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GeForce GTX 500
  • NVIDIA
  • 発表日:2010/11/09
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印刷2011/03/24 22:00

レビュー

フルスペックFermi×2で,世界最速のシングルカードは生まれたのか

GeForce GTX 590
(GeForce GTX 590リファレンスカード)

Text by 宮崎真一


GeForce GTX 590リファレンスカード。北米市場における想定売価は699ドルとされている
GeForce GTX 500
 別途お伝えしているとおり,日本時間3月24日22:00,NVIDIAから,ウルトラハイエンド市場向けグラフィックスカード「GeForce GTX 590」(以下,GTX 590)が発表された。製品型番から推測できるとおり,GTX 590は「GeForce GTX 580」(以下,GTX 580)の上位,GeForce 500シリーズの最上位モデルとなる。

 GTX 590が持つ最大の特徴は,1枚の基板上に2基のGPUを搭載した,デュアルGPUソリューションであるということだ。同様の製品としては,AMDから8日にリリースされた「Radeon HD 6990」(以下,HD 6990)が記憶に新しいところだが,今回のGTX 590は,まさにこのHD 6990の対抗製品と位置づけられているため,デュアルGPUソリューションによる頂上決戦の様相を呈していると言っていいだろう。
 その戦いはどちらが制するのか。NVIDIAのリファレンスカードを用いて,実際のテストから明らかにしてみたい。


GTX 295以来約2年ぶりのデュアルGPUカード

フルスペックFermiを採用も動作クロックは低め


タグライン(=キャッチコピー)は「Enthusiast Performance. Elegant Design」(マニア向けの性能を,優美なデザインで)。ウルトラハイエンド市場向けながら,デザイン性のアピールが行われている点が興味深い
GeForce GTX 500
 NVIDIAの公式ラインナップでは,「GeForce GTX 295」(以下,GTX 295)以来,約2年3か月ぶりに登場したデュアルGPUソリューションとなるGTX 590。GTX 295の場合,登場直後は,1枚あたり1基のGPUを搭載し,それを2枚重ねる“2階建て”構造が採用されており,1枚の基板に2基のGPUを搭載したのはリニューアル後となる6月のことだったが,そちらの登場からも1年9か月ぶりとなる。
 リニューアル版のGTX 295と同様に,GTX 590も,カード上で2基のGPUがSLI接続されている。HD 6990がカード上でCrossFireX(以下,CFX)接続されているのと同じ,という紹介の仕方も可能だろう。

リファレンスデザインの外部出力インタフェースはDual-Link DVI-I×3,Mini DisplayPort×1。SLI動作することもあり,GTX 590は標準で3D Vision Surroundをサポートする。3台の対応ディスプレイとDVI接続した状態でも,DisplayPort接続したもう1台のディスプレイは「Accessory Display」として,デスクトップ表示に利用できるとのこと
GeForce GTX 500
 GPU 590が搭載するGPUコアは,GTX 580と同じもの。GPU 1基あたりのCUDA Core数はGF110コアのフルスペックとなる512基で,32基ずつ,4基のテクスチャユニットや1基のジオメトリエンジン「PolyMorph Engine」などと組み合わされて「Streaming Multi-processor」(以下,SM)を構成し,さらにSMが4基でミニGPUとなる「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)を構成する構造もまったく同じだ。もちろん,ROPユニットが48基となる構造や,64bitメモリコントローラを6基が組み合わされて384bitメモリインタフェース仕様となる足回りにも違いはない。

512 CUDA Core仕様のGPUを2基搭載し,グラフィックスメモリ容量は1基あたり1.5GB……など,主要なポイントがまとめられたスライド
GeForce GTX 500

GeForce GTX 500
GTX 590の主なスペック
GeForce GTX 500
補助電源コネクタは8ピン×2
GeForce GTX 500
正常に通電した場合,補助電源コネクタ近くのGeForceロゴが点灯する(※ニュース記事で紹介したNVIDIAのムービーより)
 ただ,それなら純粋にGTX 580が2基分と考えていいのかというと,そうではない。というのも,GTX 590では,動作クロックがコア607MHz,シェーダ1215MHz,メモリ3414MHz相当(実クロック853.5MHz)――GTX 580比で,動作クロックはコア&シェーダが79%,メモリが85%という水準――へと引き下げられているのだ。

