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ALIENWAREの新型デスクトップPC「Aurora R5」を隅々までチェック。細かい気配りが良好で,長く使いたくなる筐体だ
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印刷2016/11/14 00:00

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ALIENWAREの新型デスクトップPC「Aurora R5」を隅々までチェック。細かい気配りが良好で,長く使いたくなる筐体だ

ALIENWARE Aurora R5(ALIENWARE Aurora スプレマシー)
メーカー:ALIENWARE(Dell)
問い合わせ先:問い合わせ先一覧ページ
価格:24万6483円から(税および配送料込み,2016年11月14日現在)
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 2016年に,創業20周年を迎えたゲーマー向けPCブランドのALIENWARE。そんな同社,正確に言えば同社の親会社であるDellと,Dellの日本法人であるデルから発売となったのが,ミドルタワーデスクトップPC「ALIENWARE Aurora R5」(国内製品名:NEW ALIENWARE Aurora以下,Aurora R5)である。
 ALIENWAREは2014年に,“巨大なおにぎり型”筐体を採用して話題となった「ALIENWARE Area-51 R2」(以下,Area-51 R2)をリリースし,そのタイミングでミドルタワーPCであるAuroraを終息させていた。なのでAurora R5は,ALIENWAREにとって,久しぶりのミドルタワーモデル復活ということになるわけだ。

 「ゲーマー向けミドルタワーPC」の市場は,国内システムビルダー各社がしのぎを削る大激戦区であるわけだが,そこに登場してきたAurora R5は,果たして何がALIENWAREらしいのだろうか。本稿では,CPUの冷却機構として簡易液冷ユニットを採用する最上位モデル「ALIENWARE Aurora スプレマシー」をベースに,BTOで2枚の「GeForce GTX 1080 Founders Edition」(以下,GTX 1080)を搭載するハイスペック構成の試用機を入手できたので,新しい筐体とその内部構成に焦点を当ててレポートしてみたい。
 なお,ベンチマークテストによる性能評価については,後日,テスト結果をもってお届けしたいと考えている。

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Area-51のデザインを取り入れた派手な外観


こちらはArea-51の外観。形は違うがAurora R5と似たコンセプトを採用しているのが分かるだろう
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 まずは外観から見ていこう。
 Aurora R5の筐体は,多数のスリットが入った黒いボディを銀色のサイドパネルで挟んだデザインを採用している。実際のところ,デザインの基本コンセプトは上位モデルであるArea-51 R2と同じであり,銀色サイドパネルに,中央から3つの方向へ散るような配置のライン状LEDイルミネーションを採用している点も,Area-51 R2から変わっていない。Area-51 R2のルックスを多少大人しくしたような見た目,とも言えそうだ。

LEDイルミネーションは,本文でも触れた左右側板パネル側計6か所と,本体正面向かって右上の,電源ボタンを兼ねた「AlienHead」部に埋め込んである
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 本体の前面は,上側がフラットなパネルになっていて,右上にALIENWAREのシンボルであるエイリアンフェイスのエンブレムがある。このフラットな部分に,5インチベイがあるように見えるかもしれないが,本機に5インチベイは1つもない。というか,そもそもAurora R5は,いかなるタイプの光学ドライブも内蔵していなかった。

本体前面は,下部と天面に見えるスリットが特徴的だ(左)。背面は一見するとオーソドックスに見えるが,I/Oパネルのところにあるマザーボードの右側に,電源ユニットがあることに注目(右)。ちなみに,電源ユニットは出力850Wで,GTX 1080の2枚差しにも対応できる
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左側面(左)は,スリットで覆われた大きな吸気孔が目を引く
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Aurora R5の天面。写真の右側が本体前面。後ろ寄りにあるグレイの部分が取っ手だ
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 天面の前側にUSB 3.0 Type-Aポートや3.5mmミニピンのサウンド入出力が並ぶのは,タワー型筐体では珍しくもないが,後ろ側にある大きめの取っ手は,ちょっと変わっている。取っ手の下には,複数本のケーブルを通す余裕があるのだ。
 たとえば,前側のUSBポートにつないだケーブルをVRヘッドマウントディスプレイに接続するときに,取っ手の下にケーブルを通して背面側に流すという用途に利用できると,ALIENWAREはアピールしている。もちろん,取っ手は本体重量に耐える設計となっているので,持ち運ぶときに使うことも可能だ。

