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GTX 1070&120Hz液晶パネル搭載のMSI製ノートPC「GE63VR 7RF-003JP」レビュー。「ゲーム専用機」を探しているならアリ
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印刷2017/12/04 00:00

レビュー

「ゲーム専用ノートPC」としての完成度は高い,GTX 1070&120Hz液晶搭載モデル

MSI GE63VR 7RF Raider(003JP)
(GE63VR 7RF-003JP)


 今回取り上げる「GE63VR 7RF Raider(003JP)」(製品型番:GE63VR 7RF-003JP,以下型番表記)は,MSI製ゲーマー向けノートPCの主力モデルと言っていいGEシリーズの新型機だ。

GE63VR 7RF Raider(003JP)(型番:GE63VR 7RF-003JP)
メーカー:MSI
問い合わせ先:supportjp@msi.com
パソコンショップ アークにおけるBTO標準構成価格:25万9800円(※2017年12月4日現在)
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 15.6インチ,垂直リフレッシュレート120Hzで解像度1920×1080ドットの液晶パネルを採用する筐体に,ノートPC向け「GeForce GTX 1070」(以下,GTX 1070)を搭載し,税込のBTO標準構成価格は25万9800円(※2017年12月31日まで2万円引き。通常価格は27万9800円)。台湾系PCメーカーは,その機能や仕様をきらびやかなマーケティングワードで装飾するのが得意で,GE63VR 7RF-003JPにおいてもMSIは「Per-Key RGB」「GIANT SPEAKER」「Cooler Boost 5」などなど,興味を惹くキーワードを多数並べているのだが,それらは果たして実体を伴ったもので,ゲーマーにメリットがあり,安価ではない価格に見合っているのだろうか。
 その完成度を細かくチェックしていきたい。

●GE63VR 7RF-003JP標準構成の主なスペック
  • CPU:Core i7-7700HQ(4C8T,定格2.8GHz,最大3.8GHz,共有L3キャッシュ容量6MB)
  • チップセット:Intel HM175
  • メインメモリ:PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックス:GeForce GTX 1070(グラフィックスメモリ容量8GB)
  • ストレージ:SSD(Serial ATA 6Gbs接続,容量256GB)+HDD(Serial ATA 6Gbs接続,容量1TB,回転数7200rpm)
  • パネル:15.6インチ液晶,駆動方式未公開,解像度1920×1080ドット,垂直リフレッシュレート120Hz,公称応答速度3ms,NTSC色域94%
  • 無線LAN:IEEE 802.11ac(Rivet Networks Killer 1435)
  • 有線LAN:1000BASE-T(Rivet Networks Killer Ethernet E2500)
  • 外部インタフェース:DisplayPort×1(※バージョン未公開),HDMI×1(※バージョン未公開),USB 3.1 Type-C×1(※世代未公開),USB 3.1 Gen.1 Type-A×3,3極3.5mmミニピン×2(ヘッドフォン出力兼S/PDIF出力,マイク入力),カードスロット×1
  • スピーカー:ステレオスピーカー搭載
  • マイク:搭載
  • カメラ:搭載(有効画素数未公開,720p 30fps対応)
  • バッテリー容量:4700mAh
  • ACアダプター仕様:19.5V 11.8A
  • 実測サイズ:約386(W)×265(D)×35(H)mm
  • 実測重量:2.42kg
  • OS:64bit版Windows 10 Home

※本稿では,FPSによるテストをBRZRK氏,ベンチマークによるテストを米田 聡氏,それ以外を4Gamerの佐々山薫郁が担当します。


120Hz液晶パネルはゲーム用途として文句なし。キーボードは「ゲーム用途」ならまずまず


液晶パネルの輝度ムラをチェックしたカット。かなり優秀な結果だ。なお,右下の輝点はマウスカーソルの先端である
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 というわけで,注目すべきキーワードの多いGE63VR 7RF-003JPだが,結論から先に言うと,最も高く評価すべきは,冒頭でも紹介した液晶パネルだ。
 斜めにしたときの色変化,そして3msという(おそらくは中間調の)応答速度仕様からして,ハイスペックなTN型と思われるが,端的に述べてとても見やすい。ノングレア(非光沢)の表面加工なので,周囲の環境による影響を受けず,ゲーム中,常に安定した視界が得られる。もちろん,画面を覗き込むプレイヤーの顔が画面に反射して映り込むようなこともない。