 その理由は,GTX 590リファレンスカードが,HD 6990と同じく,8ピン×2という補助電源コネクタの仕様になっていることが大きそうである。つまり,カードには最大で375Wの電力を供給できるのだが,一方でGTX 580のTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は244W。そのままではどうやっても2基を動作させられないため,375Wという枠内に収めるべく,動作クロックを抑えるほかなかったのではなかろうか。

 ちなみに今回,補助電源コネクタの近くに置かれたGeForceロゴが通電時に点灯する設計になっているのだが,例えば「片方は6ピンケーブルを接続した」とかいった理由で正常に電力供給がなされていない場合,これが点滅し,正常に動作していないことを示すようになっている。


カード長の短さと

静音性がアピールポイント


 ここで,入手したリファレンスカード全体をあらためて見てみることにするが,ぱっと見て気づくのはその短さである。いや,カード長は実測278mm(※突起部含まず)で,GTX 580の同267mmと比べると10mmほど長いのだが,HD 6990の305mmと比べると30mm弱短いのだ。

左の写真は左から順にGTX 590とGTX 580両リファレンスカード。右の写真はHD 6990のレビュー記事から流用したもので,左から順に「ATI Radeon HD 5970」とHD 6990,「Radeon HD 6970」カードが並んでいる。それぞれ,右端に定規を置いてあるので,ある程度は比較に堪えると思われるが,こうして並べてみると,GTX 590はデュアルGPUカードとしてかなり短いのが分かる
GeForce GTX 500 GeForce GTX 500

GPUクーラーが薄く見えるのも,すっきりした印象に一役買っている
GeForce GTX 500
 GTX 590は,そのカード長以上にすっきりした印象を受けるが,これは,2スロット仕様となるクーラーの厚みが,90mm角相当のファンを搭載した中央部分で実測28mmと,カードの前端&後端の同33mmより薄くなっているためと思われる。GTX 590をQuad SLIで利用するとき,2枚のカードが密接してしまっても,エアフローを確保できる設計になっているのだろう。
 よほど「GeForce GTX 480」で堪えたのか,GTX 580以来NVIDIAは,リファレンスクーラーの設計にはかなり気を配っている印象を受ける。なお,冷却能力や動作音については後ほど検証したい。

リファレンスカード表面はクーラーによって全体が覆われる一方,背面は2か所に分かれてヒートスプレッダが貼られている。ヒートスプレッダには,高温注意と思しきマークも
GeForce GTX 500 GeForce GTX 500

GPUクーラーを取り外したところ。2オンス(約56.7g)の銅箔層を含む12層基板を採用するという
GeForce GTX 500
 さて,GPUクーラーを取り外すと,中央に電源部と,SLIに対応したNVIDIA製PCI Expressブリッジチップ「nForce 200」を配し,それらをGPUとメモリチップが挟むような格好になっているのが分かる。
 メモリチップはSamsung Electronics製のGDDR5「K4G10325FE-HC04」(5.0Gbps)で,GTX 580が搭載していたのと同じ1Gbps品のため,1GPUあたり12枚,基板両面に6枚ずつ搭載される仕様だ。

GeForce GTX 500 GeForce GTX 500 GeForce GTX 500
本体背面のメモリチップ用ヒートスプレッダ→GPUクーラー本体といった順で,比較的簡単に取り外しが可能。整然として,かつ集積度の高い基板が姿を見せる。電源分は10フェーズ仕様とされている(※リファレンスカードなので外していますが,一般にグラフィックスカードのGPUクーラー取り外しはメーカー保証外の行為です)
GeForce GTX 500 GeForce GTX 500 GeForce GTX 500
左から順に,PCI Expressスロットに近いほうのGPUパッケージ,nForce 200,もう1基のGPUパッケージ。リファレンスカードということもあってか,GPUパッケージ上に「GF」で始まる刻印は見られないが,NVIDIAによれば,GF110コアそのものだという。なお,nForce 200はA3リビジョンであり,GTX 295から変わっていない
GeForce GTX 500 GeForce GTX 500 GeForce GTX 500
メモリチップは1Gbit品(左)。面白いのは今回,GPUクーラーカバー部のネジをプラスドライバーで4か所外せば,カバーを簡単に取り外し可能になっていることだ(中央,右。※ここではカードからも取り外しています)。NVIDIAは「ファン部や『Vapor Chamber』採用のフィン部に溜まった埃(ほこり)を掃除しやすくなっている」と謳っているので,カバーの着脱だけはカードメーカー各社もサポートする可能性が高い。なおカバーから伸びているケーブルは,GeForceロゴを点灯させるLEDのもの

