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[COMPUTEX]Haswellの主戦場はUltrabookと2-in-1デバイス。Bay Trailとはどう住み分ける? Intel基調講演レポート
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印刷2013/06/05 00:00

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[COMPUTEX]Haswellの主戦場はUltrabookと2-in-1デバイス。Bay Trailとはどう住み分ける? Intel基調講演レポート

Tom Kilroy氏(Executive Vice President, General Manager, Sales and Marketing Group, Intel)
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]Haswellの主戦場はUltrabookと2-in-1デバイス。Bay Trailとはどう住み分ける? Intel基調講演レポート
 2013年6月4日,COMPUTEX TAIPEI 2013が開幕した。その初日,最初の基調講演に登場したのは,Intelでセールス&マーケティング部門の執行副社長を務めるTom Kilroy(トム・キルロイ)氏だ。「Haswell」(ハスウェルもしくはハズウェル)こと第4世代Coreプロセッサ正式発表という日に,Intelは何を語ったのか。その内容をレポートしよう。


Ultrabook&2-in-1デバイスのために作られた

第4世代Coreプロセッサ


 6月2日に一部製品が発売された第4世代Coreプロセッサは,Kilroy氏による基調講演に合わせて正式発表となり,残る製品ラインアップも明らかにされた。そのため,講演の中心は第4世代Coreプロセッサで,その特徴や性能を大々的にアピールする場になるのかな……と予想していたが,実際はちょっと違っていた。
 今回の基調講演は,Intelが今置かれている立場と,同社が何に注力しているかを端的に示すものだった。それを象徴するのが,Kilroy氏が講演の聴衆に問いかけた質問だ。

「PCは死んだ,いやまだ生きている,という2つの見方がある。どちらが正しいだろうか?」とKilroy氏は問いかける
画像集#003のサムネイル/[COMPUTEX]Haswellの主戦場はUltrabookと2-in-1デバイス。Bay Trailとはどう住み分ける? Intel基調講演レポート
 タブレットやスマートフォンといったデバイスの登場で,PCが主役の時代は終わったという意見は読者も聞いたことがあるだろう。Kilroy氏は会場に「PCは死んだ,いやまだ生きている,という2つの見方がある。どちらが正しいだろうか?」と問いかけ,一呼吸置いて,中国語で「両方だ」と断言。会場の笑いを誘っていた。

 では,なぜ両方ということになるのか。Kilroy氏は,「PCは2年前に1度死んだ」と続ける。というのも,Intelが2年前にノートPCの設計を大幅に見直し,「Ultrabookという形に再定義した」からだという。簡単にいえば,PCはUltrabookとして生まれ変わったのだ,と言いたいのだろう。

Kilroy氏は第4世代Coreプロセッサのリリースを宣言。第4世代Coreプロセッサは”Ultrabookのために作られた”製品なのだという。
画像集#004のサムネイル/[COMPUTEX]Haswellの主戦場はUltrabookと2-in-1デバイス。Bay Trailとはどう住み分ける? Intel基調講演レポート
 そう述べたうえでKilroy氏は,「我々は今日,第4世代Coreプロセッサのリリースを発表した。第4世代CoreプロセッサはUltrabookや『2-in-1デバイス』のために作り上げられ,この(Ultrabooが誕生してから)2年の間で最大の変革をもたらす製品になる」と宣言した。
 ここでいう2-in-1デバイスとは,ディスプレイ部分を取り外してタブレットとして利用したり,ディスプレイ部分を折りたたんでタブレット形状になるUltrabookのこと。今回の基調講演では,この2-in-1デバイスこそが主役だったと言っても過言ではない。

 Kilroy氏が第4世代Coreプロセッサの特徴としてまず挙げたのが「非常に高速なPCのSystem-on-a-Chip(SoC)」が提供されるという点だ。こちらの記事でも解説されているが,第4世代CoreプロセッサのUltrabook向けの「U-Processor Line」(Uプロセッサライン)や,タブレット&2-in-1デバイス向けの「Y-Processor Line」(Yプロセッサライン)はCPUダイとPCHが1つのチップに集積されたSoCとなる(注:厳密にはパッケージ内に2個のチップを入れてあるだけで,SoCというわけではない)。これらのSoCにより,「PCを薄く軽くし,高いパフォーマンスを実現し,これまでになかった新しい2-in-1デバイスを可能にする」と,Kilroy氏は強調する。

