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ATI Radeon HD 5400
  • AMD
  • 発表日:2010/02/04
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印刷2010/02/04 14:01

レビュー

DX11対応のローエンドGPUが持つ存在意義を考える

SAPPHIRE HD 5450 512M DDR3 PCIE

Text by 宮崎真一


SAPPHIRE HD 5450 512M DDR3 PCIE(国内製品名:SAPPHIRE HD 5450 512M DDR3 PCI-E VGA/DVI-I/DP)
メーカー:Sapphire Technology
問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
予想実売価格:6300円前後(※2010年2月4日現在)
ATI Radeon HD 5400
 2010年2月4日14:01,AMDは,開発コードネーム「Cedar」(シダー)と呼ばれてきたローエンド市場向けGPU,「ATI Radeon HD 5450」(以下,HD 5450)を発表した。
 発表時点における位置づけは「ATI Radeon HD 5670」(以下,HD 5670)の下。ATI Radeon HD 5000(以下,HD 5000)シリーズ初のローエンド市場向けモデルが登場したことで,かねてよりAMDが予告していた「上から下までDX11対応」が実現したことになる(※「DX11フルラインナップの完成」には,ATI Radeon HD 5500シリーズの登場を待つ必要がある)。

 ATI Radeon HD 4000シリーズのローエンドモデル「ATI Radeon HD 4550」(以下,HD 4550)や「ATI Radeon HD 4350」(以下,HD 4350)を置き換える存在となるHD 5450は,ローエンド環境の3D性能底上げに寄与してくれるのかどうか。今回は,Sapphire Technologyの販売代理店であるアスクの協力により入手した「SAPPHIRE HD 5450 512M DDR3 PCIE」(国内製品名:SAPPHIRE HD 5450 512M DDR3 PCI-E VGA/DVI-I/DP,以下 SAPPHIRE HD 5450)を用いて,検証してみたい。

AMDによる報道関係者向け資料より。タグラインのキャッチコピーは「Give Your PC a Boost」(あなたのPCをちょっと良くする)。北米市場における搭載グラフィックスカードの想定売価は49〜59ドル程度とされている
ATI Radeon HD 5400 ATI Radeon HD 5400


既存のHD 5000シリーズとは微妙に異なるHD 5450

スペックはむしろHD 4550に近いか


 HD 5450が搭載するStream Processing Unit(旧称「Stream Processor」,以下 SP)数は80基。HD 5000シリーズだと,5SPで1基の「Thread Processor」を構成し,さらにそれが16基集まって1基の「SIMD Engine」となるので,「5×16=80」となるHD 5450の場合,SIMD Engine数は1基のはずなのだが(関連記事),AMDの資料によると,その数は2基となっている。
 はて,これはなんだろうとブロックダイアグラムを見たときに気づかされるのが,HD 5450で,SIMD Engine 1基当たりのSP数が40基となっていることだ。

HD 5450のブロックダイアグラム。1 SIMD Engine当たり4基相当のテクスチャユニットを持つというATI Radeon HD 5000シリーズの仕様を踏襲する一方,SIMD Engine当たりのSP数は上位モデルから半減している
ATI Radeon HD 5400

 ATI Radeon HD 4000シリーズは,「ATI Radeon HD 4670」以下のラインナップで,SIMD Engine――当時は「SIMD Core」と呼ばれていたが――を40基のSPで構成していた。その意味でHD 5450は,ATI Radeon HD 5000シリーズで唯一,前世代の下位モデルと共通のSIMD Engine構成を採用した特殊なラインナップと位置づけることができそうである。

ATI Radeon HD 4600シリーズ(左)およびHD 4550(右)のブロックダイアグラム。SIMD Core(=SIMD Engine)当たりのSP数は40基となっている
ATI Radeon HD 5400 ATI Radeon HD 5400

 以上を踏まえ,HD 5450と,上位モデルとなるHD 5670,そして置き換え対象のHD 4550&HD 4350のスペックをまとめたのが表1になる。Redwoodコアを採用したHD 5670と比べると,シェーダプロセッサ数は5分の1,テクスチャユニット数は5分の2,レンダーバックエンド(=ROP)数は2分の1になっており,製造プロセスのシュリンク,DirectX 11への対応,そしてコアクロックの引き上げがなされた点以外は,むしろHD 4550に近いスペックであることを確認できるだろう。

※1 実際にどんなスペックでグラフィックスメモリを実装するかはグラフィックスカードベンダーの裁量による
※2 公開されているのは「3Dアプリケーション実行時の典型的な消費電力」を示すTypical値のみ。最大消費電力値は公開されていない