 GTX 590のスペックを,下位モデルや競合製品と比較してみたものが表1となる。

※GTX 590はTDP,それ以外は公称最大消費電力


HD 6990やGTX 570 SLIなどと比較

ドライバはレビュワー向けの267.71を利用


 テスト環境に話を進めよう。
 今回のテスト環境は表2のとおりで,GTX 590を追加したのを除くと,HD 6990のレビュー記事からまったく変わっていない。そのため,比較対象として用意したGTX 580とHD 6990,「GeForce GTX 570」(以下,GTX 570)のSLI構成,そして「Radeon HD 6970」(以下,HD 6970)およびそのCFX構成,「ATI Radeon HD 5970」(以下,HD 5970)のスコアは,HD 6990レビュー時のものを流用している。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション10.2準拠だが,HD 6990のレビュー時に,CPUボトルネックが大きすぎて比較に適さないことが分かった「バイオハザード5」はカットする。ウルトラハイエンドモデルの検証ということで「標準設定」を省略し,かつ解像度を1920×1200&2560×1600ドットに絞っているのは,HD 6990のレビュー記事と同じだ。

 なお,GTX 590の検証に用いたドライバは,NVIDIAから全世界のレビュワーに配布された専用バージョンとなる「GeForce Driver 267.71」。HD 6990のレビュー記事でGTX 580やGTX 570に利用した「GeForce Driver 266.58」とはバージョンが異なるが,どちらも同じRelease 265世代のドライバで,性能面の違いはほとんどないと思われるため,横並びの比較を行っても問題はまずないだろう。
 なお,Radeon勢ではHD 5970だけ「Catalyst 11.2」を利用しているが,これはHD 6990のレビュー記事でも触れたように,HD 6990用にAMDから配布されたドライバだと,HD 5970の内部CrossFireX接続がなぜか有効にならなかったためである。

 また,CPUには「Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz」を利用しているが,「Intel Hyper-Threading Technology」「Enhanced Intel SpeedStep」を有効化する一方で,テストによって影響が異なるのを避けるため,「Intel Turbo Boost Technology」は無効化していることと,以下文中,グラフ中とも,GTX 570のSLI構成を「GTX 570 SLI」,HD 6970のCFX構成「をHD 6970 CFX」と表記することは,ここであらかじめお断りしておきたい。


GTX 570 SLIと同等か若干届かない性能

対HD 6990では下回る場面も多い


 さて,グラフ1は「3DMark06」(Build 1.2.0)の結果となるが,GTX 590のスコアは見事なまでにGTX 570 SLIと並んでいる。シェーダプロセッサ数の多さは,低い動作クロックで相殺され,GTX 570 SLI相当のスコアしか発揮できないのだろう。そのため,HD 6990から2〜4%の差を付けられてもいる。
 なお今回,グラフのバーはGeForce,Radeonの順に並べてあるが,グラフ画像をクリックすると,別ウインドウで2560×1600ドット時のスコアを基準に並び替えたものを表示するようにしてあるので,必要に応じてご参照のほどを。

GeForce GTX 500

 続いてグラフ2,3は順に,「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Pripyat」(以下,STALKER CoP)から,最も描画負荷の低い「Day」と,逆に最も高い「SunShafts」,両シークエンスの平均フレームレートをまとめたものになる。
 DirectX 11世代のゲームアプリケーションということで,基本的にはGeForce勢が有利になりがちなSTALKER CoPだが,GTX 590の低い動作クロックはここでも相当に大きな足かせになるようで,3DMark06ではほぼ同じスコアだったGTX 570 SLIに最大で10%置いていかれる。HD 6990に対して最大7%高いスコアを示し,面目を保ったのがせめてもの救いか。