4Gamerオリジナル壁紙を表示させた状態で,画面を傾けたところ。角度が付くと黄ばんで見え出すが,正面から相対する限りは何の問題もない色が出ている。ちなみにMSIは「sRGB 100%に近い色精度が得られる」として「True Color Technology」というキーワードを与えているが,確かに液晶パネルの品質はかなり高いと言っていいだろう
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PUBGを使ってプレイ中のBRZRK氏
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 ノートPCが採用する液晶パネルの性能を生かすも殺すもGPU次第だが,冒頭でも紹介したとおり,GE63VR 7RF-003JPが搭載するのはノートPC向けGTX 1070である。
 そのため,普段,デスクトップPC向け「GeForce GTX 1080」を前提に設定しているグラフィックス設定をそのまま持ち込むようなことをすると,「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(以下,PUBG)では建物が多く立ち並ぶポチンキやヤスナヤといった場所で「少し重いな」と体感できる程度には処理落ちが生じていた。ただ,「Overwatch」のような負荷の低いタイトルであれば,かなり高めのグラフィックス設定でも快適にプレイできる。
 総じて,今日(こんにち)的な競技性の高いタイトルであれば,ごく一部の例外を除き,垂直リフレッシュレート120Hzの恩恵を受けられると言っていいのではなかろうか。

GE63VR 7RF-003JPのテストに用いたグラフィックス設定。左がPUBG,右がOverwatchのものだ
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 SteelSeries製の日本語フルキーボードは,ゲーム用途だと優良可不可の「良」といったところだ。スイッチはパンタグラフ式メンブレンで,キーストロークが深めになっているため,ノートPCにありがちな「ペコペコした安っぽさ」は感じずに済む。
 キーボードの同時押し対応は最小5キー。音楽ゲーム用途では明らかに足りないが,筆者(=BRZRK)が主にプレイするFPSでは必要十分な対応数だ。PUBGで,しゃがみジャンプとして使用する[C]+[Space]キーによる“窓抜け”――バグ技だが――も,とくに問題なく行えたことは特記しておきたい。

Microsoftが公開しているWebアプリケーション「Keyboard Ghosting Demonstration」で同時押しの数を確認したところ。最小では5キーだった。この状態から[W]キーを押しても認識されない
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 ゲーマー向けノートPCのキーボードでよくある「ゲーム中に,指先へ熱を感じる問題」はどうだろう。
 PUBGを数戦,それぞれ10位内に入る程度まで時間をかけてプレイするのを繰り返してみたが,気になるレベルの発熱はなかった。

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 下に示したのは,PUBGプレイ開始後数戦した時点における本体表面温度を放射温度計「FLIR ONE Pro」から確認したものだが,指先が触れるあたりは40℃を超えるかどうかというレベルだ。
 最も熱かった本体右側面の排気孔周辺は50℃を超えているので,あえて言えば,マウスとマウスパッドの置き場は選ぶものの,マイナスポイントはその程度だろう。走り続けるために[W]キーを押しっぱなしにしていても,せいぜい指先がほんのり温かく感じられる程度なので,MSIがCooler Boost 5と呼ぶ冷却機構はしっかり仕事をしていると評していい。

PUBGプレイ開始後数戦,約45分経過した時点における,GE63VR 7RF-003JPの筐体表面温度
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 一方,文字入力用キーボードとしては,弁明の余地なく「不可」である。過去にも4GamerはMSI製ノートPCのキーボードで文字のタイピングに向いていないケースがあることを指摘してきたが,英語キーボードを強引に日本語化してあるため,一部のキーが隣接し,窮屈なのだ。また,キーボードの右側で,一般的なキーボードとは大きく異なる配列になっている点にも注目してほしい。

