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印刷2012/01/10 00:00

イベント

サイバーコネクトツーが「ソラトロボ感謝祭」を開催。新たな「リトルテイルブロンクス」の物語も制作進行中?

Solatorobo それからCODAへ
 2012年1月7日,サイバーコネクトツー(以下,CC2)は,イベント「ソラトロボ感謝祭 それから2012」を開催した。
 このイベントは,同社が開発を手がけたニンテンドーDS用ソフト「Solatorobo それからCODAへ」(以下,「Solatorobo」)の発売1周年を記念し,催されたもの。本記事では,会場で披露された同タイトルのクリエイター陣によるトークショーとライブ演奏の模様をお伝えしよう。
 また,記事の後半では,イベント後に行ったインタビューも掲載しているので,「Solatorobo」ファンはお見逃しなく。

Solatorobo それからCODAへ Solatorobo それからCODAへ

サイバーコネクトツー 代表取締役社長 松山 洋氏
 最初に登壇し開幕の挨拶を述べたのは,「Solatorobo」のエグゼクティブディレクターを務めた,CC2 代表取締役社長の松山 洋氏。松山氏は「Solatorobo」が2010年10月に発売されたことに言及し,それから1年以上も経っているにも関わらず,こうしてイベントに足を運んでくれるファンに感謝するとともに,同タイトルがCC2を代表するソフトであると述べる。

 続くトークショーでは,「Solatorobo」のディレクター/デザイン原案を務めたWAKAこと,CC2の磯部孝幸氏,オープニングアニメーションのコンテ・演出を担当した山川吉樹氏,キャラクターデザインを手がけた結城信輝氏,そして松山氏の4名が,同タイトルの開発にまつわるエピソードを披露した。


結城信輝氏
 最初のお題となったのは “「ソラトロボ」の企画を見たときのファーストインプレッションは?”というもので,最初に答えを求められた結城氏の回答は「この会社はまだあったのか,と思った」というもの。言葉だけだと,かなりひどく聞こえるが,これには理由がある。というのも「Solatorobo」の前作にあたる「テイルコンチェルト」がリリースされたのは1998年のこと。当時,企画書や資料に記載された「リトルテイルブロンクス」の世界に一目ぼれした結城氏は,忙しいスケジュールを無理に調整してキャラデザインを引き受けていたのだ。それから10年以上の歳月を経て続編の話を聞いた結城氏は,上記のように驚いたと同時に,再び自分が起用されることを非常に嬉しく思ったという。
 また松山氏も,キャラデザインは結城氏しかいないと考えており,ほかに抱える仕事が忙しくて作業が進まなくとも,何年も待つと伝えていたそうである。実際,「Solatorobo」での結城氏の作業がすべて終了するまでに2年の歳月を要したとのことだ。

山川吉樹氏
 山川氏は,自身が「Solatorobo」のように「ちゃんとしすぎている」設定を持ったタイトルを手がけたことがなく,さらに以前からのファンである結城氏が参加していることもあって「本当にワシでいいの?」と思ったという。
 また松山氏が,山川氏は作業が早く,すぐにコンテが上がってきたうえに,一発OKだったと話すと,山川氏もCC2からの返答が早かったことに驚いたと返していた。松山氏は,CC2でもほかの企業からの対応待ちで作業が滞ってしまうケースがあるので,自分達では可能な限り早い返答を心がけていると説明していた。

 次のお題は,“「ソラトロボ」で好きなキャラクターは?”というもの。磯部氏はヒロインのエルを挙げ,「陰があって深みの出ているキャラ」と説明する一方で,「ツンデレだからいい」と本音(?)を明かしていた。

 山川氏は,結城氏のキャラは全部描きたいと述べ,「その中でも後半に出てくる白い奴ら」とあやふやな回答をして,松山氏に「ネロとブランク」と突っ込まれていた。何でも山川氏は作業を進めているうちに,ケモノキャラのマズル(鼻から口にかけてのライン)を納得のいくバランスで描けないことに気づき,人間であるネロとブランクをもっと描きたいと思ってしまったのだそうだ。ちなみにファンブックに寄稿した山川氏のイラストもネロとブランクのものだが,着色は色指定の人にお願いしてやってもらったとのことである。山川氏は頭の中では白黒で映像を組み立てるそうで,この例に限らず,色に関しては基本的に自分よりも上手な専門職に任せていると話していた。

