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フルラウンドまでもつれ込む大接戦となった「LJL 2016 Summer Split Final」レポート。IWCQ日本代表の座は,雪辱を果たしたRampageの手に
このイベントは,今年5月から8月にかけて行われてきたLoLのリーグ戦「League of Legends JAPAN LEAGUE 2016 Summer Split」(以下,LJL)を戦い抜いた上位2チームによって,その頂点が争われるというもの。優勝チームには,日本時間8月25日〜30日にブラジルで開催される世界大会「International Wildcard Qualifier 2016」(以下,IWCQ2016)の出場権が与えられることもあって,多くのLoLファン達が観戦に駆けつける,大イベントとなった。本稿では,激戦に次ぐ激戦が繰り広げられた現地の模様をお伝えしていこう。
「LJL 2016 Summer Split Final」公式サイト
「League of Legends」公式サイト
IWCQ日本代表の座をかけた,RPG vs. DFMの3度目の戦い
上位3チームが9勝1敗,8勝2敗,7勝3敗と1ゲーム差で並ぶ混戦となった今シーズンのLJL。激戦を勝ち抜いて決勝戦まで駒を進めたのは,「絶対王者」DetonatioN FocusMeと,今シーズン目覚ましい成長を遂げ,シーズン1位の成績を収めたRampageの2チームとなった。決勝の舞台に臨んだ両チームのメンバーは以下のとおりである。
■決勝戦出場チーム
- Rampage(以下,RPG) Paz選手(Top) / Tussle選手(Jungle) / Roki選手(Mid) / Meron選手(ADC) / Dara選手(Support)
- DetonatioN FocusMe(以下,DFM) Yutapon選手(Top) / DayDream選手(Jungle) / Ceros選手(Mid) / Hikari選手(ADC) / viviD選手(Support)
まず,両チームについて,簡単に説明しておこう。
DFMは,LJL内で圧倒的な力を示し,王者として君臨するチームだ。国際試合の経験を豊富に持っており,戦術にも幅があることから,長期戦になりがちなBest of 5形式で強さを発揮する強豪である。
今シーズンからは,国内最強のADCと噂されながらも表舞台には出てこなかったHikari選手を獲得し,さらに韓国のプロチーム,CJ Entusに所属していたDayDream選手をJunglerとして迎え入れたことで,個人スキルに関してはLJL随一のチームと目されていた。しかし選手の入れ替えによって混乱が生じたのか,シーズン序盤でチーム内の連係にミスが見られ,リーグ戦は2位通過という結果に甘んじることに。
一方のRPGも,DFMと同じくLJL設立当初から活躍するチームで,LJL2015,LJL2016とDFMと決勝戦を争ってきた強豪だ。しかし,過去の2戦――LJL2015では3-2でDFMが逆転勝利,またLJL2016でも3-0でDFMが勝利という結果に終わり,常に2位に甘んじてきた経緯がある。言わば,DFMはRPGにとって「目のたんこぶ」というわけで,今大会は2度の屈辱を晴らす絶好の機会といえる。
今大会のチームメンバーは,試合を動かす能力に長けたTussle選手,Dara選手を中心に構成されており,そこに瞬間的な判断力に優れ,華のあるプレイが期待できるPaz選手,Roki選手,Meron選手という面子が揃えてきた。これにより,やや劣勢という場面からでも,一瞬のスキをついて相手に襲いかかり,試合をひっくり返せる逆転力のあるチームとなっている。
そうして始まった決勝戦。お互いの実力は伯仲しており,1試合目はRPGの勝利,2試合目はDFMの勝利,3試合目はRPG,4試合目はDFM……と交互に星を取り合うシーソーゲームとなった。1試合が40分前後かかる本作では,インターバルを含め,ここまでで4時間の長期戦である。
決着をかけた最終戦は,両チームのTOPレーナーでであるPaz選手,Yutapon選手がそれぞれ見せ場を作りつつも,35分までチームの所持金総額がほぼ五分という,大接戦となった。
この状況で,バロン周辺での集団戦の口火を切ったのはRPG。DFMはこれをうまく捌き,Yutapon選手がナーのアルティメットスキルで敵4人に対してノックバック+スタンを狙う展開に。これを瞬時に察知したRPGのMeron選手は,スキルを食らう直前にフラッシュを使用し,壁の向こう側へと回避。結果,ノックバック+スタンは3人に対してしか決まらず(それでも十分なファインプレイなのだが),生き残ったMeron選手が大きなダメージを出すことで,RPGが集団戦を制した。
こうしてRPGがバロンを獲得し,これまで絶妙な均衡を保っていたパワーバランスは,一気にRPG側へと傾くことに。RPGは,この勢いのままDFMのタワーを次々と破壊していき,3年越しの雪辱に成功。見事,「LJL 2016 Summer Split Final」優勝の栄冠を勝ち取った。
絶対王者としてLJLに君臨していたDFMに対して,ついに下剋上を果たしたRPG。「負けない」試合運びをしようとするDFMに対し,RPGの「勝ちたい」という気持ちが,わずかに上回ったような名勝負だった。
ここからは筆者の雑感になるが,これまでDFMは,国内で無類の強さを誇りながらも,国際試合で勝ちきれないことについて,「切磋琢磨できるライバルが国内に必要」と言われ続けて来た経緯がある。そんな中,RPGのように,DFMに対し同等の勝負を挑めるチームが現れてきたことの意味は大きいだろう。国内での競争が激化することで,両チーム,そして選手達の実力がさらに磨かれていくことに期待したい。
そして今回勝利したRPGには,8月25日〜30日にブラジルで開催される「IWCQ2016」にて,日本代表として各国の代表チームと戦う使命が待ち受けている。今脂が乗っているRPGがどんな活躍をしてくれるのか,期待しておこう。
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