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[COMPUTEX]AMD,ノートPC用の外付けMobility HD 5870を披露。Radeonベースの3D立体視環境も
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印刷2010/06/03 12:40

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[COMPUTEX]AMD,ノートPC用の外付けMobility HD 5870を披露。Radeonベースの3D立体視環境も

 COMPUTEX TAIPEI 2010に合わせてAMDがプレスカンファレンスを開催し,「Fusion」APUの実動デモを行ったというのは,すでにお伝えしているが,トピックはそれだけではない。本稿では“Fusion以外”の部分をカバーしておこう。


Mobility HD 5870をノートPCに外付けする
XGPのデモを披露。3D立体視ソリューションも


ATI XGP接続であることがポップに明記されていた
画像集#001のサムネイル/[COMPUTEX]AMD,ノートPC用の外付けMobility HD 5870を披露。Radeonベースの3D立体視環境も
 さて,いきなりプレスカンファレンス後の話からだが,会場のショウケースでは,ノートPC向けの外付け「ATI Mobility Radeon HD 5870」(以下,Mobility HD 5870)搭載ボックスが多くの注目を集めていた。

 Mobility HD 5870を内蔵した“GPUボックス”部とノートPCとの接続には,専用インタフェース「ATI XGP」が用いられる。ATI XGPはPCI Express x8あるいは同x16を提供する外部接続ポートで,採用PC製品の例は極めて少ないが,ExpressCardで接続したPCI Express x1接続とは違い,フルスペックのGPUパワーの恩恵にあずかれるのがアドバンテージになる。

 このMobility HD 5870内蔵GPUボックスにはHDMI端子×1,Mini DisplayPort端子×2,DVI端子の計4端子が確認できたが,実動デモでは3画面出力に留められていた。写真を観察するとUSB端子が見られるが,これはATI XGPの付随機能によって提供されるUSB2.0端子だ。つまり,USBハブ機能ではなく,PCに新規にUSB2.0端子を提供するものになる。
 このデモで使われていたホストPCは,昨年発売されたAcerのFerrari Oneで,数少ないATI XGP搭載ノートPC製品であった。問題のATI ATI Radeon HD 5870内蔵GPUボックスについては詳細の記載はなく,スペックや発売時期,価格については非公開。
 なお,会場にはFusionの実機の展示はなく,プレスカンファレンスで公開された情報がすべてであった。

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miniDP×2,HDMI,DVIの4端子が確認できた。なお,このGPUボックスと,ノートPC側の画面の同時出力は可能
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最初,ExpressCardバス接続かと思ったが,なんのことはないATI XGP接続であった。納得
モバイルノートPCで究極の多画面環境を構築したい人へ。このデモの前では盛んに「デスクトップPCとノートPCをそれぞれ揃えたほうがいいのではないか?」という議論が交わされていた。確かに
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VISIONの実績を強調。AMDは今後も
オープンスタンダードのサポートを推進


Leslie Sobon氏(Coporate Vice President, Prouct Marketing, AMD)
画像集#006のサムネイル/[COMPUTEX]AMD,ノートPC用の外付けMobility HD 5870を披露。Radeonベースの3D立体視環境も
 話は前後するが,実のところ,今回のAMDのプレスカンファレンスのステージで,時間をとって熱弁を振るっていたのはRick Bergman(リック・バーグマン)上級副社長ではなく,プロダクトマーケティング担当のコーポレート副社長であるLeslie Sobon(レスリー・ソボン)氏のほうだった。彼女は「AMDのVISIONロゴはPCユーザーに分かりやすいソリューションを提供する」と主張する。

 一般のPC購買者はスペックは気にしておらず,「PCで何をしたいか,PCで何ができるか」を重視する。これを分かりやすくするのがVISIONロゴである。
 「もう,スペックの話はやめよう。PCに貼られるプロセッサロゴのステッカーは購買者を混乱させるだけだから」(Sobon氏)
 AMDプラットフォーム製品は,用途に応じて「VISION PREMIUM」「VISION ULTIMATE」「VISION PRO」「VISION BLACK」といったロゴを付けており,ユーザーが自分はどのPCを選べばいいかをVISIONロゴで判別できるとしている。

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プロセッサのステッカーは消費者を混乱させるだけ?
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VISIONロゴでPC用途が分かりやすく

 とはいえ,これまで「何々ができるパソコン」という訴求は,多くのPCメーカー自身がやってきた。そして,消費者はそれを信用して買っても,メインメモリ容量が足りない,ストレージ容量が足りない,CPU性能が足りない,グラフィックス性能が足りない……という問題に結局は直面することになっていたと思うのだが,AMDの自己評価としては,このVISIONロゴプログラムは十分効果があったのだそうだ。実際,昨年比でメインストリームクラスのノートPCは3倍のセールスを記録,そして極薄タイプのノートPCで30%増の売り上げを記録したという。
 今後もVISIONロゴプログラムは継続的に実施していくとし,各PCジャンルごとの2010年における性能向上目標が開示された。

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VISIONロゴは市場効果が高いとAMDは判断
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AMDプラットフォームの極薄型ノートPC,2010年の性能目標。3Dゲームのフレームレートを3倍に引き上げることが設定されている
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AMDプラットフォームのメインストリームクラスのノートPC,2010年の性能目標。2倍のビデオ再生性能が設定されている
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AMDプラットフォームのデスクトップPC,2010年の性能目標。「Left 4 Dead 2」のフレームレートを2倍に引き上げることが設定されている
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VISIONロゴがあしらわれた製品群が,プレスカンファレンス会場のショウケースに並んでいた
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もはやお馴染み,Eyeinfinityのデモ。縦画面を五つ並べての多画面環境の例

 この後,Rick Bergman氏が登場してFusionのアナウンスを行うのだが,その前に,Sobon氏は,現状,メインストリームクラス以下のDirectX 11世代GPUはAMDのATI Radeonファミリーしか存在しないこと,GPGPUソリューションにおいて,独自方式ではなく,DirectComputeおよびOpenCLなどのオープンプラットフォームを推進していく旨などを告げていた。これはメインストリームクラスのDirectX 11世代GPUを持たず,独自仕様のGPGPUプラットフォームのCUDAを推進する競合NVIDIAに対する牽制と取って間違いないだろう。

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「ATI Radeon HD 5000シリーズ下から上までのラインナップを展開済みである」(Sobon氏)
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「オープンスタンダードなものが負けたことは歴史的にない」(Sobon氏)

 なお,AMD(ATI)の立体視ソリューションについて,プレスカンファレンスの中で詳しくは語られなかったが,AMDは立体視環境についても,オープンスタンダード「Open Stereo 3D」を採用する。といって,もこれはAMD主導でパートナー企業と規格化を進めているもので,実質的には“AMD版の3D Vision”といったところだ。GDC 2010でも簡単にアナウンスされていたが,今回のCOPMUTEXでは簡単な実演デモが会場で体験できるようになっていた。ただし,実際のリリース時期などについては言及されていない。

AMDも立体視ソリューションを遅ればせながらスタートさせた。規格名は「Open Stereo 3D」だが,AMD主導による規格化が進められている
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  • 関連タイトル:

    ATI Mobility Radeon HD 5000

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