GeForce GTX 500
GeForce GTX 500

 一方,同じDirectX 11アプリケーションでも,DirectX 11を補助的な拡張としてのみ実装している「Battlefield: Bad Company 2」(以下,BFBC2)だと,また事情が異なる。GTX 590とGTX 570 SLIがほぼ同じスコアなのは3DMark06と同じながら,HD 6990には2〜4%というスコア差を付けられているのだ。BFBC2においては,HD 6990のほうがGTX 590より上と見るべきだろう。

GeForce GTX 500

 DirectX 9タイトル「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)でも,GTX 590のスコアは芳しくない(グラフ5)。もともとFermiアーキテクチャは,動作クロックとテクスチャ性能がスコアを左右しやすいDirectX 9タイトルをあまり得意としていないが,ここでGTX 590は,HD 6990に歯が立たないのはもちろん,HD 5970にもかわされてしまう。
 もちろん,絶対的なフレームレートは十分に高く,DirectX 9世代のタイトルをプレイするにあたってGTX 590が遅いというわけではない――現に,GTX 580に対しては圧倒的に高いスコアを示している――が,気になる結果なのも,また確かである。

GeForce GTX 500

 DirectX 10世代のTPS「Just Cause 2」のスコアをまとめたグラフ6でも,GTX 590のスコアはHD 6990に届いていない。とくに1920×1200ドットではその差は8%ほどとかなり大きい。ただ,GTX 570 SLIのスコアを安定して上回っている点からすると,Just Cause 2においては,動作クロックを抑えてでもフルスペックのGF110を搭載したメリットが多少なりとも見える,とはいえるだろう。

GeForce GTX 500

 性能検証の最後はグラフ7の「Colin McRae: DiRT 2」(以下,DiRT 2)。
 DiRT 2ではFermiアーキテクチャのGPUが高いスコアを示す傾向にあるが,それはGTX 590でも踏襲しており,GTX 590はHD 6990に対して13〜17%の差を付けて完勝している。GTX 570 SLIとはほぼ同じスコアだが,若干低いとは言えるかもしれない。

GeForce GTX 500


HD 6990を遙かに上回る消費電力に閉口

一方,GPUクーラーは冷却能力・静音性とも優秀


 GTX 590について,興味深いスペックの1つが,公称消費電力である。表1を見直してもらえれば分かるのだが,GTX 590ではTDP(Thermal Design Power)が365Wになっているのだ。
 GTX 580やGTX 570の消費電力値を考えるとにわかには信じがたいのだが,実際のところはどうなのか。毎度お馴染みの,ログを取得できるワットチェッカー「Watts up? PRO」で,システム全体の消費電力を計測し,比較してみよう。
 計測にあたっては,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を示した時点を,アプリケーションごとの実行時とし,OSの起動後,30分放置した時点を「アイドル時」としている。

 その結果をまとめたのがグラフ8で,ここから明らかなとおり,GTX 590の消費電力は相当に高い。NVIDIAによれば,アイドル時におけるGTX 590の公称消費電力は59W。その仕様上,アイドル時に片方のGPUが完全がシャットダウンしたりはせず,アイドル状態のまま通電し続けることもあって,アイドル時の消費電力もなかなかのものだが,アプリケーション実行時にHD 6990比で34〜87W高いというのは相当に強烈だ。「TDPが219Wのグラフィックスカードを2枚用いたGTX 570 SLIと同レベル」という事実を見せつけられると,本当に375Wの枠内で収まっているのか不安になるほどである。

※グラフ画像をクリックすると,数値を含めた完全版を別ウインドウで表示します
GeForce GTX 500

 続いて,GPUクーラーの冷却能力をチェックしてみよう。
 ここでは3DMark06の30分間連続実行時点を「高負荷時」として,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.5.1)から,GPUの温度を取得することにした。システムは,室温20℃の環境で,PCケースに組み込まず,いわゆるバラックの状態に置いている。
 その結果がグラフ9だ。搭載するGPUクーラーが異なるので,厳密な横並び比較には意味がないものの,GTX 590が搭載する2基のGPU温度はいずれも80℃弱で,ハイエンドカードとして,概ね妥当なレベルに収まっていることは評価できそうだ。


