場」の新たな主役が登場したと述べても過言ではない。

AMDによるRadeon HD 7700シリーズの位置づけ。北米市場における搭載カードの想定売価はいずれも100ドル台とされている。また,Radeon HD 7800シリーズは3月頃の登場となるようだ
Radeon HD 7700
 ちなみに,北米市場におけるHD 7770とHD 7750の価格について,日本AMDから公式の情報は得られていないが,海外のPC/IT系情報サイトが伝えるところによれば,順に149&139ドル,もしくは129&110ドルのようだ(※最新の情報を追う限り後者が有力か)。
 いずれにせよ,HD 6850が1万円台前半で当たり前のように販売されている2012年2月中旬時点の現状を踏まえるに,HD 7770は1万円台前半,HD 7750はそれ以下の価格に落ち着く必要があるだろう。HD 7770最終評価の件も踏まえるに,1万円台から2万円強くらいまでの予算でGPUアップグレードを想定している人は,Radeon HD 7800の登場を待ってみるのがいいのではなかろうか。Radeonの動向は今後も要注目といえる。

AMDのHD 7770製品情報ページ(英語)

AMDのHD 7750製品情報ページ(英語)

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