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GeForce GTX 600
  • NVIDIA
  • 発表日:2012/03/22
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印刷2012/08/17 00:00

レビュー

GeForce GTX 660 Ti搭載のクロックアップモデル4製品を並べて比較

ASUS GTX660 Ti-DC2T-2GD5
GIGA-BYTE GV-N66TOC-2GD
Palit NE5X66TH1049-1043J
ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GB

Text by 宮崎真一


GTX 660 Ti GPU
GeForce GTX 600
 先行掲載した記事でお伝えしているとおり,2012年8月16日22:00,NVIDIAはGeForce GTX 600シリーズのミドルクラス市場向けGPU「GeForce GTX 660 Ti」(以下,GTX 660 Ti)を発表した。
 GTX 660 Tiの詳しい仕様や基本性能は当該記事を参照してほしいが,端的に述べれば,多くのPCゲーマーが利用しているであろうディスプレイの解像度である1920×1080ドットで使う分には,GeForce GTX 500世代のハイエンドモデルを凌駕するほどのポテンシャルを持つGPUである。

 ただ,GPU性能を検証した先行記事では,メーカーレベルのクロックアップが行われたASUSTeK Computer(以下,ASUS)製カード「GTX660 Ti-DC2T-2GD5」を,リファレンス相当のクロックにまで落として検証していた。カード自体の実力は明らかにできていないわけで,こちらの検証を行う必要がある。

 4Gamerでは,GTX660 Ti-DC2T-2GD5に前後して,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGA-BYTE)の「GV-N66TOC-2GD」とPalit Microsystems(以下,Palit)の「NE5X66TH1049-1043J」,そしてZOTAC International(以下,ZOTAC)の「ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GB」(型番:ZT-60801-10P)も入手できた。いずれもメーカーレベルのクロックアップ版だが,今回はこれら4枚のカードをまとめて比較してみたいと思う。


それぞれ個性を持った4製品

4枚並べたことで見えてきたものも


 というわけで,さっそく4枚のカードをブランド名のアルファベット順で紹介していきたい。なお,本稿では製品紹介のなかでGPUクーラーを取り外しているが,GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為であり,外した時点で保証を受けられなくなる。この点はくれぐれもご注意を。


■GTX660 Ti-DC2T-2GD5


GTX660 Ti-DC2T-2GD5
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) info@tekwind.co.jp
メーカー想定売価:3万7000円前後(※2012年8月17日現在,発売は9月以降予定)
GeForce GTX 600
 ASUSのGTX660 Ti-DC2T-2GD5はGPUレビュー記事のほうでひととおり紹介済みだ。なので,要点のみ簡単にまとめるが,2スロット&2連ファン仕様の大型クーラー「DirectCU II」を搭載する本製品のカード長は,実測266mm(※突起部含まず)である。

 基板は,ASUS独自のデジタルVRMコントローラ「DIGI+ VRM」や,ASUSが独自に選定した電源コンポーネント群「Super Alloy Power」を搭載するなど,相当に豪華な作りとなっている。

カードの裏面(左)とGPUクーラーを取り外したところ(中央),基板単体(右)。いずれもGPUレビュー記事からの再掲だ。基板の裏側にも2枚のメモリチップを搭載し,表側の6枚と合わせて8枚でグラフィックス容量2GBを実現する
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

GeForce GTX 600
 動作クロックはGPUのベース1059MHz,ブースト1137MHzで,メモリは6008MHz相当(実クロック1502MHz)。EVGA製のオーバークロックツール「Precision X」(Version 3.0.3)から確認したところ,自動クロックアップ機能「GPU Boost」による最大動作クロックは,今回のテストだと1201MHzだった。

ブーストクロックは1137MHzとされているが,今回のテスト中では最大で1201MHzまで上がるのを確認できた(※おおむね1188MHzくらいで推移することが多かったが)。メモリクロックは6008MHz相当と,リファレンスから変わっていない
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600


■GV-N66TOC-2GD


GV-N66TOC-2GD
メーカー:GIGA-BYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:CFD販売(販売代理店)
予想実売価格:3万2000円前後(※2012年8月17日現在)
GeForce GTX 600
 GIGA-BYTEのGV-N66TOC-2GDは,同社オリジナルとなる2スロット&2連ファン仕様のGPUクーラー「WINDFORCE 2X」を搭載する製品だ。ファンのサイズは2つとも100mm相当で,この口径は,今回入手した4枚のGTX 660 Tiカード中で最も大きい。

