連載
【ヒャダイン】「アベンジャーズ」は21世紀の「コナミワイワイワールド」だ! なんつって
ヒャダイン/前山田健一 / 歌手・作詞家・作曲家・編曲家・プロデューサー
ヒャダインの「あの時俺は若かった」 |
第8回「『アベンジャーズ』は21世紀のコナミワイワイワールドだ! なんつって」
ども。この間,あの堀井雄二先生と遊びました。わっきゃわっきゃ言って遊びました。色々と「ドラゴンクエスト」の裏話なんかも聞けて夢のような時間でした。生きていればいいことがあるもんです。
さてさて。今,世界中を賑わしている映画「アベンジャーズ」。マーベルのヒーローたち(アイアンマン,キャプテンアメリカ,ハルク,ソー,ホークアイ)が勢揃い。みんなが力を合わせて敵に立ち向かう! 世界中で超絶ヒット作品となっているわけですが。
いやー,ぞくぞくしますね,「異なる個性が集まって一つのことを成し遂げる映画」って。昔からそういったものが大好きなんですよ。
「聖闘士星矢」しかり「セーラームーン」しかり「悪魔くん」しかり。あと「スパイ大作戦」もそうだ。シナモンさん好きだったなあ。そんなアベンジャーズ旋風が巻き起こっている昨今,一つの作品を思い出しました。
「がんばれゴエモン!からくり道中」よりゴエモンが,「悪魔城ドラキュラ」からシモン,「月風魔伝」からはフウマが,「グラディウス」からはビックバイパーと……なぜか敵キャラであるモアイが,さらに「ツインビー」からツインビーもいて,ほら,超豪華メンバーでしょう。
最初はKONAMI作品の名脇役としてお馴染み,「コナミマン」と「コナミレディ」だけが使用可能で,シナモン博士の基地から六つの異世界にテレポートできるのです。そしてそれぞれの面に捕らえられている上記の仲間をどんどん助けていって,クリアしたらその仲間も使用可能になるという。
どのステージから行ってもいいんだけど,例えば特定のキャラがいなかったら途中で「詰み」になる面があったり,敵が異常に強かったりで,攻略する順番も非常に大切。
さらにさらに! 最初は入れない場所やゲットできないアイテムとかがあるんだけど,ほかのキャラクターを助けたあとに再度訪れたらなんとなったりする細かい仕掛けもあって,大変優秀なゲームなのです。
プラス!! それぞれの特殊武器も別の場所に用意されていて,それをゲットしに行かなきゃいけない。特殊武器は「弾丸」と呼ばれる,MPみたいなものを消費しないと発動できないんですね。いやー,細かい。
で,音楽がこれまた秀逸で,それぞれのキャラクターを選択したらそれぞれのゲームの音楽が流れるわけですよ。いやー,垣根を超えている!! 細やかでスリリング,そして切ないメロディがゲームに彩りをそえてます。
はい,ここまではコナミワイワイワールドの内容を説明させていただいたのですが,それぞれ別作品で活躍するヒーロー達が一堂に会して巨大な悪に立ち向かう様は,やっぱりやっぱりアベンジャーズのよう。
ちなみにコナワイのボスキャラの名前はワルダー。悪だーーーー!!!! くぅぅぅぅぅぅっ! 高まるぜい。先日のオリンピックにおける男女サッカーの盛り上がりなんかを見ていても想ったんですが,ヒーロー達が一堂に会すと,なんでこうも血沸き肉踊るのでしょうか。とくに個性がバラバラであればあるほど,僕は高まります。なんでだろう? 冷静に考えてみた。
僕は中二病を完全にこじらせているので,自分に特殊能力があると,いまだに信じているタイプです。運が良いことに僕は曲を作ることができるので,アビリティ「曲を創る」を備えているわけです。
で,僕はいつも思うんですが,全人類それぞれが多かれ少なかれ個性を持っているものなんです。だって違う個体なんですもん。それがその人らしさであり,アイデンティティと呼ばれるものかもしれません。一人一人の核,すなわちコアの部分はみんな違うんです。それを失くすとその人らしさが消えてしまう大切なものだから,各人ナルシシズムになるかもしれないけど,誇りに思っている部分でもあると思います。
