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印刷2010/12/20 18:22

連載

海外ゲーム四天王 / 第71回:「ショーン・ホワイト スケートボード」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第71回:今週のゴロゴロどっかーん:「ショーン・ホワイト スケートボード」
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 今週の「海外ゲーム四天王」は,ユービーアイソフトから発売中の「ショーン・ホワイト スケートボード」を紹介する。日本語版タイトルを紹介するのは,実は本連載始まって以来のこと。そもそも海外タイトルが前提になっていたのだが,そんなこと誰も気にしていないと思うので大丈夫だ。スケートボードのゲームだが,類作とは異なり,「全体主義的な支配機構のせいで,夢もチボーもなくなった人々に,スケートボードのパワーで元気を与える」という,かなり異色なゲームになっている。そんな本作を,「スケボーでは,パッシングができなくて……」と嘆くカッ飛びライター,UHAUHA氏が紹介しちゃうね。

スケートボードパワーで,ニューハーモニーに平和を取り戻せ って,スケートボードにそんなにすごい力があったのか!

 

 スケボーをテーマにしたゲームといえば,Activisionのトニー・ホークシリーズ,Electronic ArtsのSkateシリーズなどがあるが,そんなスケボーゲーム界隈に一石を投じるような気がしてならないのが,今回紹介するユービーアイソフトの「ショーン・ホワイト スケートボード」PlayStation 3/Xbox 360)だ。

 

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 ショーン・ホワイトさんて,どなた? という人も中にはいるかもしれないが,スケートボーダーとして「X Games」などで活躍する彼はまた,トリノとバンクーバーで開催された冬季オリンピックで二大会連続の金メダルに輝いたプロのスノーボーダーでもある。
 赤く染めたモップみたいなヘアスタイルが特徴で,「赤毛のアニマル」とか「空飛ぶトマト」とかいう愛称で呼ばれているらしい。本人がその愛称を気に入っているのかどうかは分からないが,ともあれ彼は,スケートボード/スノーボード界に燦然と君臨するスーパースターなのである。

 

「ショーン・ホワイト スケートボード」公式サイト

 

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 ショーン・ホワイトさんとコラボレーションしたゲームとしては,2009年にユービーアイソフトから「ショーン・ホワイト スノーボード」PlayStation 3/PSP)がリリースされているが,今回,スノーボードをスケートボードに代えたシリーズ第二弾,ショーン・ホワイト スケートボードが,2010年11月25日にリリースされたのだ。
 スケボーもののゲームと聞けば,テクニックを磨いて試合に挑む,あるいは街を流してスケートボードを楽しむといった内容が連想できるところだが,本作は,そんなありがちな内容に収まってはいない。

 

 ゲームの舞台は「ミニストリー」という組織が支配する架空の都市,「ニューハーモニー」。全体主義的なミニストリーは住民の独自性や創造性をまったく認めず,都市のすべては灰色に染まり,人々は何の楽しみもない憂鬱で単調な生活を送っている。スケボーで人々を魅了していたショーン・ホワイトも,邪魔な存在としてミニストリーに捕らえられているという状況だ。
 かくしてプレイヤーは,不思議な能力を持つ主人公を操ってショーンを助け出し,かつてのニューハーモニーを取り戻すことになる。主人公の不思議な能力とは,スケボーを使い,人々の活気をミニストリーから「解放」させる力だった。

 

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 ニューハーモニーは,いくつかのエリアに分かれた広大な都市で,この中をスケボーに乗って自由に行動できる。ゲーム開始直後はすべての建物や人々が灰色だが,スケボーのトリック(技)を使うことで生み出される「フローバルブ」(光の波)に触れると「解放」されて色がつき,本来の姿に戻るのだ。そう,本作は著名なプロスケートボーダーの名前を冠しながらもファンタジー色の強いアクションゲームになっているってワケ。けっこう,意外でしょ。まあ,文章で書いてもちょっと分かりにくいと思うので,下のほうに直撮りムービーを用意した。百聞はなんとやらと昔から言うので,ご覧になってちょうだい。

 

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 というわけで基本的に,ミニストリーの攻撃をかわしつつ,ニューハーモニーのあちこちを走ってトリックを繰り出すことで,ゲームは進んでいく。トリックを使うと「フロースコア」というポイントを獲得でき,そして,フロースコアが一定量になると「フローレベル」が上がる。フローレベルにはレベル0からレベル3まであって,レベルが一定以上でないと解放できない地域やオブジェクトなどが存在している。
 フロースコアは時間経過で減少し,そのためフローレベルも下がってしまう。したがって,自然にトリックを使い続けることになるのだ。また,頭から激しく転倒したり,高所や水へ転落するなどして死んでしまうと,直前のセーブポイントからやり直しとなるが,そのときフローレベルもフロースコアも一気にゼロになってしまう。ワンミスが非常に痛い仕様といえるだろう。