 結城氏はメルヴェーユを挙げ,尖ったマズルと,理知的なお姉さんという雰囲気が気に入っていると説明。メルヴェーユに関しては,自身はほぼ手を加えておらず,磯部氏が描いた原案のままにしているそうだ。なお,結城氏もキャラ名を忘れていたのか,間違って「ミルフィーユ」と回答してしまい,松山氏に「美味しそうだけれども」と突っ込まれていた。

 最後のお題となる“「ソラトロボ」に携わった中でこだわったことは?”について,磯部氏は「膨大な設定と世界観をビジュアル表現すること」と回答する。それに応えて,松山氏も一度作ったモーションイラストデモを丸々作り直したエピソードを披露。当初は2Dで作ってみたのだが,あまりにも普通だったので,試しに一部のシーンをポリゴンメッシュを使って2.5Dにしてみたという。そしてエルの寝顔ができたところで,「やってみよう」ということになり,全面的に2.5Dで作り直すことにしたそうだ。

「Solatorobo」ディレクター/デザイン原案 “WAKA”こと磯部孝幸氏
 山川氏は,ビスの付いたレトロなメカが大好きとのことで,大砲を撃ったときに出る黒色火薬の黒い煙など,意図的に古い感じを入れていったという。いわゆる“スーパーメカ”として表現してしまわないよう,さまざまな雑談を交えて,ほかのスタッフの記憶に残るよう打ち合わせを進めたとのことだが,山川氏はその過程について「いかに相手をそそのかすかが重要」と説明していた。

 結城氏は,ニンテンドーDS用ソフトであることと,「テイルコンチェルト」の作風を踏まえて,一貫して“子どもにアピールすること”を心がけたと述べる。
 磯部氏のキャラデザイン原案を初めて見たときは,長い歳月の試行錯誤が“迷走”と化しており,「テイルコンチェルト」とはアピールする部分が変わってしまったと感じたそうだ。そこでディテールをいったんシンプルなものに戻し,そこからアップにしたときに寂しくならないよう再びパーツを加えたりといった作業を施し,最終的なデザインになったというわけである。

 続いてステージでは,「Solatorobo」の主題歌を歌う音楽ユニットLieNによるミニライブが催され,同タイトルのサウンドトラックから「それからCODAへ」「流れ星☆キラリ」「Re-CODA」の3曲が披露された。その中でも「流れ星☆キラリ」は,アイドルのココナが歌う曲という設定だが,容量の都合でゲーム本編には収録されなかったというもの。さらにステージでは,サウンドトラックとはまた異なるフルバージョンが披露されたのだが,来場者達は絶妙のタイミングで「ココナちゃ〜ん」という掛け合いの声を入れていた。


 そして最後に演奏された「Thank you for...」は,このミニライブのために作詞作曲を手がけるCC2の福田考代氏が書き下ろしたもので,ゲームなどのプロジェクトに合わせて楽曲制作を行ってきたLieNとしては,初のメッセージソングとなる。
 福田氏いわく,この曲は2011年に起きた震災などで再認識された家族や友人の“繋がり”“絆”をテーマにしているとのことだ。またボーカルの三谷朋世さんは「ありがとう」という歌詞が出てくることに言及し,この曲では感謝を言葉にして述べることの大切さをメッセージにしていると話していた。

LieNのボーカルを担当する三谷朋世さん
LieNの作詞・作曲を手がける福田考代氏。CC2のサウンドデザイナーでもある

広報/Webデザイナーのソラノウチ氏のサイン色紙。氏はニコニコ動画風の映像で引退を発表したが,松山氏によれば退社後もCC2と関わっていくとのことだ
Solatorobo それからCODAへ
 そして登壇者およびCC2スタッフのサイン色紙がプレゼントされた抽選会ののち,イベントはエンディングとなり,登壇者達が来場者に向けて,登壇者達があらためて感謝を述べた。その中で松山氏は,日本のパッケージソフト中心のゲーム市場では発売日がピークであり,そのあとイベントを開催することは難しいと説明。しかし今回,「Solatorobo」の発売から1年以上経ってデベロッパとしてイベントを開催できたのは,パブリッシャのバンダイナムコゲームスから快諾を得られたこと,そして何より来場者をはじめとするファンの応援があったからこそであると話す。そして「皆さんの応援がある限り『リトルテイルブロンクス』の世界は不滅です」と述べ,そう遠くない将来に何かしらの発表があることをほのめかし,イベントを締めくくった。