キーボードを正面から見たところ。いくつかのキーが隣接していまっているのと,[Delete]キーの位置などがとても気になる
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 結果として,GE63VR 7RF-003JPを使ったテキスト入力時には,

  • [」]キーを打とうとして[Enter]キーが入る
  • [¥]キーを打とうとして[Back Space]キーが入る

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という事態がかなりの頻度で生じる。要するに,隣接しているキーの一部で,実際のキーより右を打ってしまう問題が生じるのだ。
 サイズ的に無理があるところへ10キーを突っ込んだ結果として,メインキーボードの右側に無理が生じ,そこに「英語配列を強引に日本語化した結果としてのキー隣接処理」が合わさったことで,こういう悲劇が生まれているわけである。

 付け加えると,10キーを無理やり入れ込んだ結果として,[Delete]キーなどが事実上タッチタイプ不能になっていたり,右[Shift]と[¥]キー(=[ろ]キー。以下同)が隣接して,しかも[¥]キーが小さいため,両者を組み合わせてのアンダーバー(_)入力がまずもってタッチタイプできなかったりという問題もある。

 はっきり言わせてもらうと,日本語配列云々の問題以前として,メインキーボード右側のデザインはひどい。やはり15.6インチ筐体に10キーまで突っ込むのは無理があるのだろう。
 新製品のたびに新要素を追加するのはいいことだが,それよりも先に改善すべきことがあるのではないかと,このキーボードを体験すると強く思う。

Engine 3のキー機能割り当て変更ツール
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 なお,キーの割り当てはプリインストールのSteelSeries製ソフトウェア「SteelSeries Engine 3」(以下,Engine 3)から変更できる。すべてのキーの割り当てを細かく変更できるので,あまりに“誤爆”が頻発する場合は無効化してしまったりするのも手だ。
 ただ,無効化するとそのキーは当然使えなくなるため,それはそれで悩ましい。

Engine 3からキーへ割り当てられる機能一覧
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こちらはサブメニューと,実際に[¥]キーを無効化した例だ
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 さて,ここまでの写真から容易に想像がつくとおり,GE63VR 7RF-003JPではキーごとに異なる色を設定できるLEDイルミネーション機能が利用可能だ。
 一点気になったのは,無理矢理に日本語配列化した弊害なのだろうが,アニメーションを設定すると一部のキーが正しい色で光らない問題があったこと。下に示したビデオは,Engine 3から選択できるLEDイルミネーション設定プリセットから,アニメーションするものをピックアップしたものだが,「色が移り変わる」タイプのアニメーションで,[Windows]キーなど,いくつかのキーの色がおかしくなってしまっているのが分かると思う。
 MSIの日本法人であるエムエスアイコンピュータージャパンへ確認したところ,これは既知の問題として,SteelSeriesに修正を依頼済みという回答が返ってきた。なのでいずれ修正されると思うが,現状は押さえておきたい。


 LEDイルミネーションの発色は,びっくりするほど美しいというわけではなく,橙や黄,白といった色は明らかに濁ってしまう。ただ,赤緑青の3原色はキレイに出るので,このあたりを中心とした固定色で使うなら,現時点でも違和感なくイルミネーション効果を楽しめるのではなかろうか。

Engine 3から8キーの色を変更してみたところ。写真で上に見えるのがEngine 3側の色指定で,3原色はキレイに出ている。水,紫もまずまず
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スピーカーは論外ながら,ヘッドフォン出力は優秀。バーチャルサラウンドサウンド機能には向き不向きがある


GE63VR 7RF-003JPは,ステレオスピーカーを採用しながら音が左に寄ってしまう。この時点でスピーカーは評価の対象外だ
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 続いてはサウンドだが,スピーカー出力は残念と言うほかない。デンマークのスピーカーブランドであるDynaudio(ディナウディオ)のフルレンジスピーカーとサブウーファを左右2基ずつ搭載するGIANT SPEAKER……と聞くと,とても期待してしまうのだが,実際に再生すると,音は左に寄って定位してしまう。しかもかなり左,タッチパッドの左端あたりに寄ってしまうのだ。
 MSIは以前にも「ステレオスピーカーでの定位ズレ」を起こしたことがあるが(関連記事),悲しいことにこの問題は,GE63VR 7RF-003JPでも放置されてしまったわけである。

