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全編これイトケン節! バトル曲から「下水道」までがバンド演奏。「サガ」シリーズ新作についての言及もあった,「One Night Re:Birth Again」の詳細をレポート
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印刷2014/01/22 00:00

イベント

全編これイトケン節! バトル曲から「下水道」までがバンド演奏。「サガ」シリーズ新作についての言及もあった,「One Night Re:Birth Again」の詳細をレポート

 2014年1月18日,作曲家の伊藤賢治氏が自ら手がけた「サガ」シリーズの楽曲を演奏するライブイベント,「One Night Re:Birth Again」が,東京・新宿文化センター大ホールにて開催された。

サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY

 タイトルに「Again」とあるように,このライブは伊藤氏が昨年2月24日に行ったライブ「One Night Re:Birth」(関連記事)の“再演”という形で行われたもの。CDアルバム「Re:Birth II / ロマンシング サ・ガ バトルアレンジ」や,2月26日に発売となる「Re:Birth II -閃- / サ・ガ バトルアレンジ」に収録されている楽曲の数々が,ロックバンド編成で演奏された。ただし再演とはいっても,新譜からの新曲や前回のライブでリクエストの多かった曲が演奏されるなど,よりバラエティに富んだパワーアップ版となっていた。
 また,前回と同じく行われたトークコーナーでは,サガシリーズの生みの親であるスクウェア・エニックスの河津秋敏氏が登場。イトケンの愛称で知られる伊藤氏と,軽妙なトークを繰り広げていた。
 本稿では,そのライブの模様とあわせ,閉演後に行われた伊藤氏と河津氏への合同インタビューをお届けする。サガファンの方は,最後までじっくりと読んでほしい。

「One Night Re:Birth Again」公式サイト

「Re:Birth II」公式サイト

「Re:Birth II -閃-」公式サイト



「下水道」からピアノ・ソロまで!

イトケンの演奏に来場者は大満足


 ライブ本編のレポートの前に,筆者らが特別に取材できた会場リハーサルの様子を少し紹介しよう。イベント当日に行われたリハーサルでは,演奏はもちろん,ライブの進行にあわせたさまざまな要点を,伊藤氏自らが舞台監督と協力してチェック。
 我々には本番と変わらぬ演奏に聞こえていても,曲を中断して各自のパートや全体のバランスを確認するなど,生演奏で表現するのには高等テクニックが必要な“イトケン節”を最高の状態で届けるべく,開場ギリギリまで微調整が行われていた。

サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY

サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY
 開場時間を前にして大行列が作られていただけに,会場内の観客達は開演前から盛り上がりムードでいっぱい。場内に流れるサガシリーズのBGMに聞き入る人,「エンペラーズ サガ」をプレイする人など,思い思いの時間を過ごしていた。中には頭上に電球マークの付いた閃きカチューシャを装着した人がいるなど,場内にはサガLOVEが充満。1800人という大会場は,文字通りの満員札止めで,サガシリーズ,および伊藤氏の音楽の人気を再認識することとなった。
 なお,ライブ開始前のナレーションを担当していたのは,前回に引き続いて声優の杉田智和氏。最初は普通に諸注意を読み上げていたのだが,途中からなぜか「帝都アバロンに巣食っていたアリです」と,「ロマンシング サ・ガ2」(以下,ロマサガ2)ネタへと展開。「公演中に携帯電話を鳴らすのはナシだ! でも,盛り上がるときに盛り上がるのは……アリだー!」とシメて,来場者からの拍手をもらっていた。