Solatorobo それからCODAへ
松山氏のサイン色紙
Solatorobo それからCODAへ
磯部氏のサイン色紙
Solatorobo それからCODAへ
山川氏のサイン色紙
Solatorobo それからCODAへ
結城氏のサイン色紙
Solatorobo それからCODAへ
LieNのサイン色紙。このためにサインを考えたという
Solatorobo それからCODAへ
メカニックイラストレーション 谷口欣孝氏のサイン色紙。谷口氏は「Solatorobo」のファンイラストにはメカを描いてもらえると嬉しいそうだ
Solatorobo それからCODAへ
3D背景と2Dイラスト,キャラの立ち絵などを担当したアーティスト まめ助氏のサイン色紙。色紙横の一連のスタッフイラストもまめ助氏が手がけている
Solatorobo それからCODAへ
美術設定を担当したアーティスト 犬丸氏のサイン色紙。犬丸氏は映像中で「リトルテイルブロンクス」の世界は続いていくという旨の爆弾発言を行った


発売後1年以上経ってからイベントを開催した真意とは? 開発タイトルやファンに対する思い,そして次回作に賭ける意気込みを登壇者に聞いた


Solatorobo それからCODAへ
 イベント終了後,松山氏と磯部氏,そしてLieNの三谷さんと福田氏に,今回のステージの感想や,今後の展望などについて話を聞くことができたので,以下に掲載しておこう。

4Gamer:
 イベント,お疲れ様でした。早速ですが,本日の感想をお願いします。

磯部氏:
 ステージでも言いましたが,発売から1年以上経っても,こうして来場していただけることに絆や熱気を感じます。
 私自身も楽しみましたし,皆さんにも楽しんでいただけたので,本当に幸せです。

三谷さん:
 とにかく緊張してしまって(笑)。リハーサルのときは何をしゃべろうかと思っていたんですが,お客様の温かさに助けられて,自然と言葉が出てきました。感謝祭なので,こちらが皆さんに感謝する立場なのですが,逆に元気をいただいたという感じです。

Solatorobo それからCODAへ
福田氏:
 リハーサルですごく涙を流してしまって,メイクさんから「メイクが流れて黒い涙になるから」と注意されたので,本番は我慢していました。
 会場の皆さんから感じたのは,やっぱり“パワー”ですね。私達は発信していく立場にいますが,逆に“もらう”ことのありがたさを感じました。とくに「Thank you for...」は,皆さんの反応もすごくよくって,書いてよかったです。ああもう,泣いちゃいそう(笑)。心から「ありがとう」って言いたいです。

4Gamer:
 松山さんはいかがですか?

松山氏:
 実は今日,チケットを買っていただいたお客様とは別に,仲のいいゲーム開発者を招待していたんです。イベント後,彼ら同業者と話をすると非常にうらやましがられました。というのは,デベロッパが自分達で作ったタイトルのイベントを開催することってなかなかないんですよね。当然ですが,こういったイベントは,“売る”責任を持つパブリッシャが主催するものですから。

4Gamer:
 確かに,あまり例がないかもしれません。

松山氏:
 例えば「Solatorobo」は,バンダイナムコゲームスさんがパブリッシャです。しかしバンダイナムコさんは,ほかにもいっぱいタイトルを手がけているので,その一つ一つでイベントを開くことはできません。
 その一方で,我々デベロッパにとっては自分達の作るタイトルがすべてです。またゲームを買って,遊んでクリアして終わりではなく,そのあとも世界観を楽しみたいという方は少なからずいらっしゃいます。実際,私自身も子どもの頃はそうでしたし。
 そこで“閉じない世界”を,我々作り手側を用意する必要があると常々考えていたんです。パブリッシャ側が一通りの商売を終えたあと,そうした子ども達の期待に応えられるのは,結局,作り手である我々だろう,と。

4Gamer:
 実際,イベントを終えてみて手応えはどうでした?

