イベント
「League of Legends」国内リーグ戦を制覇し,世界へ挑戦するのはどのチームか。「JAPAN LEAGUE 2015 SEASON1」の決勝戦をレポート
LJL2015は,2014年2月に行われた同名大会に続くもので,今回は昨年の上位3チームに3チームを加えた全6チームが参加し,日本最強を決める戦いが12週に渡って繰り広げられた。そして,決勝戦である3月29日に勝ちあがったのが,“DetonatioN Focus Me(以下,Det FM)”と“DetonatioN Rabbit Five(以下,Det RF)”。チーム名を見たとおり,この2チームは「DetonatioN」に所属する兄弟的なチームだ。なお決勝戦は,5試合中,3試合を先取したチームの勝利となる。
両チームのメンバーは以下のとおり。
●Det FM
BonziN選手(Top)
Astarore選手(Jungle)
Ceros選手(Mid)
Yutapongo選手(ADC)
KazuXD選手(Support)
●Det RF
Moyashi選手(Top)
Awaker選手(Jungle)
Estel選手(Mid)
Zerost選手(ADC)
7kane1選手(Support)
※選手名の後のカッコ内は,担当レーン,もしくはロール。野球やサッカーで言うところのポジションのようなもの。
なお本大会は,現地時間の4月24日から26日にかけてトルコのイスタンブールで開催される国際大会「International Wild Card Invitational」(IWCI)への出場権獲得もかかっている。
「IWCI」はRiot Games主催の「LoL」公式大会で,トルコ,CIS(独立国家共同体),オセアニア,ブラジル,ラテンアメリカ,東南アジア,そして日本代表を含めた7チームによって争われる。この「IWCI」で優勝したチームは,5月7日から10日にかけて北米で開催される世界大会「Mid-Season Invitational」へと招待され,アメリカ,中国,韓国,台湾,ヨーロッパから集まった世界最高峰のチームと戦うことになるのだ。
これまで,日本のチームは公式の国際大会に参加した経験が一度もない。本大会を足がかりにして世界へと羽ばたくのは,果たしてどちらのチームになるのか――大きな注目を集める一戦だ。
大会では滅多に見る機会がないチャンピオン「Udyr」をDet FMが選択(ピック)して会場がどよめいた一戦めは,一進一退の好勝負になった。その流れを変えたのは,ドラゴンとの戦闘後のyutapongo選手のプレイだ。
Det RFのメンバーが4人生き残っている不利な状況から,たった一人で1Killを獲得する。さらに,ドラゴンを狩っていた相手から1Killを奪い,Det FMがバロンを倒す時間を作り出した。これで流れに乗ったDet FMは,次々とオブジェクトを取得し,逆転勝利を収めた。
二戦めは,Det FMがDet RFのbot(Bottomの略)レーンを圧倒する。「Sivir」をピックしたYutapongo選手と,「Thresh」をピックしたKazuXD選手が,息の合ったプレイで敵に圧力をかけ続けたのだ。botレーンを助けるために,ほかレーンのプレイヤーを送り込んだDet RFだったが,これを素早く察知したDet FMは,BonziN選手,Ceros選手,Astarore選手を毎回のように同時に送り込み,集団戦を発生させて返り討ちにしていた。この構図は最後まで覆らず,有利な状況を拡大していったDet FMが勝利を収めた。
三戦めは,「Nunu」をピックしたDet FMのAstarore選手が,敵側Jungleの赤Buffを相手の目の前で奪取する。さらに,続く青Buffまでをも奪取して,相手チームのJungleを完全に制圧。これによって自軍Jungleのコントロールを完全に失ったDet RFは,ファームをする機会すらも与えてもらえず,完敗することとなった。
Jungle:中立クリープ(モンスター)のいる森
赤Buff:森にいるRed Bramblebackを倒すと得られるBuff
青Buff:森にいるBlue Sentinelを倒すと得られるBuff
試合結果の詳細は「こちら」の大会公式ページを参照
3試合連取という圧倒的な強さで勝利したDet FM。個々のプレイヤーの技量もさることながら,チーム全体としての戦術・連携といった面でDet RFを上回っていた印象がある。Det FMは2015年2月から給与制のプロゲーミングチームとして活動を始めており(関連記事),世界各国のプロチームとの練習試合などを日々こなしているということで,そうした活動の成果が,本大会で存分に発揮されたと言えるのではないだろうか。
本大会のMVPに選出され,5万円の賞金を獲得したYutapongo選手。「次の舞台は世界なので,勝つためにはもっと練習しなければいけないと思う。頑張るので応援よろしくお願いします」と述べた |
丁寧なワーディング(視界確保アイテムの設置)と,的確なスキルショットでチームに大きく貢献したSupportのKazuXD選手。「IWCIでは,1勝ではなく優勝を目指します」と力強くコメントした |
積極的なレーニングと,集団戦での活躍が光ったCeros選手。「これから世界に羽ばたいていくFocus Meをよろしくお願いします」とコメント。試合前から「今日は通過点に過ぎない」と語るなど,世界レベルのチームを目指しているという強い意志を感じさせた。※レーニング:クリープ狩りで経験値や所持金を稼ぐこと |
常に相手の行動を予見する頭脳的なプレイで,チームを支えたJunglerのAstarore選手。「3試合めは本当に楽しかったですね。やりたいことが全部できました」と嬉しそうに試合を振り返った |
度重なるGank(1人対多人数の状況)に耐えながら,自分の役割をここぞという場面でしっかりとこなしたBonziN選手。「(DetonatioNチームの)兄貴分の面目を保ててよかった」と,試合に勝ってほっとしている様子をのぞかせた |
決勝戦で戦った両チームが所属する「DetonatioN」代表のLGraN(梅崎伸幸)氏。「選手のみんなには感謝してもしきれないと思っています」と涙ぐみながら語った |
かくして幕を閉じた「LJL2015 SEASON1」。しかし,選手達も語っているように本当の戦いはこれからだ。冒頭の繰り返しになるが,本日の勝者となったDet FMは,4月24日から26日にかけてトルコで開催される国際大会「IWCI」で,海外の強豪チームと戦うことになる。果たして,日本のトップチームは世界に対してどこまで食らいついていけるのか。世界へと羽ばたき,挑戦していく日本人選手達の姿から目が離せない。
スポンサーのMONSTER ENERGYブース。エナジードリンクのMONSTERが無料で配布されていた |
会場に集まっていたコスプレイヤーの皆さん。全員LoLチャンピオンのコスプレだ |
会場の様子。200人以上の観客が集まった |
「League of Legends」公式サイト
- 関連タイトル:
リーグ・オブ・レジェンド
- この記事のURL:
キーワード
(C)Riot Games Inc. All rights reserved. League of Legends and Riot games Inc. are trademarks or registered trademarks of Riot Games, Inc.