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会場となった新宿文化センター大ホールにはサガファン達の大行列が。ちなみにこの会場のすぐそばには,スクウェア・エニックスの社屋がある。開場前に,同社公式ショップARTNIAに立ち寄る人も大勢いた様子
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会場の入り口付近には,伊藤氏が楽曲を担当する「パズル&ドラゴンズ」のプロデューサー山本大介氏,そして「パズドラZ」の主題歌を歌う中川翔子さんからのスタンド花が!
前回同様,「ロマンシング サ・ガ」以降のシリーズでイラストを担当する小林智美氏の原画を展示。来月発売されるアルバム「Re:Birth II -閃-」のジャケットイラストも展示され,見物人で黒山の人だかりとなっていた
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 開演時間となり客席の照明が落ちると,「ロマンシング サ・ガ」(以下,ロマサガ)オープニング曲のアレンジバージョンに乗ってバンドメンバーが拍手で迎えられながら入場。伊藤氏の登場で,その拍手はひときわ大きく鳴り響いた。

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●One Night Re:Birth Againセットリスト
M1 必殺の一撃〜死闘の果てに メドレー(「サ・ガ2 秘宝伝説」)
M2 バトル1 メドレー(「ロマンシング サ・ガ」〜「ロマンシング サ・ガ3」&「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」)
M3 四魔貴族バトルメドレー(「ロマンシング サ・ガ3」)
M4 Believing My Justice(「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」)
M5 Battle #5(「サガ フロンティア」)
M6 下水道 (「ロマンシング サ・ガ」)
M7 七英雄バトル (「ロマンシング サ・ガ2」)
M8 邪聖の旋律(「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」)
M9 クジンシーとの戦い(「ロマンシング サ・ガ2」)
M10 Battle #1(「サガ フロンティア」)
M11 ラストバトル(「ロマンシング サ・ガ2」)
M12 ラストバトル(「ロマンシング サ・ガ3」)
M13 決戦!サルーイン(「ロマンシング サ・ガ -ミンストレルソング-」)

<アンコール>
M14 呼び醒まされた記憶(「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」)
M15 バトル2(「ロマンシング サ・ガ3」)
M16 Last Battle-Asellus- (「サガ フロンティア」)
M17 バトル2(「ロマンシング サ・ガ」)
M18 熱情の律動(「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-)
M19 オープニングタイトル-ピアノソロ-(「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-)

●バンドメンバー

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伊藤賢治氏(キーボード)
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土屋玲子氏(ヴァイオリン)
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寺前 甲氏(ギター)
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上倉紀行氏(キーボード,ギター)
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榎本 敦氏(べ−ス)
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山内 優氏(ドラム)
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和田貴史氏(マニピュレーター)
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岸川恭子氏(ボイスパフォーマー)

 トップを切って演奏されたのは,「サ・ガ2 秘宝伝説」から「必殺の一撃〜死闘の果てに メドレー」。新アルバム「閃」からの新曲にして,伊藤氏が当時のスクウェア入社後に初めて手がけた楽曲だけに,ライブ開始時の楽曲としては,これほどふさわしいものもないだろう。

 間髪を置かずに始まったのが,ロマサガ,ロマサガ2,「ロマンシング サ・ガ3」(以下,ロマサガ3),「ロマンシング サガ -ミンストレルソング」(以下,ミンサガ)の「バトル1 メドレー」。ロマサガのシリーズの歴史を一気に表現するかのような展開に,来場者は曲を聞き逃すまいと音楽に集中。もちろん,曲が終わると場内から喝采と歓声が沸き起こっていた。

 3曲目「四魔貴族メドレー」もまた速いテンポのメドレー曲で,ステージからはこれがロマサガライブだとばかりに,すでに前回を超える熱量が放出されてくる。激しくもテクニカルな曲構成に,伊藤氏が立ち上がってキーボードを演奏する一幕もあるなど,早くも場内の熱気は頂点に達するばかりとなった。

