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印刷2015/11/10 23:00

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NVIDIA,Maxwellベースの数値演算アクセラレータ「Tesla M40」「Tesla M4」を発表

画像集 No.002のサムネイル画像 / NVIDIA,Maxwellベースの数値演算アクセラレータ「Tesla M40」「Tesla M4」を発表
 2015年11月10日23:00,NVIDIAは,Maxwellアーキテクチャベースのサーバーおよびデータセンター向け新型数値演算アクセラレータ「Tesla M40」と「Tesla M4」を発表した。この発表は米国ソルトレイクシティで11月6日から開催されている,スーパーコンピュータ関連学会「SC15」に合わせて行われたものだ。両製品とも,ゲーマーが直接手にするような製品ではないが,NVIDIAがディープラーニング(深層学習,機械学習とも)分野で目指すものについての興味深い話もあったので,簡単に概要をまとめてみたい。


メディア処理やディープラーニング向けのTesla M40とTesla M4


 現在のNVIDIA製GPUに使われているMaxwellアーキテクチャは,演算ユニット内に倍精度浮動小数点の演算機能を持たない。そのため,倍精度演算を必要とするハイパフォーマンスコンピューティング分野向けのTeslaシリーズには,限定的にしか利用されないといわれていた(関連記事)。
 そうはいっても,倍精度演算が重要視されない分野であれば,Maxwellアーキテクチャが有効な用途もあるわけで,NVIDIAはこうした用途にターゲットを絞って,MaxwellベースのTeslaを投入している。GPU仮想化ソリューション向けとして2015年8月に登場した,Maxwellベースの「Tesla M60」「Tesla M6」は,そのいい例だ。

 今回のTesla M40とTesla M4は,それに続く製品である。NVIDIAによると,両製品のターゲットは,「データセンターにおけるメディアやイメージ処理の高速化とディープラーニング」だそうだ。型番だけ見ると,今回の新製品はTesla M60およびTesla M6の下位モデルな雰囲気もあるが,NVIDIAとしては,単純な上位下位ではなく,用途の異なる製品だという。

Tesla M40とTesla M4が狙う市場は,ディープラーニングやイメージ処理の高速化用途である
画像集 No.003のサムネイル画像 / NVIDIA,Maxwellベースの数値演算アクセラレータ「Tesla M40」「Tesla M4」を発表

 そんな両製品のスペックと用途を見ていこう。
 Tesla M40は,3072基のCUDAコアと384bitのメモリインタフェースを持ち,グラフィックスメモリには,容量12GBのGDDR5メモリを採用した製品だ。スペックでピンと来た人もいるだろうが,これは,「GM200」コアベースの「GeForce GTX TITAN X」(以下,GTX TITAN X)と同じである。
 NVIDIAによると,Tesla M40はディープラーニングを主な用途に想定した製品とのことだ。

Tesla M40の概要。GTX TITAN Xと同じ仕様の数値演算アクセラレータで,ディープラーニングのフレームワークである「CaffeNet」では,IntelのCPU「Xeon E5-2697 v2」だけによる処理と比べて,処理時間を8分の1に短縮できるという
画像集 No.004のサムネイル画像 / NVIDIA,Maxwellベースの数値演算アクセラレータ「Tesla M40」「Tesla M4」を発表

 一方のTesla M4は,CUDAコア数が1024基で,メモリインタフェース128bitのGDDR5メモリを4GB搭載するアクセラレータである。デスクトップPC用GPUでいうなら,「GeForce GTX 960」相当というところか。NVIDIAは,データセンターにおけるメディア処理の高速化がおもなターゲットで,消費電力あたりの性能が高い製品であるとアピールしている。

Tesla M4の概要。データセンターにおけるメディア処理の高速化やディープラーニングに適した,電力効率の高い製品とのことである
画像集 No.005のサムネイル画像 / NVIDIA,Maxwellベースの数値演算アクセラレータ「Tesla M40」「Tesla M4」を発表

 2製品の発表に合わせてNVIDIAは,データセンターおよびサーバー向けのソフトウェア開発キット「Hyperscale Suite」のリリースも発表した。これにより,ソフトウェア開発者は,サーバー側でのメディア処理アプリケーションなどで,GPUアクセラレーションを利用できるようになる。
 さらに,Hyperscale Suiteを使って開発されたソフトウェアは,オープンソースのクラスタマネージャ「Apache Mesos」を使うことで,スケーラブルな拡張が可能になるという。

 また,さまざまなOSで使われているオープンソースのメディア変換ツール「FFmpeg」でGPUアクセラレーションを利用するためのプラグインがサポートされる点も興味深い。
 FFmpegプロジェクトの一環として開発されているコーデックライブラリ「Libavcodec」や,メディアコンテナライブラリ「Libavformat」は,Windowsでもフリーのコーデックとして広く利用されていたりする。そうしたコーデックやツールでGPUアクセラレーションが利用できるようになると,一般のPCユーザーに恩恵をもたらすかもしれない。

Hyperscale Suiteを使うとサーバー側ソフトウェアでGPUアクセラレーションを利用しやすくなる。FFmpegでGPUを使用するプラグインが提供されている点は,PCユーザーにも恩恵があるかも
画像集 No.006のサムネイル画像 / NVIDIA,Maxwellベースの数値演算アクセラレータ「Tesla M40」「Tesla M4」を発表

 そのほかもNVIDIAは,SC15に合わせて,ハイパフォーマンスコンピューティング分野における同社製GPUの新たな応用事例やデモを公開する予定とのこと。興味がある人は,NVIDIA公式Blogをチェックしてみよう。

NVIDIA Tesla公式Webページ(英語)

NVIDIA公式Blog(英語)


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    NVIDIA RTX,Quadro,Tesla

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