松山氏:
 今回は,デベロッパもこういう形でお客様に感謝を示せるということを具現化できましたし,それはお客様にも同業者にも伝わったと思います。
 またCC2のスタッフ,とくに福岡にいるスタッフは,実際にお客様と顔を合わせることが少ないんです。それはデベロッパという裏方の仕事である以上,仕方ないことですが,お客様と可能な限り顔を合わせることで,制作・開発のモチベーションに繋げていきたいですね。これから先,CC2が手がけるタイトルに関しては,ファンブックや設定資料集,あるいは今回のようなステージイベントを用意して実績を重ね,たくさんの人を一度に幸せにできるような試みを続けていきます。いろいろ課題はあるかと思いますが,よく社内では「CC2だけは諦めずにやる」と言い続けています。

4Gamer:
 会場でニンテンドー3DSの「すれちがい通信」を見ていたんですが,「Solatorobo」をスロットに挿しているファンも多かったようです。

松山氏:
 たぶん,1年ぶりくらいに起動したという人も多いと思いますけどね。もう,とっくにクリアしているはずですから(笑)。
 今は便利な世の中になってゲーム内の「エアロボグランプリ」で知り合った同士が,Twitterやブログで繋がったりもしているんですよね。今日は会場がオフ会のようになっていて,通信プレイで一緒に遊ばれている様子を見ることができました。ああいう光景は博多にいるとなかなかないから嬉しいです。

4Gamer:
 クリエイター陣のトークショーも盛り上がりましたね。

松山氏:
 山川さんがおいしいポジションでしたね。でも,あの人は打ち合わせでもどこでもフワッとした感じなんですよ。

4Gamer:
 LieNがライブ演奏を披露したのは今回が初めてですか?

松山氏:
 2010年5月に,バンダイナムコさんの「.hack//LIVE 劇奏」に参加しています。ただ,単独かつCC2のイベントということなら今回が初めてですね。

4Gamer:
 三谷さんのボーカル曲はもはやCC2タイトルではお馴染みですけれども,「Solatorobo」でも最初からLieNの起用を決めていたんですか?

松山氏:
 もちろんです。我々としては,当然歌モノを入れたいですから。
 ところがバンダイナムコさんクラスの大企業となると,「あとからタイアップ曲が付くかもしれない」というような理由で,どうしても判断が遅れるんですよね。そこで「.hack//G.U.」のときは,黙ってLieNの主題歌を用意したんです。あとからタイアップで主題歌が決まったら,LieNのほうは挿入歌に切り替えればいいわけですし。
 その結果,お客様の反応をはじめ非常に評判がよかったので,以降のCC2タイトルでは「Solatorobo」を含めて積極的に歌モノに取り組むようになったんです。

4Gamer:
 ちなみに今回演奏したボーカル曲は,3曲ともゲームに使う前提で収録したんですか?

松山氏:
 いえ,ゲームに入れるのは当初からオープニングとエンディングの2曲だけでした。「流れ星☆キラリ」は,あとから収録したんです。
 というのは動画も同時に流すので,どうしても容量が足りなくなるからです。さらにはエンディングも収録はしたのですが,容量の関係でそのデータを使えず,ひょっとするとシーケンスで音楽を流すことになるかもしれないという事態になっていました。

福田氏:
 エンディングに歌を使いたいといったのは,実はプログラマだったんです。それで容量が足りなくて無理とずっと言っていて,途中から歌が入るようにしたりといろいろ試行錯誤していたんです。
 でも最後には5分弱のフルコーラスを丸々入れて,きちんといい場所から流れるようにして……。あれは本当にプログラマの力です。

4Gamer:
 フルコーラスを流したいという熱意が伝わるエピソードですね。

福田氏:
 歌が上がって,トラックダウンが終わる頃には,皆がサウンドルームに集まってきて,本当に背中が熱くなる思いでした。

4Gamer:
 今回,ステージで「流れ星☆キラリ」を披露したとき,リハーサルをしたんじゃないかと思うくらいきれいに客席から掛け声が入ってましたね。

松山氏:
 あれは何でしょうね? ライブイベントに慣れているお客様が多いんですかね?

