連載
ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第17回「『ダークナイト』が全米大ヒット中! BATMANゲーム大解剖 その(6)」

この世に存在する映画原作モノの「BATMAN」ゲームを余すところなく紹介しようとしていたら,今回でなんと6回め。だがこれにて,この項目も最後となる。ラストを飾るのは,いわゆる“次世代バットマン”だ。
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「バットマン・ビギンズ」とその続編「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督は,ティム・バートン監督やジョエル・シュマッカー監督の描いてきたものとは異なる新たなバットマン像を打ち出している。物語の展開や登場するガジェットなどのディテールに徹底的にこだわり,過去のシリーズ作を含むアメコミを原作にした映画と比較して,もはや崇高さすら感じさせるほど,圧倒的に高いクオリティを誇る作品を作り上げてきた。とくに,登場人物それぞれにスポットを当て,キャラクター像を深く掘り下げている点は,バットマン・ビギンズとダークナイトに共通して素晴らしいの一言だ。
残念ながら最新作のダークナイトはゲーム化されていないが,バットマン・ビギンズは幅広いマーチャンダイジング展開が行われ,Xbox,プレイステーション2(以下,PS2),ニンテンドーゲームキューブ(以下,GC),ゲームボーイアドバンス,そして携帯電話用と,五つのプラットフォームに向けたゲームが,Electronic Artsからリリースされた。ちなみに,PSP版も開発されていたようだが,残念ながら日の目を見ることはなかった。
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クリスチャン・ベイル,マイケル・ケイン,リーアム・ニーソン(「Fallout 3」では主人公の行方不明になった父親役),ケイティ・ ホームズ,キリアン・マーフィ,渡辺謙,モーガン・フリーマン,トム・ウィルキンソン,マーク・ブーン・Jr.,ティム・ブースと,映画に登場した10人の役者がゲームでも声の出演をしているほか,スタントコーディネートやヴィジュアル・エフェクトなどは,映画版のチームが同時進行で関わっていたこともあり,Electronic Artsが発売したシネゲーの中でも,ここ最近における最高傑作と言えるほど,濃い作品に仕上がっている。
ストーリーは映画版に沿った展開でありながら,「スプリンターセル」シリーズで活躍していた脚本家J.T.ペッティーがゲームに適した形でシナリオを書いており,要所要所にオリジナル要素も盛り込まれている。
そう考えてみると,本作に見られるステルスアクション的な演出は,スプリンターセルシリーズのそれを彷彿とさせる。人によっては,クリスチャン・ベイル演ずるブルース・ウェインとマイケル・アイアンサイド演ずるサム・フィッシャーがオーバーラップする……かも!?
ゲームの基本は,パンチ&キック+様々なガジェットを使った戦闘だが,映画同様に素顔のブルースが修行するシーンも入っているし,ニンジャ軍団とバトルも含まれている。それより何より,映画と同じようにゲームでも,キャラクターの人間臭さが描かれているのが嬉しい。これだけ大御所の俳優達がこぞって参加しているだけあって,映画を観た後でプレイすれば,その臨場感も一層増すことだろう。
個人的に気に入っているシーンは,バットモービルを駆使してのパトカーやヘリコプターとのチェイス。ニトロを使って加速した時の感覚や,パトカーが執拗に追っかけてくるところなどは,映画さながらの完成度だ。この手のゲームにおけるチェイスシーンは,おまけのミニゲーム的な位置づけのものも少なくないが,本作に限っては良い意味で無駄に作り込まれている。このあたりは,ぜひ多くの人に体験してもらいたいところだ。
と,ここまでベタ褒めしてみたものの,最後に苦言も呈しておきたい。それは,日本語版がリリースされなかったことだ! BATMANゲーム史上どころか,シネゲー史上にも残るほどの出来を誇る作品なのに,どうして日本のエレクトロニック・アーツは発売してくれなかったのだろうか。日本語吹き替えとまでは言わないので,せめて日本語字幕版だけでも今から発売してくれないかなぁ……。
個人的には,ダークナイトの興行成績が残念なことに日本ではいまいちだったこともショックだが,バットマン・ビギンズのゲームが日本で発売されなかったことのほうがショックだった。やっぱり日本人とバットマンの相性が悪いってことなんだろうか。面白いのにね。
![]() ゲームボーイアドバンス版 |
![]() 携帯電話版 |
ドブ漬けゲームスープレックス(17)
アーケード
「北派少林 飛龍の拳」(日本ゲーム)
中学時代,ゲームセンターで遊んでいたフェイバリットゲームは,テクノスジャパンの「エキサイティング・アワー」と日本ゲーム(現カルチャーブレーン)の「北派少林 飛龍の拳」だった。そのことを知っているアーケード基盤マニアの友人から先日,「ジャンク基盤を大量に入手したんだけど,その中に飛龍の拳があったから遊んでみるかい?」と連絡が入った。なんせ,1985年にタイトー直営のゲームセンターで行われたロケテストから遊んでいたタイトルである。大喜びで遊びに行ってきた。
そういえば,ロケテスト時代のオープニングは,龍飛が筋斗雲っぽいものに乗って登場するという,「ドラゴンボール」っぽいものだった。しかし流通向けの製品版ではそのシーンは丸々カットされていたものである。ロケテ時代に極めるほどプレイしていたので,筋斗雲のシーンがなくなったことに気づいたときは,唖然としたものだ。
さてさて,23年ぶりにプレイしてみると,攻守に現れるマーキングシステムが,いまだに色あせていないことに驚かされた。少林寺っぽいところで行われるチュートリアルが終わると,3人の門下生と戦ってから,異種格闘技の世界大会へ。
この世界大会に登場する対戦相手がいい! 膝蹴りが最強なムエタイ戦士,飛び蹴りの強い空手家,トップロープを使った空中殺法で翻弄してくるマーシャルアーツタイツ姿のルチャ・ドール,ネックハンギングツリーを得意とする身長2m以上の大巨人プロレスラーなどなど,筆者の琴線に触れまくりで,久々に遊んでみても大興奮! 新作はもう出ないのかな……。
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