サングラス姿で気合の演奏を見せたイトケン氏。バンドメンバーは黒で統一した衣装でライブに挑んだ
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 3曲が終わったところで,やっとMCタイム。「One Night Re:Birth Again,始まったぞ〜!」との伊藤氏の叫びに,観客は拍手で応じる。
 前回と同じメンバーでの再演ができることに感謝の意を述べた伊藤氏は,上倉氏との掛け合いで軽妙なおしゃべりを披露。「昨年開催した佐野電磁氏との合同イベントで,自分がおしゃべり好きだと分かった」と言うと,上倉氏は「確かに電話で2〜3時間は軽く話しますもんね」と“イトケンの日常”を,少しだけ明らかにしていた。

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 続いての演奏は,またしてもテンポの速い激しい曲「Believing My Justice」と「Battle #5」。寺前氏の速弾きギターや,ショルダーキーボードでステージ前方へと躍り出た伊藤氏のパフォーマンスに,オーディエンスは立ち上がり,手拍子を打って応えていた。

ショルダーキーボードで2曲を演じた伊藤氏。ギターの寺前氏とのユニゾンで,激しいライブパフォーマンスを見せるシーンも
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 立て続けの激しい曲に「終わってもいい?」と冗談めかす伊藤氏の発言で,場内はクスクス笑いに包まれるほんわかムードに。そして,伊藤氏から次の楽曲が「下水道」であることが明らかにされると,観客は半分笑いながらも歓迎のリアクション。
 前回のライブで行われた“演奏してほしい曲アンケート”で選出されるほどの人気曲なのに,珍妙な名が付いた理由を伊藤氏は,「元々はキャラごとのフィールドテーマとして書いたが,行き場を失って」と定番の説明。その分,ネタも含めて今でも愛されているのでは,と語っていた。
 そんなMCに続いて演奏されたアレンジ版下水道は,カッティングギターやオルガンがビートを刻むファンキーなもの。メロディは確かに原曲とおりなのだが,予想に反して(?)カッコイイ仕上がりのアレンジに,次第に観客はノリノリとなっていった。


イトケン×河津神によるクロストーク

サガ25周年イヤーで新たなる展開が!?


 ライブが中盤に差し掛かったところで,ステージには河津氏が登場し,伊藤氏とのトークコーナーがスタート。河津氏は「今年の12月15日でサガ25周年なので,このライブを勝手に皮切りイベントと思ってる」と語り,現在でも,サガシリーズに深い思い入れがあることを冒頭から感じさせる展開に。
 トークでは伊藤氏が入社直後にMacの使い方を河津氏に教わったことや,初代ロマサガでアルベルトとシフの曲が逆だったといった昔話のあと,「エンペラーズ サガ」で行われた人気キャラ投票の話題にからめて,「伊藤君はエレンみたいな勝ち気な女の子より,サラみたいなおとなしい娘のほうが好きですか? そういう話の進展はないの?」と,河津氏がコイバナに持っていき,伊藤氏をたじろがせる一幕も。また,ステージ上でイトケンを写メってツイートする茶目っ気も披露していた。

来場者に配られたエンペラーズ サガのポストカードには,ゲーム中で行われた人気投票で上位入賞したキャラクター達の姿が。1位アセルス,2位キャット,3位ロックブーケ,4位ギュスターヴ,5位エレン,6位グレイ,7位カタリナ,8位かみとなっていた
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昔なじみということもあり,軽快なトークを繰り広げたふたり。伊藤氏が「昔の上司ですから(何を言われても)ハイと答えるしかない」と弱った表情を見せるシーンも
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「今日も去年に続いて神様をお呼びしたいと思います」と伊藤氏が話すと,なんと観客席に座っていた河津氏が立ち上がりステージへと登壇。トーク終了後は,再度客席へ戻っていった

 そして,誰もが気になるサガシリーズの今後については「去年の夏くらいの予定では,この場でなにか発表できるよう企んでいたんですけど,ゲーム開発ってだいたい遅れるもので」とコメントし,残念ながら具体的な言明はなし。ただ,「もうちょっと待っていただければ。伊藤さんとはまだ(楽曲制作の)契約も終わってないですし」とも河津氏は語っており,すでに“何か”が動いていることは間違いないだろう。
 トークコーナーの最後には,「コラボだったり,過去作のリリースだったり,もちろんエンペラーズ サガの新しい展開だったり。まだ言えないんですけど,新作発表ができたらいいな」という河津氏のコメントがあったので,今後の発表に期待したい。

