元気のいいParadox。発表された歴史RTS「Lionheart: Kings' Crusade」と，西部劇TPS「Lead and Gold」のムービー/新情報を紹介

　スウェーデンのデベロッパ/パブリッシャであるParadox Interactiveは，最近，次々と新作を発表してなんだか調子が上がっている雰囲気。その一つが，獅子心王（Lionheart）と称えられたイギリスのリチャード1世と彼が率いた十字軍をテーマにした「Lionheart: Kings' Crusade」だ。
　現地時間2009年12月2日に制作が発表されたLionheart: Kings' Crusadeは，12世紀のイギリス王リチャード1世による十字軍遠征をフィーチャーした，Paradoxお得意の歴史RTS。

　プレイヤーはリチャード1世として，聖地エルサレムを奪還すべく十字軍を率いて戦いに赴くか，あるいは十字軍を迎え撃つ英雄サラディンとして，エルサレムを守り抜くかを選ぶことになる。つまり，1189年〜1192年にかけて行われた第3回十字軍遠征を，その攻守両方からプレイできるという異色作なわけだ。
　ゲームの内容については上記した以外，詳しくは発表されておらず，公開されたムービーもイメージ中心のものだが，アラブの地に上陸し隊列を整え，旗をなびかせて進軍する甲冑の騎士達の姿は，おそらく中世史のファンならグッと来てしまうはず。

　開発は，中世モノを得意とするハンガリーのゲームデベロッパ，Neocore Gamesで，2010年第2四半期の発売が予定されている。ゲームの公式サイトは，現在のところオープンしていない。



　もう一つ紹介したいのは，「Lead and Gold: Gangs of the Wild West」。タイトルどおり，アメリカ西部開拓時代を舞台にした三人称視点のアクションだ。こちらは2009年8月に発表されているタイトルだが，ここにきてスクリーンショットやムービーなどが出そろってきた。

　ゲームの基本はチームベースのマルチプレイで，プレイヤーはショットガンを得意とする「Blaster」か，遠距離狙撃が得意な「Deputy」，あるいは「Gunslinger」や「Trapper」（どちらも詳細は未発表）といったクラスを選択し，敵となるプレイヤーチームと戦っていくのだ。

「Lead and Gold: Gangs of the Wild West」公式サイト

　「Paradoxの西部劇」とはいえ，ウェスタンはあくまでモチーフ。リアルなアメリカ西部開拓史を描いているわけではないのは，掲載したムービーからも分かるだろう。
　シングルプレイが実装されているかなど，詳しいことは依然として未発表だが，特筆すべきは，機種不明ながらもコンシューマ機版も併せてリリースされるところだろう。硬派なPCゲーム一筋といった雰囲気のParadoxも，いよいよコンシューマ市場に進出するというわけだ。これも，時代なんですかねえ。
　ムービーからも分かるようにライトな感じのゲームだが，戦いの場所となるマップは牧場や荒野，炭鉱，ホコリっぽい町など，いかにも西部劇の舞台としてふさわしく，全体的にいいムードだ。


　開発はスウェーデンのストックホルムに本拠を置くFatshark ABで，「Ghost Recon Advanced Warfighter 2」で知られるゲームデベロッパのGRINによって開発された，Diesel Engineが採用されている。
　ゲームの公式サイトは「こちら」にオープンしており，多数のスクリーンショットのほか，壁紙やコンセプトアートなどが公開されている。発売は2010年内の予定だ。


　リリースされた「Hearts of Iron III」（邦題，ハーツ オブ アイアンIII【完全日本語版】）の評判もいいようで，Padadoxは洋ゲー好きにとって目の離せないデベロッパ/パブリッシャになりつつあると思う。