 

 ストーリーのメインになるのが「クエスト」だ。クエストの内容は「〜に会え」とか,「〜を解放しろ」といったシンプルなもので,それをクリアすると次の展開へ進むというシステムになっている。そのほかに,「制限時間内に規定数のトリックを決めろ」といった内容の「チャレンジ」もマップ内に多数用意されており,クリア条件を満たすと金,銀,銅のメダルと経験値を獲得できる。「スケートショップ」でこの経験値を使うことで,トリックが購入できるという仕組みだ。

 

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 筆者がプレイしたXbox 360版の場合,トリックは左右のスティックとトリガー,ボタンを組み合わせることで発動し,ショーン・ホワイトさんが生み出した「アルマジロ」「マックツイスト」のほか,スケボーでは定番技の「ストリート」「グラインド」「グラブ」,そして「プラント/ストール」といった技を繰り出せる。収録されたトリックは実に80種類以上で,それらのトリックを連続させて「コンボ」にしたり,特定の条件を満たしてトリックを決めたりすると,獲得できるフロースコアが増加する。

 

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 摩訶不思議なフィーチャーが「シェイプ」で,これは,マップの緑色に光るところに飛び乗ることで空中に道(シェイプ)が一定時間伸び,その上を進めるようになるというもの。シェイプの種類には,細いパイプ状に伸びる「シェイプレール」,バート(垂直の壁)のように伸びる「シェイブバート」,通路を作る「シェイプストリート」,坂道を作る「シェイプグラウンド」があり,一度作成してしまえば,いつでも利用できる。また,ゲームが進むとシェイプの伸びる方向も操作できるようになり,シェイプを操作しないとたどり着けない場所なども登場する。このへんが,ちょっと頭を使うパズル要素になっているわけだ。

 

 マルチプレイは,最大8人のオンライン対戦と,2人の画面分割対戦をサポートしており,トリックのスコアを競い合う「フローライド」「チームフローライド」,チームに分かれて建物を開放しあう「ミニストリー vs. ライジング」,シェイプを奪い合う「シェイプバトル」が用意されている。マルチプレイではパワーアップアイテムも登場し,パワーアップアイテムには,「相手のスピードを落とす」とか「自分の加速力やバランス力を増強する」といった効力を持つものがある。これもなかなかな面白い。

 

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 と,こんな感じで,驚くほど奇想天外なストーリーに沿ってアクションアドベンチャーのように展開していく,かなり毛色の違うスポーツゲームである本作。ほかのスケボーゲームに比べて操作は難しくないし,ワンタッチで状況に応じたトリックを繰り出す機能なども用意されているので,アクションゲームが苦手でも心配することはない。
 スポーツゲームだと思いこんでいた筆者は最初,ストーリーの意外さに若干躊躇したが,スケボーの部分はもちろんよくできており,トリックが決まると非常に気持ちがいい。ちょっと毛色の変わったアクションを楽しみたい,という人にはオススメのタイトルだ。

 

 

コラム
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 ショーン・ホワイト氏が主人公というわけではないので,ゲームにはプレイヤーキャラクター作成画面がある。ゲーム開始時点で性別や顔などを設定できるが,髪型や服装などはプレイ中,いつでも変えられる。キャラクターに設定できるのは,髪型と帽子,頭の装備,トップス,パンツ,シューズといったルックス面だが,このほかにスケートボードのデザインに関する部分もアレンジ可能だ。また,コスチュームとして,全身タトゥ,イエティなどネタっぽい,まるっきりキャラクターが変わってしまうものまで用意されているので,そのへんも楽しんでみよう。

 

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■■UHAUHA(ライター/四天王)■■
 レースゲームやアクションゲームなどを好んでプレイする,反射神経系のライター。とはいえ,人間が相手だとつい熱くなってしまうので,マルチプレイはちょっと苦手。高いところと,ホラー系が不得意なので,高い場所が出てくるゲームと,怖いゲームもちょっと苦手と意外と弱点も多いが,とくに悲壮感はない。4Gamerがスタートした頃からライターをやっている,ベテラン中のベテランだ。特徴は,遠距離通勤。
  • 関連タイトル:

    ショーン・ホワイト スケートボード

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