昨年は伊藤氏の楽曲を聴きながらシナリオ執筆をしていたという河津氏。「また何十曲と頼んじゃうと思いますけど」と,何かのためのオファーをする気マンマンだっただけに,そう遠くない時期に新たなイトケン節が聴くことができそう? ちなみに,ライブの会場ロビーに展示された三邪神(サルーイン,デス,シェラハ)の原画について話題が及ぶと「三邪神,あれが……これ言っちゃいけないんだった(笑)。来週か再来週にオープンになる」と説明した河津氏。仕込みは複数用意されているようだ
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ついに七英雄がステージに再集結!?

さらに熱さを増したライブ後半戦


ステージ上はヴァイオリンを加えた7人編成となり,さらに厚みの増したサウンドが奏でられていった
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 河津氏がステージを後にすると,いよいよライブは後半戦へと突入。ヴァイオリンの土屋氏も加わった7人編成となったところで伊藤氏は「誰が呼んだか七英雄」と,ロマサガ2のキャラクターになぞらえる。
 ちなみに上倉氏視点によると,土屋氏がロックブーケ,ドラム山内氏がノエル,ベース榎本氏がワグナス,ギター寺前氏がスービエ,マニピュレート和田氏がボクオーン。そして伊藤氏は(暴れん坊の)ダンターグ,上倉氏はクジンシーらしい。


 そうして演奏されたのは「七英雄バトル」。ちなみにこの曲には「Re:Birth II」に収録されているジャズアレンジ版もあるが,「そちらは賛否両論あって」(伊藤氏)と,前回ライブと同じくロックアレンジ版を披露。ボトムのしっかりとしたロックサウンドに乗せて,哀しさを感じさせるヴァイオリンの旋律が場内に鳴り響いた。

 続いての演目「邪聖の旋律」は,静かなヴァイオリンソロから始まり,ヴァイオリンとギターのうねりのあるパートが絡み合いながらの展開が特徴的な一曲。終盤にはその旋律が,まるで聖と邪とが混ざり合うようなハーモニーとなって一層盛り上がる。

黒の衣装でバンドに加わった土屋氏。エモーショナルな演奏とアクションで,ライブに華々しさを添えた
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 伊藤氏と土屋氏との軽いトークで一呼吸を整えた後に演奏されたのが,「閃」に収録される新曲「グジンシーとの戦い」。ヴァイオリンによる主旋律→伊藤氏によるキーボードソロが印象的な一曲だが,

実はゲーム中にクジンシーとのバトル以外でも流れる理由を伊藤氏は「僕のテストプレイがヘタだったから,クジンシーとしか戦えなかった」と,ネーミング秘話を明かした
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 続いての楽曲も新アレンジとなる,「サガ フロンティア」(以下,サガフロ)の「battle #1」。サガフロ楽曲について伊藤氏は,「やってない曲があるけど,演奏するのが大変なので避けていた」と語っていた。それだけに,覚悟を決めての選曲であることが伺え,その気持ちを反映したような熱く激しい演奏が披露された。
 なお,MCで伊藤氏は,「シーン+数字」といったシンプルなネーミングが植松伸夫氏の影響であることを披露。しかしそれでは,シリーズが進むほど混乱してくるということで,自身や宣伝プロデューサーで曲名を考案していったと語っていた。


 いよいよ終盤を迎えたライブ。伊藤氏の「これからはラスト3曲!」との宣言の後に披露されたのが,オール・ボスバトル曲となるロマサガ2と3の「ラストバトル」,そして「決戦!サルーイン」。これまでのどの曲以上に激しく,そして崇高さを感じさせるサウンドをメンバーたちは熱演し,そして観客の大歓声がそれに応えるという熱気の渦が巻き起こっていた。