で,アベンジャーズしかり,コナミワイワイワールドしかり,スーパーヒーロー達はそのコア,特殊能力が他よりも異常に発達している。際立っているのですね。そういったものが一堂に会して新たなパワーを作り出すのを観てスカっとするのは,めぐりめぐって自分の個性や核がブーストされた気持ちになるからじゃないでしょうか。
例えば,モアイがその特殊能力「ヘッドバット」でブロックを壊してくれることにより,今まで行けなかったところに行けるとか,ゴエモンが盗人ならではの能力で宝箱を開けてくれるお陰でレアアイテムをゲットできたりとか,まるで「個性的でいることは素晴らしいことなんだよ!!」って言ってくれているような気がするのです。僕には。
そんなこんなで大好きでした,コナミワイワイワールド。数年前,携帯電話用アプリに移植もされています。
さてさて。じゃあ,21世紀版ワイワイワールドを作るとしたら,どんなのにしよう。誰を集めよう!? これ新鮮じゃない? 売れる予感しない? わくわくわくわく。
……。
スマブラ……。
キングダムハーツ……。
あるじゃん。
そして,スマブラとか好きじゃん。やりこんだじゃん,俺。
むん!!! ならば!! 堀井先生にもお目にかかれたことだし,DQ版ワイワイワールドを考えよう!
……。
「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」……。
「異なる個性が一つの目標を成し遂げる」
あるじゃん。
いや。ならば,シリーズを超えた夢のパーティを考えよう。
「ファイナルファンタジー」とDQ! しかもスーパーファミコンまでね。だってそこまでしか僕はやってないから。ふん。
ムーンブルクの王女に,アリーナにミネアとマーニャ,ビアンカとフローラ,バーバラにミレーユ。そこにFFからローザとリディア,レナ,ファリス,クルル,セリスにティナにリルム! わーーい。夢みたいだ! なぜ女性縛りかって? そんなの決まってるでしょうよ。僕が男だからです。ええ。男。
でもこうやって見たら,やっぱり魔法系だよなあ。打撃いけるのって,アリーナ,レナ,ファリス,クルル,ティナ,セリスか。打撃を専門にしてるのはアリーナだけだし。でもいいんだ。僕,RPGのパーティ,魔法系ばっかだし。このメンバーで旅するって,超アガる。
セリスが「まふうけん」している間にアリーナがキラーピアスで会心の一撃の連続! リディアがバハムートを召喚している間にバーバラがマダンテを唱える! くわーーーー!! 誰かゲーム化してよ! もしくはアニメ化してよ! 実写版はやだよ。アニメ化してよ!
そんなこんなでコナミワイワイワールドから始まった「異なる個性が一つの目標を成し遂げる」フェチ。僕ヒャダインは「曲を創る」というアビリティのもと,「ももいろクローバーZ」「私立恵比寿中学」「ゆいかおり」「でんぱ組.inc」という異なる個性を持つ美少女達に楽曲を提供しているわけです。
一度「ヒャダインワイワイワールド」,作ってみたいなあ。有安杏果と廣田あいかと小倉唯と夢眠ねむのユニット! とか。
……。
ハロプロシャッフルユニット……。
あるじゃん。
さすがつんく♂さんとしかいいようがない。
まだまだ頑張ろう。
■■ヒャダイン/前山田健一(歌手・作詞家・作曲家・編曲家・プロデューサー)■■ TVアニメ「トリコ」の新エンディングテーマ,「サンバ de トリコ!!!」を8月8日にリリースしたヒャダイン氏。先日,即売会握手会が行われていたので遊びに行ったところ,「なんでいるの? 原稿の取り立てですか?」と言われてしまいました。でも原稿が遅れたことは一度もありません。 |
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