Sapphire Technology製のカード3枚を並べてみた。左から,HD 4550,HD 5450,HD 4350搭載製品だ。HD 4550とHD 5450の見た目はほとんど同じ
ATI Radeon HD 5400
 さて,ここで入手したSAPPHIRE HD 5450を概観してみる。
 カードは,リファレンスデザインと同じLow Profile仕様。カード長は実測167mm(※突起部除く)だった。GPUクーラーは,ファンを搭載しないパッシブクーリング仕様だが,どうやらこれは,同じSapphire Technology製のHD 4550搭載カード「SAPPHIRE HD 4550 512M DDR3 PCIE」(国内製品名:SAPPHIRE HD 4550 512M DDR3 PCI-E HDMI/DVI-I/VGA)と同じもののようだ。

SAPPHIRE HD 5450を別の角度から
ATI Radeon HD 5400 ATI Radeon HD 5400

GPU-Z実行結果
ATI Radeon HD 5400
 アスクでは,DDR2メモリ搭載モデルも用意しているようだが,今回入手したSAPPHIRE HD 5450はDDR3 SDRAM採用製品。Samsung製の1Gbitメモリチップ「K4W1G1646E-HC12」(0.12ns)をカードの両面に計8枚搭載することで,容量512MBを実現していた。
 動作クロックはリファレンスどおりのコア650MHz,メモリ1.6GHz相当(実クロック800MHz)。なお,省電力機能である「ATI PowerPlay」により,アイドル時は同157MHz,1.44GHz相当(実クロック720MHz)まで下がることを,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.3.8)から確認できているので,この点は付記しておきたい。

SAPPHIRE HD 5450のクーラーを外したところ(左),中央と右はそれぞれGPUとメモリチップだ。GPUのダイサイズは実測で約8.7×7.1mmだった
ATI Radeon HD 5400 ATI Radeon HD 5400 ATI Radeon HD 5400


完成度に難ありの

レビュワー向けドライバで検証


 テストに先立って,お断りしておくことがいくつかある。
 最も重要なのは,4Gamerとしてカードを入手したのが2月1日午後,そしてレビュワー向けドライバ「8.69-091211a-094275E」の提供が行われたのが2月2日午前中のことだったということだ。さすがにこのタイミングから,大規模なテストを行うのは不可能なので,今回は比較対象を,HD 5670,HD 4550,HD 4350に絞っている。
 しかもこのレビュワー向けドライバ,安定性が今一つで,しばしば画面がフリーズした。このあたりは,2月版以降のATI Catalystアップデートでなんとかしてほしいところである。

製品ボックスにはLow Profileブラケットが付属。カード側の外部インタフェースはDVI-I,DisplayPort,D-Sub 15ピンなので,ATI Eyefinityによる3画面出力もサポートされる
ATI Radeon HD 5400
 ちなみに,SAPPHIRE HD 5450の製品ボックスにも,もちろんグラフィックスドライバは付属していたが,こちらのバージョンは「8.662-091001b-091985C」と,やや古め。また,両バージョンではいずれも,「ATI Catalyst Control Center」に,オーバークロック機能「ATI OverDrive」の項目が用意されていなかったので,この点も報告しておきたい。

 このほかテスト環境は表2のとおりだ。GPUごとにCPUの自動オーバークロック機能「Intel Turbo Boost Technology」の効きが変わってしまうのを避けるため,同機能はBIOSから無効化している。


 テストに用いるアプリケ−ションは,4Gamerのベンチマークレギュレーション8.4へ準拠しつつ,来るバージョン9.0から,DirectX 11対応タイトル「Colin McRae: DiRT 2」(以下,DiRT 2)も使おうと考えていたのだが,当然,それらをすべて行うのは無理。そのため今回は,「3DMark06」(Build 1.1.0)と「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4),DiRT 2の3本に絞る。

 ローエンドGPUという位置づけを踏まえ,テスト解像度は1024×768/1280×1024/1680×1050ドットの3パターンに絞り,アンチエイリアシングやテクスチャフィルタリングは,無効化した「標準設定」のみとする。
 一方,DiRT 2においては,HD 5450とHD 5670に限り,DirectX 11モードでもテストを行うことにした

DiRT 2では,DirectX 11に関連する五つの項目を,下記のとおり設定することによって,DirectX 11動作を有効化できるので,HD 5450とHD 5670では,この設定を行うことにした。これら以外は,DirectX 11モードが有効にならない範囲で,すべて最も高い設定に指定している。DiRT 2におけるグラフィックスオプション設定の詳細は,西川善司氏による解説記事を参考にしてほしい。

・CLOUD:HIGH
・WATER:HIGH
・POST PROCESS:MEDIUM
・AMBIENT:LOW
・CLOTH:LOW


HD 5450とHD 4550の3D性能はほぼ同じ

HD 5670との差は大きい


 というわけで,グラフ1は,3DMark06の総合スコアをまとめたものとなる。
 HD 5450のスコアは,HD 4550より気持ち高い程度。DirectX 9世代のアプリケーションを実行する限り,両者の間には50MHzという動作クロック分程度しか違いはないということなのだろう。一方,上位モデルとなるHD 5670には2〜3倍程度という,圧倒的なスコア差を付けられた。