「温まって来たかい? サルーインいってもいいかな!?」と,最後の曲の演奏を始めた伊藤氏たち。ラストを飾るにふさわしい,ハードかつドラマチックな曲に,会場いっぱいのオーディエンスも拳を振り上げて応えた
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6曲にもわたる怒涛のアンコール

締めくくりは感動のピアノソロで


 怒涛のラストバトル三連発を終えたバンドメンバーが一度ステージから退場するも,さっそくアンコールを要求する鳴り止まない拍手が場内を包む。それもそのはずで,実は事前に伊藤氏が「また出てくるから」と,アンコールがあることを漏らしてしまっていたのだ。隠しごとのできない伊藤氏の人柄を感じさせる場面であるが,当然観客たちにとっては嬉しい展開であった。

 熱気冷めやらぬ場内に鳴り響いたアンコールは,その数なんと6曲。「まだ激しい曲残ってるぞ?」と煽る伊藤氏だったが,観客は大歓声にて「まだまだ来い!」という気持ちをステージ上に返す。
 アンコール1曲目は,ミンサガから「呼び覚まされた記憶」。二本のギターとベーシストの右手が休まる暇のないハイスピード曲で,音符がみっちり詰まったヘヴィなサウンドが場内をさらにヒートさせた。

 ヴァイオリンの土屋氏を再度加えて演奏されたアンコール2曲目は,ロマサガ2「バトル2」。 これぞ“ロマサガの正調バトル曲”といった憂いを含んだメロディが,ヴァイオリン→ギター→キーボードと転じるように奏でられていった。

お色直しして登場した土屋氏の姿に,場内からは「(ロックブーケに)魅了された!」との声も飛んでいた
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 続いての演奏は,待望の新曲「Last Battle-Asellus-」。サガフロのラストバトル曲として有名過ぎる一曲だけに,出だしを聴いただけで,すぐにこの曲であることが分かったファンは,人一倍の歓声をあげて盛り上がっていた。ちなみに人気曲ということで,「すごく緊張した」と語る伊藤氏の姿も印象的であった。


クライマックスな場面で登場し,見事なボイスパフォーマンを披露した岸川氏。先程のメンバー=七英雄トークの流れで,「岸川さんは……集合体?」と,なぜかラスボス扱いされる一幕も
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 伊藤氏が「もう一人,呼んでいいかな?」と招き入れたのは,ファンにはお待ちかねのボイスパフォーマー・岸川恭子氏。前回ライブでのオーラス曲「熱情の律動」を期待する観客を制するように伊藤氏は,「その前にもう一曲やるから」と,ロマサガ2「バトル2」を演奏することをアナウンス。CD「閃」に収録される同曲だが,それとは異なるアレンジで,このライブでしか聴けないバージョンであることが説明されると,観客の歓声は一段と大きなものに。
 ヴァイオリン,そして岸川氏のスキャットによるメロディが絡まるように響き渡るアレンジは,緊張感を煽るギターリフと合わせて,興奮のあまり背筋がゾクゾクしてくるような仕上がりとなっていた。

 そしていよいよライブは大詰め。アコースティックギターの激しい旋律から始まる「熱情の律動」が流れだすと,来場者の全員が大きな手拍子でリズムを刻み出し,会場全体が文字通り一体となった。

もはやライブの締めには欠かせない「熱情の律動」。スパニッシュな伴奏に載せて,岸川氏の熱い歌声が轟く様子は,まさに曲名そのものだ
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 熱情の律動で大いに盛り上がり,メンバー全員が両手を掲げてライブは終了……と思いきや,なぜかステージ中央にあるキーボードの前へと,一人戻る伊藤氏。「どうもありがとう。本当はね,熱情で締めたかったんだけど,もう一曲」の前置きに続いて演奏されたのが,ピアノソロによるミンサガ「オープニングタイトル」。激しいバトル曲を中心に構成された本公演だったが,最後には優しく体中に染み渡るようなピアノの音色がしんみりと響き,来場者も名残りを惜しむかのように静かに聞き入っていた。