第4世代Coreプロセッサを搭載したUltrabookは,バッテリー駆動時間が1.5倍,グラフィックス性能は2倍にもなると,Kilroy氏は主張する
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 第4世代Coreプロセッサが持つもう1つの特徴が,グラフィックスである。「Iris」という新しいブランド名が与えられた第4世代Coreプロセッサの統合型グラフィックス機能(以下統合型GPU)は,「プロセッサに統合されたグラフィックスながら,単体GPUに匹敵する性能を持つ」とKilroy氏は主張する。

 Irisの名を冠する統合型GPUは,GT3と呼ばれる「Intel Iris Graphics 5100」と,GT3eと呼ばれるオンチップDRAM搭載版「Intel Iris Pro Graphics 5200」の,2種類がある(以下,Iris)。これらの実力が気になるという読者も少なくないだろう。しかし,市場に出回っているデスクトップ向けの第4世代Coreプロセッサが内蔵するのは,GT2と呼ばれる「Intel HD Graphics 4000番台」で,Irisの名が付かないことからも分かるとおり,性能面では1段低いレベルに止まる。
 そのため,Irisの実力については,いまだはっきりわからないのが正直なところだが,Kilroy氏は講演で実際のゲームを使って,2010年当時の統合型GPU(おそらくノートPC用のIntel Coreプロセッサ)とIrisを比較したデモを披露した。その動画を下に掲載する。一目見るだけで,フレームレートや各種エフェクトが大違いであることが分かるだろう。


 また,Kilroy氏は「飛行機の中やカフェでも,ゲームを中断することなく楽しめる」と述べ,Irisはグラフィックス性能だけでなく,単体GPUと比べてバッテリー駆動時間が長くなることも利点であると訴えた。

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第4世代Coreプロセッサ搭載ノートによるデモの一部。左は顔認識のデモで,中央の女性の顔が認識されている。右は折りたたみ式2-in-1デバイスを多用途に使うデモで,手書きの漢字学習アプリを披露している


注目集まる次世代Atom「Bay Trail」のデモも披露


Bay Trailこと次世代Atomを搭載する2-in-1デバイスのデモが披露された
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 Kilroy氏による基調講演の半分は,第4世代Coreプロセッサに関する話題だったが,残る半分を占めたのは,2013年末に搭載製品が登場すると言われる,次世代Atomプロセッサ「Bay Trail」(ベイトレイル,開発コードネーム)であった。講演ではBay Trailを搭載するタブレットや,2-in-1デバイスの試作機によるデモも披露された。

 Bay Trailは新しいCPUマイクロアーキテクチャ「Silvermont」(シルヴァーモント,開発コードネーム)を採用するAtomプロセッサで,従来のAtomに比べて,同じ消費電力なら性能は最大3倍,同じ性能なら消費電力は5分の1という優れた低消費電力CPUになると言われている。

 だがAtomプロセッサの性能がそんなに上がるとしたら,タブレットや2-in-1デバイスの領域では,第4世代CoreプロセッサのY-Processor-Lineと直接競合するようにも思える。
 Kilroy氏は両者の差別化について,明確に説明したわけではない。しかし,Bay TrailはWindows 8だけでなく,Androidもサポートするという。そこがまず1つの差別化要素というわけだ。また,Bay Trailを搭載する2-in-1デバイスは,「エントリーレベルの製品となる」とも述べている。要は製品価格帯でも住み分けが行われるということのようだ。

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Bay Trailを搭載するAndroid機のデモ。「非常にスムーズに動作する」とKilroy氏
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こちらはBay Trailを搭載するWindows 8タブレット上で,ゲームを動作させたデモの様子。デモだから当然ではあるが,サクサク動いていた

 基調講演の最初から最後まで,デスクトップの「デの字」も出ないあたりが,第4世代Coreプロセッサの位置付けをよく表していると思う。Kilroy氏も述べたとおり,第4世代Coreプロセッサは“Ultrabookや2-in-1デバイスに向けたCPU”なのだ。

 Kilroy氏は講演の最後に「台湾には変革をもたらす優れた設計者が数多くいる。変革のためにはあなた方の力が必要だ」と述べて締めくくった。この最後の言葉は,モバイルデバイスでは追う側となったIntelの立場を,象徴していたように思える。第4世代CoreプロセッサとBay Trailにより,Intelはモバイル市場での劣勢を巻き返せるのかに,これからも注目していきたい。

Intel NewsroomのCOMPUTEX特設ページ(英語)

COMPUTEX TAIPEI 2013取材記事一覧

  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3-4000番台(Haswell)

  • 関連タイトル:

    Atom

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