天面の前側には,USB 3.0 Type-Aポートが4ポートと,3.5mmミニピンのヘッドフォン出力およびマイク入力が並んでいる(左)。取っ手のあたりを拡大してみると,通気孔になっていて内部が見える。液冷用のラジエータだろう(右)
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スイングするアームに電源ユニットを取り付けた,独特の内部構造


電源ユニットの上にあるのが,正面から見て左側面のサイドパネルを固定しているパーツだ
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 それでは,Aurora R5の内部をチェックしていこう。
 Aurora R5は,正面から向かって左側面のサイドパネルを開けて内部にアクセスする構造となっている。開け方自体は簡単で,背面上部にある固定用パーツを留めているネジをプラスドライバーで外し,固定用パーツを手前に引いてロックを外したら,あとはサイドパネルを斜め上へ引っ張り上げるようにするだけだ。
 ちなみに,サイドパネルのLEDを光らせる機構は,特殊な接点で本体側と接続する仕組みになっているため,PCの起動中に開けた場合,ロックを外した時点で消灯する。サイドパネルを外すためにLED用の電源ケーブルを外すなんて手間はかからない。

ネジを外して固定用パーツを上げたところ(左)。これでロックが外れて,サイドパネルを外せるようになる。右はサイドパネルを外した状態だ
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サイドパネルを外した状態の左側面。中央を電源ユニットが,下側には2枚のグラフィックスカードがあり,前面側には電源ケーブルが這い回っているので,密度は高い
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背面に2か所,電源ユニットを取り付けたアームをロックしている部品がある(赤枠内)。
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 Aurora R5の筐体で面白いのは,電源ユニットが,本体正面側のヒンジを軸として横方向にスイングするアームに取り付けられていること。一見すると邪魔そうな電源ユニットの配置だが,実際に使ってみると,電源ケーブルをどかしてテープで留めたり,電源ケーブルのコネクタを外したり,場合によっては電源ユニット自体を外したりといった,自作PCで生じがちな手間なしに,内部へ簡単にアクセスできるという,よくできた仕様になっていた。
 アームを動かすのも簡単だ。背面に2か所ある固定用の部品をスライドさせて解放するだけで,アームがスイングできる状態になるので,あとは外側に向かって開くだけでいい。ドライバーすら使わないで済む。
 アームは最大限まで開くと,軽くロックがかかるようになっている。そのため,作業中に自然に閉じてしまって手を挟まれたり,作業を邪魔されたりする心配もない。

ロックを外してアームをスイングさせているところ(左)。本文では「最大まで開くとロックがかかる」と紹介したが,実際のところ,縦置きしている限りは,適当なところまで開いた状態でも,十分に安定していた。なお,写真では電源ユニットの筐体前方側についている金属製のプレートを外しているのだが,これは外さなくてもアームは動かせる
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 この状態で,マザーボード上のCPUやメモリスロットにはアクセスできる。さらにグラフィックスカードを取り外せるようにするには,2枚のカードを横断するように固定しているプラスチックの固定具も外す。
 ちなみに,固定具を取り付けるための溝は4か所あり,カードの長さやPCI Express補助電源コネクタの位置に応じて,最適な取り付け場所を選択できる。

左写真の赤枠内にあるのが,グラフィックスカードの固定具(左)。2枚差し専用というわけではなく,グラフィックスカード1枚でも固定できる。ネジで固定されているわけではないので,外すのは簡単だ(右)
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 よくできているなあと感心させられたのは,電源ユニット付きアームを開くと,「ドライバーを隙間に差し込み,先端で押せる場所を探す」とか,そういう不便なしに,PCI Express x16スロットのロックを指先で押して解除できるようになるところだ。側板を開けたときの密度感からして,こういう部分の配慮はほぼないと勝手に思っていたのだが,いい意味で裏切られた。

NVIDIA純正のSLI HBブリッジと,PCI Express補助電源ケーブルを外すと,グラフィックスカードの取り外しが可能に(左)。右はCPUに近い側のグラフィックスカードを取り外した状態で,ロック機構は指先で簡単に押すことができた
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パーツの交換は容易だが,ストレージ用のドライブベイは少なめ


