［G★2009］一見，美少女ゲーム系のオンライン恋愛コミュニティ「Feel Online」とは？

　G★2009（G-Star 2009）会場の片隅にAnGameが展示していた「Feel Online」は，恋愛ゲームや美少女ゲームのような雰囲気のオンラインコミュニティゲームだそうだ。ただ，オンラインではあるが，現状ではゲームとはいいがたい。SNSのようなコミュニティをオンラインゲームライクな表現にしたものだという認識が正しいだろう。人をつなげる感性コミュニティを目指しているという。

　プレイヤーは，まずアバターを作成し，自分のプロフィールを記述する。もちろん，アバターを着替えさせたり，髪型を変えたりといったことも可能。
　開始直後の様子では街中にアバターが立ち並び，吹き出しで会話している，ただのアバターチャットのような雰囲気。キャラクターをクリックすると，プロフィールを見たりすることは可能。店に移動したり，自分の部屋に戻るとキャラの立ち絵が出てきて，全体に美少女ゲーム風の画面構成なのが確認できる。
　日本では，若い女性はこういった画面だと引いてしまうのではないかと思うのだが，韓国では抵抗はないらしい。むしろ女性に親しみやすいような画面を追い求めてこのようになったという。


　興味を持った相手には，それを示すことができるのだが，アプローチするにはFeelポイントというのが必要なので，ない場合はそれを溜めなければいけない。これは，ゲーム内の行動で溜めるもののようだが，多少不自由な代わりに誰彼構わずに手を出しまくるようなことはできないようになっている。
　ちなみに，誰かとステディな関係になっている状態では，ほかのプレイヤーに興味を示したり，二股や三角関係になるようなことはできなくなっているという。βテスト中に，とある大学生からそういうことはできないのかと質問されたらしいのだが，開発側はまったく想定してなかったらしく，そのような需要があること自体に非常に驚いていた様子だった。今後の要望次第では対応を検討するとのこと。
　それだと出会いが少ないような気もするのだが，自分に合っていそうな相手を探してくれるマッチングサービスは用意されているようだ。


　意中の相手に興味を伝えて，相手がそれに応えてくれると，まずはお友達関係からということで交際が始まる。
　デートには，クイズ，心理テスト，ストーリーデート，チャットデートの4種類があり，クイズでは，「好きなテレビ番組は？」など，お互いの好みを確認しあうのが主目的となっているようだ。徐々に相性を確認していって，交際を深める感じだ。それなりに親しくなるまでは直接のチャットもできない。
　ややまだるっこしい感じだが，女性へのハラスメント対策にかなり力を入れているとのことで，一般女性ユーザーへの配慮をした真面目なコミュニティを目指している模様。


　まあ，このゲームの範囲では，仲よくなってもチャットできるようになるだけのようだが，会話したがる人は多いようで，コミュニケーションのニーズはそこそこ高いそうだ。オフラインでの交際については関知するところではないとのこと。ゲーム仕立ての恋愛系コミュニティというのは韓国でも初めてのようで，様子を見ながら運営されているようだ。オンラインコミュニティのいくつかはいろいろな問題の温床となっていて，韓国でも問題視されているようで，そういった問題の起こらない健全なものにしていきたいとのこと。
　今後は一人でも楽しめるコンテンツ（現状ではなにもないらしい。必要かどうかは疑問だが）や，ダブルデート用のコンテンツを追加していくという。

　ちなみに取材に同行した通訳さん（女性）からは「韓国ではもっと自分をアピールできなければダメ」との厳しいお言葉。「Audition」はゲーム部分でそれができたからよかったらしい。
　日本ではこういうものはないのかと聞かれたので，しかたなく「ai sp@ce」の話をしたのだが，かなり違っていたかもしれない。