 一方,ヘッドフォン出力側には音質に定評のあるESS Technology製D/Aコンバータ「SABRE HiFi」が組み込んであるとのことで,実際,音質は良好だ。GE63VR 7RF-003JPでゲームなどの音を楽しむときは,ヘッドフォンやヘッドセットの利用「一択」ということになるだろう。

Nahimicは「バーチャルサラウンド技術」から3パターンのプリセットを選択してバーチャルサラウンドサウンド効果を利用できるが,いずれも基本的には音に包まれたい人向けという印象だ
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 MSIのノートPCというと,サウンドプロセッサスイート「Nahimic Audio Software」(以下,Nahimic)がお馴染みだが,今回,FPSでバーチャルサラウンドサウンド効果を確認すると,「サラウンド感」はあるのだが,奥行きを掴みづらく,いきおい,距離感を掴みづらいという問題があった。
 音に囲まれた感じを期待するならNahimicは応えてくれるが,FPSで情報としての音情報を知りたい場合は,Nahimicのバーチャルサラウンド出力機能は無効化し,ステレオで聞いたほうがいいと筆者(=BRZRK)は感じている。

Nahimicには,音の発生源をオーバーレイ表示させる「サウンドトラッカー」というチート機能が存在する。オーバーレイは画面内で好きなところに配置可能だ。ただこれ,発生源を直ちに知りたいような忙しいゲームほど,目でオーバーレイ表示を追っている余裕がなく,むしろ邪魔だった。息を潜めているような状況下で敵が歩いている方向を確認できるのは確かにアドバンテージかもしれないが,それは「ズル」なので,利用はくれぐれも自己責任で
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Dragon Centerで一番重要なのは復旧イメージの作成ツール「Burn Recovery」だと思う
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 ソフトウェアではもう1つ,統合ツールとしての「Dragon Center」がプリインストールされている点にも触れておく必要があるだろう。この手のツールの常として,復旧イメージを作成して,製品登録を行ったら後はあまり使わなくなったりするのだが,「システムチューナー」にある,USB Type-Aポートに埋め込んである赤色LEDの点灯/消灯切り換え機能は,人にとっては便利かもしれない。

USB Type-Aポートは標準で赤く光る。ケーブルを差せば光は見えなくなるので,このままにしておくのも手だが,持ち運ぶときのバッテリー駆動時間を気にするなら消灯のほうがいいだろう。Dragon Centerではそういう設定を行える
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Dragon Centerのシステムチューナー
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 また,オーバークロックは動作保証の対象外になるとされているため,4Gamerとして利用を勧めるものではないが,Dragon Centerのシステムチューナーにはオーバークロック関連の設定「Shift」もあるので,ここを使いたいという人もいるのではなかろうか。

 なお,システムチューナーにある「ファン速度」は,搭載する冷却ファンの回転数を調整するためのものだ。ただ,ファン回転数を最大にする「Cooler Boost」などは,正直,耐えられないレベルの動作音になったりするので,ゲーム用途や一般的なPC用途において,標準の「自動」から変更する必要はないように思われた。

本体底面(左)。写真左奥と右奥のところに冷却ファンがある。本体キーボード面の右には電源ボタンと,Engine 3のプロファイルを順繰りに切り換える[SteelSeries]ボタン,そしてファン回転数を自動とCooler Boost間で切り換える[ファン]ボタンがある。ファン回転数を強制的に最大化したい場合は,こちらのボタンを使うのも手だ
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インタフェースの並びは悪くない。底面カバーの取り外しは今回もメーカー保証失効に


