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印刷2011/07/16 00:00

レビュー

刑事モノアドベンチャーの一つの完成形ともいえるロックスター・ゲームスの意欲作

L.A.ノワール

Text by Alexander服部


L.A.ノワール
 映画に“フィルムノワール”というジャンルがあるのをご存じだろうか。明確な定義が存在するわけではないが,1950年前後を舞台にした犯罪映画で,刑事や探偵を主人公に据えた作品が多い。時代背景的に,第二次世界大戦が終結し,冷戦に突入する時期ということもあり,社会を覆う不安感や虚無感が,作風に暗い陰を落としている場合がほとんどだ。
 今回紹介する「L.A.ノワール」PS3 / Xbox 360)は,タイトルからも分かるように,そんなフィルムノワールを意識したアクションアドベンチャーである。

L.A.ノワール
L.A.ノワール L.A.ノワール

 本作の舞台は1947年のロサンゼルス。ハリウッドが最も華やかで,酒やドラッグが蔓延し,戦争帰還兵達が生活苦にあえぎ,一部の権力者達が絶大な影響力を持っていた時代だ。そんな混沌としたビッグシティで,LAPD(LosAngels Police Department)所属の主人公 コール・フェルプスが,さまざまな犯罪に立ち向かっていくというのが,本作のストーリーとなっている。

「L.A.ノワール」公式サイト



最新の技術で生まれ変わった刑事モノアドベンチャー

派手なオープンワールド型アクションとは別物だ


L.A.ノワール
 ゲームの基本的な流れは,事件の発生を受けた主人公が,担当捜査官として現場に向かい,現場検証や聞き込み捜査などを行い犯人の目星を付け,尋問などを通じて事件を解決するという感じだ。昔,「琥珀色の遺言」や「J.B.ハロルドシリーズ」などが好きだった人にはお馴染みの,コマンド選択式の探偵アドベンチャーゲームと大きくは違わない流れといえるだろう。
 しかしL.A.ノワールは,作り込まれた箱庭世界の中を,ある程度自由に動き回れる3Dアクションアドベンチャーだ。つまり,現場へ行くために,自分で車を運転する(あるいは運転してもらう)必要がある。ナビゲーションに関しては,ロックスター・ゲームス作品でいうと「グランド・セフト・オートIV」(PS3 / Xbox 360)よりも「Red Dead Redemption」(PS3 / Xbox 360)に近い形で,目的地の方角や距離を教えてもらえる程度。古き良きロサンゼルスの街並みを眺めながら,当時の流儀でゆっくりと現場に向かえば良い。
 近代のニューヨークを舞台とするGTA4とは異なり,この時代のロサンゼルスには空き地が多く,Crazy Taxiよろしく道無き道を利用したショートカットが可能。現場に向かう途中で応援の無線が入ったら,そちらに対応してから自分の仕事に取りかかってもいいし,無線を無視して一直線に現場へと向かい,事件解決を目指しても良い。このあたりは,GTAシリーズで培った「プレイヤーの意志に任せるゲームデザイン」がうまく盛り込まれていて好印象だ。

L.A.ノワール L.A.ノワール

L.A.ノワール
 ちなみに,途中で車が壊れてしまった場合,警察官であることを最大限に活かして,一般市民に協力してもらい,車を借りることもできる。車の運転そのものが面倒な際には,相棒に運転させることも可能だ。基本的にはGTAシリーズを踏襲した移動システムだが,移動にかかるストレスは,過去作品群と比較するとかなり緩和されている印象だ。プレイヤーは移動の煩わしさを感じることなく,本格的な捜査活動をたっぷりと堪能することができる。

 それゆえ,これまでのGTAシリーズと同様のプレイフィールを想像していると,少々ガッカリする人がいるかもしれない。あくまで本作は,アドベンチャーゲームの進化形であり,オープンワールドで縦横無尽に暴れ回れる類のアクションゲームではないのだ。


攻略に詰まることはまずないが

納得いく形で事件を解決するのは難しい


L.A.ノワール
 メインストーリーの進行は,基本的に事件単位になっており,「第一話○○殺人事件」「第二話○○誘拐案内」のような感じでゲームを進めていく。ロックスター・ゲームスお得意のフリーダムなゲーム進行とは異なり,かなり小説や映画を意識した作りと言えるだろう。
 事件の内容に関しては,後味が悪い(ハッピーエンドではない)ものが多く,真剣にプレイしているとかなりまいるのだが,エピソードの冒頭では,事件に関するブリーフィング(ムービーシーン)が挿入されるので,気分を切り替えるにはちょうど良い。
 ちなみに,クリア済みの事件を再度プレイすることもできるので,「もう少し後味の良い結末があったんじゃないか」と思ったら,あらためてじっくりと,事件に向き合っても良いだろう。