福田氏:
 あの曲はサントラにもライブ仕様で収録されているので,そのタイミングに合わせてくださっている部分もありますよ。

松山氏:
 でも今回は,サントラと違ってフルコーラスだよね? 皆さん,初めて聞いたはずなのに……。

三谷さん:
 それでもいい感じのタイミングで入ってましたよね。どこかで打ち合わせでもしたんでしょうか(笑)。

4Gamer:
 新曲「Thank you for...」についても教えてください。ゲームなどのプロジェクトとは別個に作られた楽曲としてはLieN初とのことですが。

松山氏:
 イベントで披露する曲ということで,「ラララ〜」の部分などで皆で盛り上がれる曲にしたいと,ずっとLieNの二人が言っていたんです。歌詞の中にも「ありがとう」という言葉があって,感謝祭にふさわしい曲に仕上がりました。

4Gamer:
 今後,「Thank you for...」を聴ける機会はありますか? 今回,会場に来れなかった人も聴きたいんじゃないか,と。

松山氏:
 もちろん,なにかしらの形で用意します。

4Gamer:
 三谷さんと福田さんは,今回のライブの出来はどうでしたか?

三谷さん:
 本当に緊張してしまって……。でも終わってみると,やっぱりやってよかったです。これでまた間が空くと緊張してしまうので,できれば興奮冷めやらぬうちに次回があるといいんですけど(笑)。

福田氏: 
 「劇奏」で知ったという方にも来ていただけて。イベントが終わったあともサントラを持って「サインしてください」という方もいらっしゃいましたね。

4Gamer:
 ステージ上の三谷さんは非常に観客の扱いに慣れている感じでしたけれども。

三谷さん:
 関西人としては自虐も絡めて笑いを(笑)。

松山氏:
 LieNの二人は関西出身で幼馴染みなんですよ。

4Gamer:
 抽選会で上映されたCC2のスタッフ映像では,松山さんが困るような発言もありましたが?

松山氏:
 あいつら,自分達で映像を作って,完全に編集まで終わったものをチェックに持ってくるんです。私も「もう修正できないよね? いいよ,当日うまくごまかすから」って(笑)。

4Gamer:
 実際,「リトルテイルブロンクス」次回作の構想はあるんですか?

松山氏:
 ええ,それはずっとやっています。ただ,今はバンダイナムコさんとも,ほかのパブリッシャとも話はしていない状態で,CC2内部だけで進めています。
 「リトルテイルブロンクス」はCC2の中でも特別なシリーズで,いつも何をやるか決めて,ある程度固まってから外部と話をするんです。またどこかと一緒にやるのか,それとも自社でパブリッシングするのかは,まだ全然決めていません。然るべき時期が来れば,きちんと発表します。

4Gamer:
 福田さんは,次もまた「リトルテイルブロンクス」の楽曲を手がけるんですか?

福田氏:
 作りたいかどうかという話であれば,ぜひ作りたいです。あの世界観はCC2タイトルの中でも独特で,唯一ファンタジーですから。大好きです。

4Gamer:
 ちなみに磯部さんは,CC2恒例のA4用紙1枚の企画コンペに「リトルテイルブロンクス」関連企画を出したんですか?

磯部氏:
 いやー,どうでしょうね(笑)。

松山氏:
 すでに企画は進んでますからね。皆知ってますから,その企画は誰も出さないですよ。CC2でも社内に公表している企画と,そうでない企画があるんです。私が何人かのスタッフをさらってきて,“秘密の打ち合わせ”と称して進めている企画がいくつもありますから。1〜2年後にプロジェクトを組む予定のものは社内で公表します。

4Gamer:
 今や,CC2も福岡170人,東京40人という規模になりましたから,そりゃあ手がけるラインも多くなりますよね。

松山氏:
 まだ席数的には東京・福岡それぞれ20人くらいずつの余裕はあります。でも,それ以上規模を大きくしようとはあまり思っていないんですよ。やりたいことをやるためのメンバー数は大体そのくらいかな,と。

4Gamer:
 その中でサウンドチームは何人くらいいるんですか?