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液晶パネルのある天板部はここまで開く
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電源ケーブルは奥へやってしまえばまず邪魔にならない
 そのほか,ハードウェアの細かい部分を見ておくと,液晶パネルのある天板部,そのヒンジは約150度くらいまで開くのを確認できた。本体側面と奥に向かって排気する仕様なので,この仕様は妥当だろう。
 各種インタフェースは本体両側面に散るタイプで,正面向かって左は奥から順にRJ-45(1000BASE-T)×1,HDMI Type A×1,Mini DisplayPort×1,USB 3.1 Gen.1 Type-A×1,USB 3.1 Type-C(※Gen.1と思われるが詳細未公開)×1,3.5mmミニピン×2(ヘッドフォン出力,マイク入力各1)。右は奥から順にACアダプター用×1,USB 3.1 Gen.1 Type-A×2,カードリーダー×1だ。ACアダプター接続端子が奥まったところにあるので,電源ケーブルがゲームプレイの邪魔になる可能性は低いと考えている。

本体両側面のインタフェース群。別途,2x2 MIMO対応のIEEE 802.11ac対応無線LANコントローラを内蔵している
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本体前面と背面側にインタフェースはない
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底面カバーを開けたところ。エンドユーザーが行う場合,この時点で保証は失効する
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 MSIはゲーマー向けPCメーカーの中でも相当に厳しい保証規定を設けており,標準の2年保証は,底面カバーを取り外しただけで失効する。なのでよほどの覚悟がない限り底面カバーを開けるべきではないのだが,今回はレビューのため特別に開けてみると,PCI Express x2もしくはSerial ATA 6Gbps接続のM.2ストレージ用スロット2基と,DDR4 SO-DIMMメモリスロット2基,2.5インチストレージスロット1基,Mini PCI Expressスロット1基にアクセス可能なことを確認できた。保証が切れる覚悟を決めれば,いま述べた部分を自分で変更することも可能というわけである。

本体内部。Cooler Boost 5と呼ばれる冷却機構がかなり大がかりであることと,モジュールやドライブへのアクセスは比較的容易であることが分かる
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M.2ストレージへアクセスする難度は若干高め。スピーカーケーブルと思われるケーブルの下にあるビスを外す必要がある点に注意したい
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4基のスピーカーは左右対称配置ではなかった。形状の異なる灰色カバーも気になるところで,これらが複合的に定位ズレを起こしている要因かもしれない


GTX 1070 Founders Edition搭載のデスクトップPCと性能を比較


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 さて,ここからはベンチマークテストに入っていきたい。
 今回は,4Gamerのベンチマークレギュレーション20.1から,「Superposition Benchmark」「Forza Horizon 3」を除くタイトルをピックアップし,さらに来たるレギュレーション21世代から「Middle-earth:Shadow of War」(以下,Shadow of War)を採用することにした。
 Superposition Benchmarkを省いたのは,「レギュレーション21世代においてShadow of Warで差し替える予定となっているため,早めに」という単純な理由によるが,ならForza Horizon 3はというと,フレームレート計測に用いる「OCAT」(Version 1.1.0.60ください)がGE63VR 7RF-003JP上で動作しなかったというのがその理由である。なぜ動作しないのかは分からないが,OCATなしでレギュレーション準拠のテストを行うことはできないため,こちらはやむなく除外することとなった。

 もう1つ,レギュレーション20世代以降ではグラフィックス描画負荷を揃え,3段階の解像度をテストすることになっているが,GE63VR 7RF-003JPが採用する液晶パネルの解像度は1920×1080ドットなので,今回は当該解像度と1600×900ドットに絞った。その代わりに,画面解像度は1920×1080ドットのまま,より低いグラフィックス設定プリセットで実行したテスト結果も参考値として採用することにした。具体的な「レギュレーション非準拠」のプリセットはそれぞれ以下のとおりだ。

  • Prey:中
  • Overwatch:NORMAL
  • PUBG:低
  • Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands(以下,Wildlands):中
  • Shadow of War:中
  • ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク(以下,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチ):標準品質(ノートPC)

