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世界を目指すディー・エヌ・エーが「第3回モバゲーオープンプラットフォームForum」を開催。鈴木 裕氏と襟川陽一氏もゲスト登壇
すでにモバゲータウンのスマートフォン展開については概略が紹介されているが,ここでは,イベント全体の流れを通じて,DeNAの世界戦略を見ていきたい。
またYahoo!モバゲーについても,本家モバゲーと比較するとまだ規模は小さいが,11月11日に登録会員数が100万人を記録し,12月上旬には155万人に達するなど,どんどん成長を続けていると説明。有名タイトルの展開でさらなる集客力が見込めるため,大きなプラットフォームに育てていきたいと意気込みを見せた。
続いて南場氏は,日本/中国(現在は検討段階)/北米を中心とした英語圏といった国境をまたいだ世界市場を横軸,PC/携帯/スマートフォンのマルチデバイス展開を縦軸に,モバゲーのプラットフォーム戦略を説明。日本国内では,本家のモバゲータウン,PCのYahoo!モバゲー,モバゲータウン for Smartphoneという,携帯電話 − PC − スマートフォンといった,デバイスをまたいだ展開を行うX-device戦略に基づいて展開してきたと述べた。
また,海外については,ソーシャルゲームの豊富なラインナップをベースにしたバーチャルコミュニティ戦略を展開していきたいと展望を述べる。そして,同社が買収した米ngmocoに言及し,「海外展開において重要な要素をすべて有した企業」と説明を加えた。
さらに壇上で南場氏は,先日報じられた公正取引委員会による立入り検査について,「法令に触れる事実はないと思う」と前置きし,全面的に協力して判断を仰ぎたいと述べ,「お騒がせして皆様には大変ご迷惑をかけました。このような疑義がかかることのないよう,今後は運営を徹底していきます」と謝罪の意を示した。
またYoung氏は,2013年にはAndroid端末も含めたスマートフォンの普及台数が10億台を超えると指摘。今後はよりユーザー中心の市場となっていくことが予想されるが,これまでのモバゲータウンの成長と今後の展開は,その青写真となるだろうと述べた。
併せて,従来のモバゲータウン用アプリをブラウザゲーム化し,国内のスマートフォン向けとして提供することにも言及がなされた。なお例として挙げられた「怪盗ロワイヤル」の場合(現状で対応しているのは怪盗ロワイヤルのみ),従来のモバゲータウン版とモバゲータウン for Smartphone版ではIDを共有しており,これまでにプレイヤーが構築した資産も双方で共有できるとのこと。守安氏は,今後はほかのタイトルも基本的に同様の仕様にすると説明した。
また,Android端末限定だが,ngCoreは「アグリゲート方式」を採用しているため,モバゲータウン for Smartphoneのアプリ上で複数のゲームを楽しめる。ゲームを切り替えるたびにスマートフォンのホーム画面に戻る必要がないぶん,コミュニティとのシームレスな連携が図れると守安氏は説明した。
さらに技術の進歩に伴ってスマートフォン自体のパフォーマンス向上が見込めることから,HD対応のゲームで培ったノウハウも生かせるのではないかと述べる。鈴木氏は自らのノウハウと,ディー・エヌ・エーのソーシャルゲーム運営力を組み合わせることで,海外を含めこれまでにないマーケットを開拓できるだろうと,意気込みを見せた。
なお,鈴木氏が手がけ,モバゲータウンでサービスを提供している「シェンムー街」は,ユニークユーザー数もARPUも事前の予測を上回る数字を見せているとのこと。会場では,「まだ開発に着手していないが」という前置きとともに,スマートフォン版のイメージ画像が紹介された。
襟川氏はモバゲータウンというプラットフォーム上で,世界に向けてソーシャルゲームを作っていきたいと述べ,社内に“グローバルソーシャルゲーム”というキーワードを掲げ,「ソーシャルゲーム開発部」「グローバルマーケティング部」といった部署を新設したことを明らかにした。最後に襟川氏は,ソニーの創業者である井深 大氏の「将来どうなるかを考えるよりも,将来を自分達で作る方が確実なものになる」という言葉を引用し,「我々自身の手で新しいソーシャルゲームを作っていきましょう」と会場に呼びかけた。
南場氏はスマートフォンの拡大に触れ,「ガラケーの時代は背の高い国境に庇護されてきたが,今はそれが取り除かれた。しかし“守りの姿勢”に転じるのではなく,力を合わせて世界に攻めて出る大きな機会を与えてくれた」と述べ,フォーラムを締め括った。
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