 基板長自体は実測213mm(※突起部含まず)ながら,クーラーがカード後方へはみ出すデザインのため,カード長は同246mmとなっている。

GV-N66TOC-2GDのカード表側(左),裏側(中央)。右の写真は外部出力インタフェース部で,Dual-Link DVI-DとDual-Link DVI-I,DisplayPort,HDMIをそれぞれ1つずつ装備。3画面立体視出力や,4つのインタフェースすべてを利用しての4画面出力が可能だ
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

WINDFORCE 2Xクーラーを取り外したところ
GeForce GTX 600
 WINDFORCE 2Xは,GPUと接触する部分を貫くような形で2本の8mm径ヒートパイプが伸びて合計3か所の放熱フィン部へと熱を送り,それを2連ファンで冷却する仕様になっているが,特徴的なのは,GPUの上に置かれる放熱フィンブロックだ。ファンカバーを外すと分かるのだが,ヒートパイプを囲むような形で盛り上がっているのである。
 GIGA-BYTEはこれを「Triangle Cool」(トライアングルクール)技術と呼んでいるが,これにより,GPU上の部分で乱気流などが発生しなくなり,結果,エアフローが整って,冷却能力が向上するという。

特徴的な形状となっているWINDFORCE 2X。左の写真で向かって右側のファンが傾いているのは設計ミスではなく,エアフローの向上を図った結果という。中央と右の写真では,GPU接触部の“上”が,三角形というより台形状に盛り上がっているのが分かると思うが,これがTriangle Coolだ
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

GV-N66TOC-2GDの基板
GeForce GTX 600
 クーラーを外した基板を見る限り,電源周りは4+2フェーズ構成になっている模様。電源部の構成部品だけでなく,カード全体の設計もGTX660 Ti-DC2T-2GD5と比べるとずいぶんすっきりした印象だが,6ピン×2のPCI Express補助電源コネクタ近くにテスター用と思われる穴が複数個用意されているのは,ASUS製カードにない特徴といえるかもしれない。
 なお,メモリチップがSK Hynix製の2GbitチップGDDR5「H5GQ2H24AFR-R0C」(6Gbps品)で,カード表側に6枚,裏側に2枚搭載して合計容量2GBを実現している点はASUS製品と同じだ。

GV-N66TOC-2GDの電源部(左)とテスター用ホールらしき穴(右)
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

 動作クロックはGPUのベースが1032MHz,ブーストが1111MHzで,メモリが6008MHz相当。今回のテストではGPU Boostによる最大動作クロックが1215MHzまで上昇するのを確認できている。

GV-N66TOC-2GDのGPUクロックは,最大1215MHzまで上昇していた。なお,メモリクロックは6008MHz相当で,リファレンスから変わりなし
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600


■NE5X66TH1049-1043J


NE5X66TH1049-1043J
メーカー:Palit Microsystems
問い合わせ先:ドスパラ
ドスパラ販売価格:2万8980円(税込,2012年8月17日現在)
GeForce GTX 600
 「Palit GeForce GTX 660 Ti JetStream」と,Palit製グラフィックスカードの上位シリーズ「JetStream」の名を冠した愛称が与えられているNE5X66TH1049-1043J。基板自体は実測173mm(※突起部含まず)とかなり短いが,大型クーラーがカード後方へ73mmも飛び出すという,GTX 670のリファレンスカードを彷彿とさせる――というか,長さは完全に同じ――設計により,カード長は同246mmと,GV-N66TOC-2GDよりわずかに短い程度となる。

カード表側(左)と裏側(中央)。GPUクーラーに対して基板がかなり短い。外部出力インタフェース部がDual-Link DVI-DとDual-Link DVI-I,DisplayPort,HDMI各1で,3画面立体視や4画面出力に対応するのはASUSやGIGA-BYTEのカードと同じだ(右)
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