 今回,GE63VR 7RF-003JPの比較対象としては,「GeForce GTX 1070 Founders Edition」搭載のデスクトップPCを用意した。主なスペックはのとおりだ。
 GE63VR 7RF-003JPが採用する「Core i7-7700HQ」(4C8T,定格2.8GHz,最大3.8GHz,共有L3キャッシュ容量6MB)と同じスペックのデスクトップPC向けCPUは存在しないため,ある程度近しいプロセッサとして「Core i7-7700T」(4C8T,定格2.9GHz,最大3.8GHz,共有L3キャッシュ容量8GB)を用いているので,その点はご注意を。
 比較対象機で使用したG.Skill International Enterprise製のメモリモジュール「F4-C3200C14D」は14-14-14-34のメモリタイミング設定に対応するオーバークロックモデルだが,今回はDDR4-2400の15-15-15-36アクセス設定としている。

 なお,テストに用いたグラフィックスドライバは,GE63VR 7RF-003JP,デスクトップPCとも,テスト開始時の最新版である「GeForce 388.13 Driver」で揃えた。


 なお,Windows側の電源設定はGE63VR 7RF-003JP,そして比較対象のデスクトップPCとも「高パフォーマンス」にしている。


GTX 1070搭載のデスクトップPCとかなりいい勝負ができるGE63VR 7RF-003JP


 以下,グラフ中に限り,比較対象のデスクトップPCを「GTX 1070」と表記することをお断りしつつ,「3DMark」(Version 2.4.3819)から順にテスト結果を見ていこう。グラフ1はDirectX 11テストである「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。最も描画負荷の高い「Fire Strike Ultra」だとスコアはほぼ横並び――正確を期せばGE63VR 7RF-003JPのほうが約1%低い――だが,比較対象のデスクトップPCと比べたスコアは,「Fire Strike Extreme」だと約98%,無印だと約95%といった具合に,描画負荷が低くなるほど開いている。
 3DMarkの場合,描画負荷が低ければ低いほどCPU性能がスコアを左右しやすくなるので,「GE63VR 7RF-003JPが搭載するノートPC向けGTX 1070と,比較対象のデスクトップPCが搭載するデスクトップPC向けGTX 1070の相対的な性能差が,Core i7-7700HQとCore i7-7700Tの間にあるそれよりは小さそう」と推測できよう。


 Fire Strikeのスコア詳細から,グラフ2はGPUテスト「Graphics test」の結果,グラフ3は事実上のCPUテストである「Physics test」の結果を,それぞれまとめている。
 前者において,GE63VR 7RF-003JPのスコアは描画負荷が高いほどスコア差は縮まっている。前述のとおり,比較対象機に比べてGE63VR 7RF-003JPのCPU性能はやや低めなので,GPU以外の性能差が出にくくなる高負荷のレンダリングほど,GE63VR 7RF-003JPのスコアが比較対象機に近づくわけだ。
 そのCPUのスコア差を見る後者だと,GE63VR 7RF-003JPのスコアは対デスクトップPCで92〜93%程度となっていた。


 同じ3DMarkから,DirectX 12ベースのテストである「Time Spy」の結果がグラフ4だ。
 総合スコアで,GE63VR 7RF-003JPは比較対象のデスクトップPCに対して約94%という結果だ。個別スコアを見ると,グラフィックステストの結果である「Graphics score」だと約98%なのに対し,CPUテストの結果となる「CPU score」では約89%に落ち込んでいるのが分かる。


 実際のゲームタイトルから,グラフ5〜7はPreyのスコアをまとめたものになる。前段でお断りしたとおり,3つ並べたグラフの3つめは今回,グラフィックス設定プリセットが異なっている点に注意してほしいが,平均フレームレートを見たとき,GE63VR 7RF-003JPのスコアは対デスクトップPC比で93〜98%程度。このクラスのGPUで最も重要なテスト条件である1920×1080ドットに注目すると,平均フレームレートは約95%,最小フレームレートは約80%と,最小フレームレートの落ち込みが大きい。
 最小フレームレートはそれでも91fps出ているため,プレイしていて問題は感じないが,傾向として,熱設計上の制限から逃れられないノートPCだと最小フレームレートが低めに出がちということは,押さえておきたいところだ。

 なお,「最高」プリセットの1600×900ドットと「中」プリセットの1920×1080ドットでGE63VR 7RF-003JPのスコア同士を比較すると,後者のほうが平均フレームレートは低めになった。