 もう少し細かく分析すべく,3DMark06のデフォルト設定となる解像度1280×1024ドット,標準設定で実行したFeature Testの結果を見てみたい。
 グラフ2〜4は順に「Fill Rate」(フィルレート),「Pixel Shader」(ピクセルシェーダ),「Vertex Shader」(頂点シェーダ)のテスト結果をまとめたものだが,Pixel ShaderとVertex Shaderのスコアが今一つ上がりきっておらず,ドライバレベルの最適化がまだ十全ではない可能性を指摘できそうだ。


 一方,GPUの汎用プログラムの実行性能を見るグラフ5の「Shader Particles」(シェーダパーティクル)と,DirectX 9世代における長いシェーダプログラムの実行性能を見るグラフ6の「Perlin Noise」(パーリンノイズ)だと,HD 5450のスコアは総合スコアを反映したものに落ち着いている。


 実際のゲームタイトルから,DirectX 9世代のタイトルであり,ローエンドGPUを搭載した環境設定次第ではプレイ可能なCall of Duty 4のテスト結果がグラフ7。ドライバ最適化が理由か,HD 5450のスコアはわずかながらHD 4550を下回ったが,体感できる違いではない。


 最後にグラフ8がDiRT 2の結果である。これまたドライバが原因なのか,今回は負荷が高まるとBenchmarkモードのテスト結果が13.1fpsで揃ってしまうという現象が生じており,DirectX 11モードにおけるHD 5450のテスト結果(グラフ中「HD 5450(DX11)」)に信頼性はない。
 そこで,DirectX 9モードでの比較を試みるが,“13.1fpsの呪縛”から解き放たれていると見られる1024×768ドットで,HD 5450がHD 4550から若干置いて行かれているのは少々気になった。ドライバの最適化が完了するには,相応の時間がかかるかもしれない。



消費電力はHD 4550と同レベル

最大20W程度と考えていい


AMDが示したHD 5450の概要。ちなみにアスクのニュースリリースだと,SAPPHIRE HD 5450の最大消費電力は25Wとなっている
ATI Radeon HD 5400
 ところで,AMDはHD 5450の消費電力について,「Idle Board Power」(≒アイドル時)が6.5W,「Typical Board Power」(≒3Dアプリケーションの典型的な実行時)が19.1Wとしている。一方,過去の資料を読み直してみると,HD 4550について同社は「Max Board Power」(≒最大消費電力)が20Wだと公表しているので,この数字だけでは比較できない。
 そこで今回も,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を計測することにした。計測に際しては,OS起動後30分間放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,各タイトルごとの実行時とした。

 その結果はグラフ9に示したとおり。アプリケーションによって多少のバラつきは認められるものの,HD 5450の消費電力は,HD 4550やHD 4350と同程度であると見ていいだろう。対HD 5670では,アイドル時こそ10W弱だが,アプリケーション実行時は10〜35W程度と,まずまず低いといえるレベルになっている。


 念のため,パッシブクーラーだけで冷却が足りるのかどうかもチェックしておきたい。
 ここでは,3DMark06を30分間ループ実行し続けた時点を「高負荷時」とし,GPU-ZからGPUコアの温度を測定した。システムは,室温23℃の環境で,いわゆるバラック状態でのテストになる。

 本稿の序盤で,HD 5450とHD 4550では,搭載するGPUクーラーがおそらく同じものだと指摘したが,グラフ10を見ると,両者には,高負荷時で6℃の差がついており,ここに40nmプロセス技術を採用して製造されるHD 5000シリーズのメリットを認められそうである。
 絶対値も64℃でさほど高くないため,適切なエアフローが確保されたPCケースであれば,ファンレスで運用しても問題ないはずだ。



DX11対応はオマケの域を出ないが

「DX11環境が揃った」意義は小さくない


製品ボックスのイメージ
ATI Radeon HD 5400
 将来,ドライバの最適化による上積みが期待できるとはいえ,HD 5450の3D性能は,置き換え対象となるHD 4550から,劇的に向上してはいないと見るのが正しい。しかもこのクラスだと,「DirectX 11対応」といっても,カジュアルなタイトルが存在していない2010年1月時点では,「従来製品や競合製品と違って,HD 5450なら,DirectX 11アプリを実行できる」以上の意味はなく,少なくとも,ゲーマーが今すぐ飛びつく必要のあるGPUとは言い難い。

 だが,ローエンドGPUでもDirectX 11対応が実現したという事実そのものには,大きな意味がありそうだ。DirectX 11対応環境の普及率を一気に上げるだけのコスト的ポテンシャルを持ったHD 5450が登場してきたことは,買う買わないは別として,歓迎すべき出来事ではなかろうか。

  • 関連タイトル:

    ATI Radeon HD 5400

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