GPUクーラーは3スロット仕様
GeForce GTX 600
 注意しておきたいのは,GPUクーラーが3スロット仕様になっていることだ。風量を向上させるという羽形状「Turbo Fan Blade」を採用した90mm角相当のファン×2を搭載するカバー部の下には,ヒートパイプ3本を備えた大型の放熱フィン部を搭載するので,さもありなんというところではあるのだが,この大きさは人を選ぶかもしれない。

左から順に,GPUクーラーを取り外したところ,電源部のヒートシンクを外したところ,そしてGPUクーラーから冷却ファンを取り外したところ。放熱フィンのブロックはかなり大きい
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

 さて,長さが同じという時点で予想していた人も多いのではないかと思われるが,クーラーを取り外した基板の外観はGTX 670リファレンスカードと非常によく似ている。また,電源周りは見る限り4+2フェーズだが,同じ構成と思われるGV-N66TOC-2GDからはさらに簡素化されている印象だ。
 一方,メモリチップがSK Hynix製のH5GQ2H24AFR-R0CなのはASUS製カードやGIGA-BYTE製カードと変わらず。カード表に6枚,裏に2枚実装する点も変わらないが,それだけに,メモリクロックがチップの仕様を超えて6108MHz相当(実クロック1527MHz)に設定されているのは目を引く。

基板単体(左)と電源周りをクローズアップ(右)。電源周りは4+2フェーズ構成だ。基板長の短さもあり,GTX 670リファレンスカードとよく似たデザインとなっている
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

 なお,GPUクロックはベース1006MHz,ブーストが1084MHz。今回のテスト中,GPU Boostによる最大動作クロックは1150MHzを記録した。

PrecisionXからテスト中のコアクロックを確認すると1149MHzまで上昇した。別途用いた「GPU-Z」だと1150MHzと表示されていたが,このあたりは小数点以下の扱い方の違いによるものだろう。なお,上でも紹介したとおり,メモリクロックは6108MHz相当と,今回の4製品の中で唯一メモリクロックが引き上げられている
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600


■ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GB


ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GB
メーカー:ZOTAC International
問い合わせ先:アスク(販売代理店)
予想実売価格:3万2000〜3万3000円程度(※2012年8月17日現在)
GeForce GTX 600
 ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GBは,今回取り上げる4製品のなかでも飛び抜けてカード長の短い製品だ。

 具体的な長さは実測192mm(※突起部含まず)。GTX 670リファレンスカードやNE5X66TH1049-1043Jと同じ,173mmという基板長を採用しているので,クーラーが後方へはみ出ている格好になっているが,それでも200mm以内に収まっているのはインパクトが大きいと述べていいだろう。

カードの表側(左)と裏側(中央)。GPUクーラーは基板から相応にはみ出ているものの,もともとの基板長が短いため,総カード長は実測192mmに収まっている。外部出力インタフェースの仕様はこれまで紹介してきた3製品と同じ
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

GeForce GTX 600
 2スロット仕様のGPUクーラーは小型だが,その割に,75mm角相当のファンを2基搭載し,ヒートパイプも3本用意するなど,なかなか凝った作りになっている。また,電源部に専用のヒートシンクを搭載していたりするのは,搭載するGPUクーラーのサイズを考えると,なかなか芸が細かいといえそうだ。

GPUクーラーは密度が高い印象。2連ファンはカバーでなく,放熱フィン側に取り付けられている
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

 クーラーを外した基板は,サイズがサイズなのでGTX 670リファレンスカードやNE5X66TH1049-1043Jとさすがによく似ている。ただ,4+2フェーズ構成に見える電源部はNE5X66TH1049-1043Jよりもコストがかかっている印象を受けた。
 なお,メモリチップがSK Hynix製のH5GQ2H24AFR-R0Cで,カード表側に6枚,裏側に2枚搭載されるというのは,ここまでに紹介した3製品と同じである。

基板単体と電源周りをクローズアップしたところ。4+2フェーズの電源部は「GTX 670リファレンスデザインを踏襲した印象」という点でNE5X66TH1049-1043Jと変わらないが,部品点数は多い
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

 動作クロックはGPUコアのベースが928MHz,ブーストが1006MHzで,メモリ6008MHz相当。GPUクロックの引き上げ幅は,今回の4製品中で最も低い。本製品はそのサイズからしても,純然たる3D性能よりは,取り回しやすさに重きを置いた製品と見るべきだろう。
 ちなみに,今回のテストだと,GPUの動作クロックは最大1071MHzまで上昇したのを確認している。

テスト中,GPUクロックは1071MHzまで上昇した。なお,メモリクロックは6008MHz相当で,リファレンスと同じだ
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600


 ……以上,4枚を概観してきたが,NE5X66TH1049-1043JとZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GBの基板がGTX 670リファレンスカードとよく似ているのが分かってもらえたと思う。また,よくよく見比べてみると,基板後方の“はみ出ている部分”以外はGV-N66TOC-2Gも似た印象だ。NVIDIAに近い関係者の話では,GTX 660 Tiリファレンスカードは存在しないとのことだったが,入手した4枚中3枚で似たデザインだと,「リファレンスカードは『存在しない』のではなく,GTX 670と共用なのではないか」と考えたくもなってくる。
 いずれにせよ,純然たる意味でのメーカーオリジナル基板は,今回入手した中ではGTX660 Ti-DC2T-2GD5のみと考えておいたほうが安全かもしれない。

一番左にGTX 670リファレンスカードを置き,その右にブランド名のアルファベット順でGTX 660 Tiカードを並べたところ。ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GBの短さが際立つが,GV-N66TOC-2GとNE5X66TH1049-1043JもGTX 670リファレンスカードと同程度には収まっている。GTX660 Ti-DC2T-2GD5だけ少し長い
GeForce GTX 600 GeForce GTX 600

 なお表1は,そんな4製品の主なスペックをまとめたものになる。



GTX 660 Ti&GTX 670との力関係を確認

テストアプリは一部抜粋


 以上を踏まえつつ,テストのセットアップに移ろう。
 今回,4製品の比較対象として用意したのは,GTX660 Ti-DC2T-2GD5の動作クロックをリファレンス相当に落としたものと,「GeForce GTX 670」(以下,GTX 670),そして「Radeon HD 7950」(以下,HD 7950)の3製品だ。

 テスト環境は表2のとおりで,GTX 660 TiのGPUレビュー記事とまったく同じ構成となるため,今回,比較対象となる3製品のスコアはすべて当該記事から流用することをここでお断りしておきたい。GeForce GTX 500シリーズや「Radeon HD 7870」との力関係は,レビュー記事と見比べ,判断してもらえればと思う。


 ところで,スコアを流用するのだから当たり前なのだが,テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション12.2準拠で,解像度は1920×1080&2560×1600ドットの2つ。CPU「Core i7-3960X Extreme Edition/3.3GHz」の自動クロックアップ機能である「Intel Turbo Boost Technology」は無効化している。
 一点注意してほしいのは,掲載スケジュールを優先し,「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Pripyat」と「Sid Meier's Civilization V」のテストを省略していることだ。カードの入手タイミングを踏まえた措置なので,この点はご了承を。

 なお以下,テスト段の文中,グラフ中とも,主役の4モデルは,GTX660 Ti-DC2T-2GD5を「ASUS 660 Ti」,GV-N66TOC-2GDは「GBT 660 Ti」,NE5X66TH1049-1043Jを「Palit 660 Ti」,ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GBを「ZOTAC 660 Ti」とそれぞれ表記して区別することとした。「GTX 660 Ti」は,グラフ中だとGTX660 Ti-DC2T-2GD5の動作クロックをリファレンス相当に落としたものを指すこととし,文中では適宜使い分ける。


クロックアップでGTX 670を上回る例も

1920×1080ドットなら上位モデルを喰える印象


 テスト結果の考察に入ろう。
 グラフ1は,「3DMark 11」(Version 1.0.3)から,「Performance」と「Extreme」の両プリセットにおける総合スコアをまとめたものだ。まず注目したいのは,GPUコアの最大動作クロックが最も高いGBT 660 Tiが,PerformanceプリセットでGTX 670より約4%高いスコアを示しているところ。また,ASUS 660 TiとPalit 660 TiがGTX 670と互角のスコアを示している点に注目したいところだ。高いクロックの設定されたGTX 660 Tiカードであれば,リファレンスクロックのGTX 670と同等かそれ以上のスコアを示せるわけである。

 気になったのは,最大動作クロックにそれほど違いのないGBT 660 TiとASUS 660 Tiの間にけっこうなスコア差がついている点だが,挙動を追ってみると,GBT 660 Tiは,最大動作クロックが高いだけでなく,高いクロックに入る時間が長かった。おそらくそこが違いを生んでいるのだろう。
 もう1つ,ASUS 660 TiとPalit 660 Tiで,最大動作クロックの低い後者のほうがスコアではわずかながら上回っているのも目を引くが,これはメモリクロックの引き上げが効いているためと思われる。

 ただし,クロックアップ版GTX 660 Tiの“景気がいい”のはあくまでもPerformanceプリセットにおいて,である。GPUレビュー記事でも指摘した「GTX 660 Tiが持つメモリ周りの弱点」はクロックアップでどうにかなるものではなく,描画負荷が高まるExtremeプリセットだと,GBT 660 Tiがかろうじて対GTX 670で約97%に留まるのを除き,GTX 670に6〜10%程度のスコア差を付けられている。

※グラフ画像をクリックすると,Performanceプリセットのスコア基準で並び替えたグラフを表示します
GeForce GTX 600

 続いて「Battlefield 3」(以下,BF3)のテスト結果をまとめたものがグラフ2,3だ。ここではメモリクロックよりむしろGPUクロック順でGTX 660 Ti搭載の4製品はスコアが決まっている印象であり,大きくクロックが引き上げられているASUS 660 TiとGBT 660 Ti,Palit 660 Tiが1つのグループを形成し,ZOTAC 660 TiはGTX 660 Tiのリファレンスクロックより若干高い程度,というところに落ち着いている。

 グラフィックス描画負荷が高まる高解像度や「高負荷設定」でGTX 670とのスコア差が開いていくのは,GPUレビュー時と変わらぬ傾向だ。

※グラフ画像をクリックすると,解像度1920×1080ドットのスコア基準で並び替えたグラフを表示します。以下,グラフ9まで同
GeForce GTX 600
GeForce GTX 600

 グラフ4,5は「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)の結果である。
 ここでも全体的な傾向は3DMark 11を踏襲しており,グラフィックス描画負荷が低い「標準設定」だと,GBT 660 TiはGTX 670より2〜3%程度高いスコアを示し,ASUS 660 TiとPalit 660 Tiがそれに続く。高負荷設定になるとさすがに192bitメモリインタフェースが足枷となってGTX 660 Tiカード群のスコアは落ちていくが,Call of Duty 4自体が古い世代のタイトルで,それほどメモリ周りの負荷が高くないこともあってか,ZOTAC 660 Tiが対GTX 670で91〜92%のスコアに踏みとどまるなど,全体的にGTX 660 Tiカードのスコアは良好だ。

GeForce GTX 600
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 一方,公式の高解像度テクスチャパックを導入することでグラフィックスメモリ負荷が高まっている「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)だと,GTX 660 Tiを搭載する4製品は,標準設定とUltra設定で対照的なスコアを示した(グラフ6,7)。アンチエイリアシング処理を伴わない標準設定では,ここまでとそう変わらない傾向なのだが,8xアンチエイリアシングを適用する「Ultra設定」では,1920×1080ドットでもGTX 670にはまったく歯が立たず,むしろリファレンス動作のGTX 660 Tiとほとんど変わらないスコアで落ち着いてしまうのだ。
 非常に分かりやすい形で足回りのボトルネックが出たといえるだろう。

GeForce GTX 600
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 グラフ8,9は「DiRT 3」のテスト結果だが,ここだと全体的な傾向は3DMark 11とよく似ている。
 ASUS 660 TiとPalit 660 Tiを比較したとき,標準設定の1920×1080ドットだとGPUコアクロックの高さで前者が若干ながら高いスコアを示すのに対し,それ以外のテスト条件ではメモリクロックの高い後者がわずかに逆転するというのはなかなか示唆的である。

GeForce GTX 600
GeForce GTX 600


GBT 660 Tiの消費電力は一段高め

クーラーの動作音は4製品でそれほど変わらず


PCI Express補助電源コネクタは今回とりあげる4枚のいずれも6ピン×2だ
GeForce GTX 600
 性能検証では4枚4様の結果が得られたが,消費電力やクーラーの能力はどうだろうか。とくに基板設計はずいぶんと異なり,Palit 660 TiではTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)がリファレンスより10W高い160Wに設定されていたりするので,TDP値が公開されておらず,かつGPUクロックがPalit 660 Tiより高いASUS 660 TiやGBT 660 Tiがどういう結果を示すかは気になるところだ。

 そこで,GPUレビュー記事と同じく,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を測定してみよう。
 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ10で,アイドル時のスコアは4製品でほぼ同じ。そこで各アプリケーション実行時を見てみると,GBT 660 Tiのスコアが高い。すべてのテスト条件でGTX 670を上回るなど,頭1つ抜け出ている印象だ。
 性能検証のところで,GBT 660 Tiは高いクロックに入る時間が長いという話をしたが,それや,大口径のファンを搭載するといったあたりが,消費電力での不利を招いている可能性を指摘できそうである。

 一方,ASUS 660 TiとPalit 660 Tiの消費電力はほぼ同じで,基板設計の違いによるものか,メモリクロックの違いによるものかどうか,前者のほうが消費電力は若干低め。ZOTAC 660 TiはGTX 660 Tiのリファレンスクロック動作とほとんど変わらないスコアに落ち着いた。

※そのまま掲載すると縦方向のサイズが大きくなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
GeForce GTX 600

 最後はGPUクーラーの冷却能力だ。GPUレビュー記事に引き続き,3DMark 11の30分間連続実行時を「高負荷時」とし,アイドル時ともどもTechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.6.4)から各GPUの温度を測定した結果をまとめてみよう。
 テスト時の室温は24℃。テストシステムはPCケースに組み込まず,いわゆるバラック状態に置いているが,そのときのテスト結果がグラフ11となる。GPU Boostによる到達クロックは4枚すべてで異なるのだが,高負荷時の温度は70℃前後で収まっているので,各社とも,このあたりで落ち着くよう,回転数を調整してきているということなのだろう。


 また,気になる動作音だが,毎度筆者の主観であることを断ったうえで論じるなら,4製品の間に大きな違いはなく,かつ,おおむね静かめである。強いて挙げるならZOTAC 660 Tiが少し大きめかなというぐらいで,ほかはほぼ同じ。
 ちなみにテスト中のファン回転数を書き出しておくと,ASUS 660 Tiが1170〜1530rpm,GIGA 660 Tiが1200〜1620rpm,Palit 660 Tiが930〜1320rpm,ZOTAC 660 Tiが1590〜2790rpmだった。


OC前提ならASUS,そのままの性能ならGIGA-BYTE

コスト重視でPalit,小型さを取るならZOTAC


 以上のテスト結果から,4製品の立ち位置はかなりはっきりしてきた。具体的にまとめると以下のとおりだ。

  • GTX660 Ti-DC2T-2GD5:自己責任でオーバークロックをしたい人や,長い間使い続けていきたい人向け
  • GV-N66TOC-2GD:買って差したままの状態で,できる限り高い性能を得たい人向け
  • NE5X66TH1049-1043J:とにかく価格対スペック比にこだわる人向け
  • ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GB:小型のPCケース内で使いたい人向け

GeForce GTX 600
 GTX660 Ti-DC2T-2GD5は基板がしっかり作り込まれている点,GV-N66TOC-2GDは安定して高い性能を発揮できている点,NE5X66TH1049-1043Jはこの性能でいきなり2万円台後半という点,ZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GBはなんといっても基板が短い点が魅力だ。正直に述べると,ここまで個性がバラけるとは思っていなかったので,嬉しい誤算といったところである。

 もちろんこのほかにも市場には,各メーカーからさまざまなカードが登場する見込み。秋から年末にかけて,GTX 660 Tiカードは市場をかなり賑わせることになりそうだ。

「GeForce GTX 660 Ti」レビュー。Kepler世代初のミドルクラスGPUはGTX 580より速かった


ASUSのGTX660 TI-DC2T-2GD5製品情報ページ

PalitのNE5X66TH1049-1043J製品情報ページ(英語)

ZOTACのZOTAC GeForce GTX 660 Ti 2GB製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    GeForce GTX 600

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