 グラフ8〜10はOverwatchのテスト結果である。
 OverwatchはGTX 1070クラスのGPUにとって十分に負荷の低いタイトルということもあり,テスト対象機で大きなスコア差は出ていない。厳正を期せば条件ごとに勝ったり負けたりしているが,ここは互角と見るべきだろう。GE63VR 7RF-003JPが,「ウルトラ」プリセットの解像度1920×1080ドットで最小105fpsを叩き出し,搭載する垂直リフレッシュレート120fpsの液晶パネルを十分に活かせると証明しているのは頼もしい。


 PUBGのスコアをまとめたものがグラフ11〜13だ。
 「高」プリセットの1920×1080ドットで,GE63VR 7RF-003JPはデスクトップPCに対し,平均フレームレートで約94%とまずまず健闘した一方,最小フレームレートでは約74%と大きく離された。おそらくはGE63VR 7RF-003JPで,描画負荷が下がったタイミングで思い切った電力制御が入っているのだろう。結果,ベンチマークレギュレーションが規定する合格ラインギリギリになり,それを本稿の序盤でBRZRK氏が敏感に感じ取ったということなのだと思われる。

 一方,「高」プリセットの1600×900ドットだと,GE63VR 7RF-003JPは対デスクトップPCで平均フレームレートが約86%とかなり離された。現状のPUBGはCPU負荷の高いタイトルなので,描画負荷が下がることで平均フレームレートはデスクトップPCが有利になるということなのだろう。一方,最小フレームレートが70fpsで並んだのは偶然によるところが大きいのではないかと考えている。


 グラフ14〜16はWildlandsの結果で,GE63VR 7RF-003JPが比較対象のデスクトップPCよりわずかに低いスコアを一貫して維持していることが分かる。Wildlandsは描画負荷が高いタイトルなので,「描画負荷の下がったタイミングでGE63VR 7RF-003JP側の電力管理機構がフレームレートを下げる」挙動が働いていないのだろう。
 試しに,さらに描画負荷を下げ,「中」プリセットで解像度を1600×900ドットに指定してみたところ,スコアはGE63VR 7RF-003JPが最小98.9fps,最小77.6fps,デスクトップPCが順に110.7fps,97.8fpsとなった。ここまで下げると電力管理機構が働くようだ。


グラフィックス設定プリセットは6段階。今回はそこから「ウルトラ」「中」を選択した
G Series
 現時点でレギュレーション未採用のShadow of Warだが,今回は6段階(と「カスタム」)で用意されるグラフィックス設定プリセットのうち,最も描画負荷の高い「ウルトラ」を軸に,上から4番めの「中」も交えることにした。

 フレームレートの計測にはFrapsを利用。メインメニューで「新しいゲーム」を選択し,ゲームがスタートした時点で計測をスタート。ゴブリンを倒しながらゲームを進め,1分間経過した時点での平均フレームレートをFrapsで記録する。先に何度か宮崎真一氏が実施したテストとは違って,敵を倒しながら進める実プレイとなるため,テストは毎回微妙に変わり,結果,取得できるフレームレートにはややブレが出る。そのため今回は,テスト条件ごとに2回連続して実施し,平均値をスコアとして採用することにした次第だ。

ゲームをスタートしすぐにFrapsで計測開始。ゴブリンを倒しながら先に進み,1分間の平均フレームレートを測るというテストを今回は行った
G Series G Series

 というわけで,結果がグラフ17〜19となる。「ウルトラ」設定の1920×1080ドット条件におけるスコアで比較すると,対デスクトップPCにおけるGE63VR 7RF-003JPの結果は平均フレームレートで約86%,最小フレームレートで約81%だった。より描画負荷の低い条件だといずれもスコア差が縮まった。全体的にGE63VR 7RF-003JPは不利だが,描画負荷が高い条件でとくに不利とまとめられそうである。


 FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチの総合スコアがグラフ20だ。FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチはGTX 1070クラスのGPUにとって十分に負荷が低いこともあって,GE63VR 7RF-003JPでは描画負荷が一定水準を下回ると動作クロックが低く抑えられ,対デスクトップPCでスコアが大きく落ち込むのが見てとれる。
 一方,「最高品質」の1920×1080ドットだと対デスクトップPCで約84%。おおむねShadow of Warに近い結果だ。


 グラフ21〜23はFFXIV紅蓮のリベレーター ベンチの平均および最小フレームレートをまとめたものだが,総合スコアを踏襲したものになっている。「最高品質」の1920×1080ドットで平均84.5fps,最小66fpsを示しているので,ゲームプレイには何の問題もない性能が得られていると言っていい。


付属のACアダプター。出力仕様は19.5V 11.8Aだ
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 最後に,気になる消費電力もチェックしておきたい。
 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,ディスプレイの電源がオフにならないよう設定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時として,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」からデータを取得することにした。GE63VR 7RF-003JPはバッテリーパックの着脱に対応しないため,ACアダプターによる給電を行った,満充電状態でのテストとなる。

 結果はグラフ24のとおりだ。GE63VR 7RF-003JPでピークを記録したのはOverwatchで,約195W。一方の比較対象機でもOverwatchで,こちらは約217Wだった。その差22Wである。GE63VR 7RF-003JPの場合,垂直リフレッシュレート120Hz表示に対応する15.6インチ液晶パネルの消費電力も込みなので,性能差を考えるに,GE63VR 7RF-003JPの電力性能はかなり高いと言えそうだ。
 ちなみに,アイドル時のGE63VR 7RF-003JPの消費電力が50Wを超えているが,これは高パフォーマンス設定かつディスプレイのバックライトが常時点灯しっぱなしになっていることが原因である。液晶パネル込みのアイドル時と考えれば十分に低い消費電力なので,その点は誤解なきよう。



基本性能のレベルは相当に高く,それだけに使い勝手周りが残念


 例によって細かく見てきたが,まとめよう。良いところと残念なところ,人によって評価が割れるであろうところは,おおむね以下のとおりだ。

良いところ
  • 垂直リフレッシュレート120Hz対応で,ゲーマー向けモデルとしては色の出方も申し分のない液晶パネル
  • 液晶パネルの持つ性能とバランスが取れているGPU性能
  • 高い筐体冷却性能
  • ゲーム用途でしっかりした打鍵感が得られるキースイッチ
  • 2chステレオで優れた品質のヘッドフォン出力

残念なところ
  • 右に行けば行くほどひどい配列になるキーボード
  • 品質を論ずるに値しないスピーカー定位
  • 底面カバーを開けただけで失効するメーカー2年保証

人によって評価が割れるであろうところ
  • キーボードの同時押し対応数が最小5キー
  • 音に包まれた感覚をもたらす(=情報としての音を求める人には向いていない)バーチャラルサラウンドサウンド機能
  • G-SYNC非対応
  • 色設定によっては濁る,キーボードLEDイルミネーション

製品ボックス
G Series
 こうして並べてみると分かりやすいのだが,GE63VR 7RF-003JPの基本性能はとても満足のいくものだ。GPUも,GPUによって描画された映像を表示するディスプレイパネルも,GPUやCPUの熱を処理する冷却機構も,レベルはとても高い。

 一方,その脇を固めるべき「キーボード」と「スピーカー」が実にお粗末で,このアンバランスさが,基本性能だけなら本当にすばらしいGE63VR 7RF-003JPを,心からは勧めづらいものにしてしまっている。「店頭デモ機としての見栄えはすごくよいのだが,購入して自宅で使い始めた途端にがっかりする感じ」と書いたら伝わるだろうか?

 「ゲーム専用」かつ「音はヘッドフォンやヘッドセットでしか聞かない」前提で,できるかぎり「価格対完成度比」の高いゲーマー向けノートPCを探している人向け。GE63VR 7RF-003JPはそういう製品であり,致命的な2つの問題に目を瞑れるならアリだ。

いやほんと,スピーカー出力とキーボードの配列以外はすごくいいバランスなんですよ……
G Series

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MSIのGE63VR 7RF-003JP製品情報ページ

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