 2枚のグラフィックスカードを外すと,マザーボード全体の姿を確認できた。AlienHeadのシルク印刷を除けば,ごく一般的なMicroATXタイプのマザーボードといった見た目である。
 DDR4 SDRAM用のメモリスロットは4本を装備。拡張スロットはPCI Express 3.0 x16×2と,PCI Express 3.0 x4×2という計4スロット構成だ。それに加えて,ストレージ用と無線LANカード接続用のM.2スロットを1スロットずつ備えている。
 なお,今回評価したAurora R5では,PCI Express 3.0 x4×2を除くすべてのスロットが使用済みだった。

マザーボードの全景。AlienHeadの描かれた液冷ポンプユニットがとても目立つ。拡張スロットは,PCI Express x16サイズが2スロットと,PCI Express x4サイズが2スロットという構成。そのほかに,チップセット右側にストレージ用,I/Oパネル部の右下に無線LANモジュール接続用のM.2スロットがある
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角度を変えて内部を見てみたところ(左)。前方下部に,外気を取り入れるファンがあった。また,簡易液冷クーラーのポンプユニットから伸びたホースは,筐体上部に取り付けられたラジエータへとつながっているのが分かる。右は,マザーボード基板側のAlienHeadシルク印刷に寄ったところ。その下には,「IPSKL-SC」という型番が書いてあった。ASUSTeK Computer製だと断言するつもりはないが,型番とそのフォントは,同社の組み込み向け製品っぽい
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 ストレージ用のスロットやベイは,前述したM.2スロットのほかに,筐体の下側に2.5インチHDDベイが2つ,筐体前方上側に3.5インチHDDベイが1つ用意されている。今回入手した個体では,M.2スロットと3.5インチHDDベイが使用済みで,2.5インチHDDベイは空いていた。筐体のサイズの割に,空いているベイが少なく,とくに3.5インチHDDベイの空きがない点は気になる人もいるのではないだろうか。
 なお,各ストレージベイは,ドライバーレスでストレージを付け外しできるタイプとなっている。

ストレージ用のM.2スロットには,東芝製で容量512GB,NVM Express接続対応でM.2 Type 2280フォームファクタのSSD「THNSN5512GPU7」が取り付けてあった(左)。筐体の下側には,2.5インチHDDベイが2つ用意されている(右)。実質的には2.5インチHDD互換のSSD用だろう。なお,Aurora R5には,余分なSerial ATAケーブルは付属していないので,これらの空きベイを使用するときは,自分でケーブルを用意して配線する必要がある
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筐体前面の上側には,唯一の3.5インチHDDベイがある(左)。試用機が装備していたHDDは,東芝製で容量2TBのSerial ATA 6Gbps対応HDD「DT01ACA200」だった(右)
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長く使いたくなる筐体のAurora R5


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 Aurora R5の筐体と内部のチェックは以上のとおり。
 密度の高い筐体の割に,内部へのアクセスは容易な点は評価に値する。また,スイングするアームにロック機構があったり,固定具を取り付ける溝を4か所も用意していたりするなど,Aurora R5の筐体は,使い勝手の向上を考慮した細かい気配りが行き届いているところがいくつもあるのもポイントだろう。
 さすがにマザーボードを交換してまで使い続けるのは難しいかもしれないが,古くなったパーツを交換することで,長く使っていきたいと思わせる価値を持った筐体を使った製品といえそうだ。

 若干残念なのは,3.5インチHDDを取り付けるベイに余裕がないところか。空きベイのある2.5インチHDDは,容量辺りの単価が割高だし,性能に影響するディスクの回転数が低めであるなど,価格帯性能比の点で3.5インチHDDには及ばないものだ。必要なストレージ容量の多いゲームをたくさんインストールしたいという人は,3.5インチHDDの増設ができない点は気になるかもしれない。
 その点を除けば,Aurora R5の筐体は,なかなか満足度の高いものに仕上がっていると言えるだろう。

デルのAurora R5製品情報ページ

デルのALIENWARE製品直販ページ

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