イベント
グリー,報道関係者向け2011年度6月期第3四半期決算説明会を開催。GREEの総会員数は2500万人を突破,売上高/利益ともに引き続き成長
本発表会には,グリー 代表取締役社長の田中良和氏,およびコーポレート本部長の天野雄介氏が登壇し,主に同社の第3四半期(2011年1月〜2011年3月)の業績概要および事業報告,そして今後の展開についての説明が行われた。ここでは,そのレポートをお伝えしよう。
なお,グリーの今後の展開については,2011年4月に開催されたカンファレンス「スマートフォン2011 春」の特別講演「スマートフォンがもたらすソーシャルメディアビジネスの新たな可能性」においても語られており,4Gamerでは「こちら」にその聴講レポート記事を掲載しているので,興味のある人は合わせて目を通してほしい。
また,東北地方太平洋沖地震の業績への影響は軽微であり,テレビCMの自粛や内製ゲームのリリース延期なども,会員数や有料課金収入への影響は限定的であるとした。同社では,義援金や災害状況の特設サイトを3月12日に開設。4月1日付で95万4493人から1億8806万円相当の義援金が集まり,同社の1億円と合わせ,合計で2億8806万円を日本赤十字社に寄付したことを報告。
そのほか,関東における大規模停電などのリスク対応策として,今後データセンターの分散化などを計画していると説明した。なお,同社所在地である六本木ヒルズ森タワーについては,停電の心配はない(※)ため,影響はないと述べた。
※六本木ヒルズは,都市ガスを燃料とした独自の発電プラントを持つため,東京電力による電力制限の影響を受けることなく,安定的な電力供給が可能とのこと。
次に,業績概要の説明が行われた。グリーでは,売上高,利益ともに成長を達成しており,また売上高営業利益率は50%と高い水準を維持していると田中氏は述べた。
また,売上高における各収入の推移としては,有料課金収入が139億600万円,広告メディア収入が24億6600万円と,順調に推移していると説明した。
また,「GREE Platform for Smatrtphone」によるスマートフォン向け自社/パートナーアプリのリリースを行い,課金手段も多様な形で提供を開始していると述べた。
そのほか海外との連携強化の施策として,中国Tencentとの業務提携,北米に100%子会社のGREE Internationalを設立,北京,シンガポール,ロンドンに駐在事務所を設立といった取り組みを挙げていた。
今後の事業戦略の概要として田中氏は,以下の5点を挙げた。
・自社ソーシャルゲームの継続的な強化と拡充
・プラットフォーム事業のさらなる成長
・スマートフォン向けサービスの進展
・国際展開に向けた施策の実施
・広告事業の強化・拡大
スマートフォン事業の進展として取り上げられたのは,決済手段について。キャリア決済やWebMoneyなどの電子マネー,クレジットカードなどに対応し,近日中にはさらにiOSネイティブアプリに対応する決済手段を導入予定とのこと。
また,KDDIとの協業で提供される「GREEマーケット(仮)」は,2011年夏以降に発売されるau端末にプリインストールされる予定であると述べた。
なお,本日(2011年5月9日)付けでOpenFeintのCEO,Jason Citron氏がグリーの執行役員に就任し,同社のグローバル戦略の経営に参加することも明らかにされた。
そのほか,中国Tencentや東南アジアのmig33といった有力プラットフォームとの提携により,全世界で約8億ユーザーに届くプラットフォームの実現を目指し,今後も拡大していくという。なお,具体的な展開としては,現段階では提携先とのプラットフォーム仕様共通化を図ることが挙げられ,北米(英語圏)においては,グリーの内製タイトルを順次提供していく予定とし,説明を終えた。
なお,SNS/ソーシャルゲーム以外のコンテンツについても,具体的なリリース予定はないとしながらも,有望なものがあれば自分達で取り扱うか,注力していくそうだ。
そして説明会の最後には,質疑応答の時間が設けられ,田中氏と天野氏が記者の質問に回答した。以下にそのトピックをまとめておこう。
売上高の内訳でパートナー企業からの手数料はどのくらいかという質問については,第3四半期の有料課金収入(139億600万円)のうち2割程度が,パートナー企業からの手数料収入であるとのこと。
また,来季も引き続き内製のタイトルを増やしていくよう考えていることから,グリーのでの売上は今期同様増えていくと予想しているそうだ。
第3四半期の広告メディア収入は24億6600万円のうち,アフィリエイトによる売上はおよそ10億円程度,残りが純広告と広告メディア事業の売上となるそうだ。なお,広告メディア収入は,前期から引き続き同水準で推移しているとのこと。
第3四半期広告宣伝費は31億400万円で,前四半期に比べ約1億円減となる。第4四半期もおおよそ同じような水準で,30億円程度の広告宣伝費を予想しているとのことだ。
GREE会員のうち,スマートフォンユーザーの数やトラフィック,アプリダウンロードなどについては,実数は公開していないものの,すごい勢いで成長していると田中氏は説明。大枠で言うとガラケーとスマートフォンで同じサービスを提供しているので,基本的には変わらないと述べた。
田中氏は,携帯電話市場では最近,新規販売でのスマートフォンの比率が劇的に上がっていることから,GREEの会員においても,新規会員のスマートフォン比率は上がっていると述べた。
また,iOSネイティブアプリの課金対応については,すべての課金手段に対応するのが狙いであることから対応を進めているが,アップルの意向にも拠るとして,どのような形になるか明言は避けていた。
なお,本説明会で配布された資料は,グリーのコーポレートサイト内IR情報ページに「2011年6月期第3四半期 決算説明会資料(PDF)」「平成23年6月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」として記載されている。より詳しく知りたい人はアクセスしてみてほしい。
- この記事のURL: