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待望のトレーニングモード「道場」の存在も明らかに。「DmC Devil May Cry」の体験会レポート
会場では,カプコンから2013年1月17日に発売予定の「DmC Devil May Cry」(PlayStation 3/Xbox 360,以下DmC)の試遊が可能になっていたほか,DmCの開発者によるトークセッションが行われ,さまざまなエピソードが披露された。ここでは,その模様をお届けしよう。
イベントではまず,DmCのプロデューサーである江城元秀氏,ディレクターの伊津野英昭氏,アシスタントプロデューサーの内田洋平氏が登場し,会場に用意されていたDmCの試遊版について説明した。
それによると,今回のバージョンはTGS 2012版をベースにブラッシュアップされ,「ヒューマン(イージー)」「デビルハンター(ノーマル)」「ネフィリム(ハード)」「サン オブ スパーダ(ベリーハード)」からなる4つの難度が用意されたとのこと。
ちなみに,「サン オブ スパーダ」だけはロックがかかっており,2つのミッション(「監視する街」「刃を抱いて眠れ」)をクリアすることで解除可能となっていた。江城氏によると,「サン オブ スパーダ」は登場する敵やアルゴリズムが異っており,かなり歯ごたえのあるプレイ感とのことだ。
プロデューサーの江城元秀氏 |
ディレクターの伊津野英昭氏 |
アシスタントプロデューサーの内田洋平氏 |
続いては内田氏が,デモプレイを交えながら本作の特徴的な部分をアピール。DmCの目玉とも言える「エンジェルモード」と「デーモンモード」を切り替えながら,爽快感あふれるプレイを披露し,敵が弱点をさらけ出した際にはデーモンモードで集中的に攻撃したほうが良いといった攻略のヒントが紹介された。
ゲーム紹介が終わったところで,お待ちかねの試遊に。試遊時間は約1時間と余裕があったためか,コンボなどを試しながら,じっくりとプレイする来場者が目立っていた。
試遊が終わったあとは,再び江城氏,伊津野氏,内田氏が登場して,本邦初公開となる「道場」モードを紹介した。これは,格闘ゲームでいうところのトレーニングモードにあたるもの。入力中のコマンドから派生可能な技が表示される機能などを使い,コンボを納得いくまで練習できる。江城氏は,「アクションゲームが苦手な人はぜひ活用してほしい」とオススメしていた。
続いては,来場者からの質問に開発者が答えるO&Aのコーナーへ。最初の質問は,「制作秘話や苦労話を教えてほしい」というもの。ここでは江城氏が,開発を担当している英国のスタジオ「Ninja Theory」とのエピソードを披露した。
江城氏,伊津野氏,内田氏を含めたカプコンスタッフは10回以上もNinja Theoryへ赴き,現地のスタッフと密なやり取りを繰り返したそうだ。
不慣れな英語でディスカッションしなければならず,ニュアンスを伝えるのに苦労したとのことだが,内田氏によれば「ビシッ!」,「バーン!」,「ガガガッ,ドーン」といった擬音を用いることによって,ある程度は伝わったという。その辺は,ゲームクリエイターならではの感覚で通じ合うものがあったらしい。
ただ,刀の持ち方が日本人と逆になっていたなど,言葉のみならず,文化の違いを痛感した場面も多々あり,やはり苦労は絶えなかったようだ。しかし江城氏は,「それでも,開発中はすごく楽しかった」と,笑顔で話していた。
ボス戦のアイデア出しでは,「ガードしている最中に攻撃をするのはNG」といった,カプコンのゲームに対するロジックがNinja Theoryのスタッフにはなかったらしく,それをゲーム内に組み込むのにかなり苦労したとのこと。このときにも,ホワイトボードを使ってフローチャートで説明するなど,言葉以外の手段を駆使して開発を進めていったそうだ。
続いて「今回登場するダンテにモデルはいるのか」という質問では,江城氏は「とくにいないんですよ」と回答。Ninja Theoryのスタッフがかっこいいと思っていた数名のモデルのパーツを組み合わせてデザインされているので,強いていえばその数名ということになるようだ。
また,開発が進むに連れて徐々に修正が加わっているので,開発当初に比べると顔が変わっているということも明かされた。
過去作で用意されていたやり込みモード「ブラッディパレス」は用意されるのかという質問に,江城氏は,「現時点では,まだ何とも言えないですね」としつつも,「我々としては,ぜひやりたいと思っている」と可能性を示唆した。近日中には,なんらかの発表ができるかもしれないので,もう少し待っていてほしいと話していた。
「コンフィグで操作設定を自由に変えられるのか」という質問では,内田氏が「できます」と回答。ボタン1つ1つまで操作設定を切り替えられるようになっているので,自分のやりやすいように自由に設定してほしいとのことだ。
お次は「ロックオンをなくした理由を教えて下さい」という質問。伊津野氏によると,ロックオンに関してはスタッフ間でも相当議論が重ねられていたという。実は「デビル メイ クライ3」「デビル メイ クライ4」でも,一時は「ロックオンをなくそう」という方向で制作が進められていたらしいのだが,直前になって,さまざまな理由から「ロックオンは付けた方がいい」ということになったのだそうだ。
DmCの開発でも同様の流れになるのかと思われたが,伊津野氏が「ドラゴンズドグマ」と同じロジックなら,ロックオンを外してもプレイに支障をきたさないということに思い当たり,それを詰めに詰めた結果,ロックオンなしでもいける,という結論に達したという。
江城氏も,回避(R1,L1)をしながらロックオンも行うとなると,かなりハードルが上がってしまうため,ロックオンはなくしたいと考えていたようだ。しかし,攻撃が標的からズレてしまっては何の意味もない。そこで江城氏は,極力プレイヤーの思いどおりに動く優秀なシステムの構築,かつ,画面外からの不意な攻撃は絶対に止めてほしいという要望をNinja Theoryに提示。ロックオンをなくしたうえ,ストレスなくプレイできるゲームデザインを作り上げたのだ。
伊津氏は,「ロックオンをなくすことは以前から試してみたかったことなので,『DmC』で1つの答えが出せたのではないか」とコメント。プレイしたら,ぜひ意見を聞かせてほしいと話していた。
これにて,Q&Aコーナーは終了。最後は,江城氏,伊津野氏,内田氏がそれぞれ来場者に挨拶してイベントを締めくくった。
内田氏:
公式サイトのほかにblogやTwitterもやってますので,ぜひ見ていただきたいです。そこで先行公開する情報や,開発秘話など,皆さまに喜んでもらえる情報もありますので,これからもよろしくお願いします。
伊津野氏:
最初の発表から2年くらいが経ちましたが,その間,いろいろなことがありました。「プレイしたら分かってもらえる」という想いを胸に頑張って作ってきたので,実際にプレイされた方は,宣伝してもらえたら嬉しいですね。
江城氏:
僕らが最初に掲げたコンセプトは一切ブレさせずに,新しい「デビル メイ クライ」を作りたいという思いでやってきました。
今回のような体験会を通して,皆さまの評価が変わってくるのが僕としてはすごく嬉しいです。
よりたくさんの人に触ってもらう機会を用意しなくちゃいけないということは,プロデュースしている立場からもすごく感じますし,これから発売に向けて新しい情報も出していきますので,今後ともぜひよろしくお願いします。
「DmC Devil May Cry」公式サイト
- 関連タイトル:
DmC Devil May Cry
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(C)CAPCOM CO., LTD. 2013 ALL RIGHTS RESERVED.
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- DmC Devil May Cry (ディーエムシー デビル メイ クライ) (数量限定特典 悪魔を蹴散らすDLコードセット&追加シナリオ『バージル ダウンフォール』 同梱)
- ビデオゲーム
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