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最後にあえて静かな曲を選んだ伊藤氏。演奏を終えて送られた来場者からの拍手に大きく手を降って応え,最後には深々と頭を下げてステージを後にした
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 こうして全19曲という長丁場を,大盛況のうちに完走した今回のライブ。終了後もオーディエンスの興奮は冷めやらなかったようで,終演のナレーション後にもあらためて拍手が沸き起こるなど,興奮覚めやらぬ様子で会場を後にしていた。


ライブを終えた伊藤氏と河津氏に聞く

演奏後の気持ち,そして新たなるサガへの意気込み


――今日のライブの感想をお願いします。

伊藤氏:
 今回は勢いだけでなく,ミュージシャンにとってテクニカルな部分を含めた選曲と演奏だったので,ちょっと玄人好み。そこに満足してくれる方もいらっしゃたかなと。
 そういった意味では,前回よりも一段階アップした意識を持って挑みましたね。もちろん,シンプルに楽しんでいただけた反応も感じているので,嬉しかったです。

河津氏:
 非常に盛り上がりましたね。自分も楽しめたし,奏者の皆さんがノッていたのも分かったので,良かったです。前回よりも会場が大きくなってどうなるかと心配な部分もありましたが,バトル以外の曲もすごい盛り上がっていただけて。
 今後もいろんな曲が聴けると思うから,次はNHKホールか東京国際フォーラムA(クラスの大箱)かな,と期待しています。

――最後の曲をミンサガの「オープニングタイトル-ピアノソロ-」にすることは,事前に決めていたことですか?

伊藤氏:
 狙っていましたね! 自分でもシミュレーションして「もしかしたら泣くかも」と思っていたんですが,皆さんの楽しげな反応や満足感が伝わったので,それに支えられて泣くことなく満足な演奏ができました。

河津氏:
 前々回,前回は泣けてきたんですが,今回は意外と冷静に聴けました。「狙ってるなイトケン」って(笑)。
 お客さんに「立って!」とか,アンコールがあることをばらしちゃうとか,普通のコンサートではありえないことがあったからかも。

――今回演奏した曲の中で,アレンジが一番お気に入りなのは?

伊藤氏:
 「Last Battle-Asellus-」かな。ノリだけではなく,クラッシックという自分のバックボーンも活かした盛り上げ方になっているんです。研究しながらのアレンジは難しかったんですが,それを超えて完成したときは嬉しかったですし,これは聴かせないともったいない! と。
 ステージングをどうしようかという部分までイメージをしての曲作りだったので,そういった集合体の頂点がこの曲ということです。

――アレンジにはどのくらい時間がかかるものでしょうか?

伊藤氏:
 かなりかかります。ゲームボーイやスーパーファミコンで作った楽曲は,一度そこで完結をしていますから。それをあらためてリアレンジするというのは,別の産みの苦しみですね。

――ステージから客席を見たときの感想はいかがでしたか? また,観客の年齢層はどう見えました?