福田氏:
 全部で6人です。今,HDゲームが増えてきたので,オーディオに詳しくてプログラムもできるサウンドプログラマが増えているんです。サウンドプログラマが3人,サウンドデザイナーが二人,そしてコンポーザが一人という構成です。

松山氏:
 音楽の収録はだいたい福岡でやっていますね。三谷さんも普段は東京でお仕事をされているので,福岡に来ていただいています。

4Gamer:
 それでは少し,「Solatorobo」の開発について教えてください。実作業は磯部さんが中心になって進めたんですよね?

松山氏:
 そうです。磯部は絵も描けるので,私が「じゃあ,説明するために,明日か明後日までに絵に起こして」と話を振ると,だいたい翌日には仕上げてくるんですよね。それも,ほかの仕事を並行してやりながらです。本当に手が早い。

磯部氏:
 チーム全体がモチベーションが高くて,次々に提案してくるんです。そこに私が「こうしたらもっといいんじゃないの?」とディレクションするようなスタイルで,ずっと進めてきました。プロジェクトの期間は長かったのですが,その過程を積み重ねたことでチーム全員が「自分の作品」という意識を持てたんだと思います。

松山氏:
 期間が長いということは,チームの人数が少ないという意味でもあるんです。

4Gamer:
 ああ,ランニングコスト的な関係もありますからね。

松山氏:
 ええ。一番物量が必要なときで10人程度,最初と最後は3人くらいでした。そうなると,お互いにコミュニケーションをとって,手を動かしていくしかないんですよね。そういう意味では,非常に手作り感のあるタイトルになりました。

4Gamer:
 そこはニンテンドーDS用ソフトの利点ですよね。HDタイトルだと,どうしても関わる人数が増えて分業になってしまいますから。
 ちなみに「Solatorobo」のリピートはどうなっていますか?

松山氏:
 さすがに1年経って日本国内は止まっていますが,2011年7月にヨーロッパ版を,続く9月に北米版をリリースしています。おかげさまでヨーロッパ版はとくに好調で,日本の2倍近い売上を記録しています。
 今回,ワールドワイドでフランス語ボイスを採用したので,フランスが一番喜んでいますよ。

4Gamer:
 初回特典などは日本と同じだったんですか?

松山氏:
 サントラは付けました。ただ設定資料集に関しては,さまざまな事情があって見合わせています。実際,印刷が悪いのか何なのか,紙モノはクオリティが落ちてしまうんですよね。

4Gamer:
 欧米の反響をどう受け止めていますか?

松山氏:
 欧米の売れ方は,日本と違って初動型ではなく,モノがよいと評価されればジワジワ売れていく長期型なんです。これは我々作り手にとっても,お客様にとっても幸せな環境だと捉えています。
 とはいえ日本もこれからはネットやスマートフォンの普及に伴い,情報の伝達経路が変化していますので,欧米型同様,長期型の傾向が強くなっていくんじゃないかと思っています。それに合わせて,我々も商売のやり方を変えていくことになります。日本市場においてすぐにパッケージビジネスがなくなることはないでしょうが,今後はDLCを含めたネットを使うサービスとのハイブリッド形式が主流になるでしょうね。

4Gamer:
 しかしワールドワイドで評価されているとなると,ここでも次回作実現への期待が膨らみますね。

松山氏:
 ええ。次回作で,また10年掛けるということはないですから(笑)。お話ししているとおり,企画は実際に動いていますので,ぜひ期待してください。今は昔と違って,皆さんからの応援が確実に我々に届きます。皆さんの応援あってのCC2ですから,ぜひ「あれやって,これやって」と気軽に声を掛けてください。それが我々のパワーです。

4Gamer:
 ちなみに「テイルコンチェルト」のリメイク版などは出ないんですか?

松山氏:
 それはパブリッシャのバンダイナムコさん次第なんです。バンダイナムコさんが,「テイルコンチェルト」のリメイク版開発をCC2に依頼してくれれば,すぐにでもという気持ちはあります。なので,ぜひ皆さんはバンダイナムコさんにリクエストしてください。

4Gamer:
 分かりました。次の「リトルテイルブロンクス」の発表にも期待しています。ありがとうございました。

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