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タイトー社内イベント「第5回接客スタァ誕生!! 記念大会」をレポート。さまざまな状況を巧みに切り抜け,見事“接客スタァ”の座を勝ち取ったクルーは?
これは,タイトークルーの接客技術や,同社ブランドの向上を目的に開催されるコンテスト。出場者達は,従業員教育プログラムを通じて培った接客スキルを披露し,腕を競い合う。
基本的には,タイトーの社内イベントという位置づけだが,同社のアミューズメント施設に対する取り組みがよく分かるので,その様子をレポートしよう。
ちなみに4Gamerでは,2010年に開催された第4回のレポート記事を掲載しているので,そちらも参考にしてほしい。
5回目となる今回は「記念大会」と銘打たれ,これまで以上に“ココロ”を意識し,“感動のおもてなし”を提供できるような接客を行うことが目標に掲げられた。
審査員を務めたのは,タイトーの代表取締役社長である和田洋一氏,同 常務取締役の石井光一氏と小島理一氏,同 取締役の大和一彦氏。そして昨年同様,特別審査員として,タイトーのニンテンドーDS用ソフト「私のハッピーマナーブック」を監修したマナー講師,西出博子氏が審査に参加した。
接客スキルの審査は,クレーンゲームやプリクラ,メダルゲームなどが配置されたステージをアミューズメント施設に見立て,そこでのロールプレイ(役割演技)をもとに行われた。「スタンダード」(接客上の基本的なスキル),「サポート」(来店者と良好な関係を作るスキル),「ストーリー」(来店者に感動のおもてなしをするスキル)について,それぞれ50点満点で採点するという方式だ。
なお今回は,“よそ行き”ではない普段の接客も審査の対象とされた。大会に出場する25店舗で事前に覆面審査が行われ,そのときの接客内容も評価するという,新たなルールが採用されていたのだ。出場するのは1名ずつだが,各店舗のクルー全員が参加しての大会ともいえるだろう。
身だしなみや挨拶,来店者への声がけ,ゲーム機のルール説明やプレイするうえでのアドバイス,トラブルへの対応など,広範にわたる接客スキルが審査の対象となるわけだが,今回はこれまでとは異なり,各店舗から1名のみが出場するということで,一人で複数人に対応するという,より高度な接客スキルを試すシチュエーションも用意された。
同じタイプの来店者が相手でも,クルーの対応次第でその後の態度がさまざまに変化することが分かり,興味深かった。
業務のために両替を行おうとする部外者に対応しているシーン。ほとんどの出場者は両替を断り,店外に送り出していたが,コミュニケーションを通じてゲーム機に誘導するというハイレベルなスキルを披露する出場者もいた |
「侵略!イカ娘」のTシャツを着込み,イカ娘のプライズが入っているクレーンゲームの前に現れた来店者(語尾に「ゲソ」を付けて話していた)。さまざまな来店者に対応するにあたって,幅広い作品に関する知識を身につけることが重要となりそうだ |
クレーンゲームでは,自らの手で景品を獲得する喜びを味わってもらうことが重要とのこと。あまりに簡単な場所に景品を動かしたり,クルーが来店者に代わってプレイするのはNGとされている |
メダルゲームはルールが複雑なので,説明にはしっかりとした知識が必要。また,両替とメダル交換を間違えた来店者に対するフォローも審査の対象となっていた |
応援合戦の様子。客席にいる仲間達から,ステージ上の出場者に対してあたたかい声援が送られていた |
出場者には,各審査員から激励の言葉が寄せられた。特別審査員を務めた西出氏が厳しく指導するシーンも |
ステージ上で,多数の観客を前にしての接客というシチュエーションだったうえ,単独での出場ということで,緊張のあまり普段どおりに接客できず,悔しい表情を見せる出場者もいた。とはいえ,上で述べたように,今回は事前審査での評価も加味されるため,ロールプレイがすべてではない。
すべての出場者によるロールプレイが終了したあと,和田氏より,特別審査員賞のほか,第3位と第2位,そして第1位にあたる“接客スタァ”が発表された。
とくに,後者のゲームのルールを破ると,来店者の夢を壊す結果になるとのこと。和田氏は,プライズゲームを例に,景品を取りやすく設定するのはいいが,ゲームの余地を残さなければ来店者の楽しみを奪ってしまうことになると説明した。
また和田氏は,こういったルールは,あらゆることが起きうる現場において,あまり細かくは決められないと付け足した。ルール違反だからと断固として禁止するのか,多少であれば許容するかは,現場のクルーが状況に応じて判断すべきであるという。
今大会のロールプレイには,そのような柔軟な判断が求められるシチュエーションが,いくつか用意されていたとのことで,それぞれの出場者は,自分が勤める店舗での経験などをもとに,そういった状況に対処したのだろう。出場者ごとの対応の違いや,それによる来店者の態度/行動の変化が分かり,普段,施設を利用する側としてクルーに接している筆者にとっても,興味深いイベントだった。
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