 最後に,動作音も検証しておきたい。
 今回行ったテスト中,GTX 590リファレンスカードが搭載するクーラーのファンは,回転数が1440〜1680rpmの間で変化していた。そんなGTX 590と,同じくデュアルGPUソリューションであるHD 6990の2製品について,

  1. アイドル状態にしてファン回転数が低速安定したところで約30秒間放置
  2. UNiGiNE製のDirectX 11対応ベンチマークソフトで,3DMark06よりも負荷が高く,その分,短時間でファン回転数を引き上げられる『Heaven Benchmark 2.5』(Version 2.5)を実行
  3. 約50秒間のロード時間を経てベンチマークが実行される

といった一連の流れ,約300秒を録音してみた。下に置いたファイルは,グラフィックスカードのファン正面約100mmのところへマイクを設置し,録音したデータだ。絶対的な評価ではなく,2製品の相対評価となることをお断りしておきたい。

GTX 590リファレンスカードの動作音
音声ファイルを再生する

GTX 590カードの動作音。本文で触れたとおり,最初の30秒がアイドル状態。約80秒経過時点以降,Heaven Benchmark 2.5が動作している


HD 6990リファレンスカードの動作音
音声ファイルを再生する

こちらがHD 6990カードの動作音だ

 ベンチマークテストが始まる80秒前後以降で聞き比べると,GTX 590のほうが明らかに静かだと分かる。また,GPU温度が一定レベルに達するのは200秒程度経過したところからになるが,このあたりだと両者の差はかなり顕著になるのも聞き取れるだろう。GPUクーラーの動作音では,GTX 590のほうに明確な分がある。


カードサイズとGPUクーラーは大いに評価できるが

いろいろと無理も感じられる


 GTX 590の登場で,久しぶりにデュアルGPUソリューション同士の頂上決戦が実現したわけだが,ざっくり総評してみると,今回のテスト項目で完勝できたのはDiRT 2のみ。優勢だったSTALKER CoPの結果も加味するに,GTX 590がHD 6990と互角以上に戦えるのは,DirectX 11対応のタイトルがメインとなりそうだ。
 GTX 580と10mm程度しか変わらず,HD 6990比で明らかに短いカード長,そして十分な冷却能力を持ちながら明らかに静かなGPUクーラーを搭載できることは大いに評価できる。だが,消費電力の高さや,GTX 590カードの国内価格が当初9万円前後で推移する見込みになっており,HD 6990カードよりもざっと1万円以上高くなる計算になることまで考えると,GTX 590の評価をHD 6990より上とするのは難しい。


GeForce GTX 500
 ……GTX 580と同じGF110コアを2基搭載しながら,GTX 590の性能が伸びきらない理由は,一にも二にも,動作クロックを低く抑え過ぎたためだろう。
 「補助電源コネクタ8ピン×2で,375W」という枠内に,なんとか収めるための策と思われるが,GF110のフルスペックをそのまま活かすことにこだわり過ぎた印象だ。GTX 570以下のコアを選択し,動作クロックとのバランスを取るべきだったように思われる。あるいは,PCI-SIGで規定される“消費電力の高いカード用のオプション仕様”たる300Wを超えた時点で,とっくに常軌は逸しているわけで,それならば365Wなどということは言わず,TDP 450Wやそれ以上といった具合に突き抜けてしまってもよかったのではないだろうか。
 消費電力375Wという枠にこだわった結果として,GTX 590は,このクラスのグラフィックスカードに期待しているユーザーからすると,中途半端なところにまとまってしまった感が否めないのだ。

 DirectX 11世代のタイトルに注力し,1枚で3画面表示にも対応するグラフィックスカードとして,GTX 590に相応の活路はあるが,いずれにせよ,現行のプロセス技術ではもはや,ハイエンドクラスのGPUを2基搭載して性能を引き上げる手法は限界に達している。それを,HD 6990とは別の形で証明したのが,GTX 590ということになりそうである。
  • 関連タイトル:

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