伊藤氏:
 意外と冷静にいられましたね。というのも,去年の大晦日のアニメイベントでこのステージに立っていたからなんです。そこで下調べみたいなことができたので,「うわっ!」となるようなことはなかったです。
 今回のお客さんは,20〜30代くらいの人が多いのかなと。招待したお客さんの中には「ロマサガ3を小学生のときにやっていました!」という方もいて,ちょっとショックを受けました(笑)。

――今回ついに「下水道」のアレンジ版を公開されましたが,ちょっとファンクっぽい仕上がりにはどんな狙いがあるんでしょうか? 演奏時のお客さんの反応を含めてお聞かせください。

伊藤氏:
 前回のコンサートでのアンケートで「下水道」が選ばれたわけですが,同じ“バンドサウンド”で演奏することが分かっていたので,そこでどうしようと考えて。僕はギターサウンドが好きなので,寺前くんのプレイを活かすためにはファンクがいいだろう。意外にやっていないジャンルだったし,彼にとっても新たな挑戦として広めていけたらいいな,と。
 お客さんの反応は……「おお〜!」みたいな(笑)。こう来たか,と半ば驚いたんじゃないでしょうかね。逆にどんなアレンジを想像していたのか,皆さんに聞いてみたいですね。

河津氏:
 元々が苦し紛れにあの場所(エスタミルの下水道)に当てはめた曲なのでね(笑)。結果的には,スーパーファミコンの半透明機能を使ったキレイな表現にマッチしていたかなと(笑)。

伊藤氏:
 制作者の意図から完全にはずれて,ファンの方達が楽しんでますよね。それも嬉しく思っています。

――河津さんはシリーズ25周年に向けた動きとして,移植やコラボについて語られていましたが,そのあたりをもう少し具体的にお聞かせいただけますでしょうか?

河津氏:
 コラボについては相手側があってのお話ですので,この場ではお話できないんですが,来月以降に順次発表していくということだけはお知らせできます。ゲーム同士のタイアップもありますし,それ以外のコラボもあります。
 移植については,各プラットフォーマーさんが,バーチャルコンソールやアーカイブスといった場所を用意されていて,昔のタイトルをプレイする環境がないわけではないんですけど,遊べるハードを持っていないという方もいると思います。プラットフォーマーさんに頼っていると,ロマサガとサガフロは,同時に一つのハードでは遊べませんので,それに対応する何かはやりたいなと思って,準備を進めています。

――伊藤さんに作曲オファーをするようですが,具体的にはいつ頃になりそうですか?

河津氏:
 それはまだですね。契約も終わっていないので(笑)。

伊藤氏:
 とりあえずこの間,一緒にご飯を食べました。そのレベルですけど……だからある意味怖い(笑)。

――新作は,ロマサガだと考えてもいいのでしょうか?

河津氏:
 タイトルまでどうするか,といった具体的なところまでは動いていませんが,ロマサガと付けるのであれば,1,2,3を遊んでくれた皆さんが抱いているイメージと合致しないといけないでしょうし,別のタイトルにするとなると,また新しい名前を考えないといけないので,それはもまたたいへんだなと(笑)。
 セールス的にはもちろん「ロマンシング」を付けたほうが話は早いんですけど,結局のところ“プレイヤーがどう楽しんでくれるか”が一番重要なので,そのあたりはもうちょっと中身が出来てから考えたいと思っています。

――今後,伊藤さんがサガの新作の曲を手がけるとして,どんな曲にチャレンジしてみたいですか?

伊藤氏:
 その時になってみないと分からないですね。音楽に限らず,その時に自分が影響を受けているもので表現や音楽制作は変わっていきますので。予定は立てずに,その場で求められるものと自分の出したいものを合わせて,という“出たとこ勝負”でいいんじゃないかと。その時に出したものが,旬だったという意識で,僕はやっています。

――ありがとうございます。

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 取材終了後,関係者と立ち話をしている伊藤氏に挨拶をしつつ,「次は3000人規模の会場ですね」(関連記事)と声をかけると,伊藤氏は「3000人規模の会場より小さいですけど,中野サンプラザでやってみたいんですよ。山下達郎さんとか,一流のミュージシャンが多く立っている舞台ですし」と,次なる夢を語ってくれた。
 今回のライブの盛況ぶりから察するに,きっとこうした機会はまた設けられるはず。それがどの会場で行われるのかも含め,今後の動きに期待したい。

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「Re:Birth II」公式サイト

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