 ちなみに本作では,事件を解決するために,かなり能動的に情報を集めなければならないが,遺留品が全部揃わなくても,尋問に失敗しても,ストーリーが進んでしまうことが多い。一昔前のアドベンチャーゲームのように“コマンド総当たり”ができないシステムなのだ。

L.A.ノワール

L.A.ノワール
 例えば尋問では,MotionScanという技術によって表現された,対象者の表情の変化を読み取りつつ,3通りのリアクションの中から適切なものを選ばなければならない。表情を読み間違え対応に失敗すると,相手は機嫌を悪くして黙ってしまうことがある。プレイ中に時間を戻すこともできないし,同じ質問を繰り返すこともできないのだ。
 よって,もやもやしたまま捜査を継続するという事態を避けるためには,セリフや遺留品の情報を,プレイヤー自身がしっかりと把握しておく必要がある。新たな情報を入手すると自動的に更新される警察手帳を活用するなどして,刑事になりきってプレイすることは,世界観を満喫する意味でも,ゲームを攻略する上でも重要なことなのである。
 ……なんていうことを書いてしまうと,相当難度が高いゲームのように思えてしまうかもしれないが,そんなことはない。捜査に行き詰まったら,「こちら」のプレイレポートでも紹介している“直感に頼る”というコマンドを利用すれば,攻略がグッとラクになる。全体的に,さほどシビアなアクション要素も盛り込まれていないので,コアゲーマーでなくてもプレイ自体は楽しめるはずだ。

L.A.ノワール


人を選ぶのは間違いないが

「コレを待っていた」人も多いはず


L.A.ノワール
 本作をプレイしていてとくに感心させられるのは,“描写”への徹底的なこだわりである。キャラクターを演じる俳優を32台ものカメラで撮影し,細かな表情の変化をも再現するMotionScanという技術については,すでに4Gamerでも紹介済みだが,これはあくまでも手段であって,目的ではない。MotionScanによって生み出されたNPCとの生々しい駆け引きは,聞き込み/尋問を扱うアドベンチャーゲームの魅力を,確実に高めていると断言できる。「相手の表情の変化から情報を読み取る」というアドベンチャーゲームファンの夢(?)を,L.A.ノワールは見事に叶えてくれたのだ。
 もちろん,緻密なグラフィックスと雰囲気のある音楽が作り出す,世界観の描写も純粋に素晴らしい。街や建物をはじめとするオブジェクトの作り込みや,登場人物達のファッションを含めた個性,そして発生する事件とその背景などに,プレイヤーはいちいち感心させられることになるはずだ。
 ちなみに筆者はハードボイルド小説も好きなのだが,本作の主人公からはレイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウよりも,ロス・マクドナルドのリュウ・アーチャーに近いものを感じた。ただそれは,筆者がそういったキャラクターになりきってプレイしていたからかもしれず,プレイヤーによってはずいぶんと違った印象を抱くことになるかもしれない。捜査手順が異なれば,事件から受ける印象も大きく変わるという点も,本作の興味深いところなのだろう。

L.A.ノワール L.A.ノワール

L.A.ノワール
 現在,古き良き時代のアドベンチャーゲームは,人気があるジャンルとは言えない。昔は「look watch」のように文字列を直接入力することでゲームを進めていたアドベンチャーゲームだが,コンシューマ全盛期にはコマンド選択式が一般的になった。その結果,アドベンチャーゲームのプレイアビリティは確実に高まったものの,「コマンド総当たりでクリアできてしまう」という問題が生まれることになった。加えて,アクションゲームやRPGが好きな人からは,そもそも「対象外」のゲームとして見られることも多くなった。

 しかしL.A.ノワールは,ガチの刑事モノアドベンチャーゲームであるにも関わらず,映画や小説に匹敵する世界観/ストーリー性を実現し,さらにアクションゲームとしての面白さまで盛り込んできた。エンターテイメントとして非常に完成されているだけでなく,アドベンチャーゲームという若干地味なジャンルに,再びスポットライトを当てることにも成功しているあたり,ロックスター・ゲームスの実力を感じずにはいられない。

 日本ではあまりなじみのないフィルムノワールがモチーフということで,少々人を選ぶ部分はあるかと思うが,「刑事モノアドベンチャーゲームをロックスター・ゲームスが作ると,こうなるのか」という驚き与えてくれることは間違いない。従来のアドベンチャーゲームやFPS,RPGなどとは異なるエンターテイメント体験を味わってみたいというゲーマーには,声を大にしてオススメしたい一本だ。CERO Z(18歳以上対象)作品に抵抗のない大人ゲーマーは,ぜひ本作の購入を検討してみてほしい。

L.A.ノワール

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